勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    北朝鮮は、国内経済対策を二の次にして核・ミサイルの開発に没頭してきた反動が食糧飢饉に現れた。本来ならば、自業自得と言うべきだが圧制下に苦しむ国民は被害者である。

     

    国連は3日、北朝鮮の食糧事情がここ10年間で最悪の状況にあり、食糧不足を解決するには136万トンの食糧支援が必要との調査結果を発表した。

    『聯合ニュース』(5月3日付け)は、「北朝鮮の食糧生産ここ10年で最低 『緊急支援必要』=国連」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「国連食糧農業機関(FAO)と国連世界食糧計画(WFP)が発表した北朝鮮の食糧状況に関する評価報告書によると、今年(2018年11月~19年10月)の北朝鮮の食糧需要を満たすためには136万トンの穀物を輸入する必要があるという。また報告書は北朝鮮の人口の約40%に当たる1010万人が食糧不足の状態にあり、緊急の支援が必要と指摘した」

     

    北朝鮮人口の約40%が食糧不足では、大変な事態に直面している。人道上の対応として、経済制裁との関係が問われるが、これまで核開発を続けてきた北朝鮮政府の責任が第一に問われるべきである。間違っても、経済制裁緩和論へとつながることは回避すべきである。

     

    (2)「北朝鮮の食糧配給量は2018年には1人当たり1日380グラムだったが、19年は300グラムに減り、一般的に配給量が減る7~9月にはさらに減少する可能性があると分析した。北朝鮮の18年の食糧生産量は約490万トンと推計され、08年以来の低水準だった。北朝鮮の食糧不足は干ばつと高温、洪水に加え、国際社会の制裁によって燃料や肥料、機械の部品などが不足したことが原因で、今年の穀物生産量の見通しも懸念される水準と予想された。FAOとWFPは『人道的支援が実施されなければ、数百万人がさらに飢えに直面することになる』とし、国際社会による支援を要請した」

     

    北朝鮮は、食糧援助を要請しながら核開発継続は許されない。この点は、どさくさ紛れに食糧だけ受け取って、核開発を継続するという「良いところ取り」は認められないのは当然だ。食糧配給量が1日400グラム以下というのは厳しい線である。約3000グラムは必要とされるから、北朝鮮国民が、どん底生活を余儀なくされていることを窺わせている。正恩氏の体重から見ると、彼は10人分の食糧を1人で食べている感じだ。

     

    『中央日報』(5月2日付け)は、「米国の北朝鮮担当代表が8日訪韓…『北朝鮮誘引する食料支援案を議論』」と題する記事を掲載した。

     

    (3) 「米国務省のビーガン北朝鮮担当特別代表が5月8日に訪韓する。ベトナム・ハノイで開催された2回目の米朝首脳会談が決裂した後、初めての訪韓となる。 ワシントンとソウルの外交筋は5月1日、『ビーガン代表は李度勲(イ・ドフン)外交部韓半島平和交渉本部長と韓米ワーキンググループ会議をし、青瓦台(チョンワデ、大統領府)も訪問する予定』とし『膠着状態の米朝交渉に突破口を開く方法を集中的に議論することになるだろう』と伝えた」

     

    米国務省のビーガン北朝鮮担当特別代表が、訪韓することになった。米朝交渉の膠着状態の打開が目的である。

     

    (4)「ワシントン情報筋は特に『新しい北朝鮮誘引案』として韓国政府が最近構想中の対北朝鮮食料支援問題が集中的に議論されると伝えた。また『先月ワシントンを訪問した金鉉宗(キム・ヒョンジョン)青瓦台国家安保室第2次長に続いて、文在寅大統領も韓米首脳会談でトランプ大統領に対北食料支援の必要性に言及したと聞いている』とし、『ただ現在のところ米政府は原則的に反対しないが、北の態度の変化があるべきという慎重な立場』と話した」

    米国は、北朝鮮への食糧支援には前提条件を付けている。北朝鮮が米朝交渉に応じるというもの。食糧だけ受け取って、米朝交渉に応じないというのであれば、食糧支援に反対の立場だ。

     


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    外務省(韓国では外交部)は、どこの国でも花形部門である。一国のプライドを賭けて、いかに国威発揚をはかるか。現在、韓国ではこの花形部門が、大統領府に陣取る外交の素人衆によって牛耳られ、下請けをさせられているという。

     

    文政権が登場する以前は、韓国外交部は、米国担当と日本担当が花形であり、職員はこの両部門への配置を希望したという。だが、文大統領による積弊=親日排除によって、日本担当の責任者は、すべて左遷されて閑職へ追いやられている。米国担当も大統領府の秘書官や特別補佐官が実権を握っている。要するに、これまでの花形の日米担当者は、閑職か実権を奪われているのだ。

     

    専門外交官が、失職状態に追い込まれているなかで、韓国外交は迷走を続けている。大統領府に陣取る素人衆は、「86世代」という「親中朝・反日米」グループである。学生運動家上がりの元過激集団が、長い在野生活を経て権力機構に潜り込んできたもの。訳も分らずに権力を振り回している構図だ。韓国の国益を著しく損ねており、合法的に権力奪取が行なわれたとも言える状態だ。

     

    『朝鮮日報』(5月3日付け)は、「大統領府の厳しい監視で気軽に電話もできない韓国外交部職員たち」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国外交部(省に相当)のある幹部は最近、自分の携帯電話に登録されていない電話番号から電話がかかったときは受けないようにしているという。「業務用のセキュリティースマホ」に電話がかかると、およそ1秒間「ジジジ」という音が聞こえるからだ。この幹部は「携帯電話にセキュリティーチップが埋め込まれ、通話の内容が監視されていると聞いたことがある」と語る。そのため業務中に外部と連絡を取るときはオフィスの電話を使い、外部の人間と会うときは常に後輩職員と同行するという。「内部情報を漏らした」などと誤解を受けないためだ。別の幹部も「業務用の通話は全て盗聴されていると考えて電話を受ける」と語った」

     

    大統領府が、外交部を監視して盗聴を始めているのは、大統領府が外交部に圧力を加えていると言う自覚があるからだ。その不平不満が、外部に漏れると大統領府の秘書官や特別補佐官が国会やマスコミから批判されるので、それを恐れている。自分たちのやっていることが、決して理に適っていないことを承知なのだ。

     

    この問題は、政権が交代すれば究明されなければならない緊急の事態である。

     

    大統領府の「86世代」は、心情的に「親中朝・反日米」である。北朝鮮の核問題でもできるだけ北に有利な方法を探しているので、米国と軋轢を生んでいる。日本とは、「全面戦争」に突入している。「86世代」にとって日本は、許しがたい仇敵である。日本を追い詰めるという、想定通りの状態へ持ち込んで勝利感に酔っているはずだ。この結果が、何をもたらすか。彼らにとっては、関知しない。ただ、「反日をやる」ことが目的の政権である。

     


    (2)「現政権発足後、大統領府による外交部に対するセキュリティー調査が10回以上行われた影響で、最近は外交官の誰もが完全に萎縮している。昨年末には書記官や事務官などの個人用のスマホも押収され、またある幹部は「人事について外部の人間に話した」として処分を受けた。2017年末に大統領府の特別監察チームが外交部幹部10人の携帯電話を押収し、私生活までチェックしたことから、今や外交部は一層大統領府の顔色をうかがうようになった」

     

    「86世代」は、自分たちの悪行が外部に漏れることを極度に恐れている。マスコミがかぎつけて記事になることが、自らの権力失墜になることを知っているからだ。つまり、悪行であることを十分に認識して権力ハラスメント行なっている点で、きわめて悪質である。

     

    (3)「前政権で力を発揮したとの理由で、北米外交や北核問題に精通する外交官たちが「積弊」として窓際に追いやられ、しかも最近は監察まで日常化しているため、今や外交部全体が完全に自信と活力を失っているという。また外交部のトップとその周辺も大統領府のコード(政治的理念や傾向)に合わせているため、完全な「三流外交」に転落したとの指摘もある。大統領府は現政権発足直後から北核あるいは対北朝鮮政策においてこれまで米国との連携を重視してきた外交部を排除し、今や情報の共有さえ行わないようだ」

     

    外交の基本は、政権が代わっても基調が継続されることだ。他国は、こういう前提があるので安心して外交関係が続けられる。文政権は、この前提をひっくり返し旧政権=積弊排除対象と位置づけている。これは、革命政権と同じことを行なっている。文政権は紛れもなく革命政権である。

     

    文氏は、引退後に厳しく司法から追及される身となろう。「86世代」が国政壟断を行なっている罪である。

     


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    韓国政府は、徴用工問題では原則論を述べており、司法の決定に介入しないと繰り返している。一方の韓国議会は、「議員外交」の名目で訪日する計画を立てている。要するに、韓国大法院の判決を、日本に受け入れろという地均しかも知れない。そういう狙いであれば、日本は韓国の国会議員団の訪日を拒否すべきだ。

     

    『聯合ニュース』(5月3日付け)は、「日本などへの議員外交強化、韓国国会が『フォーラム』立ち上げ」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長は3日、日本など主要国と拠点地域に対する議員外交活動を強化するため『議会外交フォーラム』を発足させたと発表した。国会議員、外交官、大学教授、該当地域の専門家などでつくる各フォーラムは、米国、中国、日本、ロシアをはじめ北朝鮮、東南アジア諸国連合(ASEAN)、アフリカ、中南米、中東、欧州連合(EU)、インド、英国の12カ国・地域を対象に活動する予定だ」

     

    入院しているはずの文国会議長が、世界の12カ国・地域を対象に「議会外交フォーラム」を立ち上げて、日本を訪問させると発表した。日本の対韓感情悪化を受けて、大慌てで準備した訪問団である。だが、韓国の一方的な措置の説明を聞いても無意味。訪問を断るべきだろう。「国民感情が許さない」と韓国流の口上を使えば問題ない。

     

    (2)「文氏は当選5回以上のベテラン議員に各フォーラムの会長就任を依頼。韓日フォーラムの会長には、超党派の韓日議員連盟会長を務めた経歴を持つ無所属の徐清源(ソ・チョンウォン)議員が就く。徐氏は今月半ばに与党「共に民主党」の姜昌一(カン・チャンイル)議員(韓日議員連盟会長)や同党の金振杓(キム・ジンピョ)議員らとともに日本を訪れて自民党執行部と面会し、行き詰まっている両国関係の改善を模索する計画だ」

     


    韓国政府は最近、従来よりもさらに踏み込んだ発言をしている。

     

    (3)「韓国外交部(省に相当)の康京和(カン・ギョンファ)長官は2日、強制徴用賠償判決に関連し『司法判断を尊重するという次元を超え、歴史と人権という問題の下で被害者が納得できる、被害者の癒やしとなる方策が重要』と述べた。これは『司法判断を尊重する』という外交部の従来の立場から一歩踏み込んで、『歴史と人権問題の解決という観点から、日本政府が被害者の納得できる措置を取るべき』という意味で述べたものとみられる」(『朝鮮日報』5月2日付け「韓国外相、強制徴用、資産売却は国民の権利行使、政府は介入せず」)

     

    韓国外相の「歴史と人権問題」という発言になると、慰安婦問題と同じ扱いをしていることに気付く。日韓基本条約で無償5億ドルを受け取った韓国政府が、「ネコババ」して徴用工に支払わなかっただけである。それを今さら、日本を悪者にして「二重払い」させようという韓国の司法・行政の混合チームの厚かましさを日本政府は糾弾すべきだ。

     

    韓国議員団が、この韓国政府の説明をオーム返しするつもりならば、訪日計画を断念すべきである。そんな厚かましい言い訳を聞くのは時間の無駄である。


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    中国からのニュースにはとうていあり得ない「ウソ情報」が混じっている。抱腹絶倒するような話がある。日本の若者が日本での就職を諦め、中国で就職先を探しているというのだ。水は高い所から低い所へ流れるモノ。逆はあり得ない。安い賃金の国で働きたいという若者は希有の存在だろう。一般的事情ではない。

     

    『サーチナ』(5月2日付け)は、「日本人の若者が中国に活路?日本経済に見切りをつける日本人」と題する記事を掲載した。

     

    経済成長に陰りが見え始めていると言われながらも、日本以上の速度で今も発展を続けている中国には様々なビジネスチャンスが存在する。一方、日本はバブル崩壊後、景気回復には至っておらず、日本経済に見切りをつける日本人の若者も少なくないという。中国メディアの今日頭条は26日、日本人の若者が中国に活路を求め始めていると伝えた。

    (1)「記事はまず、4月26日に総務省が発表した3月の完全失業率が2.5%となり、前月から0.2ポイント悪化したことを紹介。一方、世界的に見れば日本の失業率は低い数字となっているが、日本の企業は会社の利益を上げるために非正規雇用を多く採用していて、労働者の待遇は決して良いとは言えないと伝えた」

     

    記事では、完全失業率2.5%という意味を全く理解していないことが分る。先進国では、完全失業率4%が「完全雇用」と言われる基準だ。日本の「2.5%」は、超超完全雇用と言える状態である。就職試験を受ければ、すべて「合格」を出さざるを得ないほどの労働需給逼迫を意味する。

     

    中国の「官製失業率」は5%台になっている。実際の失業率は、都市部で12%以上とされている。日本の若者が、「売り手市場」の日本に見切りを付けて、高い失業率の中国へ行きたがることはあり得ない。中には、思想的に根っからの中国好きが、中国を就職先に選ぶことまで否定する積もりはない。

     

    日本の完全失業率が2.5%で、非正規雇用はあり得ない。それは、高齢者や主婦で育児に時間が取られれば非正規雇用でも、若者が非正規雇用で納得するはずがない。この記事は、経済の理屈に合わせて読むと矛楯だらけ。私が、ウソ情報と断定する理由だ。



    (2)「続けて、「企業から良い待遇を得られない日本の若者達はどこへ行っているのだろうか」と疑問を提起し、その一部は「わが中国へ来ているようだ」と主張、近年は中国企業が日本人に高待遇を用意することもあり、中国や韓国を始めとするアジアの企業に流れていると伝えた。また、人材と共に日本からは技術も流出していることをと強調した」

     

    この記事は、安倍政権登場する7年前の労働事情に基づいている。現在の日本企業では、中国人や韓国人を大量採用しているほどだ。韓国では、小学生から日本へ留学して日本の大学を卒業し、日本企業へ就職させたい。そういう例が出てきたほどだ。

     

    (3)「急激な経済発展を遂げている中国では企業の待遇は年々良くなっていて、月収1万元(約16万5000円)を超えている人の割合は上海で35.09%、北京で35.07%、深センで26.91%、南京で19.37%となっていると紹介し、日本の若者が中国で働くようになっていることにはれっきとした理由があり、「日本人にとって中国の魅力は年々大きくなっているらしい」と強調した」

     

    日本の大卒初任給は、ここ2~3年で急激に上がっている。20万円台前半になっている。それにも関わらず16万円台で、大気汚染の中国へ就職したいという若者がいるとすれば、中国は「宝物」扱いして珍重すべきだろう。日本の高卒者でも、18万円台以上の初任給を得ている。

     

    (4)「一見すると中国には大きなチャンスがあるように見えるが、中国でも大学新卒者であっても待遇の良い就職先を見つけることが難しくなっているのも事実だ。また、記事で紹介されていたように大都市では収入が向上しているが、そのぶん競争も激しく、地方都市では平均的な収入がまだ3-5千元(約5-8万円)ほどにとどまるのが現状だ。だが、経済成長が著しく、14億人に迫る人口を有している中国には成長の可能性がまだまだ残されているのかもしれない」

     

    1人当たりの名目GDPは、2018年で次のようなレベル(IMF推計)である。

    日本 3万9306ドル

    中国   9608ドル

     

    中国は、日本の4分の1である。臨海部は内陸部より高いとはいえ、これだけの格差が存在する。中国が、日本を上回る賃金を出せるとはとうてい思えないのだ。ウソ情報はほどほどにしておくべきだろう。

     

     


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    韓国大統領の文在寅(ムン・ジェイン)氏は、自分が絶対に正しいと信じ込んでいることが昨日、大統領府で開催された識者との懇談会でさらに鮮明となった。懇談会の目的は、文氏と関わりの深い識者が、政治・経済・外交の各面で文氏に再考を促すことにあった。文氏は、いずれのテーマも自説を譲らず、懇談会の意味をなさなかった。

     

    その中で、文氏は日韓外交の重要性を認めつつも、間接的に安倍首相を批判した。この結果、安倍=文会談が行なわれても、2011年の野田首相と李明博大統領による全面衝突に終わるリスクの方が高い、との指摘も韓国から出ている。

     

    『朝鮮日報』(5月3日付け)は、「関係改善の流れに水を差す文大統領の安倍首相批判に元大使から懸念の声」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「文在寅大統領が2日、『日本は過去の歴史問題をしきりに国内政治に利用して問題を増幅させる傾向があるようで、非常に残念だ』と語った。新天皇即位と大阪で行われる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を機に、わずかながら韓日関係改善の兆しが見られる状況で、文大統領は日本の安倍晋三首相を念頭に直撃弾を打ったのだ」

     

    文氏こそ、過去の歴史問題を国内政治に利用している。現在、行なわれている積弊=親日排除こそ、これを証明している。文氏の政治生命は、この一点にかかっている以上、安倍首相が文大統領と会談しても成果は得られまい。気まずい思いを深めるだけだろう。

     

    (2)「文大統領は同日、識者らとの昼食懇談会で、『(韓日間には)過去に不幸な歴史があったため、絶えず派生する問題が起こっており、そのため両国関係が時に気まずくなるのは事実だ』とした上で、このように述べた。李鍾賛(イ・ジョンチャン)友堂奨学会理事長が『日本は令和時代に変わるなど、新たな転換点を探っている』として、関係改善が必要だと助言したことに対する回答だった。文大統領はこの前に、『(日本は)韓国の安全保障のためにも必要で、経済、未来発展のあらゆることのためにも日本と良い関係を結ばなければならない』とも言っていたが、日本批判に重点を置いた」

     

    下線を引いた部分が本音とすれば、日本への配慮=妥協が自ずと出てくるであろう。外交は、互いの譲り合いである。この原則から外れた文氏とは、会談する意味が薄れるのだ。

     


    (3)「外交関係者の間では、韓日外交当局が6月に大阪で開催されるG20サミットを機に首脳会談を推進している中、文大統領が日本を『あえて批判』したことを意外だと受け止めている様子だ。一部には、『首脳会談が行われても、201112月に李明博(イ・ミョンバク)大統領と野田佳彦首相=当時=が正面衝突した京都サミットが今回の大阪で再現されるのでは』という懸念もある。ある元大使は、『大統領が相手国の首脳を直接批判して外交的に問題を解決できるだろうか。この状況なら首脳会談はしない方がいいと言える』と述べた

     

    日本は、韓国との交渉を中断して、北朝鮮との交渉にシフトすべき段階に来ている。

     

    文氏は、北朝鮮の金正恩氏とも疎遠になりつつある。先の米朝会談で、トランプ氏の意向を間違えて正恩氏に伝えた節が見られるからだ。文氏は米朝会談当日、合同発表文書の調印があると信じ込み、TV放送を待っていたほど情報音痴である。

     

    金正恩氏は、韓国の文在寅氏と中国の習近平の情報だけに頼って進める米朝会談に危険性を感じている。先のロシアのプーチン大統領との面談は、そのリスクをカバーする目的があった。

     

    ここからは私の推測だが、正恩氏はプーチン氏との会談で安倍首相に関する情報を仕入れているはずだ。日本との拉致問題解決を図り、同時に安倍=トランプ関係を生かして、米朝会談を進めるという二正面作戦を検討し始めている。米韓関係の重視から日米関係重視へのシフトだ。

     

    9日から菅義偉官房長官が渡米する。拉致問題解決が主テーマだが、北朝鮮要人と秘密裏に接触して、北朝鮮が拉致問題と米朝会談を絡めた動きを見せるのでないか。こういう重要局面で、安倍首相が文大統領と面会して決裂するリスクを冒すよりもはるかに有益と見られるのだ。

     


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