勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    日本から韓国向け半導体関連素材輸出規制が、7月4日から始まったのを機に、次は訪日ビザ発給が俎上に上っているという。いかに日韓関係が悪化しているとは言え、旅行ビザの発給を厳しくするメリットがあるのか、大いに疑問のあるところだ。

     

    『朝鮮日報』(7月7日付)は、「韓国人の訪日ビザ制限は 韓国旅行業界ピリピリ」と題する記事を掲載した。

     

    日本政府が韓国人観光客に対するビザ発給要件の強化を「交渉カード」として持ち出す可能性が浮上し、韓国の旅行業界がピリピリしている。日本の経済報復に対抗し、韓国で日本旅行を取りやめる動きが出始める中、日本が韓国人観光客のビザまで制限すれば、韓国旅行業界にとって大きな打撃となる見通しだ。

     

    (1)「5日付の毎日新聞など日本メディアは、日本政府が韓国人のビザ発給要件の厳格化など韓国に対する追加の経済報復措置を検討していると報じた。日本政府は1日、韓国に対する半導体とディスプレーパネルの核心素材3種の輸出規制強化を発表したが、これに加えてさらなる措置を検討しているわけだ。日本による韓国人へのビザ制限は、ビザなしでの滞在期間の短縮や、ビザなし渡航を不可とする案などが予想される」

     

    海外旅行客を増やして、新たなビジネスチャンスをつくるという日本政府の基本方針からすれば、大いに疑問のある措置である。率直に言えば、7月1日の半導体3素材の輸出規制で、日本の意思は十分に現れている。私は、これ以上の追加措置には反対である。

     

    徴用工問題は、韓国で差し押さえ物件が売却される事態になれば、「外交保護権」の発動になる場面だ。それまでは、半導体3素材輸出規制だけに止めるべきだろう。制裁をエスカレートさせても無意味である。

     


    (2)「日本の経済報復に対し、韓国国内でも日本製品購入や日本への旅行に反対する世論が高まった。インターネットや会員制交流サイト(SNS)には「日本旅行には行かないようにしよう」などの書き込みが寄せられた。韓国の旅行各社は、当座の影響は大きくないとの反応だ。韓国の大手旅行会社モドゥツアーの関係者は6日「日本への旅行客数は通常より減ってはいない」と話した。同ハナツアーの関係者も「日本への旅行中止などの動きはまだない」と話した。韓国旅行業界の関係者は「日本への観光の場合、(個人での)自由旅行商品の割合が高く、パッケージツアー中心の旅行社まで余波が及んでいない可能性がある」として「時間がたつにつれ日本への旅行客が減少する可能性がある」と説明した」

     

    来年は、東京五輪である。世界中から観光客を集客すると大事な時期を前に、韓国へビザ発給で厳しくしても日本のイメージを落とすだけだ。第一、10月からの消費税引上げで、なにがしかの影響は不可避である。そういう微妙な時期に、貴重な外国人旅行客を減らし兼ねない対策をやるべきでない。重ねて言いたい。反対である。


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    文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、ますます暴君になってきた。これが社会派弁護士とやらの手口であろうか。日韓政府の合意による慰安婦救済の財団が、前政権が設立したことを理由に「積弊一掃」対象に加えて解散届けを出してしまった。

     

    『中央日報』(7月5日付)は、「朴槿恵政権設立の『和解・癒やし財団』正式解散、日本受け入れられないと反発」と題する記事を掲載した。

     

    朴槿恵(パク・クネ)政権時に韓日慰安婦合意の結果として設立された「和解・癒やし財団」が正式解散したことが確認された。日本政府は「到底受け入れられない」と反発した。

      
    (1)「日本・朝日新聞は5日付の記事で2015年の日韓慰安婦の合意に基づき慰安婦被害者と遺族の支援事業を行うことを目的として設立された和解・癒やし財団が解散登記手続きを終え解散したと報じた。財団側も同日、メディアなどに「先月17日に解散登記を申請し、今月3日に手続きが完了したという通知を受けた」と解散の事実を確認した」



    (2) 「和解・癒やし財団」は朴槿恵大統領在任期間の2015年12月28日に交わされた韓日慰安婦合意に基づき、日本政府出資金10億円を基に設立された慰安婦被害者支援組織である。 しかし、両国間の合意の過程で肝心の被害者である慰安婦女性の意見は消されたまま一方的に進められた事実が明らかになり世論で非難が起こった。これにより、韓国政府は2015年の合意では慰安婦問題を根本的に解決できないという判断の下、昨年11月21日に和解・癒やし財団を解散することを決定し、手続きを踏んできた」。

    韓国は、完全に日本の存在を無視した行動を取っている。こういう振る舞いをみると、日本側の受けたショックや不満はどのような形で「消化」すべきか、気持ちのやり場がなくなる。こういう積み重ねが、半導体材料輸出規制に結びつくのだろう。韓国は、日頃の高が悪すぎるのだ。

     

    (3)「 正式解散の事実が伝わり、日本政府は強く反発している。西村康稔官房副長官は同日の記者会見で「韓国政府の財団解散方針は日韓合意に照らして極めて問題がある」と述べた。また、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領も安倍晋三首相との会談で解散しないという立場を明確にしている」と主張した。また、西村副長官は「(慰安婦)合意は外交間で協議、首脳間で確認するという確約を韓国側から取り付けた」とし「政権が変わっても合意はしっかり守ることが国際社会への責務だ」と述べた。

     

    韓国のこういう行動を見ると、日本も無頼漢的な行動が許されるような錯覚を覚えるほどだ。


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    けさ、発行しました。よろしくお願い申し上げます。

     

    「ホワイト国」から除外

    技術貿易収支は大赤字

    日本の技術属国へ編入

     

    韓国は、例によって薬缶が沸騰したような騒ぎです。日本が、3つの半導体材料輸出について、「輸出優遇除外」を決定した結果です。メルマガ前号で概略を説明しました。今号は、その後の韓国の動きを取り上げ、「技術立国」を目指すという壮大な計画をチェックして見ます。その結果は、不可能というのが私の見立てです。

     

    韓国企業は、朝鮮戦争の破壊後から復興した国です。日韓併合時代からのつながりもあり、日本企業が資本と技術を提供して、復興の礎にしました。こうした関係もあり、技術的には日本の「属国」という感じです。さらに、1965年の日韓基本条約による無償・有償・借款を含めた8億ドルの資金で立ち上がった経済です。当時、2億ドルに満たない輸出規模の韓国経済が、4年分の輸出額に匹敵する外貨を手にしました。これが、その後の「漢江の奇跡」と言われる高度経済成長を実現させる原動力になったのです。

     

    問題は、短期間の発展過程でしたので、主として日本から導入した技術、さらには日本製の部品や中間財を輸入した加工貿易で経済発展の基礎を築いたのです。本質的に、日本依存の経済システムになっています。政治面でこの認識が希薄なため、日本との摩擦を起こしてきました。1965年の日韓復交以来、外交摩擦のなかった年が珍しいほど、対立を続けてきたのです。正直なところ、現在の日本は「対立疲れ」とも言えます。

     

    昨年10月、韓国大法院(最高裁)による旧徴用工賠償金支払い命令は、日韓基本条約(1965年)を否定する内容で、日本側の受けたショックは大きなものでした。「また、カネの話か」と日本では眉をひそめる向きが多かったでしょう。韓国は、「人権に時効なし」と張りきっているのですが、日本は今後こういう国家とどのような外交をすべきか悩めるところです。

     


    「ホワイト国」からの除外

    その回答が、貿易面で韓国を「ホワイト国」と言われて包括輸出許可制度対象から外して、個別に許可申請して輸出審査を受ける「非ホワイト国」に移し替える措置です。「ホワイト国」は、次のような国々です。

     

    アルゼンチン、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、オーストラリア、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国の26ヶ国です。日本の皇室が安心して旅行できそうな国ばかりです。

     

    この「ホワイト国」の条件は、次の2つです。

    1) 各国際輸出管理レジームに参加していること

    2) 輸出管理を厳格に行っていること

    今回の日本政府発表では、韓国側に輸出管理に問題があったということです。安倍首相は「信頼関係が崩れた」と漠然とした説明ですが、韓国の側での「横流し」が噂されているのです。

     

    日本政府は、輸出管理を協議する当局間対話チャンネルが、最近3年間途絶えていると主張したそうです。メディアによると、経済産業省幹部は「輸出管理の日韓当局者がここ3年間で1度しか会議を開けずに意思疎通ができない中、最近になって半導体材料の輸出に絡んで不適切な事案が続いた」と述べたそうです。こうなると、日韓の輸出管理システムが、政治的対立で機能しなかった面も否定できません。 (つづく)



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    韓国政府は、日本からの半導体材料輸出を巡る「三行半」にショックを受けている。先ずはWTO(世界貿易機関)提訴と息巻いているところだ。韓国政府の言い分は、法律の条文解釈を巡る問題で、実態について触れていない。日本政府が、事実を示せば引き下がざるを得なくなろう。

     

    韓国が不利益を被るとして騒いでいる点は、「ホワイト国」と言われて包括輸出許可制度の対象から外され、個別に許可申請して輸出審査を受ける煩雑さにある。その過程で、日本政府のチェックが加わるのでないか、としている。だが、日本が貿易する大多数の「非ホワイト国」は、不利益を受けたと問題にしている例を聞かない。

     

    「ホワイト国」の条件は、①各国際輸出管理レジームに参加し、②輸出管理を厳格に行っていることの2つである。今回の日本政府発表では、韓国側に貿易管理に問題あったということだ。安倍首相は「信頼関係が崩れた」と漠然とした説明だが、韓国の側に問題が発生し「横流し」が噂されている。

     

    この点については、自民党の萩生田光一幹事長代行が4日、BSフジのプライムニュースに出演し、「(化学物質の)行き先が分からないような事案が見つかっている」と発言して、論議を呼んでいる。萩生田氏といえば、首相側近として注目されているだけに「横流し説」が信憑性を高めている。

     

    以上、いささか技術的な問題だが、日本としては理由もなく「ホワイト国」という恩典を取り上げる訳にはいかず、理由をはっきりと示さなければならない義務を負っている。

     


    『中央日報』(7月5日付)は、「韓国側、日本政府に『二国間協議』要請、韓日WTO紛争解決に第一歩」と題する記事を掲載した。

     
     韓国政府が日本の経済報復措置が始まる1日前である3日、日本政府に二国間協議を公式に要請したことが確認された。二国間協議は韓国政府が対応策に挙げる世界貿易機関(WTO)紛争解決手続き上の最初の措置に当たる。 産業通商資源部(以下、産業部)は3日、駐韓日本大使館を通じて「日本の輸出制限措置に関連した二国間協議を要請する」という意見を日本政府に伝達した。

     

    (1)「産業通商資源部兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長は、「戦略物資の輸出統制制度は国際平和・安全維持という趣旨に合うように客観的かつ合理的であり、公正に運営されなければならない」とし、「日本が『信頼の毀損』という恣意的な主張をしながら輸出制限強化措置を発動するのは、戦略物資輸出統制趣旨に全く符合しない」と指摘した」。

     

    日本の「信頼の棄捐」は、管理業務のルーズ(横流し発生)を指している。

     

    (2)「韓国は戦略物資4大輸出統制体制および3大条約にすべて加入している模範国家として関連義務を誠実に履行している」とし、「戦略物資管理に対していかなる指摘も受けたことがない」と話した。続いて「日本が責任ある戦略物資の国際輸出統制当事国なら、韓国が提案した二国間協議に応じるよう求める」と付け加えた」

    兪明希氏は、法律家らしくまくし立てている様子がよく分かる。要約すれば、戦略物資管理に対していかなる指摘も受けたことはない。よって、日本政府の指摘する問題点を問いただしたいというもの。
     

    韓国政府側の異議申し立ては当然、起こること。日本側は早く説明しておくべきだ。また、記者会見では、「守秘義務」を盾にして公表しなかった。韓国政府側には説明して、「ホワイト国」外しの背景を説明すべきである。


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    日韓関係を根本から破綻させた徴用工賠償問題は、盧武鉉政権時代にも日韓基本条約によって、解決済みであることを確認していた。文大統領は当時、大統領府民政主席として関連会議のメンバーであった。文大統領は今になって、一言の弁明もなく盧武鉉政権時代の認識を変えたのである。

     

    韓国大法院の徴用工問題判決は、昨年10月に出た。その2ヶ月前、文氏は徴用工問題が人権問題であると演説している。この大統領演説が、大法院判決の影響しないはずはない。韓国における政権の影響力は、司法にも及んでいるからだ。文氏が、二言目には「韓国は三権分立の国」と自慢する。現実は、行政の権力が抜きん出ている。司法や立法を支配下に収めている点で、旧李朝と変わりない国なのだ。

     

    『朝鮮日報』(7月7日付)は、「請求権と司法壟断」と題するコラムを掲載した。筆者は、

    同紙のイム・ミンヒョク論説委員である。

     

    (1)「韓日基本条約で結ばれた四つの協定の一つが請求権に関するものだった。韓国政府はこれによって日本から「無償3億ドル(現在のレートで約320億円、以下同じ)、長期低利2億ドル(約220億円)相当の物資」を受け取った。韓国の輸出総額が年間2億ドルにも満たなかった時代のことだ。この資金によって浦項製鉄ができ、京釜高速道路などが建設された」

     

    日本は「独立祝賀金」と「発展途上国支援」として無償3億ドル、有償2億ドル、民間借款3億ドルの供与及び融資を行った。合計8億ドルだ。韓国の輸出総額が年間2億ドルにも満たなかった当時、8億ドルの外貨資金が韓国経済にとっていかに貴重であったか分るはずである。現在の韓国では、「日本に値切られた。もっと取るべきだった」と欲の深いことを平気で口にしている。恥ずかしい民族である。

     

    (2)「請求権協定には強制徴用被害への保障についても明記されている。強制徴用者を103万人と計算し、個人の請求権については「国として請求し、個人については国内で対応する」という内容だ。被害者に代わって資金を受け取った韓国政府が、個別に保障し解決するという意味だ。ところが日本から受け取った資金のほとんどは国内での開発に使われ、被害者に支払われたのはわずか92億ウォン(約8億5000万円)だった。2005年に盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が立ち上げた官民合同委員会がこの問題を再び検討し、7万2631人に総額6200億ウォン(約570億円)の慰労金が支払われた」

     

    日韓基本条約では、強制徴用者を103万人と計算し、個人の請求権については「国として請求し、個人については国内で対応する」という内容になっている。法的に解決済みという日本の立場は、この日韓基本条約に基づく。

     

    (3)「盧武鉉政権下のこの委員会も、請求権協定で日本から支払われた3億ドルを「徴用被害の補償」として認めたのだ。この委員会は当時のイ・ヘチャン首相が委員長を務め、文在寅(ムン・ジェイン)民政首席もメンバーに入っていた。個人の請求権問題はこのようにして整理された。その後も再び裁判で争われたが、原告の訴えは2012年に高裁で棄却された。ところが大法院(最高裁に相当)がこの高裁判決を覆し「請求権は残っている」との判断を下したため、これが韓日関係の爆弾として復活してしまった」

     

    文大統領は当時、大統領府民政主席として「日本から支払われた3億ドルは、「徴用被害の補償」として認めている。昨年8月の自らの演説では、これを否定しており、明らかに大衆迎合姿勢である。法律家としも恥ずかしい言動と思わない。そういうところに文氏の「二面性」を感じるのだ。

     

    (4)「これによって韓国政府はジレンマに陥った。判決に従えば国際的な合意を破らねばならず、かといって判決を無視するわけにもいかないからだ。韓国外交部(省に相当)と大法院は最終判決が出るまで意見を交換した。しかし現政権はこのやりとりを「司法壟断(ろうだん、利益を独占すること)」とレッテル貼りしたのだ」

     

    文大統領は、大法院判決が出た以降、日本政府による話合いの呼びかけに応じず無視してきた。それが突然、大阪G20サミットで日韓首脳会談を行う口実に、日本側の否定していた日韓企業の拠出金案を提案した。日本は拒否して会談を行われなかった。一連の文氏の言動に対して、日本が誠実味を感じないのは当然なのだ。

     

     


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