勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: 英国経済ニュース

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    英国と中国の関係が先鋭化している。英議会議長は、中国の鄭沢光駐英大の議会への出入りを禁止する方針を示した。鄭大使は15日、英議会内で開かれる親中派の超党派グループによる会合に出席する予定だったが、一部議員から抗議の声が上がったため、上下両院の議長が同決定を下した。

     

    こういう英中関係悪化の中で、英国が誇るケンブリッジ大学研究所が、中国のファーウェイと親密な関係にあることが発覚して、騒ぎが広がっている。英国の頭脳流出という危険性が唱えられているのだ。

    『大紀元』(9月16日付)は、「英ケンブリッジ大研究センター、中国ファーウェイと緊密な関係 議員らが調査呼びかける」と題する記事を掲載した。

     

    英ケンブリッジ大学の研究センター「ケンブリッジ中国管理センター(CCCM)」に所属する複数の研究者が、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)とつながりを持っていることがわかった。英議員らは政府に対し、大学などの中国資金への依存について直ちに調査を行うよう要請した。英紙『タイムズ(The Times)』が13日に報じた。

     


    (1)「同紙によると、2018年に深圳市で立ち上げられたCCCMの胡平代表は、ファーウェイの元上級副社長で、中国国務院の特別手当の支給対象者でもあるという。同特別手当は中国政府が高く評価する専門家に支給されている。CCCMは、胡氏がケンブリッジ・ジャッジ・ビジネス・スクールやCCCMに対して、今までいかなるサービスも提供したことがないとタイムズ紙に回答した。しかし、CCCMのウェブサイトには胡氏が代表者だと記載されていた。CCCMはタイムズ紙からの問い合わせを受けた後、胡氏の情報をウェブサイトから削除した」

     

    2018年に深圳市で立ち上げられたCCCMは、代表者が胡平氏である。ファーウェイの元上級副社長で、中国国務院の特別手当の支給対象者でもある。ここまで、はっきりした中国政府の紐付き人物が、代表者であるCCCMは英国として見逃せないはずだ。

     


    (2)「CCCMのウェブサイトで経営陣として紹介されている4人のうち、3人がファーウェイと密接な関係を持つとされる人物だった。ファーウェイの創業者で、最高経営責任者(CEO))の任正非氏の側近である田濤氏の名前もあった。CCCMの名誉研究員であるDavid De Cremer氏は、田氏と共同でファーウェイを賛美する書籍を執筆し、イギリスや中国での講演でファーウェイの携帯電話を勧めていた。また、CCCMのディレクターの1人である尹一丁氏も、田氏と共にファーウェイを宣伝する記事を執筆した。同紙は昨年、CCCMは中国政府から20万ポンド(約3000万円)、ファーウェイから15万5000ポンド(約2345万円)の資金提供を受け取ったと報じていた」

     

    このパラグラフによれば、CCCMは完全に中国の虜になっており「PR」機関である。ますます、英国として放置できないであろう。

     


    (3)「英 NGO「香港監察」の政策責任者、ジョニー・パターソン(Johnny Patterson)氏は、「ファーウェイと中国政府の関係は、もはや秘密ではない」と指摘した。両者の密接な関係は国家安全保障に重大な影響を与えるとし、ケンブリッジ大学は調査を行うべきだと述べた。いっぽう、ファーウェイは、「これらの疑惑は、学術界とビジネス界のパートナー関係に対する根本的な誤解を反映している」と反論した」

     

    ファーウェイは、米国の大学でも同じ手口を使って、研究成果を盗み出している。ケンブリッジ大学は、余りにも金銭に目が眩んでしまったのだろう。

     


    (4)「英国のトップ20の大学は近年、ファーウェイや中国の国営企業から4000万ポンド(約60億円)以上の資金提供を受けていると言われている。2018年、オックスフォード大学は今後、ファーウェイからの資金提供を受けないと発表した。イアン・ダンカンスミス(Iain Duncan Smith)元英保守党党首は12日、「英国の大学は近年、中国からの資金に依存しすぎている」と危機感を示し、政府は機関や企業の中国への依存度を緊急に調査すべきだと述べた。「ケンブリッジ大学のケースは特に最悪だ」と付け加えた」

     

    英国トップ20の大学が、約60億円以上の資金提供受けていることは危険である。研究成果を奪取されるのは目に見えている。余りにも、迂闊過ぎる話だ。

     

    (5)「英国下院外交委員会の委員長で、中国研究グループの会長を務めるトム・トゥーゲンドハット(Tom Tugendhat)議員も、「学術的影響力は明らかに問題だ」と指摘した。「大学が喫煙と癌の関連性を調査するのに、タバコ会社から資金を決して受け取らないのと同じように、各機構は自分たちの資金の源について細心の注意を払う必要がある」と述べた」

     

    どこの大学でも研究費獲得が大きな課題である。ファーウェイや中国国有企業は、そこに目を付けて研究成果奪取を目論んでいるもの。危ない話である。

     

     

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    英国は、EUを脱退した後、アジアへ経済・安保の面で接近している。EU脱退理由が、EUの発展性に限界を感じた結果であるからだ。日本やASEAN(東南アジア諸国連合)との関係を強化して、「準アジア的」存在を目指している。この外交戦略は、着々と効果を上げ初めている。

     

    英政府は8月5日、ASEANが英国を経済や安全保障などで協力を強化する国・地域と定める「対話国」に認定したと発表。経済担当の閣僚や外相による毎年の協議を通じて、両者の関係強化を目指す。英政府によると11番目のASEAN対話国・地域となる。英国は2020年1月末にEUを離脱したため、同6月にASEANに「対話国」となる申請をしていた。ASEAN「対話国」には、すでにEUのほか日本や米国、中国、韓国、ロシアなどが名を連ねている。

     


    英国は、既述の通りASEANが経済的に大きな発展可能性を持っていることに着目している。EUを脱退してまで、アジアの潜在的な可能性に賭けたものだ。この可能性を現実化させるには、中国のASEANへの軍事的脅威を防ぐ役割も果たさなければならない。この安保面での協力が、英国とASEANの絆を深めるきっかけになると見ていることは間違いない。

     

    英国は最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を、日本へ9月到着予定で出港させている。中国と東南アジア諸国数ヵ国が、領有権を争う南シナ海を経由して日本に向かうもの。同空母打撃群は、英国海軍の駆逐艦2隻、フリゲート2隻、支援艦2隻の他、米国海軍とオランダ海軍の艦船が同行している。インド、シンガポール、韓国にも寄港する予定だ。今回の英国のASEAN「対話国」決定と合せ考えると、英国は絶妙なタイミングで動いていることが分かる。

     

    英国だけが、アジアへ傾斜しているのではない。ドイツやフランスも同様に熱い視線を注いでいる。

     


    『日本経済新聞』(8月6日付)は、「
    英仏独、南シナ海に艦船 大規模訓練も」と題する記事を掲載した。

     

    英国やフランスが今年に入り、中国が実効支配を強める南シナ海に空母など軍艦を相次ぎ派遣している。中国の軍事拠点化の阻止を目指すバイデン米政権と歩調を合わせる狙い。中国がこうした動きに反発の姿勢を強めるなか、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国は緊張の高まりを懸念する。

     

    (1)「英海軍の空母クイーン・エリザベスを中核とする空母打撃群は5月に英国を出発、7月中旬にインド洋に到着しインド海軍などと共同訓練を行った。その後、7月最終週に南シナ海に入り数日かけて同海域を航行後、81日ごろに台湾の南のルソン海峡を経由してフィリピン海に到達したもようだ。フィリピン海では米国や日本、オーストラリア、フランス、韓国、ニュージーランドの空軍や海軍と大規模な合同演習を実施する。日本の防衛省関係者は「英空母を交えた訓練は異例だ」とこの合同演習の重要さを強調する。打撃群は9月には日本に到着する予定だ」

     

    英国が、打撃群を引き連れた「クイーン・エリザベス」をアジアへ航行させている裏には、歴史的な痛い経験がある。英国は、ナチス・ドイツが弱小周辺国を侵略して行く過程で当初、宥和政策をとっていたことだ。それが、ドイツを図に乗らせてポーランド侵攻へ走らせ、英国は堪りかねて対独宣戦布告し、第一次世界大戦が勃発したという経緯だ。

     


    習近平は、ナチスと同様の行動を始めている。手始めは、南シナ海への侵攻である。先進国はこれを傍観していた。中国は、これに勢いづき香港を飲み込み、台湾と尖閣諸島へ軍事的圧力をかけ始めている。英国が、神経過敏になっている歴史的背景を見落としてはならない。習近平の「サラミ戦術」は、ヒトラー直伝であるからだ。

     

    (2)「フランスも5月末、攻撃艦とフリゲート艦1隻に中国が軍事拠点化を進める南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島周辺を航行させた。年初にすでに攻撃型原子力潜水艦を南シナ海に派遣しており、月内に仏空軍の戦闘機や輸送機がオーストラリアからインドまでに至る東南アジアの空域で大規模な訓練を実施する。ドイツも7月2日に230人を乗せたフリゲート艦「バイエルン」が独北西部からインド太平洋地域に向けて出発。独外務省は同艦が南シナ海を横断すると明らかにした」

     

    フランスもドイツも、英国に負けじと軍艦をアジアへ派遣している。英国が、空母と打撃群という実戦体制で臨んでいるから見劣りするものの、「気迫」だけはアジアへ示さなければならず競演状態と言える。

     


    (3)「中国は英仏の動きに神経をとがらせている。共産党系メディアの環球時報(英語版)は7月29日、クイーン・エリザベスの打撃群が南シナ海に入ったことを受けて「英国が地域で存在感を示そうとする努力だ」と指摘し「中国は南シナ海で軍備を増強してきた。極端な軍事衝突の際にこうした空母は非常に脆弱になる」などと威嚇した。中国人民解放軍は8月6~10日に南シナ海で軍事訓練を実施する」

     

    中国をけん制することは必要である。中国は、軍事的に「空白地帯」と見れば、すかさず手を延ばすからだ。南シナ海での島嶼窃取は、米軍がフィリピンを撤退した「空白期」を狙ったものである。中国は、相手国が弱いと見ればすぐに軍隊を動かす国である。ヒトラーと酷似しているのだ。独裁国特有の動きである。

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    日英防衛協力が積極的に進められている。英国最新鋭空母「クイーン・エリザベス」は、すでに母国を出港しており、日本到着は9月の見込みだ。中国と東南アジア諸国数ヵ国が、一部の領有権を争う南シナ海を経由して日本に向かう同空母打撃群は、インド、シンガポール、韓国にも寄港する予定である。

     

    クイーン・エリザベス空母には英国海軍の駆逐艦2隻、フリゲート2隻、支援艦2隻の他、米国海軍とオランダ海軍の艦船が同行している。英国の新たな外交戦略の中核を担う新型空母2隻のうちの1隻であるクイーン・エリザベスが、空母打撃群の指揮艦となる。こうした行動は、米国との「特別な関係」を固め、北大西洋条約機構(NATO)や世界の他の国々との同盟関係を強化することを目指したものとされている。

     


    クイーン・エリザベスのインド太平洋への航行は、NATOが将来、クアッド(日米豪印)に加わる橋渡しをする可能性を秘めている。中国にとっては、極めて警戒すべき動きであろう。NATOが加われば、中国は「袋の中のネズミ」同様の存在になる。

     

    クイーン・エリザベスには、英国の8機の最新鋭戦闘機、ロッキード・マーチン製F35Bとともに、米海兵隊から派遣された同様の戦闘機10機が艦載されている。艦船8隻から成る今回の空母打撃群は、同国の海上軍事行動としては1982年のフォークランド紛争以来最大の規模とされている。

     

    英国はもはや、従来型の戦争を遂行できる巨大な陸軍を必要としていない。その代わりに必要になっているのは、海外に派遣され、対立が生じている地域で同盟諸国を支援し、敵対勢力の行動を阻止するための、より小規模だが、より装備が充実した戦力としている。このように、不退転の決意の下に「クイーン・エリザベス」と空母打撃群が訪日し、中国への対抗姿勢を明確化する。

     


    『大紀元』(8月3日付)は、「海上における日英防衛関係の強化」と題する記事を掲載した。

     

    ベン・ウオレス英国防相と岸信夫防衛相により防衛省で開催された「日英防衛相会談」後の共同記者会見で、ウォレス国防相は、「英国空母打撃群の日本初寄港の後、英国は年末に向けて哨戒艦2隻を同地域に恒久的に展開する方針である」と発表した。現在のところ、在日英国大使館は、英国が展開する海軍艦船の事実上の母港となる港湾についての言及は避けている。

     

    (1)「岸防衛相の発表よると、同空母打撃群の日本寄港の際にクイーン・エリザベス空母と他の駆逐艦などは、日本における複数の海上自衛隊基地と米国海軍基地に分散寄港することが決まっている。本格的な初航海でF-35Bステルス戦闘機を搭載したクイーン・エリザベス空母は、在日米海軍司令部が置かれている米海軍横須賀基地に寄港する。同基地は米軍が前方展開している唯一の米国空母「ロナルド・レーガン」の事実上の母港でもある」

     

    米海軍横須賀基地は、米国空母「ロナルド・レーガン」の母港になっている。「クイーン・エリザベス」も横須賀基地寄港で、今後の戦略展開を起案するのであろう。

     

    (2)「軍事司令官の代表団と共に訪日したウォレス国防相は、避難支援やテロ対策などの任務を専門とする英国海兵隊部隊「沿岸即応部隊」を最終的には展開する方針も明らかにした。これはインド太平洋地域に対する英国の関与計画が拡大していることを示すもう1つの兆候である」

     

    英国防相は、英国海兵隊部隊「沿岸即応部隊」を最終的に展開するとしている。台湾や尖閣諸島の防衛任務にも協力するというニュアンスだ。

     

    (3)「同国防相の発言によると、英国海軍最大の軍艦による日本寄港は一部に、日本と目標を共有する英国の「重心をインド太平洋地域に置く」という意図を顕著に示すものである。同国防相は共同記者会見で、「日英は両国共に法治に基づく国際秩序を支持し、その推進に取り組んでいる」と述べている。中国が南シナ海の紛争海域や日本が実効支配する尖閣諸島の領有権主張を高めていることで、日本もオーストラリア、フランス、東南アジア諸国などの他諸国との安保関係を拡大および深化する構えである」

     

    英国海軍は、日本防衛に協力する一方で、日本が豪仏や東南アジア諸国などの安保にも協力するとしている。これは、中国と対抗すべく日米英仏豪と東南アジア諸国の一体的な防衛線を築くという意味に取れる。多国籍海軍による防衛構想である。事態は、ここまで進んでいるのだ。

     

    (4)「岸防衛相は、インド太平洋地域で発生している共通の問題に取り組む上で、英国は重要な提携国であると述べた「東シナ海と南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試みに断固として対抗するという両国の共通の立場を確認した」と話している。ウォレス国防相は、「自国を脅かす敵対国から身を守ることが難しい諸国を防衛する」ことは、志を同じくする日英の義務であると述べている。ウォレス国防相と岸防衛相の発表によると、エンジンシステムとサブシステムに焦点を当てることで、日本の次世代FX戦闘機開発協力に関する議論をより迅速に進めることでも両国は合意している」

     

    下線部は、台湾防衛で日英が協力する姿勢を示したものだ。中国が、台湾を恫喝すればするほど、防衛体制が固まる事態を生んでいる。中国にとって、思わざる結果を招いている。

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    英国は、中国が一方的に中英協定を破棄して香港の「一国二制度」を踏みにじったことで、アジア安保に積極的に関わる方針へ転換している。具体的には英艦2隻をインド太平洋地域へ常駐させると発表した。これによって、「打倒中国」という英国の軍事戦略が明確にされた。これで、英国の「クアッド」(日米豪印)参加の可能性が一段と高まってきた。

     

    『大紀元』(7月21日付)は、「日英防衛相会談、英はインド太平洋地域に2軍艦を常駐と発表」と題する記事を掲載した。

     

    岸信夫防衛相は7月20日、訪日中の英ウォレス防衛相と日英防衛相会談を行った。公表によれば、双方は英空母打撃群が日本に寄港し、自衛隊と共同訓練を実施することは、日英防衛協力が「新たな段階」に入ったことを確認した。さらに「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現には、英国の関与は「強固で不可逆的」であるとの認識を共有した。

     


    (1)「英国側の発表によると、インド太平洋地域に英国海軍の軍艦2隻を常時配備させることを表明した。これに先がけて英国防省が発表した声明によれば、英海軍リバー級洋上巡視船「HMSスペイ」と「HMSタマー」が、8月下旬からインド太平洋地域に配備され、オーストラリアや日本、シンガポールとの共同活動に加わるという」

     

    英国海軍の軍艦2隻が、インド太平洋地域に常時配備されることになった。英海軍リバー級洋上巡視船「HMSスペイ」と「HMSタマー」である。日本・豪州・シンガポールとの共同活動に加わるという。これは、事実上の共同防衛軍の役割を果たす。

     

    これら英艦2隻は、日豪シンガポールを「母港」にして、活動するのであろう。これが将来、NATO(北大西洋条約機構)との結びつき強化のきっかけになる。

     


    (2)「防衛省によると、英空母打撃群の訪日時の寄港は9月で、英空母「クイーン・エリザベス」が在日米軍横須賀基地に、その他の英・米・オランダの艦船による随伴艦は、海上自衛隊の横須賀(神奈川県)、舞鶴(京都府)、呉(広島県)の各基地、そして、在日米軍佐世保海軍施設などにそれぞれ寄港する。両大臣は、東シナ海や南シナ海をめぐる情勢について、「力による一方的な現状の試みや緊張を高めるいかなる行為に強く反対する」との意思を改めて表明した。そして、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序、特に国連海洋法条約が重要との認識を一致させた」

     

    英空母「クイーン・エリザベス」が在日米軍横須賀基地に寄港するのは、将来の常駐に備えた一環と見られる。横須賀基地では、空母の点検のほか艦載機の修理も可能という見方があった。米艦とオランダ艦も随伴していることから、多国籍軍隊との共同演習を常態化させる目的であろう。これに、海上自衛隊が加わるのだ。

     

    『大紀元』(7月21日付)は、「英国の重点はインド太平洋に、英空母打撃群は関係国と連携深めると題する記事を掲載した。

     

    過去数十年の間で最大の空母打撃群を英国が展開した。このことは、復活した英国海軍が米国や欧州の同盟諸国、インド太平洋地域の提携諸国と協力を図りながら世界規模で展開できる有数の力を留めていることを表すものである。

     

    (3)「2021年5月、英国の最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を中核として構成された「英国空母打撃群21(CSG21)」が「オペレーション・フォルティス」の一環として北大西洋の港を出港した。英国空母打撃群は2021年12月まで2万6000海里を航行し同年後半には日本にも寄港すると発表されている。それまでに南シナ海を含むインド太平洋海域を航行する予定である。今回の展開により、国連海洋法条約に規定される「航行の自由」の推進に取り組む英国とその同盟諸国の姿勢をインド太平洋地域の提携諸国に示すことができる」

     

    今回の「クイーン・エリザベス」を中核として構成された「英国空母打撃群21(CSG21)」が、英国とその同盟諸国の姿勢をインド太平洋地域の提携諸国に示すことができる、としている。これは、英国のみならず同盟国の防衛姿勢をインド太平洋地域諸国に示すデモンストレーションと位置づけているのだ。中国への対抗示唆であることは言うまでもない。

     

    (4)「英国政府は2021年3月、世界的な英国外交に係る今後10年の方針を包括的にまとめた「統合レビュー」を公表した。同方針に概説される通り、英国国防省は今回の展開を軍事、貿易、外交の「重心」をインド太平洋地域に置くという英国の意図を実質的に実証する、と記されている。英国のインド太平洋防衛の取り組みに関しては、同国はすでにオーストラリア、マレーシア、ニュージーランド、シンガポールと「5ヶ国防衛取極(FPDA)」を締結している」

     

    英国は、今後10年の国防姿勢をインド太平洋地域に置くことを明確にしている。英国はすでに、オーストラリア、マレーシア、ニュージーランド、シンガポールと「5ヶ国防衛取極(FPDA)」を結んでいる。

     


    (5)「英国空母打撃群21には英国海軍のフリゲート2隻、駆逐艦2隻、潜水艦1隻の他、米国海軍の駆逐艦「ザ・サリヴァンズ」とオランダ海軍のフリゲート「エヴァーツェン」が含まれている。クイーン・エリザベス空母には英国空軍のF-35BライトニングII戦闘機8機と共に、米国海兵隊に所属する同戦闘機10機が搭載されている。米海兵隊公式ウェブサイトに掲載された記事によると、クイーン・エリザベス空母に乗船した米国上級将校のサイモン・ドラン大佐は、「今回の展開は世界規模で展開できる米英軍の能力と両軍の優れた相互運用性を象徴するものである」とし、「英国は最も堅固かつ有能な同盟国の1つであり、今回の展開により北大西洋条約機構(NATO)同盟国の抑止・防御力が強化される」と述べている

     

    英国空母打撃群21は、世界規模で展開できる米英軍の力量を示している。これは、NATO軍の活動の一環であるとしている。つまり、米英軍はNATOの一翼を担うと同時にインド太平洋戦略にも寄与することを明確にした。NATOは将来、インド太平洋戦略と関わることを示唆しているのだ。中国にとっては、思わぬ伏兵の展開が始まっていることを忘れてはなるまい。

     

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    英国のTPP(環太平洋経済連携協定)加入は、年内の見通しが強くなっている。英国は、自由貿易の国ゆえにTPP参加にとって格別の障害が見当たらないからだ。英国の年内加入説は、年初から指摘されてきたところでもある。

     

    『日本経済新聞 電子版』(6月29日付)は、「英貿易相『TPP加盟合意』22年中に、中国の参加に難色」と題する記事を掲載した。

     

    英国のトラス国際貿易相は日本経済新聞のインタビューで、環太平洋経済連携協定(TPP)の加盟交渉について「2022年中に結論を出すことを希望している」と語った。TPP参加に関心を示す中国に対しては世界貿易機関(WTO)などの国際貿易ルールに従う努力が必要だと述べ、現状ではTPP参加国が加盟を受け入れることに難色を示した。

     

    中国は、香港への「国家安全法」導入によって、英中で取り決めた「一国二制度」を破棄した。これが、中国への不信感を強め、怒りへとなっている。かつての「大英帝国」である。その沽券に傷をつけられたのだ。中英関係が、急速に冷却化したのは当然であろう。英国が、中国に対して「裏切られた」という感情を持っている以上、中国がTPPへ参加したいと言っても断固、拒否する姿勢を強めるのは当然だ。英国は、「目には目を」の報復精神に燃えている。

     

    (1)「20年末に欧州連合(EU)を完全離脱した英国は21年2月にTPP参加を申請し、6月22日から加盟交渉を正式に始めた。TPP参加をEU離脱後の目玉政策に位置づけている。TPP交渉では関税などの市場アクセス分野では加盟11カ国と国ごとに個別交渉する。英国内では畜産品や農産品の市場開放を警戒する声が農業関係者から上がる。トラス氏は、「TPP加盟国のオーストラリアと2国間の自由貿易協定(FTA)の合意にこぎ着けた。TPPでも市場アクセス交渉はうまくいくと思う」と述べ、交渉が行き詰まるような展開にはならないとの見通しを示した」

     

    英国は、すでに豪州とのFTA交渉で合意にこぎつけている。日本は、日英友好で固く結びついているので、英国のTPP加入を促進する役割を果たすであろう。

     


    (2)「TPP参加には中国も関心を示すが、TPPは加盟の条件として国有企業の改革や幅広い品目での関税撤廃を求めている。トラス氏は「不透明な政府補助金や進出企業への技術移転強制、(新疆ウイグル自治区の)強制労働などの問題がある」と中国が抱える課題を指摘した。「中国はもっと努力する必要がある」とも語り、WTOなどの国際貿易ルールに従わない限りTPP参加は難しいとの見解を示した。英国が正式にTPP加盟国となれば、中国の加盟申請を審査する立場になる」

     

    英国が強硬路線にカジを切るのは、ジョンソン政権を支える与党・保守党内の対中懐疑派が勢いを増している点が大きい。特に伝統的に人権を重んじる保守派にとっては、香港の自治の侵害やウイグル族の強制労働が疑われる問題は容認できない。英議会では政府提出の貿易法案に、特定民族の破壊行為があると認定された国との貿易や投資の協定を結びにくくする修正を加えようとする動きが活発化している。

     

    上院は、2月上旬の貿易法案の審議で「英国の高等裁判所に、民族破壊行為があったかを判断する役割を与え、『あった』と認定された場合、議会で当該国との通商政策について議論する」という趣旨の修正を加えた。議会が既存の自由貿易協定(FTA)を停止したり、進行中の交渉を止めたりできるようにする狙いだ。

     


    (3)「10月に英国で開くG7貿易相会合はWTO改革が主要な議題になる。WTOは途上国に国内産業の保護を認めたり、先進国の市場に農産品や工業製品を安く輸出できたりする特権を与えている。途上国かどうかの認定は自己申告制で、中国など一部新興国が途上国の地位を返上しない問題が起きている。トラス氏は中国経済が米国の1割程度の規模だったWTO創設当時とは状況が全く違うと指摘した。「WTOの途上国の地位は貿易を通じて人々を貧困から救い出すために支援を必要とする国にだけ活用されるべきだ」とも強調し、中国の扱いの是正が必要だとの考えをみせた」

     

    トラス氏は10月に対面で開く予定のG7貿易相会合の議長も務める。WTO改革が主要な議題になる予定だ。WTOは、途上国に国内産業の保護を認めたり、先進国の市場に農産品や工業製品を安く輸出できたりする特権を与えている。途上国かどうかの認定は、自己申告制である。改めて、中国を途上国と認めるかどうかを議論する。英国は、徹底的に「中国シフト」を敷いている。

     

     

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