勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    韓国の国防長官は、国会答弁で「朝鮮戦争は北朝鮮による侵略」と答弁できない珍事が起こった。文政権では、朝鮮戦争が北朝鮮の侵略と答えてはならない暗黙のルールがある。北朝鮮を刺激すると、南北交流事業がさらに遠のくという懸念から、閣僚に対して「朝鮮戦争は北朝鮮による侵略」という回答を禁止している。

     

    文在寅(ムン・ジェイン)なる人物は、何を考えているだろうか。ここまで卑屈になって、北の金正恩(キム・ジョンウン)のご機嫌取りをしなければならないのは、彼のソウル訪問を実現させ、文政権の得点にしたいという政治的な思惑だ。呆れかえる大統領が現れたものだ。

     

    『朝鮮日報』(7月6日付)は、「朝鮮戦争は北の戦争犯罪と最後まで言えなかった韓国国防相」と題する社説を掲載した。

     

    1日)「韓国の保守系野党・自由韓国党の議員が3日に国会で「6・25戦争(朝鮮戦争)は(朝鮮)労働党による戦争犯罪だと考えるが、(長官は)どう思うか」と韓国国防部(省に相当)の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)長官に質問したが、これに鄭長官は4秒間にわたり沈黙を続けた。この議員が「6・25は戦争犯罪なのかどうなのか」と重ねて問いただした時も、鄭長官は3秒間ためらった上で「どういう意味か」と逆に質問した。「(6・25は)北朝鮮が南侵を企画し、侵略した戦争という点に同意するのか」と3回目の質問を受けてはじめて鄭長官は「北朝鮮が南侵、侵略を行った戦争であり・・・」とまで言ったが、その後は言葉を濁した」

     

    文大統領は、閣僚に対して「朝鮮戦争」が北朝鮮の侵略であると答えさせない意味では、歴史の改ざんに加担した行動である。この文氏が、「反日」になると一転する。国際条約で解決済みの問題まで引きずり出してくる。この歴史に対する「二面性」は看過すべきでない。彼は、歴史を政治的に利用しようとする「反逆者」である。最も警戒すべき政治家である。政治家としての力量は比較すべくもないが、独裁者に共通の歴史への恣意性を秘めた人物である。

     

    (2)「質問者が「625当時、北朝鮮で検閲相や労働相として金日成(キム・イルソン)主席をささえた金元鳳(キム・ウォンボン)には戦争犯罪の責任があるのかないのか」と再び問いただすと、鄭長官はうつむいて資料を確認する素振りをみせた。「そんなに考える必要があるのか」と問い詰められると、鄭長官は資料を見つめながら「いずれにしても、北朝鮮政権の樹立に貢献し、積極的に同調したとしてそのようには・・・」とまで答弁した。この日、5時間30分にわたり続いた国会国防委員会で、鄭長官は「625」と「金元鳳」 に関する一連の質問に最後まで明確な答弁ができず、頭を上げることができなかった

     

    金元鳳なる人物は、韓国軍創設に貢献したが、後に北朝鮮へわたり朝鮮戦争の指揮を執った「裏切り者」とされている。文氏は、この人物を「表彰すべきである」と発言して韓国を驚かせた。この発言こそ、文氏が鮮戦争を北による「民族解放戦争」と意義づけている証拠である。文氏にとって朝鮮戦争は北の「聖戦」という位置づけであろう。

     

    (3)「鄭長官が、このようにあいまいな証言を繰り返す理由についてはもちろん想像がつく。文在寅大統領は顕忠日に3年連続で「6・25」に言及しなかったばかりか、金元鳳を「韓国軍のルーツ」として称賛した。韓国軍もこのような政権の顔色をうかがっている。鄭長官は北朝鮮の小型船が韓国軍の警戒監視網をすり抜けたことについて謝罪したが、このように政治にかまけて敵の顔色をうかがうような軍のトップは、警戒網が破られたこと以上に危険な存在だ」

     

    このような「小心者」が、韓国防衛のトップとは嘆かわしい限りだ。軍人が、ここまで政治に振り回されているのは危険きわまりない。韓国は、どうなっているのか。


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    文在寅(ムン・ジェイン)外交は、最悪事態を迎えている。文氏が描いた戦略は、親日=保守系=排除という方程式であり、北朝鮮との統合に弾みを付けることであった。だが、親日排除が日本による対韓輸出規制問題で一転、窮地に立たされている。北朝鮮とも険悪だ。文氏が、米朝ハノイ会談で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)氏に不確実情報を流して大失敗。すっかり、ミソを付けてしまった。

     

    文氏が、日本と北朝鮮の双方から「肘鉄」を食う形になった理由は、情報収集の甘さにある。思い込みが激しい文氏は、いったん自分の頭で甘い見通しを立てると、それに沿った情報だけを受け入れ、厳しい情報を切り捨てるという悪弊に陥ったもの。「原理主義者」の硬直性が、弾力的な判断を奪っているのであろう。戦場に喩えれば、最悪の指揮官である。多数の部下を窮地に立たせるタイプだ。

     

    『朝鮮日報』(7月6日付)は、「韓国は降りろという北、韓国は北に影響力ないという日本」と題する社説を掲載した。

     

    (1)「板門店での米朝首脳会談を前に、北朝鮮は米国に『今後の核関連協議では韓国が外れた方がいい』と要求した」という報道があった。米国務省のスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表が韓国の複数の与党関係者にこうした北朝鮮側の言葉を伝え、「北朝鮮は米国との二国間協議によって非核化交渉をスピーディーに進めたいと考えている」と語ったというものだ。北朝鮮は公に、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に向かって「差し出がましく割り込んで来るな」と言ってきており、この報道は事実だろう」

     

    北は、米朝交渉における核関連協議から韓国の排除を米国に要求したという。文氏は、米中の交渉役の立場を広く内外に宣伝してきた。そのチャンスが潰されかねない事態へ追い込まれている。

     

    (2)「偶然にも同じ日、日本の安倍首相は番組インタビューで、「主要20カ国・地域(G20)首脳会議で文大統領と会ったら、日米関係の助けになるのでは」という質問に、「そういうことはない。今、北朝鮮に最も影響力があるのは習近平中国国家主席とトランプ米大統領だ」と答えた。文大統領は北朝鮮に対してこれといった影響力がないということだ」

     

    安倍首相は、「北朝鮮に最も影響力があるのは習近平中国国家主席とトランプ米大統領だ」と言い切った。これは、テレビ朝日のインタビューに答えたもの。司会者と安倍氏のやりとりは、安倍氏を責めるような聞き方であったから、「カチン」ときて強い言葉になったと見られる。文氏は、安倍氏から北朝鮮への影響力がないと指摘され、メンツ丸潰れにされてしまった。

     


    文氏の外交的な蹉跌は、対日外交で決定的なミスを冒してしまったことにある。旧徴用工問題は、文氏にとってはまたとない日本叩きのチャンスが巡ってきたを小躍りしたはずだ。これで、韓国に存在する反日ムードを煽り、国内保守派を追い込む。これをテコに、来年4月の総選挙で勝利を掴み、次期大統領選も与党候補を当選させる。保守党による「文大統領5年間」の「積弊一掃」を防ぐ手立てを練っていたはずだ。

     

    その出発点になる旧徴用工問題が、日本の思わざる反撃によって、韓国経済の命綱になる輸出規制を招いてしまった。韓国はWTO違反と騒いでいるが、安保を理由に輸出手続きを「一括処理」から「個別処理」に切り替えるものだ。日本は従来の優遇策が、「信頼関係を損ねる事態の発生」で見直したと説明している。韓国にはとりつく島もないのだ。文氏の親日=保守系=排除という方程式は破綻した。


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    日本による今回の対韓国「輸出優遇除外」は、韓国に大きな衝撃を与えました。異口同音に、「ここまでやるとは思わなかった」と漏らしています。それは、3種類の半導体材料輸出の手続き変更によって、韓国が短期的に購入代替先を決められない、と日本が計算し尽くしていることに恐れを感じたと言っています。日本が、心からの怒りを表しているというのです。

     

    韓国が、日本に対して「ここまでやるとは思わなかった」という裏には、日本への甘えがあったのです。日韓併合時代、韓国は日本を極悪非道なことをしたと非難しています。日本が、過去にそれほど朝鮮民衆を虐げて利益を貪ったとすれば、日本に対して現在も徹底的な警戒をしたでしょう。

     

    初めて分ったことは、今回の一件で現実に何も警戒もしていなかったのです。現在、政府も企業も一斉に慌てているのは、日本の怒りが初めて表面化したことにあるのでしょう。

     

    台湾と朝鮮は、日本の植民地として近代化過程を経験しました。日本の植民地政策は、英国と違い収奪でなく、財政的な持出しだったのです。東洋経済が、日本の言論機関として「植民地放棄論」を大々的に展開した裏には、日本の財政負担の大きいことも理由でした。

     


    日本は韓国の近代化に力を尽くしたのです。道路・鉄道という交通機関の新設、小学校から帝国大学(現・ソウル大学)まで建設しました。裁判所や警察はもちろんです。韓国は、こういう面をすべて無視して、今もなお悪口雑言を言い立てています。日本は、これに対して反論もせず、一方的に悪者にされてきました。この74年にわたる韓国からの妄言に対して、今初めてリアクションを示しとも言えるのです。

     

    李登輝・元台湾総統は、台湾で親日ムードが強いのは、儒教教育を止めて西欧式近代化教育を取り入れてくれたことだ、と言っておられます。日本への感謝の気持ちを口にされているのです。台湾と朝鮮では、同じ近代化施策を行いました。その割を食ったのが、日本領である沖縄でしょう。鉄道もなく近代産業もなく立ち後れました。

     

    戦前の沖縄と朝鮮を比べると、日本は格段の財政投入を朝鮮に行っています。韓国が、朝鮮戦争という悲劇を乗り越えて、中堅国家へ発展できた裏には、日本からの物心両面にわたる支援があったのです。技術も資本もすべて日本から海を渡りました。そういうことには、すべて目を瞑って、日本の悪いところだけを世界に吹聴して歩く「悪しき隣人」となりました。もう、この辺で日韓は別々の道を行くべきです。これまでの韓国の主張通りにやって下さい。

     

     

     

     

     

     


    ポールオブビューティー
       

    中国経済が深刻の度を加えている。この状態で、米中貿易戦争を戦える力などあるはずがない。張ったりに過ぎない。デフォルトの多発が、それを証明している。製造業PMI(購買担当者景気指数)は、6月も50を割り込んだままである。輸出新規受注が不振だ。米中貿易戦争の影響が色濃く出ている。

     

    『大紀元』(7月5日付)は、「中国、上半期社債デフォルト、前年比約2.6倍増」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国金融情報企業Windによると、今年上半期中国信用債(無担保社債)の債務不履行(デフォルト)規模が668億元(約1兆475億円)に達し、前年同期比約263%増となった。中国メディア「21世紀経済報道」2日付によれば、Windの統計では、今年上半期において96銘柄の信用債が新たにデフォルトした。昨年末から、新たに19社の企業がデフォルトした発行体に加わった。国内証券アナリストは、この19社のうち、18社が民営企業だと指摘した。製造業、化学工業、貿易、食品、通信、自動車などの分野に及ぶ。また、アナリストは、今年上半期における製造業のデフォルトが全体の6割以上を占めたとし、景気後退で製造業が経営難に陥っている実態が露呈した」

     

    中国のような契約概念の希薄な社会で、無担保社債を購入するには相当な勇気が必要である。高利をつけて購入意欲を高めきたのだろう。それが、逆に不況期で抵抗力を失わせてデフォルトに至ったに違いない。国有企業が一社も含まれていないことで分るように、国有企業は保護されている。

     


    (2)「一部のアナリストは下半期にも信用債のデフォルトが拡大する可能性があると指摘した。市場が金融機関の信用状況を再評価し、格付けの中低レベルの債券の担保条件を厳しく求めているのが主因だという。ブルームバーグによると、中国では6月だけで、14銘柄の信用債がデフォルトし、金額規模98億元(約1537億円)を上回った。3月以降の高水準となった。北京市、広東省と甘粛省のデフォルト規模が全国のトップ3位を占めた

     

    北京市、広東省と甘粛省のデフォルト規模が全国のトップであることに注目していただきたい。北京・広東という中国の「顔」とも言うべき大都市が、中国でも開発の遅れた甘粛省と並んでデフォルト多発地帯になっていることは、中国全土がデフォルトに巻き込まれている証拠である。よくぞ、こういう経済環境で「最後まで米中貿易戦争を戦う」と言えるものだと感心する。

     

    財新・マークイットが発表した6月の中国製造業購買担当者景気指数 (PMI)は49.4と1月以来の低水準を記録した。この財新・マークイット調査の製造業PMIは、民営企業の経営状態をより正確に把握している。その点が、国家統計局調べの製造業PMIと異なっているので、デフォルト多発の民営企業の実情を説明している。

     

    財新・マークイット調査の製造業PMIでは、内需、外需ともにさえず、米中貿易戦争に製造業が一段と圧迫されていることが浮き彫りとなった。過去1年間に打ち出された一連の景気支援策にもかかわらず、中国経済は失速したままである。財新・マークイットのPMIでは生産と新規受注がともに1月以来の減少。一部の企業は貿易摩擦を理由に生産ラインを停止したことを明らかにした。中国経済は厳しい局面である。

     


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    韓国の日本への甘えには、限度がないようだ。現在、持ち上がっている半導体材料輸出規制問題は、7月21日参院選後に緩和されるだろう期待しているという。そのようなことがあれば、安倍首相の鼎の軽重を問われる事態になる。

     

    韓国は、「事大主義」のヌエ的な存在である。日本は、「武士は食わねど高楊枝」で大義を大事にしてきた民族である。その日本が、韓国に突付けたのが今回、行った「ホワイト国」からの締出しである。契約精神を守らない韓国を、「仲間」として認めないと宣言した。それが今回の措置である。参院選後に軟化して、また「仲間」に加えることはあり得ないだろう。

     

    『朝鮮日報』(7月6日付)は、「韓国政府・与党 参院選後の日本軟化を期待」と題する記事を掲載した。

     

    安倍晋三内閣と自民党が、今月21日の参議院選挙に勝つため、韓国に対する経済制裁を政治的材料として利用し続ける可能性が持ち上がっている。だが韓国政府および与党サイドからは「選挙が終われば日本の経済報復は軟化することもあり得る」という期待を込めた見方が出てきている。

     

    (1)「安倍首相は、選挙戦が始まった今月4日前後に韓国を刺激する発言を続けた。首相はNHKのインタビューで「今、ボールは韓国側にある。韓国は国際社会の国際法の常識に従って行動してくれることを望む」と発言した。韓国政府と与党は、参院選が終われば日本の経済報復措置も少しは軟化するだろうという期待の中で、真っ向対決を自制しているという。与党「共に民主党」の金振杓(キム・ジンピョ)議員は5日、ラジ番組に出演して「安倍首相がこれほどひどく強硬な措置を取る理由は、7月21日に予定されている参議院選挙のため」と語った」

     

    下線を引いた部分は、典型的な韓国人の言い方である。安倍首相が、参院選後に軟化するだろうから、韓国はあえて「真っ向勝負」を挑まないと言っているが、実は打つべき対策がないのだ。米国へSOSを打って、日本をなだめて貰おうという「セコイ」考えしか浮かばないほど、窮地に追い込まれている。半導体材料の在庫が減っている状態で、強気を装う発言を聞くと、「韓国の本質は変わらないな」と見るほかない。

     


    (2)「専門家らは、参議院選挙以降も日本の報復措置が続く可能性は十分にあるとみている。憲法改正を推進する安倍首相が、追加の議席確保のため、今後衆議院解散まで検討することもあり得るからだ。日本の選挙の雰囲気と相まって、今年下半期はずっと韓日緊張の局面が続くこともあり得る、という話になる」。

     

    日本の安全保障体制の中で、韓国が果たすべき役柄がなくなっている。日本も指向する「アジア太平洋戦略」は、日本、米国、豪州、インド、ASEAN、そして「付録」程度に韓国を加える布陣になっている。韓国は、最近のトランプ米大統領訪韓で、「アジア太平洋戦略」に参加する旨を発言した。本心かどうかは分らない。

     

    いずれにしても。日本にとっての韓国は、文政権で「うっとうしい」存在になった。安倍首相の本音では、韓国との関係を薄くして関わりを少なくしようとしている。安倍首相が参院選後に、対韓政策で手心を加えることなど「あり得ない」と見るべきだ。


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