勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: カナダ経済ニュース

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    中国が、欧米の大学と密接な関係を築き、技術窃取している疑いが持たれている。米国は、すでにFBIが、全米の大学や研究所に技術窃取の具体例を示して警戒を呼びかけているほど。カナダでは、アルバータ州が地方政府として初めて、大学に対して中国との協力関係の一時停止を通達した。

     

    日本でも孔子学院が全国の私立大学に設けられている。米国では、この孔子学院が隠れ蓑になって、学生のスパイ活動を支援するなど行なっていることから、廃止の傾向が強まっている。米国の孔子学院が、こうした不埒な行動を行なって、日本の孔子学院では行なわないという保証はどこにもない。全国の警察も目を光らせているだろうが、警戒対象であることは間違いない。

     


    『大紀元』(5月29日付)は、「カナダ・アルバータ州政府、大学に中国との協力停止を要求 安保上などの懸念で」と題する記事を掲載した。

     

    カナダのアルバータ州政府は、州内の主要大学が中国と関わりのある研究協力を一時停止すると発表した。国家安全保障上の理由および人権侵害への加担を避けるためだとしている。

     

    (1)「カナダの大学と中国の間には多くの共同研究プロジェクトが展開している。「中国はカナダの大学と協力を通じてカナダの重要な戦略的技術を盗み出し、国家に深刻な脅威をもたらす」とカナダの情報セキュリティ専門家は以前から警告してきた。アルバータ州は協力関係の一時停止を打ち出した同国初の州政府となった。同州の教育担当大臣は州内で学術研究を主とするアルバータ大学、カルガリー大学、レスブリッジ大学、アサバスカ大学の4校に対し、当面、中国との協力プロジェクトの停止を命じた。また、大学理事会は90日以内に、中国政府および中国共産党と関わりのある協定、研究およびその他の協力に関する報告書、大学と中国企業や政府機関との連絡資料の提出を求められた

     

    アルバータ州では、主要4大学に対して中国との協力プロジェクトの停止を命じた。同時に、90日以内に、中国との関連資料の提出を求めた。ここまで、強力な措置が取られた裏には、中国からの危険な動きが見られるのであろう。

     


    (2)「同州のデメトリオス・ニコライデス高等教育大臣は声明の中で、「カナダの知的財産権が盗まれている可能性や、中国との研究提携が中国の軍事・諜報機関に悪用される可能性」に対して懸念を示した。「州の大学研究は主に納税者からの資金によって賄われている。もし、それが中国に悪用され、カナダとカナダの同盟国に損害を与えたり、あるいは中国政府による自国民への人権侵害のために利用されたりすれば、これは全く容認できないことだ」とした。同氏は「今回の措置はあくまでも中国政府に対する予防的措置であり、中国人民を標的にするものではない」と強調した」

     

    下線部は、中国がカナダの知的財産を盗み出している危険性に警鐘を鳴らしている。これまでに、いくつかの被害が出ているのであろう。

     


    (3)「これに先立ち、カナダ紙「グローブ・アンド・メール」は、アルバータの大学と中国は、ナノ、生化学、人工知能などの戦略的プロジェクトに関わる多くの研究を共同で行っていると報じた。その多くはカナダで開発された技術の商業化に関する研究だが、主導権は中国にあると指摘した。オタワ大学のマーガレット・ジョンストン教授は、アルバータ州政府の行動を称賛した。「カナダの技術が悪用されるのを防ぐために、他の州でも追随することを検討すべき」と述べた。

     

    下線部は、実に危ないことをやっているものだと思う。「猫に鰹節」である。これまでの中国の行動から真面目なことをやるはずがない。そういう疑惑を持たずに来たこと自体、罰せられるほどの話であろう。

     

    (4)「同教授はまた、「ウイグル人を追跡したり、彼らの個人情報を収集し監視したりする技術の背後にはカナダの研究開発の成果がある。中国は常に『自分たちは技術を盗んだり、プライバシー情報を漏らしたりしない』と主張している。しかし、その主張は信頼できないと示す記録があまりにも多い」と指摘した。ブリティッシュコロンビア大学の教授は、中国だけでなく、外国と協力するすべての機密技術プロジェクトの再審査を要求すべきとの見解を示した

     


    (5)「今年3月、カナダのイノベーション・科学経済開発省は、各大学や研究機関に知的財産権の保護を求め、国家安全保障を研究パートナーシップの評価に組み込むためのリスク・ガイドラインを策定していると発表した」

     

    企業も自主技術開発より、M&A(合併・買収)の時代である。研究の生産性が極度に落ちてきた現在、技術窃取の可能性が高まっている。警戒することは常識の時代である。

     

    豪州政府は5月に、同国大学に設置されている孔子学院の審査を開始した。同国政府は、「国益に反した」地方政府や研究機関の協定を破棄できる法律を導入した。今回の動きは同法に基づくものとみられる。孔子学院を設置している13の大学は、中国の大学との協定書を審査のため政府に提出している。豪外務省は、協定を廃止するかどうかは個々の状況に基づいて判断するとしている。『大紀元』(5月10日付)が伝えた。

     

    日本では17私立大学が孔子学院を設置している。国公立大学は設置していない。文科省が設置にブレーキを掛けているのであろう。日本でも、いずれ孔子学院について問題が持ち上がると見られる。全国の警察署は監視体制にあると思うが、未然に問題を防がなければならない。

     

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    中国の監視カメラの正体が、ついにカナダで掴まれた。人気火鍋店内の映像が、北京へ送られていたという。目的は明らかである。店内の映像から秘密情報を掴もうという算段であろう。危ない。

     

    中国の四川省で誕生した火鍋ブランドの「海底撈火鍋」は世界中に935以上の店舗を展開し、3600万人以上のVIP会員と6万人以上の従業員を持つとされる。日本では、東京、千葉、大阪、兵庫に計6店舗を展開している。ほかには台湾に14店舗、米国に5店舗、カナダに2店舗展開している。日本でも東京、千葉、大阪、兵庫に計6店舗を展開しているという。

     

    『大紀元』(4月27日付)は、「中国人気火鍋店のカナダ支店に監視カメラ 映像を中国に転送=インドメディア」と題する記事を掲載した。

     

    カナダにある中国人気火鍋チェーン店「海底撈火鍋(カイテイロウ ヒナベ)」は、店舗内に60台以上の監視カメラを設置し、その映像を中国に転送していることがわかった。中国の「社会信用(監視)システム」ともつながっているという。印メディア『Sunday Guardian』(4月17日付)は、「中国共産党の社会信用システムが密かにカナダに潜入している」という見出しで報じた。

     


    (1)「バンクーバーにある「海底撈」のライアン・パン・マネージャーは、中国本社の要請に応じて60台以上の監視カメラ、つまり各テーブルに2台ずつ設置したことを明かした。設置理由は「会社の規定に従わない従業員を罰し、追跡するために取り付けた」と従業員のモラルの監視のためだと主張するが、中国に転送される映像の用途については「機密」に該当するため、漏らすことはできないと述べた。

     

    中国では総人口を上回る監視カメラが設置されているという。写真手配によって、5分以内に「指名手配者」が拘束されるという。それほど、市街地では監視カメラが市民を監視している。こういう無敵の監視カメラが、公安情報として使われている。

     

    (2)「監視カメラは、新疆ウイグル人を迫害する強制収容所に、顔認証などの監視システムを提供しているハイクビジョン社の製品だ。バンクーバー店は中国領事館の近くにあり、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)カナダ支社から徒歩10分の場所に立地している」

     

    問題の火鍋店が、中国領事館や華為技術カナダ支社に近いことも暗示的である。火鍋店の映像を中継する上で最適な役割を領事館やファーウェイ支社が担っていると見られる。

     

    (3)「中国共産党政権が国民を監視するために近年、「社会信用システム」を導入している。市民の身分情報だけではなく、税金の納付状況やクレジットカードの利用状況、SNSの履歴、通信履歴などが紐づけられる。監視対象にランク付けし、スコアが高い者に恩恵を、低い者に罰を与える」

     

    監視カメラは、市街地で市民の交通違反も発見できる。その映像が、自動的に「社会信用システム」に蓄積され点数化されるシステムである。市民は四六時中、監視カメラの下で暮らさざるを得ないのである。

     

    (4)「米国の中国問題専門家ゴードン・チャン氏は同報道をリツイートし、「中国共産党が社会と政治をコントロールする機器を世界に広めている」と投稿した。台湾・時代力量(党)の邱顯智議員も報道を受け、「台湾の自由と民主主義を保障するために、中国資本または中国資本とつながりのある企業に対して厳密に審査する必要がある」と述べた。米対外政策評議会(AFPC)のインド太平洋問題専門家マイケル・ソボリック氏は、同報道は「必読だ」とツイートし、「このような中国企業が米国で事業展開するのは合法か?」と疑問を投げかけた」

     

    カナダの火鍋店の監視カメラ映像は、北京に送られていることが分かって、もう一つの「恐怖」の存在が浮き彫りになった。ファーウェイの次世代通信網「5G」が、北京で操作されるという危険性である。バックドアには、情報窃取の仕組みと北京からの逆操作が可能になるソフトが隠されていると指摘されている。今回のカナダの事件は、中国の情報謀略が、着実に進んでいることを証明した。

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