勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 日本経済ニュース時評

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    韓国はこれまでに2回、通貨危機に遭遇している。猛烈なウォン投機で急落したからだ。米中貿易戦争がすでに前哨戦が始まっており、中国人民元相場が急落する場面に遭遇すると、ウォンへの延焼が懸念される。

     

    6月5日の終値は1ドル=1072ウォンが、8月3日には1172ウォンへと下げている。韓国経済はアジアで輸出依存度の高い通貨として知られている。通貨専門家の間では、鉱山の「カナリヤ」役というありがたくない形容詞を付けられている。つまり、アジアで通貨異変が起これば、最初に下落するのがウォン相場とされている。韓国では、この事実を知らないようで、これに関する報道(カナリヤ役)は、全く見られない。

     

    それよりも、外貨準備高が増えていると鼻高々の記事が紙面を飾っている。

     

    『中央日報』(8月3日付)は、「外貨準備高、4024億ドル、過去最高を更新」と題する記事を掲載した。

     

     韓国の外貨準備高が6月に続いて7月にも過去最高を更新した。韓国銀行(韓銀)によると、7月の韓国の外貨準備高は4024億5000万ドルと、6月に比べて21億5000万ドル増えた。6月に初めて4000億ドルを超え、7月にまた過去最高となったのだ。資産別には有価証券部門(3749億1000万ドル)が前月比70億ドル増、SDR(特別引出権)が3億ドル増となった。預金は51億5000万ドル減少した。韓銀関係者は「預金を引き出して有価証券に投資したため」と説明した。韓国は昨年5月以降、世界で9番目」

     
    韓国は、過去の通貨危機の経験から、外貨準備高の記事は詳細を究めている。6月、7月と連続して過去最高だと報じている。内需不振の結果でもある。ともかく、外貨準備高の増加が通貨危機に備える上で、有力な武器である。ただ、この金額では安心していられないのも事実だ。IMFが勧告する韓国の適正外貨準備高(3814億~5721億ドル)水準から見て、7月末の4024億ドルは下限を超えた程度である。

     

    この不足分はどうするのか。

     

    通貨スワップ協定によってカバーすることだ。韓国の狙い目は、日本円と米ドルであるが、日米ともに素っ気ない態度を取っている。日本は、慰安婦問題の蒸し返しに嫌気して交渉を中断させたままだ。韓国は、国民感情から言って、「韓国から話を持出したくない」と発言している。日本にとってはなんのメリットもあるわけでないから、「ああ、そうですか」と聞き流している。韓国は、プライドに邪魔されているが、「もっと謙虚になりなさい」、そう言ってあげたいほどだ。

     

    米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、欧州中央銀行(ECB)、英国、日本、スイス、カナダの6カ国中央銀行と、2013年に常時通貨スワップ契約を結んだ。いわゆる、主要通貨間での通貨スワップである。韓国は、この中へ入りたいと狙っているがそれは高望み。「カナリヤ」が、世界通貨のトップの仲間になるには、まだまだ修行がたりない。「喝!!!」

     


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    日本の株価の時価総額が8月2日、中国上海市場の時価総額を抜き返して世界2位になった。日本では、特段の注目も集めていないようだが、中国では関心を集めている。株価は、将来を含めたその国の経済力を映す鏡である。その鏡に映った中国経済は、GDP規模で言えば日本の2倍以上だが、株価の時価総額は逆の結果である。中国の人々が、慨嘆するのも当然であろう。

     

    以下の記事は、『レコードチャイナ』(8月3日付)「日本の株式時価総額が中国を超えて世界2位 『すごいぞ、わが国』と言っていたのにー中国ネット」の引用である。

     

    (1)「ブルームバーグ・ニュースでは、『2日連続(注:8月1~2日)の下落により中国の株式時価総額は6900億ドル(約676兆円)となったが、日本は61700億ドル(約685兆円)となった。日本の株式時価総額は中国を越え、世界第二の株式市場となり、米国の31兆ドル(約3441兆円)に次ぐ規模となった。中国の株式時価総額は、2014年に日本を超え、20156月には10兆ドル(約1100兆円)の過去最高を記録していた』と伝えた」

    このニュースは、私のブログでも速報した。

     

    (2)「これに対し、中国のネットユーザーから『別に何の問題もないと思う』『これが日米中の三国の経済全体の実力を本当の意味で体現しているのではないかと思う』『次はGDP(国内総生産)でも超えられてしまうのかな』などのコメントが寄せられ、驚くべきことではないとの意見が多かった」

     

    ここでは、中国経済の現状を知っている国民にとっては「当然」という受け止め方だ。それだけ、経済の実態が悪化しているに相違ない。

    (3)「しかし、『すごいぞ、わが国』(注:中国の国威発揚のPR映画。国民へ強制的に見させた)と言っていたのに、いったいどこへ行ってしまったのだ?といぶかるユーザーや、8月1日には米アップル社時価総額が約1兆ドルとなったためか、『わが国の株価は全部合わせてもアップル6社分にしかならないのか!?』とするコメントも寄せられた。ほかには、『日本はあんなに小さな国なのに。これはすごいと言わざるを得ない』『20年以上が過ぎて今振り返ると、日本が意図的にバブルを崩壊させたのは正しかったのだと思う』と書き込むユーザー見られた」

     

    なかなか正鵠を得た批判に驚かされる。極めてレベルの高い中国経済批判である。現在の中国経済が「バブル経済」であることを正確に認識していること。バブルは早期に正常化させないと、負の効果がスパイラル的に膨らむことも歴史から学んでいるのだ。習近平指導部の経済知識を超えており、これら優れた国民が経済運営のカギを握るべきなのだ。実は、市場経済システムとは、国民の正確な経済認識が価格に反映される基盤である。中国は、計画経済でこの貴重な機会を潰して暴走中である。


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    戦前の台湾と韓国は日本統治下にあったが、両国の対日感情は真逆である。台湾が「親日」である一方、韓国は筋金入りの「反日」である。韓国は未だに、世界中で慰安婦問題を取り上げ、そのシンボルに「少女像」を建てている。

     

    台湾は、時間が経つとともに「親日」の度合いを深めている。東日本大震災では、最大の義援金を贈ってくれるなど、愛情のこもった態度だ。実は、日台間の正式な外交関係は切れている。日中復交の際に「一つの中国論」によってやむなく台湾との外交関係は終わった。それは、表面的のことだ。日台の両政府は、民間レベルという形式にして、互いの「代表事務所」を置いて、連絡を取り合う関係だ。米台も同様の関係にある。

     

    韓国は、日本統治時代の公的建物は全て撤去した。旧朝鮮総督府の建物は、世界的に文化的意義があると海外から指摘されていた。だが、「日帝(日本帝国主義)時代の遺産は全て抹殺」という方針で解体された。現在は、地名や法律用語に使われている日本語も全て「追放」すると力んでいる。台湾は、旧台湾総督府の建物を台湾政府が使用し、旧台湾高等女学校の建物は国会が利用するという「親日」ぶりである。こういう流れで、台湾では日本統治時代の建物を修復し保存するという。

     

    台湾『中央社』(8月3日付)は、「日本統治時代の台北工場修復へ 来年末着工21年完成予定」と題する記事掲載した。

     

    「日本統治時代の鉄道整備工場『台北工場』(台北市)の修復工事が来年末にも開始されることが2日、分かった。台北市捷運工程局の担当者が明らかにした。工事には7000万台湾元(約2億5400万円)余りを投じる。2021年完成予定。清朝時代の『機器局』を前身とし、1909年の増築工事を経て鉄道車両やレールの整備工場になった。戦後、台湾鉄路管理局(台鉄)によってイベントホールとして使用された。建物の屋根の部分には、清朝時代の金属トラスがそのまま残っている。2010年に市定古跡に登録された。林欽栄・台北市副市長が視察に訪れ、建築の専門家などから説明を聞いた。捷運工程局の担当者によると、同局は来年5月に修復計画を文化局に提出し、審議を通過すれば工事を入札にかけるという」

    台湾では、日本統治時代の民家も多く保存されている。レンガ造りであるから耐久性に優れているのだろう。台湾が、2億5400万円もの公費をかけて保存しようとするのは、歴史を正視する姿勢によるものと思われる。韓国には絶対に見られない態度だ。歴史には、良いことも悪いこともある。これが織りなされて現在があるわけで、不都合な部分は消してしまうわけにはいかないのだ。韓国は、不都合な部分の存在すら認めない狭量な姿勢である。

     

    台湾企業と韓国企業を比較して気づくことは、台湾の積極性と韓国の消極性である。台湾は、戦前の日本の近代化教育を基盤にITなど独自の発展コースを辿っている。韓国は、日本の資本と技術で発展基盤を整えたが、次の発展コースに乗れず苦闘している。再び、「日本詣で」を始めるという不甲斐なさだ。結局は、「反日」という形で日本に甘えている構図に見える。思春期特有の精神状態であろう。ここから卒業して、「大人」にならなければ反日は収まるまい。

     

     

     

     


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    上海総合株価指数は、8月2日に前日比2%下落の2768ポイントで終わったが、3日も続落して2744ポイント(下落率1%)で引けた。米中貿易戦争の影響を懸念したもの。

     

    『ブルームバーグ』(8月3日付)は、次のように伝えた。

     

    「ブルームバーグの集計データによると、中国株は2日の下落で時価総額が6兆900億ドル(約680兆円)に目減りした。これに対して日本株は6兆1700億ドル。世界最大の株式市場は米国で、時価総額は31兆ドルをやや上回る水準だ。中国株式市場の時価総額は2014年終盤に日本を抜き、世界2位に浮上。15年6月には10兆ドル超の過去最高を記録した。上海総合指数は年初来で16%余り下落し、世界の主要株価指数でもパフォーマンスの悪さが目立つ。人民元は対ドルで5.3%下げている。米国との貿易摩擦や政府主導の債務削減の取り組み、景気鈍化が打撃となった」

     

    2015年6月に、中国の時価総額は10兆ドル超の過去最高を記録したが、その後は下落基調に転じて、8月2日には6兆900億ドルへ下落。日本の6兆1700億ドルを下回った。日本の世界2位浮上は4年ぶりだ。日中経済の勢いの差が株価に現れている。



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    吉村洋文市長が7月24日、サンフランシスコ市のロンドン・ブリード市長に次のような書簡を送ったことが判明した。大阪市は、米国サンフランシスコの公園に設置された慰安婦像が、今後も設置される場合、姉妹都市提携を解消するとしたもの。吉村市長は、前サンフランシスコ市長に当てた書簡でも慰安婦像の設置継続であれば、60年にわたる姉妹都市提携を解消すると明らかにしていた。今回も同様の内容である。

     

    以下の記事は、韓国の『中央日報』(8月1日付)が、「慰安婦像を撤去しなければ姉妹提携解消、大阪市が米サンフランシスコ市をまた圧迫」と題する記事を掲載した。韓国メディアが、この問題をどのような視点で捉えているかを知るためである。

     

    (1)「昨年、サンフランシスコに設置された慰安婦像は、韓国と中国、フィリピンの3人の少女が互いに手を取り合って背中合わせに円形に立ち、これを慰安婦被害者の金学順(キム・ハクスン)さんが見つめる構図となっている。像はカリフォルニア・カーメルで活動する著名な彫刻家Steven Whyte氏が「女性の強靭さの柱(“Comfort Women” Column of Strength)」というタイトルで製作した」

     

    (2)「昨年11月、当時のサンフランシスコ市長エドウィン・リー氏は、市内にあるセント・メリーズ公園に設置された慰安婦像の受け入れを公式化する文書に署名した。これに対し、サンフランシスコと姉妹提携都市である大阪市は、1カ月後に幹部会議を開いて提携解消を正式に決めた。だが、同月、親韓派に挙げられてきたリー氏が急逝し、大阪市は新市長の就任を待って書簡を送った」

     

    (3)「吉村市長は、『慰安婦像をサンフランシスコの公共物として扱わず、両市の市民が友好的に交流できる環境をつくる意向があるのなら、姉妹都市関係を継続することに異論はない』と迫った。また、吉村市長は今年9月末までの回答を求めたと共同通信は伝えた」

     

    サンフランシスコ市のロンドン・ブリード市長は、今年7月11日就任である。まだ日も浅いが、問題の経緯は充分に理解されているだろう。過去60年にわたる密度の濃い交流の歴史があるだけに、日本への理解も十分と思われる。日本が、第二次世界大戦後歩んできた道と、世界的にも平和国家という高いイメージ(ランキングでは5~6位)を得ている現実を十二分に理解して欲しいものだ。


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