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習近平氏は、また間違った選択をした。香港へ強引に国家安全法を導入して、西側諸国と対立の発端をつくり、さらに日刊紙『アップル・デイリー』を強制廃刊に追い込んだ。これで、民主主義国は、中国と一切の妥協をせず、民主主義をめぐる「価値戦争」へ突入するであろう。

 

米国は、2019年11月に「香港人権民主法」を成立させてある。中国に返還された香港の「高度な自治」が十分に実施されているかどうか、米国務長官が毎年見直すことを義務付けるものだ。欠陥があるとみなされた場合、1992年の米国香港政策法に基づく特別な経済特権を引き下げる可能性がある。さらに、この法律には、香港市民の人権を侵害した中国と香港の当局者に対する制裁を課すことも含まれる。バイデン政権が、満を持して香港と中国へ制裁を科すことは確実である。

 


『日本経済新聞 電子版』(6月24日付)は、「香港アップル・デイリー紙 24日付で廃刊」と題する記事を掲載した。

 

中国共産党に批判的な香港紙『蘋果日報(アップル・デイリー)』を発行する壱伝媒(ネクスト・デジタル)は23日、同紙の廃刊を決めた。オンライン版の更新を23日深夜に止め、紙の新聞は24日付が最後となる。香港国家安全維持法(国安法)に基づいて当局に資産を凍結され、事業継続を断念した。

 

(1)「蘋果日報は1995年に創刊した。芸能記事なども取り扱う大衆紙として人気となり、近年は香港で民主派支持を鮮明にする、ほぼ唯一の日刊紙だった。壱伝媒は声明で「26年間にわたる読者の熱心な支援や記者、スタッフ、広告主に感謝する」と述べた。同紙をめぐっては、創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏や張剣虹・最高経営責任者(CEO)、羅偉光・編集長、関連法人3社が国安法違反罪で相次いで起訴され、当局に一部の資産を凍結された。銀行口座への入金ができなくなり、従業員の給与支払いも難しい状況になった」

 

米国にとっては、言論の自由を侵すことは「天罰」を受けて当然という高い価値観に支えられている。その「目玉」部分へ踏込んできただけに、米国は強い反応をするに違いない。

 


(2)「6月末の国安法施行1年や、7月の中国共産党創立100年を控え、香港の言論統制は厳しさを増す。香港は「一国二制度」のもと、言論や報道の自由が保障されてきた。今回、当局が主導して主要紙を廃刊に追い込む異例の事態となり、中国の強硬姿勢が一段と鮮明になった。黎氏らは外国勢力と結託して国家安全に危害を加えた疑いが持たれている。香港警察は記事を通じて外国に中国や香港への制裁を求めたと主張する。反中国的な言論行為を徹底的に抑え込む狙いがあるとみられる。今後は他の民主派メディアも取り締まり対象になる可能性がある」

 

習近平氏は、中国共産党100年祝賀で、香港の『アップル・デイリー』を血祭りにして廃刊に追込んだことを己の戦果として誇るのであろう。だが、これによって西側諸国との関係が一段と悪化するということを考えていない。国粋主義、民族主義の大きな落し穴が待っている。

 

『大紀元』(6月23日付)は、「香港の蘋果日報 25日に閉鎖決定、最終号100万部増刷へ」と題する記事を掲載した。

 

台湾メディアによると、25日をもって休刊する見通しの香港紙・蘋果日報は、最終日に100万部を増刷する計画だ。また、同社のグループ週刊誌「壱週刊」の黄麗裳社長は23日、フェイスブック上で読者へのあいさつ文を掲載し、同誌の休刊を示唆した。

 

(3)「台湾・中央社23日付によると、蘋果日報の社内情報筋の話を引用し、同社の多くの社員はこのほど、辞職届または休暇届を提出した。離職者の人数は不明だが、残った社員は今週金曜日まで職務を全うするという。情報筋は、26年間の歴史に別れを告げるために、同社は25日の最終号を100万部に増刷する計画だと話した」

 


(4)「また、「会社の取締役会が25日に事業を継続するかどうかを決めることになるが、社員の大半は仕事を辞めるだろう。これは、最前線で動いている社員の共通認識だ」という。香港警察は17日、蘋果日報の本社ビルに対して家宅捜査を行い、香港国家安全維持法(国安法)へ違反したとして、同社の幹部5人を拘束した。また、蘋果日報と関連会社2社の資産、計1800万香港ドルを凍結した。資金凍結で、同社の運営は困難となった」

 

強引にアップル・デイリーを閉鎖に追込む過程が明らかにされている。香港民主主義の終わりを告げている。