勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    中国人には来世を信じる信仰がない。世界民族で唯一の存在だ。無信仰ゆえに人倫に反する道を平気で行なう危険な国家になってきた。人間の遺伝子を組み込んだ11匹のサルを作ったのだ。これらのサルの脳の発達は、人間の特徴に近いという。遺伝子操作の赤ちゃんを誕生させた中国は再び、倫理と科学をめぐる国際論争を巻き起こしている。中国の企みは、「猿軍団」をつくり、AI(人工知能)を使って戦争を始める準備であろう。

     

    この中国が、世界覇権を目指して次々と民主主義国へ違法な挑戦を繰り返している。サイバー攻撃によって、他国の知的財産を盗み出す動きを活発化させているのだ。その恐るべき手口を紹介したい。先ず、中国人留学生がどのような役割を与えられているか見ておきたい。

     

    『大紀元』(4月1日付け)は、中国人留学生スパイの実態ー元中国外交官」と題する記事を掲載した。

     

    駐シドニー中国領事館元外交官・陳用林氏よれば、中国の在外公館(大使館・領事館)は、中国人留学生を操りスパイ活動を行わせ、海外の反体制派活動家を監視し、妨害活動を行っている。2007年6月、大紀元の取材に応じた陳氏は、各国の大使館は、スパイ活動に従事する中国人留学生のすべての必要経費を援助していることを明らかにした。陳氏は2005年5月、家族と亡命を申請し、オーストラリア政府より保護ビザを得た。

     


    (1)「中国の在外公館の留学生および留学生団体を操る手法について、陳氏は次のように詳しく説明した。

    ①留学生が行う各活動にかかる経費を援助する

    ②留学生が帰国し就職したい場合、本人が海外留学時、海外にいるときも祖国を愛し、共産③党を愛する者であることを証明する在外公館の推薦書を与える

    ④中国教育部は中国人留学生奨学金を開設し、在外公館の指示で動く中国人留学生の活動費用を与えている

    ⑤国内の各種公演グループの海外公演を行うときに、招待券を配布し、またはその祝宴パーティーなどに招待する」

     

    (2)「情報筋によると、在外中国大使館には、各国にいる中国人留学生親睦会のリーダーをスパイ工作に就かせる専門の担当者がおり、学生によるスパイ工作を画策しているという。いっぽう、経費の援助項目についてはさまざまだが、表向きに公開した活動経費もあれば、学生個人の口座に直接入金することもあるという。また、卒業後、それぞれ滞在する国の主要な学術機関に就職する機会を与えることもある。さらに、中国はここ10年間、米国の多くの大学に対して、膨大な『研究費』を提供しているが、これらの研究プロジェクトに『スパイ』を配置しているという。こうしたスパイは、上述した留学生親睦会の主席リストから選ばれた者であるという」

     

    ファーウェイも世界中の有力大学へ研究費を贈っている。米英の大学では以後、受け取らない旨を公表している。映画や小説では「水も漏らさぬスパイ大作戦」という形容詞が使われるが、中国はここまでやって技術窃取に励んできた。

     


    『ブルームバーグ』(3月7日付け)は、「中国はスパイ活動の型にもはまらない」と題する記事を掲載した。

     

    冷戦前から大学はスパイ活動にとって極めて都合の良い場所だった。西側と旧ソ連の情報機関は自国の大学で直接スパイのリクルート活動をする一方、標的とする相手国で将来的に知識や権力を持つ可能性のある専門家にも近づいていたことが知られている。中国が少なくとも27大学に対して行っていると伝えられた大規模なハッキング作戦は、この型にはまらない。しかも、中国政府のサイバースパイ活動は相当エスカレートしているようだ。

     

    (3)「米紙『ウォールストリート・ジャーナル』(WSJ)はアクセンチュア・セキュリティ傘下のアイディフェンスの調査を引用し、米国ではマサチューセッツ工科大学やワシントン大学、ハワイ大学、ペンシルベニア州立大学などが標的となり、そして韓国では三育大学が狙われていると報じた。この調査結果は米サイバーセキュリティー会社ファイア・アイが収集した情報と整合性があるという。そこに共通するのは軍で使われる海事テクノロジーとの絡みだともWSJは指摘した。中国の対外ハッキング活動はすでに何例も確認されており、標的は米海軍のみならずウェスチングハウス・エレクトリックやアルコアなどの企業も含まれる」。

     

    今回の米中通商協議では、知的財産権の窃取禁止が大きなテーマになっている。中国が米国の大学・企業・米海軍に仕掛けたサイバー攻撃は、すぐに罰則対象になり関税引上げを科されるとなれば、中国は恐慌を来たすはずだ。中国は「死活問題」であるから、抵抗するに違いない。しかし、世界の自由と民主主義を防衛するためにも、絶対に妥協すべきでない。「スパイ強国」中国を放置することは、人類にとって自殺行為である。


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    今回の「福島水産物」をめぐるWTOの二審判断は、日本として受け入れがたい結果である。放射能無害を認めながら、韓国の輸入規制の継続を許した裏に、WTOは韓国人の思い込みの激しさを恐れたのでないか。

     

    韓国社会では、科学的事実よりも思い込みが優先している。特に、市民団体にその傾向が強い。米国での狂牛病が発生し解決した後も、「脳にぽつぽつ穴が開く」といった「恐怖」の噓宣伝によって米国産牛肉輸入反対を続けた。このように大衆を反対運動に巻き込む手法では、常軌を逸した行動を取る。「福島水産物」の輸入反対では、「300年間は食ってはいけない」と言ったデマが流されたであろう。というのも、「北太平洋産のスケトウダラ、サバ、タラを今後300年は食べてはならない」といったとんでもない話を広めて、扇動を続けた団体がいたというのだ。

     


    『朝鮮日報』(4月13日付け)は、「水産物禁輸、一審覆したWTO判決に韓国専門家も驚き意外だ」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「西江大学のホ・ユン教授は、『日本政府は科学的に水産物の安全性を十分に立証していたので、今回の判定は意外だ』と言いながらも、『主権国家の食品衛生に対する裁量権を幅広く認めたものとだと見られる』と分析した。ただし、『今回の判定で日本産水産物の輸入が引き続き禁止されることで、韓日関係の行き詰まりが長引く恐れがある』との見方を示した」

     

    このパラグラフが、今回の「福島産水産物」の一件に関して、きわめて示唆的な内容である。つまり、日本政府は科学的に安全であることを十分に証明した。WTOもそれを認めている。しかし、輸入禁止は継続OKとして韓国へ旗を揚げる決定である。この決定の裏には、韓国で国を挙げての大反対論が出ることを恐れ、韓国の肩を持たざるを得なかったのでないか。米国産牛肉輸入でも前歴がある国である。

     

    韓国は、科学的事実を冷静に受け入れない国だ。先入観で阻止する点で、感情過多症である。日韓併合時代についても同じである。日本の手によって、朝鮮が近代化に向けた政策で、教育・司法・経済・インフラが充実し発展を遂げた。だが、その事実を絶対に受け入れない点と、今回の問題は瓜二つである。日本は、こういう韓国と正常な外交ができるだろうか、政府自身が国民を説得することを放棄して逃げ回っているからだ。

     

    韓国国内では、4大河川の堰撤去問題で揉めている。この騒ぎと「福島水産物」輸入禁止はよく似ているから取り上げた。

     

    『朝鮮日報』(4月13日付け)は、「科学ではなく信念・理念優先が招いた韓国4大河川せき撤去」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙の朴恩鎬(パク・ウンホ)論説委員である。

     

    (2)「行き過ぎた信念は時に理性から遠ざかる。事実の歪曲や誇張で、大衆に恐怖を与えることに優れているのは、韓国の左翼的な一部環境市民団体、あるいは政治家も同じだ。事実よりもイデオロギー、科学よりも信念が優先されるケースは4大河川のせき撤去決定も例外ではなかった。3月26日に開催された公州せき近くの住民討論会では、『必要ならせきの水門を開いたり閉じたりすればよいだけの話だ。なぜせきそのものを撤去するのか』といった質問が相次いだという。洪水が発生したときに水門を開け、干ばつのときは水をためて農業用水として使用するのがせき本来の機能である」

     

    4大河川とは、錦江(クムガン)・栄山江(ヨンサンガン)などを指す。李明博政権時代から「堰」をめぐって紛糾してきた。環境団体は堰により水の流れが阻止されるので撤去を主張している。しかし専門家の意見は違うのだ。1年にもならない短いモニタリング期間であるうえ、水質と生態が改善するという確実な証拠も確保していない状態で堰を解体することに賛成できないということだ。さらに、干ばつや洪水が頻発するなど、今後の気候変動まで考慮すると、慎重に接近する必要があると指摘しているという。

     

    ところが、文大統領や環境運動家は、専門家の意見を聞かずに撤去を主張して譲らない。今後の異常気象を考えれば干ばつは最も恐ろしいことである。北朝鮮では、恒常的に干ばつに襲われている。同じ朝鮮半島のこと。韓国がいつそういう状況に直面するか分らないのだ。

     

    (3) 「このため多くの専門家は直ちに堰を解体するよりも、水門を弾力的に運営しながら水質・生態・流量などに関連するデータを収集し、その後に決定をしても遅くはないと提言している。川と堰の周辺の重要なところにさまざまな測定センサーを設置し、10年間ほど堰の運用のビッグデータを集めれば、意思決定に大きく役立つということだ」

     

    このパラグラフの指摘はすべて正しい。いつ起るか分らない天災の脅威も考えず、大統領たる者が何を言っているのか。文氏は本当に視野の狭い困った大統領である。 


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    日韓関係の悪化が影響したのか、日本人の韓国旅行への魅力は28%と調査対象国20ヶ国の中で最低となった。この問題は、日韓の観光をめぐる評価とも関わって興味あるテーマである。

     

    韓国観光公社が、観光目的地として韓国の競争力などを調査・分析した「2018韓国観光ブランド・マーケティング・コミュニケーション効果調査」の結果である。韓国では、これまで大量の中国人観光客が訪れていたが、例のTHAAD(超高高度ミサイル網)設置以来、すっかり冷え込んでいる。一方、韓国人の海外旅行熱は高まるばかり。なんとかしてバランスを取らなければ、と政府は必死である。


    『中央日報』(4月12日付け)は、「韓国、観光地としてどうですか?「良い」インドネシア87% 日本は28%」と題する記事を掲載した。

     

    今回の調査はニールセンコリアが世界の主要20カ国15~59歳男女1万2000人を対象に昨年12月21日から今年1月14日までオンラインのアンケート調査を通じて実施した。

     

    (1)「アンケートに答えた20カ国の外国人59.5%が韓国観光を希望し、特にインドネシアの回答者10人中9人は韓国を魅力的な観光地だと考えて訪問を希望していることが明らかになった。特に韓国観光選好度ランキングでインドネシア・ベトナム・タイ・フィリピンなど主要東南アジア国家で高い肯定回答率が現れ、過度な中国市場依存度問題が次第に改善されていることが明らかになった」

    観光目的地としての韓国に対する選好度

     

    インドネシア  86.5%

    ベトナム    84.4%

    タイ      81.0%

    フィリピン   74.2%

    トルコ     71.5%

     

    マレーシア   70.6%

    シンガポール  66.2%

    香港      64.7%

    中国      64.5%

    インド     64.0%

     

    ロシア     61.0%

    アラブ首長国連邦58.3%

    米国      55.1%

    台湾      53.8%

    オーストラリア 44.2%

     

    英国      43.1%

    フランス    43.1%

    カナダ     42.5%

    ドイツ     30.8%

    日本      28.3%     

     

    上記20ヶ国を見ると、アジア各国が上位を占めている。先進国は米国を除けば50%以下という区分けができている。それにしても、日本は最下位の28.3%だ。これは、調査期間が、昨年12月21日から今年1月14日と関係がある。日韓で、海上自衛隊哨戒機をめぐる騒ぎが持ち上がり連日、テレビのワイドショーに取り上げられた時期である。日本人なら、韓国へいい感じを持たなかった事情を勘案しなければならない。

     


    『レコードチャイナ』(3月17日付け)は、「明暗分かれた日韓の観光政策、違いはどこに? 韓国ネットからため息」と題する記事を掲載した。

     

    韓国メディア『韓国経済』(3月15日付)で、「日本観光が成長し続ける一方で、韓国観光は停滞している」と伝えた。

     

    (1)「毎年10回以上日本を訪れ、日本旅行記を寄稿している作家のイ・ソル氏は、日本観光の強みについて「コンテンツの差別化としっかり整備された観光インフラ」を挙げ、韓国観光について「外国人観光客が毎年500万人近く増加している日本と違い、韓国はオリジナルの観光資源を発掘できずに足踏み状態が続いている」と指摘した。2018年の訪韓日本人観光客が前年比28.1%増の292万人だったのに対し、訪日韓国人観光客は5.6%増の753万人で、観光客数の差は約25倍だった」

     

    昨年、日韓の外国人観光客の差が、約2.5倍も広がった背景には歴史的な違いがある。江戸時代の日本は、各藩に分かれて行政が行なわれる封建時代を経験している。この間、各藩は財政的独立をめざして特産物の育成に努めた。これが、現在の日本では地域ごとの魅力ある観光スポットを生み出した。

     

    韓国は、朝鮮李朝の専制国家であり、ソウルを中心軸にして発展した経緯がある。だから、地方は李朝の利益収奪の対象でしかなかった。ソウルの繁栄と地方の疲弊が、極端な形で併存した。両班(ヤンバン)は、地方で農民を食い物していたのだ。日本の武士は土地所有を認められなかったので、貧富の差は少なかった。

     

    (2)「訪日外国人観光客が飛躍的に増えた理由として専門家らは、首相が代わっても観光政策の基調は変わらない『日本の一貫した観光政策』を挙げているという。また、日本はイントラバウンド(自国民の国内旅行)の基盤がしっかりしており、観光インフラが小都市まで体系的に整備されているため、どの地域に行っても特有の文化を体験できる点も強みだと評価している」

    (3)「韓国の政策担当者は「韓国も地方観光活性化に向け地道に政策を実行してきたが不十分だ」と指摘しているという。昨年の訪韓外国人観光客1530万人のうち70%以上がソウルや釜山などの大都市を訪れた。ある外国人観光客は「地方にも魅力的な観光地が多数でき、コンテンツも発展した」と評価した上で、それでも「交通や宿泊施設の不便さから滞在型観光はできずにいる」と話したという」。


    日本は、江戸時代以来の地方の独立性。韓国は、「金太郎アメ」で地方の特色が発揮されない。この二つの点で、日韓の観光資源の有無が説明可能であろう。



     


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      WTO(世界貿易機関)は、韓国政府の「福島水産物」輸入禁止措置を認めた。科学的には無害であることが証明されても、輸入禁止できるとは不思議な決定である。韓国は、「予想外の勝訴」と喜んでいる。そのこと自体が、今回の決定の不透明さを示している。

     

    日本政府の声明では、「引き続き韓国に働き掛け輸入規制の撤廃を求める」としている。放射能が検出されない以上、風評で「福島水産物」を輸入規制するのは不当だ。

     

    『中央日報』(4月13日付け)は、「河野外相、訪日観光客750万人、水産物輸入規制は意味ない」と題する記事を掲載した。

     

      世界貿易機関(WTO)の上訴審の結果に基づき日本8県産の水産物に対する輸入規制を維持するという韓国政府の決定に対し、日本政府が「意味のない輸入規制」と反論した。

    菅官房長官は、「すでに輸入規制を実施した54の国のうち31の国で輸入規制は撤廃されている。今回のWTO報告書でも、日本産食品は科学的に安全であり、韓国の安全基準をクリアしているとの一審の判断は取り消されていない」と強調している。こうなると、ますます韓国の輸入規制は政治的な理由であることを示している。韓国市民団体の強力な圧力によるものだ。

     

    韓国では、市民団体が「脱原発運動」を行なっており、文政権にこれを行なわせた。こういう政治的な流れの中で、「福島水産物」に難癖をつけることは十分に想像できよう。

     

    (1)  「河野太郎外相は12日午後の記者会見で、『韓国から日本に750万人が来て和食を楽しんでいる状況で、意味のない輸入規制を続けることは2国間関係に大きな影響を及ぼす』とし、『WTO上級委員会の報告書を受けて、韓国は一刻も早くこの輸入規制を撤廃する必要がある』と韓国政府に圧力を加えた」

     

    韓国からの訪日客が増加の一途を辿っているのは、放射能問題が意識にないことを証明している。韓国政府が「福島水産物」を輸入規制するならば、韓国の訪日旅行者にも同様の注意を喚起すべきであろう。韓国は、河野外相発言にあるように、「意味のない輸入規制を続けることは2国間関係に大きな影響を及ぼす」だけである。日本の反感を買うのだ。

     

    WTOの今回の決定は、逆に日本から言えば、韓国製品に対する輸入規制をできる根拠を教えたようなものだ。今後、韓国で何らかの事故が起れば、日本はこれを利用して輸入規制できるはずだ。韓国は喜んでばかりいられないことに気付くべきだろう。

     

    (2)「日本産水産物輸入問題が各国の国内政治とも関連しているという点に言及した。河野外相は、『台湾の公民投票も与野党が入れ替わった時に主張が入れ替わるというようなことがあった』と伝えた。さらに、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が訪問した時の事例を挙げながら『科学的に安全性に問題はないことは分かっているが、あとは国内の政治的な問題、政治的な配慮だと、実際に相手側から言われることも少なくない』と話した」

     

    韓国政府は「反日」を利用する、あるいは煽っている。だが、長い目でみれば得策ではないはずだ。日本人は、深い怒りを覚えたとき、それをすぐに口にしないが、政策決定面に表れる。具体的には、日韓漁業協定を絶対に結ばないだろう。こちらは、韓国漁船の不法漁法によって多大の被害を被っている以上、2016年に日韓双方の排他的経済水域(EEZ) における漁獲割当などを決める「日韓漁業共同委員会」の交渉が決裂して以来、そのままになっている。韓国側は日本の排他的経済水域(EEZ)を「主要漁場の一つ」にしているから弱り果てている。

     


    (3)「 菅義偉官房長官もこの日午後の記者会見で『WTO改革に関する議論を含め、米国と緊密に連携、協力しながら、多角的貿易体制の維持と強化を図っていきたい』とWTO改革に言及した。菅官房長官は、日本は貿易拡大を促進するという観点で関連問題の解決に臨むのかという質問に対し、『日本は自由貿易を推進する立場』とし、このように答えた。 WTO上訴審の結果が出たことに対し、日本政府は『敗訴したのではない』と主張している。すなわち、『日本産の食品が科学的に安全で、韓国の安全基準を十分に満たしているというパネル(一審)の決定が上級委員会でも維持された』という点を強調している」

     

    「福島水産物」問題は、日韓関係悪化がもたらした輸入規制である。このように政治問題化させても、韓国が得る物はない。日韓漁業協定という韓国にとって、垂涎の的は手に入らないからだ。日本が譲歩する必要は全くない。


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    中国は、3月に金融緩和策に出た。3月末時点の社会融資総量残高は前年比10.7%増の208兆4100億元(31兆0300億ドル)。 社会融資総量には、新規株式公開、信託会社の融資、債券発行など、通常の銀行融資以外の簿外の与信も含まれている。

     

    かねてから、中国政府が金融大緩和に踏み切れば、それは「悪いシグナル」と見られてきた。不良債権を増やすからだ。現在の中国経済には、さらなる過剰債務を積み上げて、耐えられる余力がなくなっている。駄馬に鞭打っているような状況である。

     

    GDP比で見た家計債務残高が30%を超えると、債務増加がもたらす景気刺激効果よりも、債務増加がGDPや消費を押し下げるマイナス効果へと逆転することが分かっている。これは、IMF(国際通貨基金)が123ヶ国(1983~2013年)の実証研究で得た結論である。中国のGDP比の家計債務残高は、49.3%(2018年3月時点)である。ここで、さらなる金融緩和を行なえば、GDP比の家計債務残高が軽く50%を上回る。危険ラインの30%を大幅に超過するのだ。

     

    ラクダには、限界を超えて荷物を担がせると、藁1本では背骨を折るという言葉がある。現在の中国の家計債務残高は、このラクダの状態になっている。無知ほど怖いことはない。中国経済は、決して楽観できる状況にない。

     


    『サーチナ』(4月12日付け)は、「日本経済は何を間違えて20年も停滞してしまったのかー中国メディア」と題する記事を掲載した。

     

    中国メディア『今日頭条』(4月10日付け)は、1990年代の経済転換期に「日本は何を間違えて20年も停滞してしまったのか」と題する記事を掲載した。

    (1)「まず記事は、国内総生産(GDP)をみると中国は日本を大きく引き離していると指摘。18年の名目GDPは中国が13兆1200億ドルだったのに対し、日本は5兆600億ドルにとどまり、2010年に中国が日本のGDPを超えてから、その差は開く一方だ。日本はかつて、80年代末に英仏独を合わせたGDPに近づいたことがあるほど『中国と同じような経済成長があった』が、今は見る影もないと言いたいようだ」

     

    ここでは、中国のGDP統計が「ゲタ」を履いていること、つまり、水増しされていることを知らずに論陣を張っていることを指摘しておきたい。

     

    米ワシントンのシンクタンク、ブルッキングス研究所は3月7日、中国経済は公式統計を約12%下回り、近年は実質成長率が毎年(2009年から現在まで)約2%ポイント水増しされてきたとする論文を発表した。中国の公式統計に対する根強い懐疑論を改めて裏付けた形だ。中国政府は、昨年の実質成長率を6.6%と発表したが、水増し分の2%ポイントを差し引けば4.6%成長である。

     

    2018年のGDP公式統計は、90兆元(約1500兆円)という数字だが、水増し分の10.8兆元を差し引かねばならないことを示唆しているのだ。自国がこれだけ噓八百を言い連ねていることは信じたくないだろう。だが、現実はここまで「粉飾GDP」によって国内外を騙している。

     


    (2)「記事は、日本の内需は拡大せず、不動産市場がバブル化していったと分析。株価も急上昇したため、さらに多くの資金が不動産市場に流れ込み、一般市民まで不動産に投資するようになったと、バブル当時の様子を説明した。しかし、『上がり続けるだけで下がらない資産はこの世に存在しない』と記事は指摘。その後日本は、米国に追随して利上げをした結果、投資家が次々と不動産市場を撤退し不動産市場は値崩れをはじめ、一気にバブルが崩壊したと振り返った」


    このパラグラフは、現在の中国経済をそのまま言い当てているようなものだ。中国は、日本よりも長期にわたり不動産バブルが景気を牽引している。GDPに占める不動産業の割合は、2018年9月末時点で6.4%であるが、格付け会社ムーディーズによれば、鉄鋼やセメントなど製造業や建設業など、不動産業と深い関係にある業種をあわせると、GDPの25~30%に相当すると指摘されている。住宅が、中国経済最大の需要部門であり、不動産バブルが消えれば、中国経済は成り立たないのが実態だ。

     

    このほか、中国はすでに生産年齢人口(15~59歳)が減少向かい、生産年齢人口比率の低下という「人口オーナス期」へ突入している。日本を笑い者にする前に、中国は日本よりもさらに深刻な事態であることを認識すべきだ。中国の明日は、衰退の道である。習氏は、それを知らずに「世界覇権」などと大法螺を吹いているに過ぎない。

     


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