日本政府は4日から、半導体素材3品目を個別許可輸出物資に指定すると発表した。現実には2日から指定されていたという。こうして、3品目の中でも「フッ化水素」の在庫不足が懸念され始めている。
韓国政府はこれまで、WTO(世界貿易機関)に訴えるとか、中長期的な研究開発促進という悠長なことを言ってきた。だが、現実に在庫減少という事態にぶつかって、右往左往している。その対策が、またしても「他人任せ」である。米国に仲裁して貰おうという甘えである。当事者意識に欠けることおびただしい。
『朝鮮日報』(7月6日付)は、「韓国政府・大統領府、米国にSOS」と題する記事を掲載した。
韓国大統領府(青瓦台)や韓国政府内から「米国は関係が悪化した韓日間の仲裁者として乗り出すべき」という声が本格的に上がり始めた。今回の輸出規制は米国を含む国際産業界に悪影響を及ぼし、韓米日安全保障協力まで揺らぎかねないだけに、トランプ政権が乗り出すべき時がきた、というわけだ。韓日関係が最悪の状況に陥っていることを受け、韓国政府が今更ながら米国にSOSを送ろうとしている恰好だ
(1)「韓国政府の関係者は、「韓日関係が悪化するたび米国が仲裁者として乗り出し、解決してきた前例に照らしてみると、今回の事態も米国が解決のカギを握っている」「輸出規制は米国の産業にも悪影響を及ぼすだけに、トランプ政権がいずれ仲裁者として乗り出すのではないか」と語った。先代のオバマ政権は、慰安婦問題で韓日対立が最高潮に達していた2014年、ハーグの核セキュリティ・サミットで韓米日首脳会議の開催をあっせんした。15年の韓日慰安婦合意の過程でも、裏で調整役を果たした。今回も、その役割を期待するというのだ」
日本は、事前に米国と打合せ済みと見るべきだ。日本が、韓国に「不適切な事例」の取引を指摘し、それについて「守秘義務がある」としている以上、情報源は米国であろう。韓国は、その米国へ泣きつけば、逆に説教される立場だ。問題の本質は、日本が韓国に対して「信頼感を失った。だからホワイト国から外す」という事実を受け入れるかどうかだ。米国に仲介して貰おうという魂胆は、原因を曖昧にするという最も狡い方法である。
日韓首脳会談を申入れざるを得ないという意見も出てきた。
『朝鮮日報』(7月6日付)は、「韓国政府、韓日関係改善に向け首脳会談を推進」と題する記事を掲載した。
南官杓((ナム・グァンピョ)駐日韓国大使が日本による経済報復について「両国経済に悪影響を及ぼすだろう」とした上で「韓日首脳会談の再開に向け努力したい」との考えを示した。日本の東京新聞が5日付で報じた。
(2)「強制徴用問題など歴史問題から火が付いた今の韓日対立を8カ月にわたり放置してきた韓国政府が、日本が報復に乗り出したことによってやっと「韓日関係改善」に言及した形だ。韓国与党・共に民主党の一部からは「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が直接首脳会談の開催を提案する可能性もあるだろう」との見通しも示した。南大使は前日に東京新聞を訪問し「韓国では(今回の事態について)早期に、また円滑に解決を望む声も多い」として韓日首脳会談の再開を呼びかけ、これに日本側が応じるよう今後も働きかけを続けていきたいとの考えを示した」
この記事には2点の疑問がある。
① 日本の外務省に申入れていない。
② メディア全体を集めた記者会見でない。しかも、韓国大使が東京新聞を訪問した上での記事だ。
要するに、「打診」記事でありアドバルーンを上げて、日本側の反応を見たものだ。「窮鳥懐に飛び込む」という喩えの域でなく、とりあえず発言して見たという程度かも知れない。後からいくらでも逃げられる余地を残した記事と言える。
(3)「共に民主党のある関係者は「(南大使の発言は)日本による報復措置を解決するには外交面での努力が必要との指摘を受け入れたものだ」「大統領府ともすでに調整が行われたと聞いている」と伝えた。大統領府のある幹部もこの日のブリーフィングで南大使の発言に言及し「各自の立場で可能な最善の役割を模索するものだ」とコメントした。ただし、この幹部は「日本への特使派遣を論じる段階ではないだろう」との考えも示している」
下線をつけた部分は、まだ見栄を張っている。「それほど韓国は困っていないけど」というポーズだ。こういう発言は、日本側を刺激して、「ならば、もう少し締めてやるか」という無益な反発を呼ぶだけ。韓国は、もはや見栄も外聞も捨てて、テーブルに着くべきだ。





