勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: 北朝鮮

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    南北のホットラインが、7月28日から復活した。「春の日は絶対に来ないだろう」と言っていた北朝鮮が突然、連絡チャンネル復旧に応じた背景に何があるのか。北朝鮮の自力では乗り越え難いほど悪化した経済難と、韓国がコロナ対応のための人道的支援再開なども理由として上げられている。同時に、対話のテーブルにつくように勧めてきた米バイデン政権に対する「前向き姿勢」を示すことにもなった。ともかく、米韓朝三カ国の思惑が一致した形である。

     

    韓国の文大統領は南北連絡の復活を政治生命としてきたから、日韓関係凍結後に訪れた「朗報」であることは間違いない。ただ、北朝鮮が突然の「心変わり」を見せた裏には、経済難だけが理由ではなさそうだ。南北の交流再開には、米国の強い圧力がかかるのでそう簡単に進展するとは思えない。となると、残る理由は韓国の大統領選への影響を狙ったものと分析されている。

     

    『朝鮮日報』(7月29日付)は、「南北通信連絡線の復元に米専門家ら疑念の声『北朝鮮、韓国大統領選に影響力行使か』」と題する記事を掲載した。


    米国務省は27日(現地時間)、南北間の通信連絡線復元が報じられたことについて「米国は南北間の対話を支持し、南北通信線復元の発表を歓迎する」とコメントした。しかし一部の専門家たちは北朝鮮の意図を疑う否定的な見方を示している。

     

    (1)「米国務省のポーター副報道官はこの日行われたブリーフィングで、「これ(南北通信線の復元)は肯定的な措置であると信じる」とした上で、「外交と対話は韓半島の完全な非核化成就と恒久的平和建設に必須だ」と述べた。米ホワイトハウスのキャンベル・インド太平洋調整官もワシントンで開催された韓米同盟財団との朝食会を兼ねた懇談会後、特派員らの取材に「われわれは北朝鮮との対話と疎通を支持する」と述べた」

     

    米国にとっては、米朝間の直接対話ができないまでも、南北の対話が可能になる連絡線が復活したことは好材料にちがいない。このこと自体は、歓迎であろう。

     


    (2)「このような米国政府の公式な立場とは違い、米国の専門家らは北朝鮮の意図に懐疑的な反応を示している。かつて米国務省で対北特別代表を務めたジョセフ・ユン氏は本紙の電話取材に「今挑発を行っても米国が何かを与えるとは考えられないが、その一方で韓国の大統領選挙まであと数カ月しかないため、北朝鮮は対話に応じる考えを持ったのかもしれない」との見方を示した。ユン氏はさらに「北朝鮮は明らかに(韓国大統領選挙で)進歩陣営を支援したいはずだ。それも一つの動機となっている可能性もある」「究極的には米国との対話を望んでいるのかもしれないが、一方で深刻な経済や食糧難に直面しているためかもしれない」と指摘した」

     

    韓国の次期大統領選では、進歩派が文政権の継続政権として継げる見通しがついていない。それどころか、20代の若者が反旗を翻して政権交代を熱望する状況だ。文政権の成立では、この20代が熱烈支持であった。それが、様変りしている。

     

    最新の世論調査は、大統領選で野党候補が与党候補を引きはなしている。『聯合ニュース』(7月29日付)が、次のように報じている。

    尹氏(野党)と李在明氏(与党)、尹氏(野党)と李洛淵氏(与党)の一騎打ちとなった場合はいずれも尹氏が優勢であることが分かった。尹氏と李在明氏の対決では尹氏が40.7%、李在明氏が38.0%で、誤差範囲内の接戦となった。尹氏と李洛淵氏では尹氏が42.3%、李洛淵氏が37.2%だった。与党不利という結論である。

     


    (3)「米戦略国際問題研究所(CSIS)のスミ・テリー上級研究員も本紙の取材に「北朝鮮の経済難やコロナの状況などから考えると、北朝鮮は韓国から何か得られないか探りを入れているようだ」、「しかし制裁違反にならない範囲で文在寅(ムン・ジェイン)政権が与えることのできるものは限られている」との見方を示した。その上でテリー研究員は、「北朝鮮の経済難、(韓国の)大統領選挙の日程などから考えると、今後平和攻勢が始まると予想はしていたが、その平和攻勢が韓米連合訓練よりも前にやや早く出たことは疑問が出る」ともコメントした。テリー研究員は、「米国が韓米連合訓練を取りやめることはないだろうが、コロナを理由に規模を制限することはあり得る」と予想した」


    北朝鮮は、次期大統領が野党の保守党に移れば、現政権よりも相当にてこずる相手になる。そうならないようにするには、次善の策として文政権と対話した方が「ベター」という選択である。北朝鮮の「損得計算」で、連絡線の復活になったものと見られる。 

     

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    韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、米誌『タイムス』アジア版の表紙写真を飾った。なかなかの「好男子」に映っており、先ずは祝意を申し上げねばならない。文氏は、2017年5月にも同誌アジア版表紙に登場しているので2回目となる。売れっ子である。

     

    今日、6月25日は朝鮮戦争が始まった日である。このタイミングで、文氏は金正恩氏を「非常に率直で国際感覚豊か」と褒めたのである。朝鮮戦争の傷跡を抱える人たちには、複雑な思いがよぎったであろう。

     

    『東亞日報』(6月25日付)は、「文大統領、『金正恩氏は非常に率直、国際感覚ある』米誌タイムの会見で語る」と題する記事を掲載した。

     


    (1)「文大統領は米タイム誌とのインタビューで、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記について、「非常に率直で意欲的であり、強い決断力を示した」と強調した。しかし同誌は、「正恩氏は叔母の夫と異母兄を冷酷に殺害し、2014年の国連人権調査委員会(COI)の歴史的な報告書によると、抹殺、拷問、強姦、飢謹長期化の惹起など『反倫理犯罪』を主導した人物」と相反する見解を示した」

     

    文氏は、北朝鮮の金正恩氏を「非常に率直で意欲的であり、強い決断力を示した」と評価したが、タイム誌は、「抹殺、拷問、強姦、飢謹長期化の惹起など『反倫理犯罪』を主導した人物」であると真逆の評価を付け加えた。

     


    文氏による金正恩評価について、韓国国内でも異論が出ている。

     

    韓国野党の大統領候補、劉承ミン(ユ・スンミン)「国民の力」元議員が24日、フェイスブックで次のように語った。『中央日報』(6月25日付)が伝えた。

     

    「北朝鮮は文大統領を『ゆでた牛の頭』『特等の馬鹿』『米国産オウム』と嘲弄したが、文大統領は金正恩を『非常に正直で、熱情的で、強い決断力を持った人』と称えた。また、『金正恩の正直、情熱、決断力はいったい誰のためのものなのか」とし『北の人民のためのものか、大韓民国の国民のためにしたことか、それとも北の核』サイルをいうのか』と皮肉った。また『正直という言葉の意味は何か』とし『文大統領は正直の意味をどう考えて金正恩が本当に正直だと話すのか』と問いただした」


    大統領府は、同誌が使った表現「honest」を国内メディアが「正直」と翻訳して報道すると、24日に「インタビューで大統領は『正直』ではなく『率直』という表現を使った」と明らかにした。

     


    「さらに、『6・25韓国戦争(朝鮮戦争)71周年を翌日に控えた今日、我々の大統領の金正恩賛歌に接し、殉国烈士の英霊に面目ない』とし『大韓民国の大統領として国と国民の自尊心を踏みにじらないことを願う』と強調した」

     

    文氏がタイム表紙を飾ったタイミングは、朝鮮戦争開戦と重なり合うだけに絶悪というのが本当だろう。文氏は、朝鮮戦争について批判すべきであった。

     

    (2)「23日(米現地時間)に公開された「文大統領が祖国を癒すための最後の試みに乗り出す」と題する記事で、文氏は正恩氏の性格を問われ、「国際的な感覚もある」と答えた。一方、同誌は、文氏の返答を紹介しつつ、「多くの北朝鮮消息筋は、正恩氏に対する文氏の変わりない擁護を錯覚と見ている」とし、韓国政府が北朝鮮人権運動を弱体化させているという指摘も紹介した」

     

    文氏は、なぜこれほどまでに金正恩氏を持ち上げるのか。無論、引き続き南北会談を開いて、南北融和の実績を上げたいという政治家の願望もあろうが、客観的に見てその可能性はゼロである。北朝鮮が、文大統領を相手にしないという意向を繰り返し発表しているからだ。

     


    結局、文氏が金正恩氏へ一方的な「親愛感」を示しているという認識しか残らない。ここで、文氏の「人を見る目」がどれだけ正しいかという「眼力」が問われるのだ。

     

    『中央日報』(6月16日付)は、「これほど多くの天下り人事はなかった」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のキム・ドンホ論説委員である。

     

    (3)「文大統領は、世論と聴聞会を無視して任命した33人の閣僚級人事こそが天下りの典型だ。歴代のどの政権もこれほど多くの天下り人事はなかった。昨年10月の国民の力の資料によると、公共機関のトップ3人のうち1人が大統領選挙で一緒だった親文派だ。今でも350の公企業のあちこちに天下り人事が続いている。ある政治家は「任期が1年残った今が最後の機会」とし「いま任命されれば3年ほど任期が保証される」と話した。この機会をつかむために権力にコネを作ってロビー活動をし、大韓民国が病んでいる」

     

    タイム誌表紙を飾った文在寅氏は好男子である。政治家というよりも大学教授の風貌を漂わせ、「私は善人です」と言いたげな表情である。だが、その裏では「思い込み人事」を行なっている。失業救済で「3年間の任期保障」でポストを与えている。猟官運動もあるだろうが、その見分けもつかない文氏は、退任後に厳しい非難の嵐に遭遇するであろう。結論は、文在寅の眼力は曇っているのだ。

     

     

     

     

     

     

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    北朝鮮は、これまでの例であれば米新政権の発足後に派手な徴発行為を行なってきた。今回は、なぜか抑制気味である。北朝鮮国内で、何か過去にない「異常事態」が持ち上がっていることを覗わせる。実は、瀕死の事態が起こっているのだ。

     

    ロシア国営RIAノーボスチ通信が21日(現地時間)報じたところでは、北朝鮮の新型コロナウイルス感染症検疫のため、最後まで北朝鮮に残っていた人道国際機関職員が撤収した。

    ロシア外務省の国際機関局長ピョートル・イリイチョフ氏が、RIAノーボスチ通信とのインタビューで、次のように語っている。『中央日報』(4月22日付)から引用。

     

    「北朝鮮の国境閉鎖により、人道主義的国際機関は、職員を交替させる能力を失い、人道的支援物資の供給も遮断された。昨年8月以降、北朝鮮はたった1つのコンテナも受け取ることができなかった。物資が途絶えたことから倉庫が空になり、燃料供給も中断されて人道主義的機関の期待効果が実質的に無効化された」。燃料不足で、援助した食糧を食べることもできないという意味だろう。



    『中央日報』(4月23日付)は、「見たところ普通だが危ない北朝鮮、3つのドミノ」と題するコラムを掲載した。筆者は、ジョン・エバラード元平壌駐在英国大使である。

    (1)「北朝鮮専門家たちは、4月7~8日の北朝鮮労働党第6次セポ秘書大会での金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の演説に非常に驚いた。執権後初めての公式演説で「もう二度と1990年代の苦難の行軍に戻らない」と約束した彼が、今回は「苦難の行軍を決心した」と明らかにしたからだ。正恩氏は現状況を「極難の状態」と表現して「理念的結束」の強化を促した。演説内容と語調から推察すると、北朝鮮首脳部は食糧不足などの経済問題と新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)、北朝鮮の理念的結束の弛緩を懸念していることが明らかだった」

     

    北朝鮮は、次の3つの危機に直面している。

     

    1)食糧不足などの経済問題
    2)新型コロナウイルス感染症

    3)理念的結束の弛緩

     

    前記のうち1)と2)はこれまでも報じられてきた。3)の理念的結束の弛緩は、チュチェ思想という北朝鮮の民族思想が揺らぐ事態が起こっていると指摘している。まさしく、建国思想の揺らぎであり、北朝鮮最大の危機である。文政権はチュチェ思想を信じているが、北朝鮮民衆は貧困ゆえに「花より団子」を欲しがっている事態に直面している。



    (2)「今月14日、ロシア大使のタス通信インタビューによると、現在北朝鮮は1990年代末の状況ほどは厳しくはない。しかし深刻な問題がある。ロシア大使館によると、北朝鮮は医薬品をほぼ手に入れることはできず、肥料工場団地は運営中断状態にあるようだ。公式・非公式貿易は大幅に減り、海外北朝鮮労働者の送金額も急激に減少した」

    北朝鮮は、経済制裁によって医薬品が手に入らない状態である。貿易も闇貿易も含めて大幅に減っている。

     

    (3)「北朝鮮に肥料がないなら、今年の収穫量は深刻で、これは飢謹につながるおそれがある。北朝鮮は新型コロナの拡大を極度に警戒している。ロシア大使の発言によると、歩道まで殺菌している。現在では北朝鮮の徹底した孤立戦略がコロナ拡大を防いでいるようだ。しかしウイルスが流入する場合、とりわけそれが変種株なら、北朝鮮の貧弱な医療体系ではほぼ耐えることができないほどのスピードで拡大する可能性がある。北朝鮮のワクチン確保も順調でない」

     

    肥料不足で食糧生産が細っている。一方で、歩道まで殺菌するという異常事態だ。医薬品不足で、コロナ感染を極度に恐れている結果だ。ワクチン確保も困難を極めている。文政権は、こういう事態を見て支援を訴えているが、北は肝心の核にしがみついている。

     

    以上は、1)と2)の問題である。次が、3)の理念的結束の弛緩である。



    (4)「秘書大会で最も驚いた事実は北朝鮮当局が理念的結束の弛緩を懸念している点だった。初めてのことだ。どの国の政府でも党員の忠誠心弱化は心配するべき問題だが、北朝鮮は理念で固く団結しているだけに理念体系にひびが入れば手の施しようがなくなる。北朝鮮外部からはその程度について推し量ることはできないが、正恩氏が直接この問題に言及したという事実が状況の深刻性を暗示している」


    正恩氏が直接、理念の結束が弛緩していると言及した事実が、状況の深刻性を浮き彫りにしている。

     

    (5)「北朝鮮の経済、新型コロナ状況、理念的結束問題は相互依存的だ。例えば、ウイルス拡大問題を解決するには、経済的安定と忠誠にあふれた正直な幹部が必要だ。経済が崩壊すれば1990年代のように食料を手に入れようとする人民の移動を統制できなくなり、ワクチンプログラムを管理することも不可能になる。理念的結束が弱まった幹部は、自分の家族のためにワクチンを盗んだり売ったりする可能性も出てくる。腐敗は、すでに北朝鮮で大きな問題で、理念的結束の崩壊は状況を悪化させるだけだろう」

     

    北朝鮮は、貧困とコロナ禍が重なって、極度の緊張状態に陥っている。こうなると当然、北朝鮮労働党の理念的結束が揺らぐ事態を招く。



    (6)「3つのうちどれか1つでも大きくなれば、一瞬で北朝鮮政権を混乱に陥れることができる。問題が1つでも大きくなれば他の2つもドミノ倒しのように連鎖して問題が大きくなる。外から見る分には普通のようだが、内部は足元がおぼつかない北朝鮮の現状況が、突然、あるいはたった数週間のうちに悪化する可能性を認知しなければならない。災難は予告なしに近づいてくるものだ。中国は北朝鮮が中国に妥当な態度を取る時だけ支援するという立場を北朝鮮に知らせた。もう唇亡歯寒(お互いに助け合う)の関係ではなく取引外交の関係だ

    前記3つのドミノのうち一つでも倒れれば、北朝鮮は「終わり」になる。中国は、北朝鮮を犠牲にして、米国と取引に出るかもしれない。想定外の事態が起こっても不思議はない。

    (7)「筆者は、以前も北朝鮮の突然の変化の危険について何回も言及してきた。危険はますます大きくなっている。正恩氏が現状況を率直に認めている以上、われわれ皆が北朝鮮の状況を注目しなければならない」

    北朝鮮危機が、雪だるま式に膨らんでいる。最大の警戒感を持つべきである。

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    文大統領は、北朝鮮からいくら罵倒されようと、じっと「我慢の子」を演じている。北朝鮮が望むことをすれば、必ず平和がやってくると認識しているためだ。文氏が、北朝鮮の望みを聞き入れてこそ、平和がやってくるという根拠のない理想主義に傾いているのは限界を超えている。韓国識者から大きな批判を浴びている理由だ。

     

    『東亞日報』(3月17日付)は、「韓米合同軍事演習の縮小に対する北朝鮮の返事は『生まれつきの馬鹿』」と題する記事を掲載した。


    (1)「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)氏が16日、韓米合同軍事演習を非難し、「3年前の暖かい春の日に戻ることは容易ではないだろう」と述べた。与正氏は、文在寅(ムン・ジェイン)政府に対して、「生まれつきの馬鹿」、「狂犬」と暴言を吐き、「任期の末期に入った南朝鮮当局の行く末は非常に苦痛で平坦ではないだろう」と警告した。また、「初めから面倒な仕事をつくらない方がよい」とし、バイデン米政権を激しく批判した」

    北朝鮮の度を超した罵詈雑言には、聞き流しているだけでは韓国としての立場がないはずだ。一言、たしなめる警告ぐらいを発することも必要である。北朝鮮が、こういう下品な発言をするときは、韓国へのSOSを発している印とも言われる。だが、絶対に応じてはダメだろう。自制しようという動機が働かなくなるからだ。



    (2)「政府は今回の韓米合同軍事演習を野外起動なく防衛的性格のコンピュータシミュレーション訓練に縮小して実施したが、与正氏はこれを評価するどころか嘲弄で応えたのだ。にもかかわらず、政府高官は、「南北首脳が板門店(パンムンジョム)宣言と平壌(ピョンヤン)宣言を確認することが目標」とし、南北首脳会談を再び推進する意向を明らかにした。相次ぐ北朝鮮の「対南叩き」と警告にもかかわらず未練を捨てることができないのは、政府が夢と理想に酔い浸って現実感覚を失ったのではないかという疑念を抱かせる

     

    文政権は、北朝鮮からどのような悪口雑言を言われても、下僕のように振る舞っている。やはり毅然としたところを見せる必要があるのだ。こんな状況で、仮に南北交渉を始めても、対等な話合いは不可能であろう。

     

    韓国は、こういう暴力団並の北朝鮮と交流する意義があるだろうか。バラ色の幻想から抜け出さなければならない。韓国が、損害を受けるだけである。



    (3)「与正氏が米国務、国防長官の訪韓の前日に談話を出したのは北朝鮮のお決まりの手だ。与正氏は昨年12月、米国務副長官の訪韓に合わせて談話を出したが、北朝鮮に少しでも有利な局面を作ろうとしたのだ。与正氏が、「今後の南朝鮮当局の態度と行動に注目する」とし、9・19南北軍事合意を破棄する可能性まで取り上げたのは、文政権が米国に制裁緩和を説得してほしいという圧力であり、バイデン政権もこれに対して進展した立場を示すよう求めることに相違ない。これは、新型コロナ禍と貿易封鎖による北朝鮮の苦痛がそれだけ深刻という意味でもある」

     

    韓国政府は北朝鮮のご機嫌取りをすぐにやめるべきだ。北朝鮮の対南非難と無茶な主張がますます水準を高める悪循環に陥ることになる。金与正氏の非難にタイミングを合わせて対北朝鮮ビラ法が制定されたのがその事例だ。韓国当局を圧迫すれば自分たちが望む結果を得られるという誤ったシグナルを北朝鮮に与えることになり、はるかに深刻な誤判断を呼びかねない。これは、『中央日報』(3月17日付)の社説である。韓国が、北朝鮮の言うままに動くことは、戦争誘発への危機を招き兼ねない。絶対に、応じてはならないのだ。

     


    (4)「北朝鮮の韓米への激しい対応は受け入れられないが、北朝鮮の圧迫術策に振り回されてはならない。何より重要なことは、長期間停滞した米朝間の非核化対話を再開することであり、今回の韓米の会談では、この糸口を見出すことに議論が集中されなければならないだろう。北朝鮮も対話のムードづくりを台無しにする軽薄な発言を控えなければならない。このような行動は、米政権交代後も微弱ながら継続してきた米朝間の信頼の紐を弱めることになるだけだ」

     

    北朝鮮は、韓国を言葉の暴力で威圧しようとしているが、こういう卑劣な手段を止めるには、米韓が一体化することである。現状は、北朝鮮をめぐって隙間風が吹いている。北朝鮮は、この隙を突いてくるのだ。もはや、政治体制も完全に異なっており、同じ民族と言えないほどの変化が起こっている。韓国が、北朝鮮を甘やかすことは「百害あって一利なし」という極限状況になっている。

     

     

     

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    韓国与党議員は、軍隊の演習まで北朝鮮へご機嫌伺いする属国的な行動を取っている。38度線の向こうには、北朝鮮軍が虎視眈々と韓国を狙っているのだ。この敵に対して、いかに防御するかという趣旨の米韓軍合同演習について、韓国与党議員35名が連名で「延期要請」を大統領に提出したという。

     

    与党議員は、国家の安全保障にどのように考えているのか。北朝鮮は、韓国を攻撃する核やミサイルなどを日夜開発している。その相手に対して行う米韓軍合同演習を中止せよと要請するのは、常識を外れているとしか言いようがない。

     


    『朝鮮日報』(2月27日付)は、「敵が嫌がるから軍の訓練をやめようという国、韓国のほかにあるか」と題する社説を掲載した。

     

    韓国の与党系国会議員35人が、「北朝鮮が反発するから」という理由で、来月に予定されている韓米合同演習を延期せよと要求した。これらの議員は「金正恩(キム・ジョンウン)委員長まで自ら乗り出して強力に反発している」として、「韓半島の対話の局面作りとコロナ防疫のため、韓米合同演習の延期を求める」と主張した。この世の中に、敵が嫌がるから軍事演習をやめようという国は韓国のほかにはないだろう。

     

    (1)「金正恩は先月の労働党大会で、36回も核に言及した。韓国を攻撃する戦術核や原子力潜水艦、極超音速兵器の開発も公言した。軍事パレードでは、韓国を狙った新兵器を続々と披露した。そんな金正恩が要求しているという理由で、韓米合同演習を延期しようというのだ。北朝鮮の労働党が言っていることを、韓国の与党議員らが堂々と声明まで出して主張している」

     

    北の金正恩氏は、国内経済の疲弊を隠すべく韓国を攻撃する兵器開発を喧伝している。北朝鮮が、韓国を威圧する姿勢を強めているのに対して、韓国は卑屈になって揉み手をしているのだ。何とも不思議な構図で。

     


    (2)「韓米合同演習は、北朝鮮を攻撃するためのものではない。北朝鮮の脅威を防御するためのものだ。国家代表サッカーチームでも練習しなかったら町のサッカーチームと化してしまうように、軍隊もそうだ。ところが3大韓米合同演習は、2018年のトランプ・金正恩「シンガポール・ショー」以降、全て中断された。連隊級以下の小規模な訓練も、実弾を一度も使わないコンピューターゲームとして行われた。北朝鮮の顔色をうかがって演習の名前も付けられずにいる。海外で開かれる多国籍対潜水艦演習にも参加しなかった。その間に、北朝鮮の核と軍事力は休むことなく増強された」

     

    韓国は、北朝鮮の言動に恐れおののいている。「主人」は北朝鮮であり、韓国は「下僕」の地位にある。韓国が、ここまで卑屈になっているのは、文政権の思想的母国が北朝鮮であるからだ。北の「チュチェ思想」に被れており、南北統一が朝鮮民族最高の幸せという感覚に囚われているのである。韓国の自由と民主主義は、二の次になっている。

     

    (3)「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、韓米合同演習中断問題を北朝鮮と協議できると言った。金正恩が「合同演習を中止しろ」と言ったことに対する回答だった。敵の脅威に対する防御訓練を、敵と協議したいというのだ。初歩的な警戒任務一つも遂行できない韓国軍は、北朝鮮が新型ミサイルを撃つと「脅威ではない」と言ったり、韓米合同演習を延期しても対応態勢に問題はないと言ったりしている」

     

    韓国へ恐怖を与えている北朝鮮に対して、その防御のための米韓合同演習を実施してよいかを問い合わせる。漫画のような話である。

     


    (4)「訓練しない軍隊は、軍隊ではない。訓練なき同盟は抜け殻だ。米国防総省は「韓半島以上に演習が重要な場所はない」と言った。韓国政府・与党は、こうした声に耳を塞ぎ、今や「金正恩が怒るから訓練をやめよう」という声明まで出している。金正恩を怒らせる根本的な問題は韓米合同演習ではなく、韓国の存在自体と韓国の繁栄だ。金正恩がやれと言ったら何でもやるこの政権が何をしでかすか分からないという恐怖を抱く」

     

    韓国進歩派は、完全に腑抜けになっている。北朝鮮と交流したいというただ、それだけの理由で、国家の基本である安全保障を忘れている。韓国は、国家の体裁をなさなくなっている。こういう国家は崩れるのが早いであろう。朝鮮李朝の末期を想起させるのだ。

    次の記事もご参考に。

    2021-02-08

    メルマガ230号 米のインド太平洋戦略から韓国脱落、文在寅「空想外交」の破綻

    2021-02-25

    メルマガ235号 バイデンから引導渡された韓国、日米へ協力せず同盟国の「外様」へ格下

     





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