11日の米韓首脳会談で文大統領は、米国の厚いガードの前に本論にも入れずに追い返された形だ。韓国野党・自由韓国党の羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)院内代表が12日、米韓首脳会談について「浮雲のような首脳会談だった。(米国に)なぜ行ったのか分からないほど正体不明の会談だったと見るしかない」と批判した。朝鮮日報が伝えたものだが、韓国野党ならずも、誰でもそう思うはずだ。
米国の本心は、文氏の訪米を歓迎しなかったのである。文氏が訪米前に北朝鮮の金正恩委員長と会談していれば、その情報を聞きたいからいま少し温かく迎えたかも知れない。そういう情報も持たず、南北交流事業を認めてくれと哀訴しても無駄であった。
米国は、トランプ氏と文氏が二人だけになる時間をできるだけ少なくする「工夫」をしている。二人が直接話したのはたったの「2分」という。「1泊3日」という
強行スケジュールで、2分しか話せなかったのではしゃれにもならない。文氏は、トランプ氏から徹底的に嫌われたと言うほかない。
なぜ、米韓同盟という固い絆で結ばれているはずの両国が、こういう形になったのか。それは、文氏が米韓は同盟国であるという証を示さなかった結果という指摘がある。要するに、「窮鳥懐に飛び込む」という仲間意識を持たなかったからだ。米朝の間に立つ「仲介者」意識が、米国の勘に触ったのだ。韓国大統領府に陣取る「86世代」が持っている、「親中朝・反日米」という基本路線が米国から嫌われたのだ。
『朝鮮日報』(4月12日付け)は、「同盟なら同盟国の味方をすべ、なぜ間に立つ?」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のワシントン支局長・姜仁仙(カン・インソン)氏だ。
(1)「ハノイ米朝首脳会談の余波を受け止めた後のワシントンは、北朝鮮の核問題に対して意外なことに落ち着いていた。単純に言えば、米国は『北朝鮮が非核化さえすれば、北朝鮮の明るい将来のため、やろうということはすべてやってやる用意がある』ということになる。『非核化が先』とクギを刺したため、トランプ大統領の対北朝鮮政策について、議会や専門家たちの批判・警戒もやや和らいだ」
米国の対北朝鮮政策は、核放棄先行である。過去ことごとく北朝鮮に騙されてきた「学習効果」であろう。ところが、韓国は、北朝鮮の肩を持つような発言を続けてきた。極めつけは、大統領府の文特別補佐官が、随分と出しゃばる発言を連発し、米国を軽視して南北一体論を喧伝してきた。この文特別補佐官は、元々は学会人であり外交には全くの素人である。その彼が、あたかも韓国外交の舵取りを任されたような発言を続けてきた。また、米国の外交専門誌にも寄稿するなど、すっかり米国の警戒心を高めてしまったのだ。この文特別補佐官が米韓関係に溝をつくった張本人と言える。文大統領は、好き勝手にやらせて墓穴を掘ってしまった。大統領としての識見がなかったのだ。
(2)「ところが、韓国政府が仲裁者(促進者)として米朝対話の火をおこす方策を考えているという話が太平洋を渡って伝わると、突然同盟の役割について話す人が増えた。一番よく耳にしたのが、『米国の同盟国である韓国は米国の味方になるべきだ。なぜしきりに米国と北朝鮮の間に立って仲裁者になると言うのか』という話だった。『韓国が対話再開のための新たな方法を考えて米国に譲歩するよう説得するよりも、米国の考えを北朝鮮が受け入れるよう説得してほしい。それが米国の考える同盟の役割だ』という話もあった。『韓国が“南・北・米”の三者をまとめようとするたび、不愉快になる』という人もいた。『南・北・米』と言うと『韓米』対『北朝鮮』という構図ではなく、『南北』対『米国』という構図であるかのようで、韓米が同盟国ではないように感じられるというのだ」
前記の文特別補佐官の発言に、米韓は同盟国という意識が全くゼロであった。南北一体論が明確に打ち出されていた。米国は、この文氏の発言を大統領の真意と受け取ったのであろう。誰でも、側近の発言とあればそう受け取って当然だ。
米国は、「南・北・米」を「韓米」対「北朝鮮」という構図でなく、「南北」対「米国」という構図であるかのように受け取った。その原因は、先の文特別補佐官発言である。これだけ、口の軽い人物を側近に据えたこと自体、文大統領の「眼力」のなさを証明している。文大統領は、内政も外交もすべて失敗である。





