あじさいのたまご
   

韓国文大統領は、東京五輪を舞台に南北会談構想を練ってきたが、北朝鮮の不参加決定で水の泡になった。韓国与党では、来年2月の北京冬季五輪に期待を繋ぐ向きもある。ただ、来年5月退任の文大統領と会談しても、実効は期待できない。となれば、東京五輪での南北接触が不可能になったことで、文大統領の4度目の南北首脳会談は事実上、消えたと言える。

 

『朝鮮日報』(4月7日付)は、「北朝鮮『東京オリンピックに参加しない』、文大統領の南北構想に狂い」と題する記事を掲載した。

 

北朝鮮が6日、東京オリンピック・パラリンピックへの不参加を宣言した。これによって北朝鮮をオリンピックに参加させ、「南北関係の改善」から「米朝対話の再稼働」へとつなげたかった文在寅(ムン・ジェイン)大統領のいわゆる「平昌アゲイン構想」も水の泡になった。外信(ロイター)は「北朝鮮が韓国の希望を打ち砕いた」と報じた。

 

北朝鮮体育省は同日、「共和国オリンピック委員会は総会(3月25日)で、悪性ウイルス感染症(コロナ)による世界的な保健危機状況から選手たちを守るため、オリンピック競技大会に参加しないことを討議・決定した」と発表した。南北は東京オリンピック・パラリンピックで女子バスケットボール、男女のボート、男女の柔道、女子ホッケーで合同チームを組む方向ですでに合意していた。

 

(1)「大統領府はいわゆる「ハノイ・ノーディール(米朝首脳会談決裂)」以降、完全に行き詰まり状態にある米朝関係を改善させるため、東京五輪を積極的に活用する計画を進めていたようだ。北朝鮮の平昌冬季五輪参加を通じて実現した南北の高官級による交流を通じ、その後南北首脳会談から米朝首脳会談まで一気に実現させた「2018平昌の春」をもう一度繰り返すという構想だった。そのために強行一辺倒だった対日政策も大きく見直した。文大統領は先日の三・一節における演説で「東京五輪は韓日間、南北間、朝日間、そして朝米間の対話のチャンスになり得る」として「韓国は東京五輪の成功に向け協力したい」との考えを示していた」

 

南北首脳会談は、2018年4月、5月、9月と続けて行なわれた。雪解けムードが一気に高まった。文大統領の人気が最も高まった時期である。半年間に3度も南北首脳会談が行なわれたことは、韓国が北朝鮮へ相当に深い約束をしたと見られる。それが、ことごとく実施できなかったので、北朝鮮の受けたショックも大きいであろう。北朝鮮が、4度目の会談に応じる可能性は小さい。

 

(2)「北朝鮮はオリンピック不参加の口実として「選手保護」を挙げたが、実際は「韓国への圧力」という側面が大きいとの分析もある。かつて国家安保戦略研究院長などを歴任した劉性玉(ユ・ソンオク)氏は、「韓米連合訓練の完全中断といった根本問題の解決なしには南側に会わないということだ」との見方を示した。北朝鮮が先月25日に下した不参加の決定を12日も過ぎてから公表したことも、このような見方を後押ししている。韓国政府の安保部処(省庁)関係者は「与党勢力にとって悪材料となる知らせがよりによって補欠選挙の前日に発表された。これは韓国に対する高度な心理戦だ」との見方を示した」

 

北朝鮮は、米韓軍連合訓練の完全中断を要求している。これが実現しなければ、南北首脳会談に応じない姿勢と見られる。日本が、韓国の国際法違反判決を自国で解決せよ、と要求しているようなものである。北朝鮮と日本の主張は無関係だが、韓国は簡単に答えの見つからないだけに苦しい立場である。

 

米韓軍連合訓練の完全中断は、北朝鮮が核開発を中止することと同等の重みを持っている。韓国は、なぜそのことを北朝鮮に伝えて核開発中止と核放棄を迫らないのか。ただ、南北が会談しても解決の糸口は見つかるはずがない。

 


(3)「それでも韓国政府は文大統領の任期中に南北関係改善のモメンタム(勢い)を取り戻すことを諦めていない。韓国統一部の関係者は「韓半島の平和、そして南北による対話と協力が可能となるきっかけを探し求める政府の立場に変わりはない」とした上で「今後もそのきっかけを見いだすための努力を続けていくだろう」と述べた。

 

南北問題は、今や米中問題になっている。韓国は、「南北関係改善のモメンタム(勢い)を取り戻す」と言っているが無駄なことだ。国際情勢の急変を見落としている。

 

(4)「与党などからは、「現実的に考えて北京冬季五輪が南北関係改善の最後のチャンスだ」との見方も出ている。平昌、東京、北京での五輪については文大統領も昨年8月15日の演説で「史上初めて迎える東アジアでのリレー・オリンピックだ」として「東アジアが友好と協力の土台を固め、共同で繁栄する道へと進む絶好の機会だ」と呼び掛けていた」

 

北朝鮮は、来年2月の北京冬季五輪で南北首脳会談に応じるだろうか。その可能性はゼロであろう。残り任期2~3ヶ月しかない文大統領を相手に、会談する意味がないのだ。韓国の外交センスはずれていると言うほかない。

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