勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    ムシトリナデシコ
       

    新型コロナウイルスに感染したかどうかを検査する方法は、PCRが一般的である。だが、検査に必要な人材や検査機器を必要とする。さらに、結果が判明するまでの時間は、3~5時間もかかり、大量検査には不向きである。

     

    こういう壁を、国産技術が見事にクリアして秋にも登場可能という。唾液を2分加熱して30分で結果が判明し、特別の検査キットも人材も不用という。従来の検査手法に比べて優れており、「メード・イン・ジャパン」が、打ち立てた金字塔になりそうだという。

     

    『日本経済新聞』(6月22日付)は、「技師・検出器不要30分検査 秋にも実用化」と題する記事を掲載した。

     

    専門の技師や検出器を使わず、30分程度で新型コロナウイルスを判定する検査法が実用に向けて動き出す。日本大学の桑原正靖教授らがつくったウイルス検査で、月内に塩野義製薬と量産向け検査キットの開発でライセンス契約を結ぶ。インフルエンザのように病院で医師や看護師が検査してすぐ結果を知ることもでき、経済再開に向けた環境整備につながる。塩野義は検査キットが診断に使えると判断すれば、厚生労働省に薬事承認を申請し、今秋の実用化を目指す。

     


    (1)「政府は夏から海外との往来を緩和する予定で出入国時のPCR検査を条件とする。検査能力が往来数の制約になるため、なかなか増えないPCR検査以外の手法を探していた。

    今回の検査法が確立すれば空港で短時間に大量の検査ができると期待する。一般の病院でも検査が容易となれば、経済再開に伴う感染の「第2波」への備えともなる

     

    PCR検査と同等の精度を持つという。PCR検査では、「サーマルサイクラー」という装置が必要だが、今回の技術では唾液を加熱する器具があれば済むという。特別な操作技術も必要ない。試薬さえ手元にあれば、それで結果が判明する。下線部のように、経済の本格再開に向けて弾みが付くのだ。韓国に、PCR検査が少ないと批判されてきたが、これからは、そういう批判を受けずとも済みそうだ。

     

    (2)「新たな検査法は桑原教授らが考案した「SATIC法」を応用した。95度で約2分間加熱した唾液を試薬に入れると、新型コロナを検出した場合に2025分で変色する技術で、目視で感染の有無を判定できるという。PCR検査と違い高度な制御装置や検出器、練度が高い技師は不要になる。PCR検査は検体の採取から搬送、検査までで35時間近くかかるが、30分程度で済む」

     

    桑原教授らが考案した「SATIC法」を応用したのが、今回登場の新技術という。オリジナルは、桑原教授であることを忘れてはならない。唾液を95度Cで約2分間加熱するから、ウイルスが他に感染する懸念もないのだろう。となれば、画期的と言って良いはず。日本技術の「勝利」と言える。

     


    (3)「PCR検査はウイルス量の多い鼻や喉の奥の粘液を採取することが多い。発症から9日以内の場合は唾液の使用も認められた。新方式も採取が簡単な唾液を想定する。PCR検査は専用の機械と試薬でウイルスのRNA(リボ核酸)からつくったDNAを増やす必要がある。新方式はこの工程が不要で大幅に時間や手間を省けるという。研究は日本医療研究開発機構(AMED)などが助成する。日大と東京医科大は5月、共同で特許も出願した。政府の国家安全保障局(NSS)も利用法を検討中だ

     

    日本政府上げての支援体制である。世界中に普及させられれば、「日本型防疫モデル」となろう。

     

    (4)「国内のPCR検査能力は1日最大28千件。実施数は1万件を下回る。発熱などの症状があり医師が必要と判断した人を原則、対象とする。夏に緩和する海外往来も、当面はPCR検査体制の制約で最大でも1日250件だけだ。経済再開の規模をウイルス検査の能力が左右する恐れも指摘されている」

     

    現在のPCR検査は1台当り最大で1日250件だけだという。今回登場の新技術では、「無限」となろう。これで、「三蜜」が立ちはだかったイベントも復活できる。定期的にこれで検査を受ければ、感染の早期発見が可能となる。まさに、画期的手法の発見である。


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    ジム・ロジャーズ氏は、なぜか「世界三大投資家」として、メディアが取り上げている。それは過去の話である。現在は全くの外れっぱなしである。本欄は、ロジャーズ氏に対して冷めた評価を下してきたが一層、その感を深めるのである。

     

    ロジャーズ氏は、北朝鮮と韓国の将来性を高く評価し、返す刀で日本を滅多切りしている。「30年後は必ず没落」するから、最近は「20年後に必ず没落する」と没落期が10年早まった。東京五輪後は、没落とも言っている。

     

    こうした一連の「発言」が、データや国際情勢の子細な検討結果から出たものでなく、ただの「放言」に過ぎないことが分かる。北朝鮮の核という厳しい問題を棚上げして、北朝鮮の将来性を持ち上げ、韓国も発展すると根拠もなく発言する。極めつけは、韓国経済の将来性を見込んで、大韓航空株を大量に買付けたと広言(昨年1月)。明らかに、自らの発言力を利用した「株価操作」であったかも知れない。その後、大韓航空株がどうなったか。下落しているのだ。

     

    こういう経緯もあって、近頃は北朝鮮や韓国の有望性について発言することはなくなった。代わって強調しているのが「日本経済没落論」である。その根拠は、国債発行の増大である。だが、ロジャーズ氏はMMT(現代金融理論)という新しい金融論の登場を知らないようだ。米国で、日本の財政政策は最先端であったという理論構築が注目されている。米国やEUでは、このMMTにより政策の舵が変わるとの見解が登場。現に、今回のコロナ禍克服のため、多額の国債発行に踏み切っている背景に、このMMTの存在がある。

     

    要するに、ロジャーズ氏へこう言っては失礼だが、過去の輝かしい投資家の実績で、現状分析をせずに、当てずっぽうに発言を繰返しているのだ。それが、メディアに乗っているだけと言わざるを得ない。ロジャーズ氏の過去の実績を汚すものとして残念である。

     

    まず、過去の北朝鮮発言を見ておきたい。

     

    マネー現代編集部』(2019年1月4日付)は、「ジム・ロジャーズ氏『北朝鮮バブルが来る、私は大韓航空株を買った』」と題する記事を掲載した。

     

    「朝鮮半島でいま北と南が経済開放したら、世界で最もエキサイティングな国になりますよ」。冒頭からそう切り出したジム氏は、いま最も注目しているのが北朝鮮の経済開放の動向だと明かした。ジム氏はその理由を次のように語る。

     

    (1)「中国との国境近くに7500万人の人々が住んでいますからね。北朝鮮には、安価で、高い教育を受け、訓練もされた労働者がいる。北朝鮮には自然資源も豊富です。韓国には資本が多くあり、専門家も多く居住している。北朝鮮では、すべての産業が成長する可能性があります。彼らはいい紙ナプキンもないし、椅子もないし、いい電気製品も、いいレストランも、いいビールもない。思いつくものはなんでも、いいものはないのです。しかし、彼らはそれらを欲しがっている。私は、大韓航空の株をすでに買いました。これから経済開放が実現すれば、韓国と北朝鮮間で旅行が盛んになると思うからです」

      

    ここでの発言には、明らかに過去の輝かしい投資実績を上げたロジャーズ氏の切れ味はない。この程度の話なら、市井の投資家の会話と違いはない。米朝の核交渉が過去にどのような推移を経てきたか。その厳しい経過についての認識がないのだ。ましてや、シンガポールでの米朝会談の失敗(2018年6月)を踏まえれば、こういう超楽観的発言は出ないはずである。

     

    皮肉な言い方をすれば、シンガポール会談失敗の後、大韓航空株の売り時期を探し、釣上げようとしたのかも知れない。ロジャーズ氏ともあろう百戦錬磨の投資家が、北朝鮮や韓国を買い被るとは、信じがたい話である。それほど違和感があることなのだ。

     


    現実の北朝鮮経済は、没落寸前である。めぼしい地下資源は、中国へ売却されていると見られる。2017年に始まった経済制裁で、中朝貿易量は激減している。特に輸入額が減っていることから、生活必需品まで枯渇している状況である。まさに、餓死寸前まで追い込まれている。この北朝鮮経済が復興するには莫大な資金が必要である。政治体制が安定しない国へ、投資する人間が現れるとは思えない。資本は、政治不安に超敏感である。

     

    ロジャーズ氏は、日本経済の20年後、30年後の没落論を唱えるセンスで、北朝鮮問題を見るべきだった。そうなれば、大韓航空株がすぐに値上りするという幻想を抱かなかったはずである。

     

    だいたい、20~30年のロングタームで一国経済を論じるならば、中国経済はどうなっているかだ。習近平氏の暴走政策によって、没落しているに違いない。市場経済を敵視して統制経済を展開している中国は、矛楯が激化して空中分解するか、海外への進出による摩擦熱(国際紛争勃発)で騒乱を招くという危機到来の公算が強い。ロジャーズ氏は、不思議に中国問題を避けている。彼の視野に、中国問題がないとは考えられない。それほどロジャーズ氏は、不可思議な存在になってきたのである。

     

     

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    4月中旬、韓国メディアは日本のコロナ感染者急増を嘲笑していた。詳しくは後で取り上げるが、その韓国で感染者急増の事態に見舞われている。現状での比較では、日韓どちらが防疫面で正攻法であったか。問われそうである。大口は叩くべからず、である。

     

    『ハンギョレ新聞』(6月20日付)は、「新規確定感染100人が10日続けば首都圏の病床いっぱいに」と題する記事を掲載した。

     

    「今すぐに重症患者を入院させられる病床は、京畿道には一つもない」。イム・スングァン(京畿道COVID-19緊急対策団共同団長)京畿道医療院安城(アンソン)病院長は最近、病床の心配で毎日やきもきしている。2日前までは京畿道に5つあった重症患者が入院可能な病床が、18日には0になった。

     

    (1)「19日午前0時までの24時間で、国内で59人の新型コロナウイルス感染症感染者が新たに確認され、このうち42人が首都圏での発生だった。首都圏での感染拡大傾向は落ち着く気配がない。1日当たり50人以上の新規感染者の確認は今月だけで5回目だ。そのうえ、首都圏を飛び越えて大田(テジョン)にまで流行が拡散している。18日までの大田の訪問販売業者や教会の集団感染の累積確定感染者数は25人にのぼる」

     

    韓国は、明らかに第二次感染期に入っている。現在(20日現在)の入院患者数は1237人である。日本は797人であるから、韓国の方が55%も多い。日本は、アビガンがあるので早期回復によって退院させられるのかも知れない。韓国は、このアビガンのニュースをフェイク・ニュース扱いして歯牙にもかけなかった。科学に対しては真摯に対応すべきなのだろう。

     

    (2)「5月末から首都圏で感染者が急増していることで、COVID-19流行の第2波を防ぐ「1次阻止戦」たる公共医療システムにも過負荷がかかり始めている。首都圏の公共病院のあちこちから悲鳴が上がっている。これを受け、中央災害安全対策本部(中対本)は17日、首都圏の病床などの医療資源を緊急点検する会議を開いた。首都圏で使用可能な重症患者用の病床は48床(17日現在)に過ぎない。最近、高齢の患者が増えたことで危篤や重症の患者も27人に増え、重症患者用の病床の確保に赤信号が灯っている。一般病床も十分ではない。首都圏の感染症専門病院に確保された1769床のうち、空いているのは959床だ。首都圏で新規感染者が1日に100人確認されることが10日続いただけで、残りの病床は埋まってしまう」

     

    首都圏で使用可能な重症患者用の病床は、48床(17日現在)に過ぎないという。最近は、高齢者の患者が増えており、重症化が懸念されている。首都圏の感染症専門病院に確保された一般病床1769床のうち、空いているのは959床にすぎない。首都圏で新規感染者が1日に100人確認されることが10日続いただけで、病床は満杯になる。医療崩壊が現実化するのだ。

     

    韓国が、あれだけ自慢した「K防疫モデル」は、いまやこの始末である。自慢はほどほどにしておくべきだったのだ。この韓国が、2ヶ月前に日本を嘲笑して次のような報道をしていたのである。

     


    『中央日報』(4月20日付)は、「日本感染者1万人、何も聞かずに順応する日本社会が呼んだ国家危機」と題する記事を掲載した。

     

    (3)「世界が訝しく思っているように、東京オリンピック(五輪)を意識して感染者を確認することに消極的だったのか、五輪延期が決まった途端に感染者が急増した理由は何か、なぜ世界で唯一日本だけが検査をちゃんとしていないのか、能力が問題なのか意志が問題なのか、アベノミクス成果のためにコロナ対応に消極的だったのか、国民に対する現金給付対策を変える名分づくりのためにしかたなく緊急事態宣言を全国に拡大したのではないか等々に対する急所を突いた質問や誠意のある回答はなかった」

     

    今振り返っても、頓珍漢な記事である。日本のPCR検査数が少ないことをヤリ玉に上げて、「能力が問題なのか意志が問題なのか」とまで、酷評している。日本の防疫モデルが正解であったのは、病院に殺到するのを防止すべく、①体温37.5度以上の状態が、②4日以上続くという枠をはめたので医療崩壊を防げたのである。これにより、病床を確保して重症患者を100%受入れられる「余地」をつくっていたのだ。

     

    日本では、コロナ重症患者の7~8割を生還させられたが、米国は3割程度という。この日米の差こそ防疫対策としての基本を守った結果である。日本では、感染者が放置されているとの批判も当らなかった、最近の東京や大阪の抗体検査では、過去にコロナにかかった人の比率は、0.07%(東京)と圧倒的に低い数値だった。

     

    現実に、日本人は新型コロナウイルスに罹患しなかったのである。その理由は、①手洗いの励行、②三蜜回避、③クラスター把握のために保健所がフル回転した、など他国にない防疫システムが機能したのである。世界の奇跡である。

     

    (4)「4月7日の会見で、「コロナ対策が失敗だと判明したら責任を取るか」と安倍氏を厳しく突いたのは、たどたどしい日本語のイタリアメディアの記者だった。また、3月28日の会見で「日本だけ感染者数が少ないが、何か奇跡でも起こったということか」と言って低調な検査実績を正面から問題視したのはインターネットメディアのフリーランサー記者だった。このように日本社会が本質的な問題に背を向けている間に、感染者は1万人を超えた。19日午前0時基準でクルーズ船乗船者(712人)を含めて1万1145人、死亡者は237人となっている。日本の人口(1億2647万人)のほうが多いので直接的な比較は難しいが、感染者と死亡者数は韓国を上回った」

     

    余り「日本人論」を振りかざしたくない。「日本だけ感染者数が少ないが、何か奇跡でも起こったということか」という疑問か起こるほど、日本人は古来、清潔をモットーとする民族である。礼儀・清潔・整頓・控え目などが「奇跡」を生んでいるのだろう。油断は禁物だが、他国に比べれば、飛び抜けたパフォーマンスである。

     

    (5)「弱体野党と従順なメディア、葛藤よりも安定を求める順応的な国民性のおかげで7年4カ月を巡航してきた安倍内閣が新型コロナという強敵に出会い、このように迷走している。単に安倍政権だけでなく、日本全体も一緒に遭遇した危機という点でその波紋が小さくないようだ」

     

    この記事は、2ヶ月前である。韓国の勝ち誇った姿が読み取れる。韓国のような民衆デモをすぐにやる日本ではない。自信があるから落ち着いて対応したのだ。韓国人は、日本を理解できないからすぐに「反日」をやる。日本社会の本質を理解すべきなのだ。

     

    誤解を恐れずに言えば、日本は未だに武士道精神が生きているのだろう。韓国のような「両班」(ヤンバン:特権階級)を羨望する社会と異なり、心の底に「諦観」が存在する。諦めでなく、「真理を観察する」という落ち着きである。武士道に由来するものだ。


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    中国の習近平国家主席は、2022年の国家主席3期目選出を確実にするため、周辺国への侵略を臆面もなく進める準備に余念がない。日本の海上保安庁の役割を担う「海警局」が、人民解放軍と合同訓練するなど軍事力強化に着手した。

     

    中国経済が、いよいよ難しい局面に差し掛かっている。その弱点を、領土の外延的拡張で隠そうという、独裁者共通のカムフラージュ戦術を取り始めた。厳重警戒が必要だ。中国は、凶暴化し始めている。いつ尖閣諸島に魔手を伸すか分からない、そういう緊迫感を保つ必要がある。

     

    それにしても、戦前の日本とほぼ同じ軌跡で軍拡に動いている。習近平氏は、東条英機である。満州侵略から南方への戦線拡大を指揮したが、背景には深刻な日本経済の不況があった。溢れる失業者を救済するために軍需工業を拡充し、やがて開戦へと突き進んだ男である。

     

    中国の現状は、まさにこの局面である。国内の失業者増大を食い止める術がないのだ。頼みの対米輸出は、米中貿易戦争で拡大不可能。それだけでない。米中デカップリング論の現実化。コロナのパンデミックで国内経済はガタガタである。建国以来の危機である。失業者増加は、共産党の信認を脅かす。こうなったら、海外で危機をつくりだして愛国心を高めて不満を外へ逸らすほかない。東条英機が、若手将校から突き上げられて開戦に踏み切る状況に似てきたのだ。だから、危険な兆候が高まってきたと見るほかない。

     


    『日本経済新聞 電子版』(6月20日付)は、「中国海警局、軍と融合加速、法改正で平時から共同訓練」と題する記事を掲載した。

     

    中国の習近平(シー・ジンピン)指導部が日本の海上保安庁に相当する組織である海警局の役割を強化する。中国軍と連携し、平時から軍と共同訓練をできるようにする。戦時は軍の指揮下に入り一体的に運用する。海警局と軍の融合が進めば周辺国にとって脅威となる。海警局の船は南シナ海のほか、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の周辺海域でも活発に活動し、海保の巡視船とのにらみ合いが続く。近年は機関砲などを積む船もあり、日本側は警戒感を強めている。

     

    (1)「中国の国会に相当する全国人民代表大会の常務委員会で20日、人民武装警察(武警)法の改正を採決し成立した。武警法の改正は2009年以来11年ぶり。中国国営の新華社が伝えた。改正法によると「戦時」と判断した場合、武警は習近平国家主席が率いる中央軍事委員会か、中国内で5つある中国軍の「戦区」の指揮を受ける。武警の一部である海警局にも同法を適用する。戦時は軍と海警局の船が一体で動き、軍事作戦にも参加する。平時も軍との共同訓練や演習、緊急救助などを実施する。軍との融合を進め、海上での警備から軍事活動までを境目なく円滑に対応できる態勢づくりが狙いとみられる」

     

    周辺国との騒乱を引き起す準備を始めている。先ず、手始めに海警局を使って衝突させ、劣勢になれば人民解放軍が全面的に出てくる戦術であろう。中国の手の内は透けて見えるのだ。

     

    (2)「改正法には武警の任務として「海上の権益保護と法執行」も盛り込んだ。これまで武警は治安維持や重要インフラの警備といった陸上任務がほとんどだった。60~70万人の人員を擁するとの見方がある。今後は海上警備任務にも人員を振り分ける可能性がある。海上での法執行任務で一定の条件で、武器の使用を認める規定も新たに設けた。海上警備を妨害した場合などは刑事責任を追及できるとした。18年7月の機構改革で海警局を中央軍事委の指揮下にある武警に編入した」

     

    海警局は、18年7月に中央軍事委の指揮下にある武警に編入されている。日本の海上保安庁が、海上自衛隊の組織に組み込まれるような話だ。日本は、完全に分離されているが、中国は一体化してカムフラージュさせる狙いだ。偽装である。

     

    (3)「米国との海洋覇権を巡る争いを視野に、海警局を取り込んで海洋での軍事能力の底上げを狙った措置との見方がある。尖閣諸島を含む東シナ海や南シナ海を巡る問題を抱える周辺国にとっては懸念が高まる。南シナ海ではベトナムやフィリピンなどが中国と領有権を争う。中国は南シナ海のほぼ全域で権益を主張し、軍事拠点の建設などを進めて実効支配を強めている」

     

    南シナ海では、海警局の船舶を武装化させて強硬手段で占領するだろう。人民解放軍が先頭に立てば、米海軍の介入を招く。そこをかいくぐって、理屈をつけて侵略する手はずであろう。それにしても、こういう無益なことになぜ、国運を賭けるのだろうか。習近平なる人物は、悪い夢を見過ぎている。

     


    (4)「海警局の船の活動は尖閣諸島周辺でも活発だ。日本の領海のすぐ外側にあたる接続水域での航行日数は6月20日時点で4月14日から68日連続。12年9月の尖閣国有化以降で最長を更新した。5月8日には尖閣周辺の領海に侵入し、日本漁船を追尾した。河野太郎防衛相は「機関砲を積んだ船が恒常的に複数入ってくる状況だ」と指摘し、海警局の船の武装化を懸念する」

     

    中国軍部は内々で、日本に侵略された恨みを絶対に忘れず報復するとしている。「中華の再興」とは、報復を意味するのだ。これを忘れると、日本は痛い目に遭う。習近平氏は、民族主義者である。侵略を正当化できる人間だ。この点が、極めて危険である。

     

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    文在寅氏は、ダブルスタンダードである。北朝鮮へのビラ散布が国際法違反という認識でありながら、韓国大法院判決の旧徴用工補償は国際法違反でないと認めているからだ。この判決は、文氏が誘導したものである。判決直前に、「人権に時効はない」と演説しているからだ。

     

    国際的に、司法は条約に関する解釈をしない決まりがある。そうでなければ、いったん結んだ条約が後に無効になると、国際関係は円滑に動かないためである。韓国大法院は、あえてこれを破り介入した点で、国際法違反と言える。日本政府が、絶対に受入れないのはこうした理由がある。韓国は、8月4日以降になれば差し押さえた担保(評価額6500万円程度)の売却に踏み切ると見られている。これが、日韓関係に何をもたらすかだ。破局である。

     

    『朝鮮日報』(6月20日付)は、「次第に遠ざかる韓日、破局へ向かうのか」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のチョン・グォンヒョン論説委員である。

     

    日本に「敵に塩を送る」ということわざがある。16世紀の日本では諸大名が乱立して争っていた。そのさなかに宿敵同士だった一方が塩不足に苦しんでいた相手方に塩を送ったというエピソードに由来する。窮地に陥った敵の弱点を狙わず、雅量を示した形だ。「自分が争うのはやりと刀である。塩を送るから、気持ちを受け取ってくれ。再び軍馬を整え戦場で会おう」というメッセージだった。

     

    (1)「慶尚北道慶州市は最近、新型コロナウイルス対策物資の確保に苦しんでいた日本の奈良市に防護服1200セット、ゴーグル1000個を支援したところ、大騒ぎになった。「土着倭寇」(韓国に自生する親日派の意味)「売国奴」という非難が相次いだ。「塩」を送って敵を助けた行為として追及されたのだ。慶州市と姉妹都市関係を結んで50年になる奈良市が2016年の慶州地震の際には救援物資を提供。毎年修学旅行団が慶州市を訪れている。しかし、「慶州市長を解任せよ」という青瓦台の国民請願まで登場するに至り、お手上げ状態となった。残る物資支援はなかったことにされた。こうした形で地方自治体同士の交流が断たれたり、民間レベルでのイベントが中止されたりしたケースは50件を超えるという」

     

    韓国では、感情が激すると自殺するケースが多く、OECD(経済開発協力機構)での自殺数は1位である。こういう国民性から、理性からみて考えられない行動に走る。ここに上げたケースはその一つであろう。

     


    (2)「2018年10月、大法院で徴用工判決が下されて以降、18カ月にわたり、両国政府はひざを突き合わせて話し合うのではなく、相手に屈服を強要した。外交は存在しなくなった。その渦中で日本の韓国に対する輸出規制が取られ、韓国側からは韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄という脅しが出た」

     

    GSOMIA破棄も感情論である。感情が激して咄嗟にとった行動であろう。

     

    (3)「2ラウンドの戦いは日本製鉄(旧新日鉄住金)の賠償手続きと共に始まるだろう。裁判所が期限として定めた84日が過ぎれば、既に差し押さえられた日本製鉄の韓国国内の資産を現金化することが可能となる。青瓦台と与党内部では日本製鉄が韓国に保有する資産の売却を既成事実化しているムードだ。日本側は差し押さえ資産の現金化を限界線として設定している」

     

    6500万円の差押物件の売却で、日韓関係が破局すれば、まさに国益を無視した「感情論」的行為となる。

     


    (4)「日本国内の強硬世論を考慮すれば、韓国側の資産差し押さえや関税引き上げといった金融カードを切るかもしれない。輸出規制は「国産化」で乗り切ることができるかもしれないが、金融分野の「国産化」はあり得ない。基軸通貨の発券国(日本)との争いは最初から相手にならない。日本が金融カードを切るふりをしただけで、韓国は傷を負いかねない」

     

    下線部は、誤解を含む表現であるので訂正したい。正確には、円がIMF(国際通貨基金)のSDR(特別引出権)通貨であるという意味だ。米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、中国人民元の5通貨が指定されている。人民元は、最も遅く指定を受けたが、中国のメンツでIMF当局を抱き込み強引に昇格させたもの。その時の約束である、自由変動相場移行と資本自由化は、いまだに実行されない意味で「未成熟通貨」である。

     

    日本が、金融カードを切るのではと危惧している。日本の金融界は韓国と密接な関係を持っているからだ。日韓併合時代の朝鮮金融は第一銀行(現・みずほ銀行)が深く関わっていた。こういう歴史を考えれば、金融の地下水脈は日韓で結ばれている。日本が、ここへ一撃を加えるとすれば、韓国が大きな影響を受けるであろう。

     

    ウォン投機が起こった場合、もはや円との関係が切れていることが内外で明らかになれば、投機筋はウォンの売りたたきに動くであろう。これも韓国には負担になろう。韓国が金融弱国であることは、過去2回の通貨危機が証明している。

     


    (4)「南北関係が米中関係によって規定されるように、韓日関係が原状回復の難しいレベルの破局に至れば、米中対立局面から韓米不和に繋がることが避けられない。GSOMIA破棄を巡って、そうした力関係は十分に経験した。それでも文在寅(ムン・ジェイン)政権は「被害者が望まない」「大法院判決には関与できない」という無為・無策で一貫している。仮に目前に見える不利益が予想されても、他の目的で放置していたとすれば、これまでのところは成功したと言える。今後文在寅政権の人々が意図した通りに物事が運ぶかどうかに関係なく、被害は企業や一般国民が被ることになる」

     

    文在寅氏の反日=排日=保守派排除という方程式の最終回答は、国内保守派を選挙で孤立させることである。先の総選挙は、思い通りの結果になった。「めでたし」であるが、本当の反日よるマイナスは、日本が切るこれからのカード次第である。金融カードは、金融弱国の韓国を揺さぶる力を持っている。

     

    一般には、金融への関心が薄く「実物レベル」で物事を観察している。それは、多くの点で実態を見間違えるのだ。中国が最近、米国からの穀物輸入を約束通り行なうと表明したのは、米ドルの威力に屈したのである。中国最高指導部は、ようやく基軸通貨ドルの魔力に目が覚めたもの。本欄はこのことについて、口を酸っぱくして指摘し続けてきたのだ。中国は、「遅かりし由良之助」である。


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