勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    韓国政治に、従来に見られなかった「進歩派独裁」という巧妙な動きが強まっている。文氏は一見、民主主義の申し子のように振る舞うが、人事手続きでも国会の聴聞会に掛けず、独断で決めている。しかもその人事は、憲法裁判所裁判官である。文政権一派の裁判官で憲法裁判所を支配しようとの狙いは明らかである。

     

    次期政権が保守政権に変った場合、今回の「独断人事」の背景と狙いは必ず究明される必要があろう。また、テレビ局経営者も前政権時から一変させて、労組ともども政権批判放送が消えている。文政権による「情報コントロール」が進んでいるのだ。

     

    『朝鮮日報』(4月20日付け)は、「憲法ではなく文在寅政権を守る憲法裁判所」と題する社説を掲載した。

     

    (1)「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は19日『35億ウォン(約3億4000万円)株式投資疑惑』が指摘されている李美善(イ・ミソン)氏と、ウリ法研究会元会長の文炯培(ムン・ヒョンベ)氏の2人を憲法裁判所の裁判官に任命した。その結果、現政権で人事聴聞報告の採択なしに任命された憲法裁判官はこれで4人になった。これまで歴代政権で30回以上にわたり憲法裁判所長、憲法裁判官の人事聴聞会が行われたが、聴聞報告の採択なしに任命されたケースは過去に1回もなかった」

     

    憲法裁判所の裁判官任命は、国会の聴聞会を経ることが当然の手続きである。過去の政権でもすべて、そういう手続きを経ている。文大統領は、自らに冠せられた「社会派弁護士」という評判を悪用し独裁的な動きをしている。はなはだ危険というほかない。文氏は、韓国社会を自らの思い通りに動かすと独裁的な方向を強めている。こうした、憲法精神を踏みにじる「クーデター」的政治は、糾弾されてしかるべきである。

     

    文氏の頭には、北朝鮮問題しかないようだ。北朝鮮を救済して南北交流を実現する。これだけが政治目的と化している。そのためには、日韓関係が破綻しても致し方ないとまで、思い込んでいる節が見られる。ならば、日本も腹を固めて対応するほかない。

     


    (2)「現政権発足後は、裁判官が指名されるたびに様々な問題が指摘され、今や裁判官のほぼ半数が聴聞報告の採択なしに任命された。裁判官の人選が政権のコード(政治的理念や傾向)に合致する自分たちの仲間中心に行われたためだ。そのようにして任命された憲法裁判官は9人中4人になったが、これでは憲法裁判所そのものが深刻な道徳的問題を抱えるのはもちろん、民主的な正当性まで失われてしまうだろう。『憲法裁判所は大統領府の出先機関』との指摘ももはや決して大げさではない」

     

    憲法裁判所という、一国の制度や価値観に関わる根幹的な裁判を司る裁判官が、権力の意向次第で恣意的に決定されることはきわめて不幸である。国会の聴聞会は、そういう権力の恣意性を排除するための不可欠な手続きである。それを飛び越えた超法規的な任命は、文政権が永久に負わなければならない責任である。

     

    (3)「李美善氏と文炯培氏の2人が憲法裁判官に任命された結果、大法院(最高裁判所に相当)長が会長を務めるウリ法・人権法研究会出身者は4人となった。文大統領が大統領府民政主席だった時に秘書官だった民弁(民主社会のための弁護士会)の元会長も憲法裁判官だ。これによって法曹界の新たな主流とされる政権コード集団出身者が憲法裁判所を事実上掌握し、その結果、韓国社会の核心的な利害や価値に対する憲法的な判断が彼らの手に渡ってしまった」

     

    野党各党からは、「気に入らない法律や積弊とされた法律を次々と違憲にするだろう」「左派独裁の最後の鍵が完成した」などの指摘が相次ぎ、また法曹界からは「死刑制度」や「国家保安法」などが廃止されるとの声も出始めているという。これは見過ごすことのできない事態というべきだ。

     

    文氏は、北朝鮮との統合(一国二制度)準備を始めているに違いない。そのためには、憲法裁判所裁判官を進歩派で固めることが必須条件と見ている。だが、日本との関係悪化を放置したままに,北朝鮮との統合は不可能であることに気付いていないのだ。ここら当たりが、文氏の政治家としての限界を示している。日米関係緊密化の中で、安全保障的な観点を無視した南北統合など「戯言」に過ぎないのだ。文氏は余りにも幼稚である。

     

     

     


    テイカカズラ
       

    1~3月期GDP成長率は、前年同期比6.4%がすっかり定着している。「予想外に景気の足取りはしっかりしている」というマスコミ報道も現れてきた。先進国並みの「前期比」のGDP成長率で見ると、5.72%である。これが正解だ。中国経済はすでに6%割れ。しかも、米国の著名シンクタンクの分析では、毎期のGDPは1.7%ポイントのゲタ(粉飾)を履いていると指摘されている。この分を差し引くと、正直ベースの中国のGDPが、驚くなかれ1~3月期に4%強まで低下している

     

    中国経済を支えるのは、個人消費しかなくなっている。そこで、新車・スマホ・家電でさらなる補助金や規制緩和をする羽目になったにちがいない。

     

    『ブルームバーグ』(4月20日付け)は、「中国、新車やスマホ販売奨励、景気支援強化へ規制緩和・購入補助」と題する記事を掲載した。

     

    中国が自動車や電子製品の販売奨励策を検討していることが17日に分かった。政府が相次ぎ打ち出してきた景気支援策が奏功しつつある中で、追加の消費刺激策を導入する。

     

    (1)「関係者によると、奨励策の草案では新エネルギー車(NEV)やスマートフォン、家電が対象に含まれているという。同案の具体的な内容としては、新車登録の規制緩和を検討している。中国の多くの主要都市では交通渋滞の緩和と環境汚染の防止のために新車の登録台数を規制しており、同国の自動車販売低迷の要因となっていた。これらの規制を緩和することで、自動車需要を喚起する」

     

    中国では、EV(電気自動車)振興のために、ガソリン車を冷遇してきた。新車登録の際に必要なナンバープレートの発行を抑えるべく、抽選制や高い登録料金を課してきた。これらを全廃するのであろう。

     

    肝心のEVは不人気だ。カタログに記載されている走行可能距離が、実際に走って見ると大きく異なるからだ。上り坂、気温などで走行距離が短くなる。ドライバーは、安心して乗っていられないので、HV(ハイブリッド車)に乗り換えるケースが増えているという。トヨタ好調の理由だ。

     


    (2)「携帯電話の買い替えに対する補助制度も計画している。中国のスマホ出荷台数は昨年の10~12月期(第4四半期)に前年同期比9.7%減と落ち込んだが、同制度により持ち直す可能性がある。このほか、一部の家電の購入で最大800元(約1万3400円)の補助金を支給するほか、中古車取引にかかる付加価値税を免除するなどの措置も検討している。

     

    中国のスマホは、生産過程でこっそりと違法な補助金が支給されている。サムスンのスマホが敗退した理由はこの違法補助金にある。これでも、中国のスマホが販売低迷なのは、普及率の一巡と購買力低下によるものだ。現在のスマホは低価格品でも基本機能はすべて揃っているので、あえて買い換える理由はないと言われている。家電補助金は「定番」になっている。この金額が次第に低下してきたので、「有難み」は失われている。家電の普及率はスマホ以上だ。こちらも、すぐに買い換えるか不明である。

     

    (3)「同案は中国政府が景気支援策をさらに強化していく方針であることを示唆している。米国との貿易摩擦が続く中、景気減速を懸念する同政府は大規模な減税を実施するなどの支援策を相次いで打ち出してきた」

     

    中国の個人消費が、GDPに占める比率は約40%と先進国に比べて圧倒的に低い。インフラ投資や住宅投資への依存度が高い結果である。この低い個人消費比率を高めるには、年間せいぜい1%見当だ。日本や韓国でもこのことが立証されている。中国政府は、長期にわたりGDPの下支えとして、固定資産投資を優先させた。その咎めが今、消費に出ているもの。諦めるほかない。


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    韓国の文在寅大統領の訪米では、トランプ大統領との実質対話が「2分」に過ぎなかった。全体の首脳会談も、116分と切り詰められた。理由は、米国が南北交流事業に反対であったからだ。

     

    トランプ氏は、5~6月に異例の連続訪日する。その際、文氏は訪韓を希望したが、明確な回答はなかったという。それだけでない。会談でトランプ氏から日韓関係改善を促されたという。文氏にとって、自らの希望は一つも叶えられないどころか、「日韓の宿題」まで出される結果になった。

     

    ホワイトハウスから発表された、トランプ大統領の訪日日程は、5月25~28日である。新天皇と最初に会見する国賓になる。また、大相撲夏場所千秋楽にトランプ氏を招く計画も伝えられており、日米関係の緊密化を象徴するような「トランプ・デイ」になりそうだ。

     

    韓国は、トランプ氏が訪韓しないことに強い不満を持っている。それが、次のような日本批判の記事になって現れた。

     

    『朝鮮日報』(4月19日付け)は、「安倍首相、今月末メラニア夫人の誕生日パーティーに出席」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「日本の安倍晋三首相が今月末訪米してドナルド・トランプ米大統領の妻メラニア夫人の誕生日祝賀会に出席し、トランプ大統領とゴルフまでする予定だと政治専門メディア『ポリティコ』が17日(現地時間)、報道した。トランプ大統領は5月に日本を国賓訪問し、6月に大阪で開催される主要20カ国(G20)サミットのため訪日する計画があるのにもかかわらず、あえて安倍首相がトランプ大統領の機嫌を取るため訪米するということだ。ポリティコは同日、『51日に新天皇即位式を行う時、安倍首相は時差のため疲れた状態かもしれない』として、安倍首相がトランプ大統領との関係を構築するために6700マイル(約1万800キロメートル)を飛ぶ『36時間の出張』をすることを報じた。安倍首相は26日のメラニア夫人49歳の誕生日祝賀会に出席し、その翌日にトランプ大統領とゴルフをする予定だ」

     

    この記事から伝わってくるイメージは、韓国大統領が冷遇されているのに比べ、安倍首相がトランプ大統領と密接な関係を築いていることへの「やるせない気持ち」である。また、5月にトランプ大統領が訪日するのだから、安倍首相今月末に訪米する必要はあるまい、とも言っている。ここが「安倍外交」のしたたかさなのだ。トランプ氏を国賓として迎える手前、トランプ氏の希望や会談テーマをさらに絞り込む準備と見られる。

     

    5月のトランプ訪日で発表される日米共同声明は、歴史的な内容を目指しているのであろう。安倍首相は、そのためにも詳細な打合せをしていると思われる。メラニア夫人の誕生日にわざわざ渡米するはずがない。安倍外交の「凄さ」はここにある。「将を射んとせばまず馬を射よ」である。外交も所詮,人間と人間の関係である。文在寅氏は「偏屈」で、好き嫌いがハッキリしている性格だ。そういう者に外交は不向きである。

     

    3月末にベルギー国王が訪韓した歓迎晩さん会には、韓国の経済団体・全国経済人連合会(全経連)の会長が出席した。事前に報告を受けていなかった文大統領は、晩さん会の会場で側近たちに「なぜ全経連が来ているのか」と不快感を示したという。全経連と言えば、日本の経団連である。その会長が歓迎晩餐会に出席しておかしいはずがない。「反企業主義」の文氏には、それすら我慢できないことなのだろう。韓国経済が沈没するのは当然の道行きである。

     


    (2)「同メディアは、『世界のどの指導者も日本の首相ほどトランプ大統領と近しくしようと試みた人はいないだろう』と伝えた。安倍首相は、トランプ大統領との個人的な関係を築くことこそ、米国から『外交的譲歩』を引き出す道だと信じ、この2年間で金メッキのゴルフクラブをプレゼントしたり、トランプ大統領をノーベル平和賞候補に推薦したりするなど、全力を尽してきた。日本の外交官たちはトランプ大統領が来月26日から28日まで国賓訪問で東京に来る時、どのようにすれば強い印象を与えられるかホワイトハウス関係者や学者たちの意見を集めているという」

     

    安倍首相は、国益のために東奔西走しているのだ。トランプ氏のような「気むずかし屋」を、安倍首相は友人にしてしまった。各国の首脳から,そのノウハウをよく聞かれるという。それは、誠意を見せれば相手も見せるという,単純なことなのだ。安倍首相にはそれができるが、文大統領には不可能だ。偏向した価値観=チュチェ思想に縛られている結果であろう。

     

    日本の外交官が、トランプ訪日でどのようにすれば強い印象を与えられるか。ホワイトハウス関係者や学者たちの意見を集めているという。記事では、軽蔑したような書き方だが、韓国外交部(外務省)より優れている。先に紹介した韓国大統領府がベルギー王妃への贈り物として、幼い王女・王子の韓服(韓国の伝統衣装)を準備した。ところが、外交部の資料は45年前のもので、年齢も当時のままだった。そのため、出来上がった韓服は小さすぎて、王女・王子が着られないサイズだったという。こういう韓国外交部の失敗から見れば、日本の外交官は褒められるベき行動である。卑下する必要は、さらさらないのだ。


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    習近平氏は、側近の王氏(序列5位)の民族主義に乗せられて米中貿易戦争に突入した。中国が、いくら力んだところで「孤立無援」である。世界のユーザー主力は、市場経済国である。中国は、この肝心のことを忘れていた。米中貿易戦争が近々、一応の解決を見たとしても,これで中国が温和しくルールを守る国になるはずがない。必ず、「脱法行為」を始めて米国の制裁を受けるはず。そのたびに米国が関税を引き上げて、世界市場は混乱するだろう。

     

    中国はこれまで、世界貿易機関 (WTO)加盟後15年を経てば、自動的に「市場経済国」の地位を得るものと主張してきた。だが、WTOは2016年に中国側の申し立てを認めないと判断していた(『ブルームバーグ』4月19日付け)。WTOの仮決定は、中国の輸出品に対して状況に応じ反ダンピング(不当廉売)関税を課す大きめの余地を加盟国に認めることである。

     

    要するに、中国が世界貿易全体の立場から見ると、いまだに保護主義であることがWTOに認識されたわけで、きわめて不利な状況に追い込まれている。これでは、「市場経済国」の先進国から差別的な措置を受けても致し方ない。米国が、貿易戦争を仕掛けても異議を言える立場になかったのだ。

     

    こうなると、世界企業は反ダンピングの嫌疑を受けやすい中国から脱して、もっと公明正大な国へ立地した方がプラスであることが分ってきた。もはや、中国に生産拠点を置くメリットは少ない。その上、米中貿易戦争である。米中覇権争いは、すでに「米国勝ち」で決まったようなもの。だが、中国は「中国製造2025」を土台にして、諦めず対抗してくる以上、騒ぎは続くはずだ。世界企業が中国から脱出すれば、それだけ早く勝負が明らかになろう。中国には、その敗北を早く覚らせることが重要なのだ。

     

    『日本経済新聞 電子版』(4月19日付け)は、「台湾IT中国離れ、米中摩擦で顧客が中国製敬遠 」と題する記事を掲載した。

     

    台湾のIT(情報技術)機器メーカーが中国大陸から生産拠点を移転する動きを加速している。データセンターに使う通信機器などを台湾や東南アジアへ移す企業が相次ぐ。中国の人件費上昇に直面していたところに、米中摩擦で米国の顧客が中国製機器の採用見直しに動いたためだ。

     

    (1)「中国を『世界の工場』に押し上げた台湾勢の転換は、世界的なサプライチェーン(供給網)の再編の兆しと言えるが、中国が阻止に動く可能性もある。電子機器の受託製造サービス(EMS)大手の仁宝電脳工業(コンパル)の翁宗斌・総経理(社長)は、『米国向けのルーターやデスクトップパソコン(PC)生産の一部を(中国から)台湾やベトナムに移した』と記者会見で発表した。足元では生産拠点の台湾回帰が目立つ。電源装置大手の光宝科技(ライトン)は3月に南部の高雄でサーバー向け電源装置の生産能力を拡張すると明かした。EMS世界最大手の鴻海(ホンハイ)精密工業も同月サーバー関連の生産拠点を高雄に新設すると表明した」


    日本メディアには、アップルの受託生産を行なっている鴻海が、年内に主要生産拠点をインドに移すことが無視されている。私は、ブログで取り上げたが、日本の記事には全く登場せず不思議に思ってきた。鴻海は、インドへ主要生産拠点を移すことで、中国との関係を希薄にして、郭氏が台湾総統選に立候補しようとしているのかもしれない。

     

    (2)「中国からの移転の背景にあるのが米中摩擦だ。トランプ米政権は2018年9月、中国から輸入する通信機器などに10%の追加関税を課し『米国に輸出するコストが膨らんだ』(コンパル)。米政府は中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)などが技術を盗んでいると批判も強める。ライトン幹部は『米顧客のセキュリティー問題に対処するのが最優先だ』とし、米顧客からの要請が強まっていると認めた」

     

    世界最大の市場は米国である。このことは、世界最大のユーザーは米国に存在することになる。この単純な事実を思い起こせば、米国の意向通りにサプライチェーンは再編成できることに気付くべきである。だれも、この簡単なことを認識せずにいたのだ。中国が、世界覇権を握りたいと言っても簡単にできるはずがない。それにはまず、国内保護主義を止めて輸入を増やしながら、輸出とのバランスを取る政策に転換すべきあった。中国は、WTOの認定するように、いまなお「非市場経済国」である。そのハンディキャップは重いのだ。


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    韓国国会議長の文喜相(ムン・ヒサン)氏は、日本に対して二度にわたって暴言を言い放ち、その後始末に苦慮している。そこで編み出した手法が、日米中露4強と東南アジア諸国連合(ASEAN)、アフリカなどに与野党の重鎮議員の派遣案を検討している。こうすれば、日本だけに特使を送ったことにならず、体裁を整えられるというものらしい。

     

    『中央日報』(4月19日付け)は、「文喜相氏、日本に水面下外交 最多当選議員・徐清源氏の派遣を検討」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「慰安婦問題などで悪化の一途をたどっている韓日関係で、和解の突破口を用意しようとする試みが国会で進められている。文議長がその中心にいる。文議長は与野党重鎮級の議員が日本を含めた海外の国々に『水面下外交を行うTF(タスクフォース、作業部会)』を推進している。  国会の李啓聖(イ・ゲソン)報道官は、『韓日議員連盟次元で訪日を推進している。今、韓日関係が悪化して、議員連盟の関係も切れてしまっているため、今回の機会を通じて懸案に対する話を交わすことができるとみている』と説明した」

     

    文議長の二度にわたる日本非難発言(後掲)が、日韓関係を最もこじらせてしまった。しかも、天皇陛下の「噓発言」(文議長は天皇に面会したことがない)まで持ち出して、日本を非難する常識外れの言動を行なった。日本としては、韓国が陳謝しても容易に受け入れられない問題である。

     

    日本だけに特使を派遣すると,韓国国内で問題になるのでカムフラージュして、他の主要国へも特使を派遣するという。

     

    (2)「 国会でこのような動きがある渦中に、日本の産経新聞は18日、『文議員が日韓関係の修復を図るために日本に特使を派遣する意向を日韓議員連盟側に示している』と報じた。同紙は、『(特使派遣などには)6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議を前に事態の収拾を図る狙いがあるとみられる』とし『ただ、発言に対する日本側の反発は強く、特使派遣が実現するかどうかも含めて不透明な情勢だ』と伝えた」

     

    重ねて指摘するが、韓国の「謝罪特使」を受け入れるべきでない。韓国から申し入れがあっても「検討します」とだけに止めるべきだ。

     

    (3)「 このような報道に対して、李報道官は『特使という話を取り出す段階ではないようだ。議員が日本に行く時に議長に報告をして行くものだが、どのような考えを伝えるかはその時になってみなければならない』と述べた。 文議長は、日本はもちろん日米中露4強と東南アジア諸国連合(ASEAN)、アフリカなどに与野党の重鎮議員を派遣する方案を検討してきた。日本には自由韓国党出身の無所属、徐清源(ソ・チョンウォン)議員を派遣する件を検討している。文議長が、韓日議員連盟会長出身で国会最多当選回数(8選)の徐議員を冷え込んだ韓日関係改善に向けた適任者と判断したという

     
    国会の報道官が、いかに弁明しようとも国会議長が選んだ議員を日本に派遣する以上、「特使」に外ならない。特使派遣目的が、先の議長自らの暴言を謝罪するという意味としても、特使を受け入れてはならない。拒否すべきだ。

     

    文議長の暴言を再録しておく。下線は、理解しやすいように私が入れておいた。

     

    (4)「文在寅大統領に近い文議長(73)は2月7日のブルームバーグとのインタビューで、『一言でいいのだ。日本を代表する首相かあるいは、私としては間もなく退位される天皇が望ましいと思う。その方は戦争犯罪の主犯の息子ではないか。そのような方が一度おばあさんの手を握り、本当に申し訳なかったと一言いえば、すっかり解消されるだろう』と語った」  

    (以上は、『ブルームバーグ』2月8日付け「従軍慰安婦問題は天皇の謝罪の一言で解決される-韓国国会議長」掲載)

     

    (5)「韓国の文喜相国会議長は、訪問先の米ロサンゼルスで2月15日(現地時間)、旧日本軍慰安婦問題の解決に天皇の謝罪が必要という自身の発言に安倍晋三首相が反発したことに関し、聯合ニュースのインタビューに答えた」


    (6)「文氏は『謝罪する側が謝罪せず、私に謝罪しろとは何事か』としながら、『盗人猛々しい』と述べた。自身の発言を巡り韓日間の対立が先鋭化していることを、『(日本国内で)コーナーに追い詰められた安倍首相の政略的な思考』によるものと強調。 文氏は10年前に天皇から韓国に行きたい、仲立ちしてほしいと言われた時、『何はともあれ、(慰安婦被害者の)ハルモニ(おばあさん)たちが集まっているところに行き、ひと言『すまない』と言うだけでいい』と話したとし、『歴史の法廷には時効がなく、歴史的な犯罪の被害者であるハルモニたちに謝罪しなければならない』と語気を強めた」(以上は、『聯合ニュース』2月18日付け、「韓国国会議長、追い込まれた安倍首相、慰安婦問題を政略的に争点化」と題する記事を掲載した)

     

     

     

     


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