勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 日本経済ニュース時評

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    ベトナムは親日国である。TPP11(環太平洋経済連携協定)復活では、日本と協力して米国が復帰できるように当初の条件をほぼ変えず実現に奔走した。理由は、中国嫌いであることだ。中国の影響をできるだけ薄めるには、TPP復活が最大の壁になると見たからだ。

     

    こういう経緯から、今回の新型コロナウイルスが拡大するやいなや、いち早く中国との国境を閉鎖して被害を最小限に抑えた。6月16日時点で新型コロナの感染者数はわずか334人で、驚くべきことに死者はゼロである。こういう背景で、日本との人的交流を開始した。

     

    日本からの臨時便が6月25日午後、ベトナム北部の空港に到着し、日本人駐在員や出張者およそ150人がベトナムに入国した。ベトナムへの臨時便は、26日と27日にも運航され、3日間でおよそ440人の日本人がベトナムに入国する予定だ。ベトナムは、日本における実習生の活動再開につなげる計画。お互いに「持ちつ持たれつ」の関係である。

     

    ベトナムでは現在、およそ300人の実習生が日本への出国を待ちわびている。去年1年間に、ベトナムから海外に送り出された労働者は、15万人余りに上り、このうち半数を占めるおよそ8万人が技能実習生などとして日本に渡った。「日本人気」は高いのだ。

     


    『ロイター』(6月17日付)は、「
    ベトナムが脱コロナ『ひとり勝ち』感染抑制と成長両立」と題するコラムを掲載した。

     

    ベトナムは新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込み、今年の経済成長率が世界最高水準に達しようとしている。世界的に貿易が落ち込む中で、サプライチェーンの「脱中国化」を進め、米中の政治的対立に巻き込まれたくない企業にとって、頼りがいのある国に見えるだろう。コロナ危機の最大の勝者は、ベトナムになりそうだ。

     

    (1)「ベトナム政府による果敢なコロナ対応は功を奏した。中国と1400キロにわたり国境を接するが、世界保健機関(WHO)によると、6月16日時点で新型コロナの感染者数はわずか334人で、驚くべきことに死者はゼロ。しかもこの数字は信用できるようだ。グーグルの移動データによると、職場や住宅地の活動は、感染拡大前の状態に回復。5月の製造業活動は前月から改善し始めた」

     

    ベトナムが、中国と1400キロにわたり国境を接するが、コロナ発症ニュースでいち早く国境を閉鎖したことが幸いした。それと、潜在的な「中国嫌い」であることが功を奏したと言えよう。韓国とは対照的な存在である。韓国は、未だに中国へ宗主国として対応するが、ベトナムは歴史的に中国と対抗してきたので「同等意識」が、非常に強いのだ。

     

    (2)「グエン・スアン・フック首相は、今年の成長率について5%の目標を掲げている。昨年実績の7%には届かないが、コロナ感染の下では野心的な数字だ。観光業が国内総生産(GDP)に占める割合は10%以下に過ぎない。世界的に需要が低迷し、国境を越える移動は事実上、凍結されており、第2・四半期の成長率は過去10年で最低だった第1・四半期の3.8%から大幅に落ち込むだろう。だが、そうだとしても、ベトナムは2020年の成長率がプラスと予想される数少ない主要国の1つとして際立っている。世界銀行は同国の2020年成長率を2.8%と予想した

     

    ベトナムは、GDPに占める観光業のウエイトが10%以下で、製造業のウエイトを高めている。世界におけるサプライチェーンの「脱中国」先の一つとして、受け皿になっている。賃金安も手伝い、これから急成長が望める新興国のホープに躍り出た。すでに、ベトナム戦争で戦った米国との関係も修復した。ベトナムの「脱中国」が、米国企業を引き寄せている。

     

    (3)「若者層が多い人口構成や企業寄りの政策のおかげで、韓国のサムスン電子のような製造業大手が以前から進出している。ナティクシスのエコノミスト、チン・グエン氏によると、過去5年間の海外輸出におけるシェアの伸びは東アジア地域で最も高い。すでに過去最高水準にある外国からの直接投資額が、さらに加速するのは間違いない。新型コロナに鮮やかな対応を示したことで、製造業の誘致を望みながらコロナ対策に苦闘するインドなど他の国に対して、優位に立つだろう」

     

    ベトナムが、コロナ禍をいち早く脱したことは大きな経済成長要因になった。新興国では、インドと経済的なライバル関係であるが、有利な立場を固めた。こういう中で、日本との関係強化はさらに後押しになろう。

     

     

     

     

     

     

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    日本は昨年7月4日、韓国への半導体3素材の輸出手続き規制を始めた。あれから1年経つ。韓国側はどうなっているのか。『中央日報』(6月25日付)は、半導体・ディスプレイと材料・部品・装備業界の取材を総合すると「心配はただの心配にすぎず、かえって国産化を高める『転禍為福』になった」と口をそろえていると強気報道である。

     

    韓国は、何の影響もなかったとすれば、なぜこの輸出手続き規制問題をWTO(世界貿易機関)へ提訴するのか。言っていることと行なっていることが矛楯しているのだ。影響があったという言い分だから、提訴するのであろう。

     

    『中央日報』(6月25日付)は、「日本の攻撃に日本が被害、輸出規制から1年、韓国の驚くべき変化」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「日本は昨年7月、フッ化水素・フォトレジスト(感光液)・フッ化ポリイミドなど先端材料3品目の輸出に規制をかけた。3品目を「包括輸出許可」から「件別許可」対象に切り替え、8月には輸出許可簡素化対象国である「ホワイト国」リストから韓国を除外した。3品目は半導体・ディスプレイ産業の核心素材だが、日本の依存度が90%にもなっていた。日本が韓国の半導体・ディスプレイ産業の構造的脆弱性を鋭く狙ったことになる」

    (2)「だが、日本の輸出規制はむしろ変わろうとしなかった国内企業を変化に導いた。何より日本に依存していた供給元の多角化と国産化にいち早く飛び込んだ。韓国半導体・ディスプレイ技術学会の朴在勤(パク・ジェグン)会長〔漢陽(ハンヤン)大学融合電子工学部教授〕は「日本が寝ていた韓国を起こした」と表現した。朴会長は「日本の輸出規制がなかったら、今のように積極的に国産化と多角化に出なかっただろう」と語った」

    下線部では、日本の輸出手続き規制にむしろ感謝している様子である。ならば、なぜWTOへ提訴するのか。矛楯した行動である。さて、本当に何の影響もなかったのか。検証して見ると、韓国側の主張には相当の誇張とウソが混じっていることが判明した。

     


    『現代ビジネス』(6月25日付)は、「韓国・文在寅がぶち上げた『日本依存脱却』、1年経っても成功せず」と題する記事を掲載した。筆者は、高安雄一大東文化大学教授である。

     

    韓国は日本の措置に対抗して、個別許可に切り替えられた3品目、すなわち、レジスト、フッ化水素、フッ化ポリイミドについて、輸入品の日本依存からの脱却を図るとともに、国産化を模索することとした。

     

    (3)「まずは、半導体製造用フッ化水素である。フッ化水素は半導体の洗浄に使われる。2018年の輸入額に占める輸入元のシェアは、中国が52.0%、日本が41.9%、台湾が5.7%であった。これが2019年には、中国のシェアは50.9%でほとんど2018年と変わらなかったが、日本は32.2%にシェアを下げ、台湾がそれを埋める形で15.8%となった。さらに2020年1~5月のシェアは、中国が73.1%と伸ばした一方、日本は12.3%にまで低下し、台湾の12.8%に抜かれることとなった。輸出管理適正化に関する措置前後の動きをまとめると、中国のシェアが高まり日本のシェアが落ち込んだ形になっている。報道によれば、韓国は中国を介して日本のフッ化水素を輸入している動きもあり、供給元をたどれば日本依存から脱却できたのかについては検証が必要であろう

     

    フッ化水素の品質は様々であり、日本が得意とする超高純度フッ化水素といった品質のものまで製造できるのか明らかではないが、今後は順次国産化が進む、と筆者の高安教授は指摘している。

     

    (4)「次に半導体製造用レジストを見てみよう。レジストは、半導体の表面に画像層のパターンを形成することに使用される。2018年の輸入額に占める輸入元のシェアは、日本が93.2%と大半を占めており、続くアメリカは5.8%、ベルギーは0.8%であった。2019年は、日本のシェアが88.3%と、2018年と比較して若干下がったものの圧倒的なシェアを占めていることには変わりがない。さらに2020年1~5月も日本のシェアが88.6%、これに続くベルギーが5.8%、アメリカが5.3%と、日本からの輸入が多くを占めている。輸出管理適正化に関する措置前後の動きをまとめると、日本のシェアはわずかながら低下したものの、依然として9割に近いきわめて高いシェアを維持していることがわかる」

     

    レジストでは、日本が9割のシェアでる。レジストは2019年の輸入額は前年比で5.2%減であったものの、2020年1~5月は前年同期比が33.8%増と増加に転じた。この状況では、日本側は好況に浴している形だ。

     


    (5)「最後はフッ化ポリイミドである。フッ化ポリイミドは有機ELの材料として使われる。2018年の輸入額に占める輸入元のシェアは、日本が84.5%と高く、台湾が7.4%、中国が2.8%であった。2019年は日本のシェアが93.0%となり、2020年1~5月には93.9%にまで高まった。一方、台湾の2020年1~5月のシェアは4.2%、中国は1.0%にとどまっている。輸出管理適正化に関する措置前後の動きをまとめると、措置後に日本のシェアは10%ポイントほど高まっており、現在では9割を超える圧倒的なシェアを有していることがわかる」

     

    フッ化ポリイミドでも、日本のシェは9割である。2019年の輸出量は、前年比は44.9%増、2020年1~5月の前年同期比は7.1%増であり増加が続いている。国産品が輸入品に代替しているといった動きは見られないのだ。「実際、レジストやフッ化ポリイミドについては、韓国国内で量産化が始まるといった情報はなく、国産化は進んでいない」とは高安教授の弁だ。

     

    韓国は、針小棒大に言う民族である。日本の座が脅かされる状況ではなさそうだ。だいたい、中国で製造できるものが韓国でできないと言うこと自体、恥ずかしいと思わなければならないのだ。

     

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    韓国の対日ニュースを見ていると、気の滅入る話ばかりである。これほど揉める二国関係も珍しいであろう。日本が、いかに悪い国かという記事ばかり目に付くのだ。自信喪失するが、豪州での日本評価は抜群である。

     

    長いこと日本は、戦時中に豪州兵を虐待したとして評判が悪かった。1992年、私が豪州へ旅行した際、海上自衛隊員が豪州の博物館を見学した時、女性ガイドの親戚が戦時中、日本軍と戦い戦死した話を持ち出し突然、泣き崩れたという。この話が、生々しく伝わってくるほど対日感情はよくなかった。

     

    それが、今はどうだろう。最新世論調査で、日本の評価はウナギ上りである。英国と僅差(2%ポイント)で第2位へ。安倍首相は、NZ首相と14ポイント差で2位である。この背後には、TPP(環太平洋経済連携協定)が発効して、豪州の農産物が大量に日本へ輸出できる環境も影響しているだろう。

     

    『大紀元』(6月24日付)は、「豪州世論調査、中国への信頼は2割で過去最低、日本の信頼度は8割以上」と題する記事を掲載した。

     

    ローウィー研究所が2004年以来続けている年次の世論調査は、今回、2020年3月16~29日までの間で実施された。オーストラリアの成人2448人を対象とした全国の代表的なオンライン調査と電話調査の結果をまとめた。

     


    (1)「豪州シンクタンク・ローウィー研究所の世論調査によれば、コロナ危機後の豪州では、最大の貿易相手国である中国への信頼は急激に低下し、多くの人が中国への経済的依存を減らすためにサプライチェーンの多様化を望み、中国の人権侵害に対する渡航および金融制裁を課すことを支持している。いっぽう、豪州では、日本および安倍首相は信頼のおける国・リーダーであるとしてトップレベルに位置付けている。

     

    豪州人と日本人の中国に対する印象は、ほぼ同じようである。サプライチェーンのハブを中国の置くことのリスクを強く感じているからだ。民主主義国は、同じような価値観であるから、中国についても結論は同じであろう。中国は、この価値観について全く無視して、経済力と軍事力だけで世界を支配できるという妄念を持っている。意識が、国際化されていない証拠であろう。ありていに言えば、「田舎国家」である。

     

    (2)「調査によると、中国について「責任を持って行動する」といった信頼度に関する質問で、肯定した人はわずか23%であり、過去14年で記録された最低レベルとなった。ほとんどのオーストラリア人は英国(84%)と日本(82%)を信頼しており、米国(51%)やインド(45%)よりも圧倒的に高かった」

     

    オーストラリア人は、英国(84%)、日本(82%)、米国(51%)、インド(45%)、中国(23%)の順序で信頼している。豪州にとって英国は、母国である。その英国と日本は、ほぼ肩を並べる信頼度を得ている。大いに誇りとすべきだ。韓国に悪口を言われても相殺してしまうほどの好感度である。

     

    (3)「オーストラリア人の30%が、トランプ米大統領に「世界情勢に関して正しいことをする」という確信を表明しており、2019年から5ポイント増加した。中国の習近平国家主席に対する信頼は22%にとどまり、過去2年間で急激に低下した。首位は、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相で87%、日本の安倍晋三首相が2位(73%)につけ、豪州のスコットモリソン首相(60%)と野党党首のアンソニー・アルバニーズ氏(58%)よりも高く信頼されている」

     

    首相への信頼度も興味深い。NZ(87%)、日本(73%)、豪州(60%)、米国(305)、中国(22%)である。習近平氏の好感度は低くい。豪州野党党首は58%である。豪州首相と接近している。豪州経済不調の結果、野党への期待が高まっているのだろう。

     

    (4)「オーストラリア人の78%は、米国との同盟は安全にとって重要であると考えている。88%は、2017年に復活したオーストラリア、インド、日本、米国の四国間安全保障対話を歓迎している。中国については、安全保障上の脅威と見なす人は41%で、経済的なパートナーとして見ている(55%)を下回った。いっぽう、94%が「オーストラリアの経済的な中国への依存度を下げるために、政府は他の市場を探すように努力すべきだ」と答えている。さらに、82%が、政府は「人権侵害に関与している中国当局者に渡航・経済制裁を課すべき」だと考えている」

     

    豪州国民は、中国が豪州産小麦や牛肉に高関税を掛けて経済制裁していることで強い不満を持っている。理由は、豪州が6月に新型コロナウイルスの発症過程の国際調査を提案したことへのしっぺ返しが行なわれたからだ。これが、今回の世論調査(時期は3月)に直接的な影響を与えてはいない。豪州の中国嫌いは、地下水脈と同様に根深いものがある。価値観の相違が決定的な溝を生んでいる。韓国政府は、この中国に相当な親近感を持っている。中韓の価値観は、儒教で似通っているのだ。

     

    (5)「オーストラリアの大学の経営は、海外の留学生に依存している。新型コロナウイルスによる渡航制限で、2020年、大学の収入が劇的に減少した。今回の世論調査では、43%は「大学に在籍する留学生の数が多すぎる」と答えた。オーストラリアの留学生の約38%は中国からだ。留学生の受け入れは教育産業の輸出額に含まれ、2019年は前年比15%増の377億豪ドル(約2兆7240億円)と過去最高となった」

     

    豪州の大学は、中国の留学生が38%も占めている。世論調査では、留学生依存が大きすぎると指摘している。韓国は対中国との外交で、経済関係を重視する。豪州は毅然として経済関係に引っ張られず、正論を通す姿勢である。「武士は食わねど高楊枝」の心境だろう。素晴らしい国民性である。韓国に学ばせたいほどだ。

     

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    韓国は、新型コロナウイルスではPCRによる全数調査など、世界の耳目を集める派手なパフォーマンスを見せた。だが、肝心の抗体検査による過去のウイルスによる罹患歴調査を行なっていなかったことが判明した。すでに日本は実施して、東京で0.1%に止まっていたことが明らかになっている。韓国の新型感染症中央臨床委員会のオ・ミョンドン委員長は、記者会見で従来の方針見直しを発言。日本式の採用を示唆するものだ。「K防疫モデル」の破綻宣言である。

     

    韓国では、日本のPCR検査の少ないことを理由に、多数の感染者が未確認のまま放置されているとしてきた。日本を未開発国扱いする発言である。防疫対策に忠実に従ってきた日本を侮辱したものだ。その韓国が、抗体検査をしていなかったのである。無駄なPCRの全数調査をやっても、防疫の基本であるクラスター調査に手抜かりなど、韓国の防疫対策は思いつきが多い。破綻宣言は当然である。

     

    『韓国経済新聞』(6月24日付)は、「韓国『国内の確認できない感染者10万人、新型コロナ終息は不可能』」と題する記事を掲載した。

     

    韓国で特別な症状が出ないまま新型コロナウイルスに感染し回復した患者が10万人を超えるという分析が出された。他の国で行われた抗体検査に基づいて把握した結果だ。無症状者はいつでも新型コロナウイルスを感染させかねないため、「終息」の代わりに「被害最小化」に防疫戦略を変えるべきと専門家らは指摘した。




    (1)「新型感染症中央臨床委員会のオ・ミョンドン委員長(ソウル大学医学部感染内科教授)は21日にソウルの国立中央医療院で記者会見を行い、「韓国国内の新型コロナウイルス無症状感染者は把握された患者の10倍規模だろう」と話した。新型感染症中央臨床委は韓国の新型コロナウイルス患者を治療する医者らの代表団体だ。この日で韓国の新型コロナウイルス感染者は1万2421人だ。委員会の分析通りならば感染者に含まれていない無症状感染者は12万人を超えるという計算になる」

    韓国は、抗体検査を行なっていない。K防疫モデル国が、なんとも締まらない話である。いかにも韓国社会の「自慢体質」を表わした話である。他国の抗体検査に基づく「推定論」である。

     

    (2)「委員会は、日本、中国、米国、イタリアなど他の国の抗体検査結果に基づいてこうした分析を出した。スペインで4月27日に国民6万人を無作為に検査したところ、5%程度が新型コロナウイルス抗体を持っていた。人口4500万人のうち225万人がすでに感染して回復していた。確認された患者23万人の10倍に達する。オ委員長は「無症状感染者が10倍以上多いため、感染経路のわからない感染や『n次感染』が発生するのは当然だ」とした。彼は「防疫対策の最終目標は新型コロナウイルス終息ではなく流行と拡散速度を遅らせること。これを通じて韓国の医療システムが耐えられる水準で患者が発生するようにしなければならない」と強調した」

     

    スペインの抗体検査結果をもとに、無症状感染者が実際に感染して発症した人の10倍に達すると推測している。この結果、「n次感染」が心配されるという論理の立て方である。これは、乱暴な議論のように思える。その国の生活パターンは国ごとに異なる。東京都の抗体保有者が0.1%であるのは、規則を守る、清潔好きなどの国民性によるものだ。韓国が、スペインの例を持ち出しているのは、韓国の国民性がスペインに似ているとでも言うことなのだろう。

     


    (3)「韓国の新型コロナウイルス無症状感染者規模が実際より多いならば防疫当局の対応も変わらなければならない。症状がある感染者と接触者を探して隔離しても無症状患者がどこかでウイルスをまき散らしているならば新型コロナウイルスを完全に遮断するのは不可能なためだ。新型感染症中央臨床委員会は入退院基準を変えなければならないと注文した。すべての感染者を入院させた後にリアルタイムPCR検査で陰性反応が出た人だけ退院させる現在の方式では病床がすぐ飽和状態に至るという理由からだ1月20日から5カ月以上にわたり新型コロナウイルス対応体制を稼動した医療機関の疲労度を低くし、長期戦に備えなければならないという趣旨だ」

    ここでは、韓国のコロナ「全数調査」の無益ぶりを、ようやく認めたのだ。「1月20日から5カ月以上にわたり新型コロナウイルス対応体制を稼動した医療機関の疲労度を低くし、長期戦に備えなければならない」と認めるにいたった。この部分こそ、日本が行ってきた防疫対策である。日本は、最初から「全数調査」を行なわず、「感染の疑わしい人」を集中的に治療する防疫学の基本に則っていた。これが、医療崩壊を防ぎ重症患者の治療に専念できた理由だ。韓国が、ようやく日本式=世界標準を認めたのだ。本欄の一貫した主張は、間違っていなかったことが分かり痛快である。

     

    (4)「抗体検査を通じ韓国に新型コロナウイルス感染者がどれだけになるのかも客観的に把握しなければならない。オ教授は「抗体検査は新型コロナウイルスの流行がどれだけ進んだのか判断する手段。抗体陽性率がわかれば状況によって適切な防疫対策を立てられる」とした。新型コロナウイルスの判定に使うリアルタイムPCR検査は体内に残ったウイルスを覗いて見るものだ。新型コロナウイルスに感染した後に免疫力ができたがウイルスが消えた人は確認することはできない。これに対し抗体検査は新型コロナウイルス感染の痕跡を把握できる。韓国では標準検査法が用意されておらず導入されていない」


    韓国は、抗体検査という標準検査法を採用しなければならないと言い出した。前のパラグラフの主旨と合せれば、日本式が、最も適った防疫方法であることを言外に認めたのだ。「K防疫モデル」の破綻宣言である。この結論に至るまで5ヶ月もかかったのである。


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    韓国の中央銀行である韓国銀行が、日本の新型コロナウイルスについての報告書を出した。他国のことについてまでご苦労なことだ。内容は批判的だが、日本の「再生産数」(1人の感染者が何人の人に感染させたかを示す)は、ステージ3に移行後の現在も大きく跳ね上がることなく推移している。韓国やドイツなど、これまで「コロナ優等生」と称させた国々の再生産数は跳ね上がっているのだ。日本は、まだ油断できないが、滑り出し順調である。「中間試験」は、合格点である。

     

    『中央日報』(6月22日付)は、「韓銀、日本『今年中に観光産業回復は難しいはず』」と題する記事を掲載した。

     

    韓国銀行(韓銀)は21日、報告書「海外経済フォーカス」で、「日本国内の医療・防疫体系に対する憂慮と新型コロナ治療薬・ワクチン開発時期などを考慮すると、今年中に観光産業が回復するのは難しいはず」という見方を示した。

    (1)「韓銀によると、日本国内の一日の新型コロナ感染者数は

    4月7日(緊急事態宣言)351人

    4月11日(最多)714人

    5月25日(緊急事態宣言解除)20人

    6月15日60人

    減少傾向にあるが、低調な検査件数、感染経路不明などで外国人観光客の不安感は相変わらずだ」

     

    ここでも、低調な検査件数をヤリ玉に上げている。韓国のような「全数調査」に比べれば、日本は少ない。だからと言って、感染者を野放しにしている訳でない。日本は、クラスター調査という防疫対策の基本に忠実だ。韓国の全数調査は邪道である。医療資源の浪費であり、医療崩壊を起こす原因だ。韓国は現に、重症患者を収容するベッドの余裕がなくなり、関係者が頭を痛めている。日本はゆとりを取り戻してきた。

     


    (2)「日本の人口100万人あたり検査件数は2678人と、米国(7万4927人)、ドイツ(5万6034人)、フランス(2万1215人)などの主要国と比べてかなり少ない」

    日本は、人口100万人あたり検査件数が2678人である。米・独・仏と比較して、計算違いをしているのでないか錯覚させるほど少ない。東京都は6月13日、「ステージ3」へ移行した。日本における最大の感染源になっている東京が、新たに歓楽街従業員のコロナ検査を重点的に行なっている。その結果、新規感染者数は増えている。だが、6月21日現在の「再生産数」は、1.33(東洋経済オンライン調査)と基準の1を若干上回る程度で推移している。爆発的な状況ではない。

     

    日本は、人口当りのコロナ検査数がここまで低くて、再生産数が「横ばい強」で推移している。これは、まさに世界の奇跡である。韓銀は、「低調な検査件数、感染経路不明などで外国人観光客の不安感は相変わらずだ」と皮肉っている。だが、抗体検査による東京都の陽性比率(抗体保有率)は0.1%に過ぎない。大阪府は0.17%、宮城県は0.03%だった。厚生労働省は「抗体保有率は感染率よりも高かったが、大半の人に抗体がないことが分かった」としている。

     

    要するに、検査数が少ないからと言って、未発見の感染者がウヨウヨいるのでない。これは、世界コロナ7不思議に数えられるであろう。日本人が、ルールを守って生活していることと、防疫体制の奮闘による結果である。

     


    『中央日報』(6月22日付)は、「ソウル市長、『この傾向が続けば1カ月後には感染者が一日に800人余り発生する可能性も』」と題する記事を掲載した。

     

    ソウル市長は22日、ソウルと首都圏内の新型コロナウイルス感染症が引き続き拡大傾向にあるとし、もしこの傾向のまま続けば1カ月後に新規感染者数が一日に800人余りに達しかねないと強く懸念した。

    (3)「朴氏はこの日、「感染病専門家によると、4月30日から6月11日まで全国平均R値(再生産数)が1.79に急激に増加した状況」としながら、「この水準のまま行くと、1カ月後には一日の感染者数が800人余りに達するものと予測された」と明らかにした。朴氏は「このまま行けば今が2次大流行1カ月前ということ」とし「(2次大流行が発生し)夏季や秋季、もしくは冬季のインフルエンザ流行と重なる場合、今の医療防疫体系が崩壊する最悪の状況を迎えかねない」と憂慮した」

     

    全国平均R値(再生産数)が、4月30日から6月11日まで1.79に急激に増加している。東京都だけの過去の再生産数を東洋経済オンライン調査に基づくと、次のような結果だ。

     

    5月28日 1.80(ピーク)

    6月13日 0.95(ボトム:ステージ3へ移行)
    6月21日 1.33

     

    東京都の再生産数が、韓国と様相を異にしている。こういう事実が、韓国では意外と知られていないのだ。

     

    ドイツ政府の国立感染症研究機関であるロベルト・コッホ研究所(RKI)によると、「再生産数」が6月21日に2.88と前日の1.79を大幅に上回った。『ロイター』(6月21日付)が報じた。ドイツは、にわかに危機感を高めている。

     

    日本は油断していけないが、「中間試験」の結果は上々である。安倍首相は、6月21日(日曜日)に何ヶ月ぶりかで休養できたという。


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