韓国は調子に乗りすぎた。日韓GSOMIAを破棄決定後、米国は公然と韓国を批判し始めている。これに対し、韓国大統領府は「同盟の前に国益を重視する」と啖呵を切ったばかりに、さらに米国の怒りを買っている。自国を防衛して貰っている米国に対し、言うべき言葉ではあるまい。浅はかな民族主義者のなせる技であろう。
『朝鮮日報』(9月3日付)は、「ハリス米大使、安保対話に参加せずモルディブ行き」と題する記事を掲載した。
ハリー・ハリス駐韓米国大使=写真=がモルディブで行われるインド洋コンファレンス(IOC)に出席して、「(米国の)インド・太平洋ビジョンの話をするだろう」と1日、ツイッターで明らかにした。ハリス大使は3日と4日に行われるIOCに出席し、4日から6日まで行われる韓国国防部主催のソウル安保対話(SDD)は欠席するという。韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄決定で韓米関係の乱れの兆しがあちこちでキャッチされているものだ。米国の官民の一部からは韓米合同軍事演習の縮小・中断や在韓米軍の削減・撤退など韓米軍事同盟の再調整の必要性も取りざたされている。
(1)「韓国国防部や駐韓米国大使館などが2日に明らかにしたところによると、今年で8回目を迎えるSDDに米国側から主要当局者が派遣されないのは非常に異例のことだという。これまで米国からは次官補クラスの人物が出席していた。韓国政府関係者は「米国防総省が欠席を通知してきたのでハリス大使の出席を打診したが、これもスケジュールが詰まっているため実現しなかったと聞いている」と語った。ハリス大使は先月28日に韓国外交部に呼び出され、「不満の意を表すのを自制してほしい」と要求されて以降、韓国国内の安保関連行事を相次いで欠席したり取り消したりしている」
韓国は、徴用工問題で日本を怒らせた。この日本に対抗すべく「GSOMIA破棄」という見当違いの弾を日本に撃ち込んで、今度は米国の怒りを買っているという構図だ。すべて、韓国の時代錯誤の判断が、逆走を始めて招いた結果である。
韓国大法院による日韓基本条約の骨抜き判決は、遡っていけば米国主導のサンフランシスコ講和条約にまで達するという。それだけに、米国も無関心ではいられない状況という。こうした国際条約の関連性を忘れて、自国本位の判決がどういう意味を持つかも分らないでは、韓国も困った存在である。
(2)「こうした中、米ワシントンでは韓米軍事同盟再調整の必要性が取りざたされている。進歩系として知られるブルッキングス研究所のマイケル・オハンロン・シニアフェローは1日、米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に「大規模な韓米合同軍事演習はこれまで『非常に大きく強力な』同盟を印象付けるという役割を果たしてきたが、財源をこのような形で使うことが果たして最善なのかは議論してみるべき価値がある。北侵演習の誤解を招く可能性がある大規模な演習を中止したり、これを小規模訓練に分けて実施したりすることは考慮に値する」と語った」。
(3)「保守系とされるケイトー研究所のダグ・バンドウ・シニアフェローは同放送で、「あらゆる面で北朝鮮よりもはるかに進んでいる韓国はもはや米軍を必要とせず、兵力や装備などを自ら充当すべきだ。米国は抑止力を提供する必要がない」と述べた。ただし、ワシントンの大多数の官僚・専門家グループは依然、在韓米軍削減や韓米合同軍事演習縮小に反対している」
米韓軍事同盟の存在を北朝鮮に絶えず認識させるべく、米韓の大規模な軍事演習が行われてきた。今、これへの疑問譜がつけられ始めた点は、韓国も看過できない動きであろう。
(4)「ドナルド・トランプ米大統領は最近、「金の無駄」だとして韓米合同軍事演習を非難する一方で、日本やオーストラリアなどとの軍事演習は拡大させる姿勢を見せている。特に、米日は今年初めて連合戦時増援演習(RSOI)を行ったが、韓米は北朝鮮の非核化交渉を理由にRSOI(韓米合同軍事演習「キー・リゾルブ」)を3月に廃止した。国防大学のパク・ヨンジュン教授は「GSOMIA破棄という局面を迎え、米国側はこれまでバランスを保ってきた韓米同盟と米日同盟のはざまで米日同盟側に寄る傾向を見せている。今、同盟再編論が出ているのは、韓国政府に対する不満を表しているためと見られる」と言った」
米国は、韓国との合同演習を「無駄かね」と言う一方で、日本や豪州との合同軍事演習では積極的である。これは、インド太平洋戦略の一環であるからだ。米韓合同演習の仮想敵は北朝鮮だが、日米豪の三ヶ国合同演習の仮想敵は中国である。対象国が違う以上、演習規模も異なるのだろう。米国は、防衛地域を韓国から、すでに日豪印へ変えたと見られなくもない。そういう微妙な局面で、韓国は米国との間に秋風が吹き始めた。危険なシグナルだ。





