韓国駆逐艦が、海上自衛隊の哨戒機にレーダー照射した問題は、日韓に新たな紛争の種を持ち込んでいる。韓国は、派手なBGMを入れた劇画風の映像を公開した。中身はゼロだ。日本の公開した映像で、韓国に都合の良い部分だけ「切り取り」する模造品である。
韓国『聯合ニュース』(1月8日付)は、「海軍トップがレーダー問題の部隊を訪問、対応を叱責?」と題する記事を掲載した。
この記事は、海軍参謀総長が、問題となった韓国駆逐艦の対応が、国際的慣例に合ったものでないことを示唆している。日本側が緊急連絡で問い合わせているのに無言を貫いたこと。また、韓国側から日本の低空飛行が問題ならば、問い合わせるべきである。それも怠ったのだ。
(1)「海軍制服組トップの沈勝燮(シム・スンソプ)海軍参謀総長は7日、威嚇的な飛行を行った海上自衛隊の哨戒機に対し、煮え切らない対応をとったとして批判を受ける駆逐艦「広開土大王」の所属部隊を訪問し、叱責とも受け止められる発言をした。海軍によると沈氏はこの日午前、東海を守る海軍1艦隊司令部を訪問し、新年の軍事対応態勢の現場を点検した。同艦隊は12月20日、東海上で北朝鮮の船舶を救助中に海自の哨戒機と遭遇した「広開土大王」が配備された部隊である」
日本側が、韓国駆逐艦の対応を批判していることに堪りかねて、海軍参謀総長の訓示になったのであろう。
(2)「『広開土大王』を巡っては、同駆逐艦から海上自衛隊の哨戒機が火器管制レーダーの照射を受けたと日本が主張。韓国側は火器管制レーダーの照射は行っておらず、むしろ海自哨戒機が同艦に対し威嚇的な飛行を行ったとしている。沈氏はこの席で、『全部隊は外国の艦艇・航空機との遭遇など海上で発生しうるあらゆる偶発状況に対し、作戦例規や規定、国際法に基づいて即時に対応し、現場で作戦が終結するようにしなければならない』と指示した」
(3)「また、『すべての艦艇は作戦を遂行しながら様々な状況を同時に管理することができるよう、能力を備え、作戦の完全性を保障しなければならない』と強調した。沈氏のこのような発言は『広開土大王』が海自の哨戒機の威嚇飛行に対し、適切な対応をしなかったとの批判を意識したものと受け止められる。武装した軍用機が艦艇に向かって近づく行為は危険であり、接近しないように警告するべきだったが、同艦は海自の哨戒機に対し、そのような措置を取らなかった」
ここでは、国際法という言葉が出てくる。腑に落ちないことが起った場合、相手側にその意思を問いただすことが前提である。いわゆる「ホットライン」とは、事前の意思疎通をよくして、無用の紛争を予防することが前提である。ましてや、日韓は形の上で「友軍」である。その相手に対して無言を貫いたのだ。批判されて当然である。
(4)「また、『様々な状況を同時に管理できる能力』を強調したのは、北朝鮮の漁船の救助作戦を行いながらも、外国航空機の威嚇飛行のような突発的な状況におかれれば、適切な措置を取らなければならないとの叱責と受け止められる可能性がある。海軍関係者は『沈総長は激励のため1艦隊司令部を訪問した』とし、拡大解釈に対する慎重な姿勢を示した」
駆逐艦本来の役割を忘れて、北朝鮮漁船を救助していたことを批判したものだ。韓国は、この救助を「人道主義」と強調して、日本は低空飛行して威嚇したと非難している。日本側は、そういう事情を知らされていない以上、非難されるいわれはない。通報しなかった韓国駆逐艦の落ち度である。海軍参謀総長は、この点を指している。
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