勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    韓国は最近、二つの点で「日本」を意識せざるを得ない事態へ追い込まれている。一つは、「ホワイト国除外」である。もう一つは、生産年齢人口(15~64歳)の減少である。この人口動態変化は、完全に日本型へ移行した。総人口に占める生産人口減少は、2013年がピークであった。韓国経済の潜在成長率は2014年以降、下り坂に入っている。ジタバタしても始まらない段階に突入しているのだ。

     

    『朝鮮日報』(10月2日付)は、「韓国の生産人口減少→数年後にデフレ、日本型不況と類似」と題する記事を掲載した。

     

    この記事を書いた記者は、「人口ボーナス期」と「人口オーナス期」という明確な認識を欠いている。だから、タイトルが「韓国の生産人口減少→数年後にデフレ」と悠長なことを言っている。生産年齢人口比率がピークであった2013年の翌年から、すでに「人口オーナス期」に入っているのだ。潜在成長率の低下局面入りである。

     

    こういう事態にも関わらず、経済音痴の「文在寅」なる大統領が登場した。下り坂の歯車をさらに勢いをつけて回すという不運に出遭っているのだ。心から同情を申し上げるほかない。

     

    (1)「韓国の消費者物価が史上初めて2カ月連続でマイナスを記録し、景気低迷と物価下落が重なるデフレを警告する声が高まっている。景気面では企業が投資を減らし、消費者は財布のひもを締め、生産と雇用が不振を繰り返している。こうした中、0%台で推移していた物価上昇率が8月以降マイナスに転落し、典型的なデフレパターンと似ているとの意見が相次いでいる」

     

    消費者物価は、今年1月から突然「0%台」の上昇率に鈍化した。昨年までは「1%台」であった。この8月、9月と連続「マイナス基調」へ落込んでいる。統計開始以来の事態である。経済の基調は、需要不足で冷えてきたからだ。「人口オーナス期」へ入ってという現実を突付けられたというべきであろう。

     

    (2)「専門家が現在の韓国経済をデフレ初期と見なす根拠は、緩やかなインフレが起きる過程で正反対の現象が起きているからだ。単純に物価が下落したからではない。投資と消費が減り、それに伴う雇用と内需の低迷が長期化し、経済心理が委縮するなど韓国経済の活力が大幅に低下している。設備投資は昨年5月から今年8月まで16カ月連続で減少(前年同月比)し、同じ期間に経済心理指数(季節調整済み)もマイナスが続いた」

     

    韓国経済は、2014年以降に「人口オーナス期」入りしていることを認識せず、文政権によって最低賃金の大幅引上げという「自殺行為」を冒した。これが、体力を消耗させている。こういう微妙な段階で、経済に逆行する最賃政策が決定的に韓国経済を弱体化させた。

     

    (3)「国際的な信用格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、韓国の成長率見通しを2%から1.8%に引き下げた。S&Pは「景気見通しに対する家計と企業の確信が大幅に低下し、輸出減少につながり、同時に輸出の伸びも鈍化した」とし、「設備投資は今年上半期に前年同期比で12%減少し、特にぜい弱だった」と指摘した。今年の成長率見通しを1%台に引き下げる経済シンクタンクが徐々に増えている」

     

    S&Pが、今年のGDP成長率を1%台に引下げたのは当然のこと。輸出が落込んでいる上に、内需が強引な最低賃金の大幅引上げで破壊されている以上、当然の結果である。「弱り目」(人口オーナス期)に「祟り目」(最賃大幅引上げ)という、ダブル・ショックが起こっているのだ。

     

    (4)「韓国経済の最近の状況は1990年代の日本と類似しているとの評価が多く聞かれる。日本は1990年代半ばに生産年齢人口(1564歳)が初めて減少し、数年後にデフレが本格化し、長期不況の泥沼に陥った。韓国も2017年に生産年齢人口が初めて減少(24000人減)し、2年後の今年に初めてマイナス物価となった。20年程度の時差を置き、日本の同じ轍(てつ)を踏んでいる。慢性化する低成長とともに、家計の平均消費性向が低下した点、最近輸出低迷などの危機に直面した製造業中心の産業構造も日本が歩んできた道と似ている」

     

    日本の場合、1990年にバブル経済が崩壊し、その直後に人口オーナス期入りした点で、2重の負担がかかった。しかも、急激な円高の嵐で輸出産業は大打撃を受けたという意味で、まさに「歴史的な苦難期」に遭遇した。それから比べれば、韓国経済の試練は軽い。ただ、国内政治が、正確な問題意識に欠ける点で病症を悪化させている。イノベーション能力の欠如が随所に見られる。

     

    (5)「日本の長期不況は1980年代に株式・不動産価格が急騰した後、90年代初めにバブルが崩壊したことで始まった点が韓国とは異なる。LG経済研究院のイ・ジピョン常勤諮問委員は「韓国にはまだバブルの兆候が表れてはいないが、生産年齢人口の減少と高齢化で経済活力が大幅に鈍化している点で日本と似た部分が多い。マイナス物価から早期に脱却できなければ、韓国も日本のような長期不況を経験しかねない」と述べた

     

    下線をつけた部分は、日本と完全に同じパターンである。私は、韓国の政治状況が日本以上に硬直的・対立的であること。ゆえに、妥協を知らない「激突型民族」であることを最も危惧する。保守・革新の対決は水と油である。同じ民族とは思えないほど、角突き合わせているからだ。韓国は、「進歩国」と「保守国」の「一国二制度」に分かれた方が上手くいくだろう。

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    ノーベル賞の季節が巡ってきた。今月7日のノーベル生理学・医学賞の発表を皮切りに、8日物理学賞、9日化学賞が発表される。韓国基礎科学研究院(IBS)は3日、「ノーベル賞と基礎科学育成戦略:韓国と日本の比較」という報告書を出し、韓国の基礎科学の歴史は日本に比べて浅いが、最近急成長を遂げていると明らかにした。また、日本との格差は認めるものの、日本の成功経験をベンチマーキングしようとする努力が今よりも増えれば、韓国科学者のノーベル賞受賞も遠くないとの戦略を提示した。

     

    韓国が、日本との科学研究の蓄積の差が大きいことも認めている。日本は1868年の明治維新で幕府体制が崩壊しながら職を失った下級侍を西洋に国費留学生として大勢派遣した。彼らが帰ってきて研究者・教授として現代の基礎科学を日本に移植させた。1886年から東京帝国大学をはじめとする7つの帝国大学を設置し、最先端科学研究とエリート教育を開始した。また、1917年にはアジア初の基礎科学総合研究所である理化学研究所(RIKEN)を設立した。20世紀初頭にすでに世界水準の基礎科学に対する研究環境を整えたと認めている。だが、最近の韓国はここで怯まないのだ。

     

    韓国は、最近の日韓対立でノーベル科学賞でも戦いを挑む気配だ。こういう面の競争は大いに結構。「不買運動」よりも明るいからだ。だが、迫り来る第4次産業革命の特許技術では、日本に大きく水を開けられているという。

     

    『韓国経済新聞』(9月27日付)は、「韓国、第4次産業革命の特許競争力で日本に大きく後れを取っている」と題する記事を掲載した。

     

      韓国の第4次産業革命分野の標準特許が日本の4分の1水準に止まることが明らかになった。海外特許出願も日本の半分にも及んでいないことが分かった。

    (1)「自由韓国党のキム・ギュファン議員は9月26日、特許庁が提出した「知識財産関連韓日比較」の資料によると、2018年末を基準としてモノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、知能型ロボット、ビッグデータ・クラウド、3Dプリンターなど4次産業革命の5大分野の標準特許は、日本が371件、韓国は106件となった。標準特許は国際標準化機構(ISO)、国際電気標準会議(IEC)、国際電気通信連合(ITU)など国際標準化機構が定めた標準技術を含む特許だ。該当特許を利用しなくては関連製品を生産することがほとんど不可能だ」

     

    モノのインターネット(IoT)

    人工知能(AI)

    知能型ロボット

    ビッグデータ・クラウド

    3Dプリンター

     

    前記の4次産業革命の5大分野の標準特許は昨年末で、日本が371件、韓国は106件という。日本は、韓国の3.5倍である。

     

    (2)「 海外特許出願も日本と大きな差を見せるということが分かった。2017年を基準として日本の海外特許出願は19万9006件であることに比べて韓国は6万7245件で、3分の1水準だった。韓国内出願1件当たり海外出願も韓国は0.42件で日本(0.77件)の半分水準にとどまった。 優秀特許の割合も韓国が日本に後れを取っている。2013~2017年米国に登録された韓国特許の中で優秀特許の割合は18.7%であるのに比べて日本の優秀特許の割合は21.8%だった。特許審査の処理期間も韓国が日本より長かった。2018年を基準として韓国特許庁の1件当たり平均特許審査処理期間は10.3カ月だが、日本は9.3カ月で平均1カ月が短かった」

     

    2017年を基準として海外特許出願数

    日本 19万9006件

    韓国  6万7245件

     

    韓国は、日本の3分の1水準である。これを見ると、日韓の差が歴然としている。ノーベル科学賞と特許出願数は、直接の関係はないとしても無関係ではあるまい。こういう面での競争は大いに歓迎だ。

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    北朝鮮のミサイル実験は、ついに発射舞台を海上へ変えてきた。今回は、潜水艦からの直接発射でないが、その一歩手前の段階にまでこぎ着けている。潜水艦からの発射となれば、韓国は防御手段に欠けるとして、危機感を募らせている。そうなると、日本の出番である。日本海に常時潜航する潜水艦部隊が、北朝鮮潜水艦を探知するからだ。

     

    こうして、大見得切ってGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)廃棄を決めた韓国は、はたと困惑の色を浮かべざるを得なくなっている。韓国国防部は、恥を忍んで日本側に「情報提供」を依頼してきた。

     

    『朝鮮日報』(10月5日付)は、「南官杓駐日大使、『GSOMIA破棄は遺憾 復帰が望ましい』」と題する記事を掲載した。

     

    南官杓(ナム・グァンピョ)駐日韓国大使が4日、「韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は復帰が望ましいと考えている」と述べた。

     

    (1)「南官杓大使は同日、駐日韓国大使館で行われた国会外交通商委員会の国政監査で、「GSOMIAを破棄しても情報交流は全く問題ないのか」という尹相現(ユン・サンヒョン) 議員=自由韓国党=の質問に、「GSOMIA終了という事態は韓日両国間において望ましくない状況であり、このような状況が起こらざるを得ない局面は遺憾だ」と語った。キム・ソンハク駐日国防武官(海軍准将)も同日、「情報は一つでも多く持っている方がいい。GSOMIAは韓日関係から離れて友好国との関係、北東アジア情勢も考えなければならない」と述べた

     

    韓国政府決定のGSOMIA破棄について、駐日韓国大使はGSOMIAの継続性を訴える内容の発言をしている。また、国防武官までが同一の発言をしている点に注目が集まる。

     

    (2)「日本の輸出規制への対抗措置であるGSOMIA破棄決定に関して、韓国外交部当局者が「復帰」を強調したのは、強硬な韓国政府の従来の姿勢と温度差があるという見方もある。外交消息筋は「先月23日の韓米首脳会談以降、GSOMIA破棄について韓国政府内で慎重論が取りざたされているようだ。青瓦台は韓米首脳会談でGSOMIAについて全く言及がなかったと言ったが、実際にはあった可能性が高い」と話す。韓国外交部の「GSOMIA終結」公文書は既に日本側に渡された状態だが、GSOMIAは来月22日まで有効だ」

     

    韓国駐日大使が、韓国政府と異なる発言をした裏に、先の米韓首脳会談でGSOMIA破棄についての発言があったのでないかという憶測もある。仮に、文大統領がトランプ米大統領に見直しへ含みある発言をしたとすれば、今回の駐日大使発言も、違和感はないであろう。

     

    (3)「南官杓大使は同日、「青瓦台国家安保室第2次長時代にGSOMIA破棄が検討されていたか」という質問には「そのようなことはない」と答えた。南官杓大使のこうした回答は、同大使の後任者である金鉉宗(キム・ヒョンジョン)現・国家安保室第2次長の主導でGSOMIAが破棄されたことに対して遺憾の意を間接的に表したものと解釈できる」

     

    南官杓大使の前職は、青瓦台国家安保室第2次長である。この部署は、今回のGSOMIA破棄を決めたところだ。南氏が、当時そのような検討をしたことがないと発言したことから、後任の金氏の主導でGSOMIA破棄が決められたもの。金氏は、民族主義者で弁護士出身である。安全保障問題の専門家でなく、感情論でGSOMIAを破棄に導いた裏事情はすでに明らかにされている。

     

    (4)「また、「朝鮮半島の完全な非核化や恒久的な平和体制構築の過程で日本は2国間だけではなく、朝鮮半島や北東アジア地域の平和・共同繁栄の協力パートナーとして認識している」とした上で「日本の建設的な役割を確保するため多角的な努力を傾けている」と説明。「難しい韓日関係の中、一部では嫌韓、反韓の声がある」とし、こうした声が広がらないよう積極的に対応する考えを示した」

     

    南駐日大使は、朝鮮半島問題解決に果たす日本の役割にも触れている。外交官として、大統領府の反日姿勢と一線を画していることが浮き彫りになっている。

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    10月1日、国慶節における軍事パレードは、中国が強い決意で米国へ対決する意思を見せたものとして注目された。もっとも、国内の反習勢力への見せしめという狙いも指摘されている。だが、国内で大陸間弾道ミサイル(ICBM)が必要であるわけでなく、米国への対決姿勢を覗かせている。

     

    米中対立が、長期化する見通しが濃くなっている現在、中国へ進出している日本企業の売上の約半分は対米輸出とされている。この輸出分は、米中対立の煽りを食って高関税をかけられるとなれば、中国脱出が最も賢明な選択となろう。こうした背景で、在中国の日本企業のうち、約4分の1が中国脱出を検討というショッキングな調査結果が出て来た。

     

    『日本経済新聞』(10月5日付)は、「日本企業の中国担当者、4分の1が脱中国志向 と題する記事を掲載した。

     

    米中摩擦に対する日本企業の警戒感が強まっている。日本経済新聞社などの調査では、現在の中国事業について「縮小すべきだ」と答えた日本のビジネスパーソンが23.9%に上り、4分の1近くが「脱中国」志向を持つことが分かった。米中対立の長期化で両大国の経済活動が分断されブロック化する「デカップリング(分離)」が進み、日本企業が築いてきた国際供給網が崩れつつあることを映している。

     

    トランプ米政権は2018年から中国製品に対する制裁関税を段階的に上げ、米中貿易戦争は過熱する一方だ。199月には複合機やスマートウオッチなどを対象にした第4弾を発動した。日経新聞と日本経済研究センターは第4弾を受け、9月前半に主に日本企業で中国関連事業に携わる役職者ら約千人にアンケート調査を実施した。回答者の53.5%が製造業企業に属していた

     

    (1)「米中摩擦が激しくなる中、自社の中国事業をどうすべきかとの問いに、「縮小」と答えた人は4分の1近くに上ったが、それより多かったのは「現状維持で様子を見る」の60.4%だ。そう回答した人の姿勢を分析すると、大きく2つのグループに分かれる。中国は人件費が上昇して生産コストが上がっていることに加え、米中貿易戦争で輸出拠点としての競争力を失いつつある。「中国に工場を置く重要性が薄れてきた」(製造業の50代女性)、「東南アジアでの代替の可能性を探っている」(非製造業の50代男性)という縮小に傾く声も出た」

     

    中国が、米国と覇権争いをする意思が明快であるのか。一部の民族主義者が、そういう跳ね返りの計画を持っているとしても実現は不可能であろう。中国の抱える問題のうちでも、少子高齢化は深刻な影響を中国経済に与える。この弱点を解決する上で必要な「制度的イノベーション能力を、中国自身が持ち合わせていない以上、覇権論は中国に負の結果をもたらすだけであろう。「張り子の虎」となる中国の姿を想像すると、「中華の夢」は百害あって一利なしと言える。

     

    要するに、覇権論を唱えること自体が、中国に取ってマイナスになることだ。質的に見た世界市場で最大は米国である。この背後にある金融力は、米国が世界一である。研究開発能力も世界一の米国に対し、中国が対抗することは物理的に不可能である。身の程知らずという「罵声」すら浴びかねないのが、中国の実力である。中国は、謀略論ですぐれているものの、普遍的な価値観を欠くことが、世界覇権の資格を持たない証明である。

     

    (2)「一方で、「巨大市場を無視することは今も今後もできない」(製造業の40代男性)との意見も目立つ。14億の人口を抱える巨大な中国の消費市場は多くの企業にとっては魅力的だ。将来は事業の拡大を狙うものの、今は一時的に様子見し、米中対立や景気の先行きを見守る企業も多い。これから中国との付き合いを深めるのか、それとも距離を置くのか。見方は真っ二つに割れる」


    中国が、「世界の工場」であり続けるのか。あるいは、中国需要を満たす生産規模に縮小されるかという見通しにかかってくる。米中貿易戦争は、中国が「世界の工場」の位置にあり続けることを困難にさせている。米国自身が、中国の経済力を削ぐために、貿易戦争を続けているという意図を忘れてはならない。米国にこのような荒業を仕掛けさせている理由は、中国が不用意に漏らした「世界覇権論」にある。これが、中国の命取りになるはずだ。

     

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    韓国メディアは、聞き耳を立てている。安倍首相が、国会演説で韓国に言及するか。その回数は何回か。それによって、安倍首相の韓国への関心度を占うというものだ。

     

    『中央日報』(10月4日付)は、「安倍氏 国会演説で韓国にたった1回だけ言及 国同士の約束を順守せよ」と題する記事を掲載した。

     

    安倍晋三首相は臨時国会が招集された4日、所信表明演説で「韓国は重要な隣国」としつつも「国際法に基づき、国と国との約束を順守することを求めたい」と述べた。全体を通じて韓国に関連する言及はこの一行だけだった。「徴用問題は1965年請求権協定ですべて解決済みなので、韓国は大法院判決による国際法違反状態を是正せよ」というこれまでの主張を繰り返した。

    (1)「安倍首相は2012年12月の再登板以降、昨年までの定期国会および臨時国会の演説で韓国に関連した内容に必ず言及してきた。両国関係の浮沈によってその内容と分量を調整してきた。だが、大法院の徴用判決によって関係が大きくゆがんだ後となる今年1月28日の定期国会施政方針演説では韓国関連の部分をまるごと外した。「韓国」という単語は「(北朝鮮問題を)米国や韓国をはじめ国際社会と緊密に連携していく」という部分でたった1回登場しただけだ」

     

    安倍首相が、国会演説で韓国に言及したくない心情はよく分かる気がする。慰安婦合意を破棄されたこと。徴用工問題で日韓基本条約を骨抜きにされたこと。さらには、GSOMIA(日韓軍事情報綜合管理規定)廃棄と立て続けに、韓国から弓を引かれれば嫌気がさすのは当然だろう。もう一つ、日本の地政学リスクが明治維新以降、一貫して朝鮮半島にあった。それが現在、南シナ海や東シナ海に変ったという意味もある。韓国は、日本の安全保障パートナーとしての位置づけが低くなったのである。

    (2)「そのような1月の演説と比較すると、4日の演説では「韓国は重要な隣国」という表現が2017年以降2年ぶりに再登場し、たとえ1行だけであっても分量はやや増えた。だが、首相官邸の事情に詳しい日本消息筋は「韓国を重要な隣国としたのは約束を順守という点を強調するためにわざわざ入れたものであり、韓国を配慮したり尊重したりするためではない」と話した実際、演説の別の部分では「韓国冷遇」が目立った」

     

    下線を引いた部分は、常識論であろう。個人レベルで考えても分るが、「隣近所」の存在は大事である。それと同様に、韓国は「隣国」という意味で重要な位置を占める。それは、韓国にとっても同様で、日本は重要な位置を占めるはずだ。ぞんざいな扱いをすべきではないのだ。

     

    (3)「今回の演説の北朝鮮情勢に関する部分で、安倍首相は「米国と緊密に連携し、国際社会と協力しながら、国民の安全確保に万全を期す」とし、1月の演説にはあった「韓国との連携」表現を外した。これに関連して「韓国のGSOMIA(韓日軍事情報包括保護協定)の終了決定などを意識したものではないか」という解釈がある。安倍首相は東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に言及する時も「ASEAN(東南アジア諸国連合)に中国、インド、豪州などを加えたRCEP」と述べて韓国を外した」

     

    安倍首相は、国際条約を守らないような国家である韓国の国名すら上げたくないのだろう。外交巧者の安倍首相が、ここまで韓国を忌み嫌うのは、日本の存在を外交的に無視する韓国への怒りと受け取れる。韓国に非があるのだ。

     

    (4)「安倍首相は韓国を除く他の国々については友好的に言及した。「日米同盟を基軸としながら、我が国は、英国、フランス、豪州、インドなど基本的な価値を共有する国々と手を携え、自由で開かれたインド太平洋を実現する」と述べた」

     

    (5)「特に中国に対しては、「来年の桜の咲く頃に、習近平国家主席を国賓として迎え、 日中関係を新たな段階へ押し上げていく」とした。安倍首相は3日には建国70周年を迎えた中国の国営テレビに登場して「日本国民を代表してお祝い申し上げる」と述べたりもした。韓国に対する冷遇雰囲気とは対照的だ」

     

    前記の諸国は、日本との約束を履行しているから問題はない。韓国ほど日本と軋轢を生む国家も珍しいのだ。過去にこだわり、謝罪と賠償を繰り返し求める。中国にも同様な行為をすべきだが行わない。日本にとって、韓国のこのダブルスタンダードが、耐えがたい点でもある。

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