けさ、下記の目次で発行しました。よろしくお願い申し上げます。
約束を反故にした文在寅大統領
党利党略で次期大統領選に焦点
韓国経済はもはや浮上せず低迷
「土木建設」で利益誘導政治へ
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、2017年5月に就任以来21ヶ月が過ぎました。前任大統領の朴槿惠(パク・クネ)氏が弾劾で失脚した後、緊急大統領選で当選したので、慌ただしい就任となりました。「ぶっつけ本番」という趣でしたが、就任演説は立派でした。次のように述べたのです。
1.私は国民全員の大統領になる。私を支持しない一人ひとりも私の国民、私たちの国民として仕える(国民一致)
2.野党は国政運営のパートナー、対話を定例化して随時会う(野党尊重)
3.全国的に幅広く人を登用する。私に対する支持とは関係なく人材を丁重に迎えて仕事を任せる(人事不偏不党)
約束を反故にした文在寅大統領
以上のように、大変に立派なものでした。弾劾という不名誉な形で交代した新政権への熱い期待を担って、文在寅政権は登場したのです。大統領任期は5年間60ヶ月ですので、現在は大統領任期のほぼ3分の1を経過しました。文大統領は、国民が期待した通りの政治をやっているでしょうか。
前記の3つの国民への約束は、一つも実行していません。
1.では、文大統領の支持基盤である労働組合と市民団体の要求には100%応えています。最低賃金の大幅引上げがそれです。しかし、企業に対しては「敵対的」行動で反企業を鮮明にしています。「法人税」を引上げて世界の潮流と逆行しています。
2.では、「野党尊重」は真っ赤なウソでした。前政権を「積弊」と位置づけ精算する動きに集中していま。保守党関係者に対して、司法当局による拘束・逮捕という荒手を使って追放しています。保守党政権はいかに悪いことをしてきたか。それを国民に印象づける戦略です。
3.では、「人事不偏不党」も実行していません。文氏は、読んだ本で感銘を受ければ、その著者を大統領府に招いて「要職」を任せるという混乱ぶりです。「所得主導経済」もそうでした。現在は、「革新成長」という言葉に痺れているようです。これに伴い、新しい人物を経済科学特別補佐官として迎え入れました。その本は『蓄積の道』で、著者の李正東(イ・ジョンドン)ソウル大教授が大統領府入りしました。何とも、頼りない政策決定過程に見えるのです。
以上、3点から見た総合評価は、文大統領の視野が狭いということです。一国大統領として、党派を超えた視点で物事を捉えるのでなく、与党「共に民主党」の利益優先で政策が選ばれている感じです。これは、次期大統領選も与党候補者を当選させたい。そういう党利党略に終始していることは疑いありません。
党利党略で次期大統領選に焦点
この、具体的な現れが、次のような政策に現れています。
経済面では、完全な落第です。最低賃金の大幅引上げで、去年と今年の2年間で約30%の引上げとなりました。この大幅引上には罰則を伴います。中小・零細企業や自営業では、やむなく従業員を解雇して罰則回避に動きました。誰も罪人にはなりたくありません。こういう「不条理」な最賃大幅引上げが、不本意な解雇者を増やしたのです。これは、明らかに政策ミスです。
外交面でも、日韓関係が破綻状態に陥っています。旧慰安婦の日韓合意協定を事実上、一方的に破棄しました。戦時中の徴用工問題でも、韓国大法院(最高裁判所)が日韓基本協定(1965年)を破棄して、日本企業への賠償を認める判決を下しました。韓国政府は、この問題について、一切関わらない姿勢です。文大統領が、政府関与を禁止した結果です。
昨年12月に、海上自衛隊の哨戒機は韓国駆逐艦からレーダー照射を受ける事件が起こりました。この件も韓国大統領府は沈黙して、韓国国防省へ圧力をかけ日本への謝罪を止めさせました。日本が「悪者」というイメージを韓国国内に流布させる目的と見られます。
一方、北朝鮮政策では「独走」しています。米国議会の超党派議員から国務長官当ての書簡では、文大統領と康外相の名前を挙げて非難されました。米議会上院のテッド・クルーズ議員(共和党)とメネンデス議員(民主党)が、今月11日(米国時間)「韓国政府が北朝鮮制裁の緩和に乗り出せば、韓国の銀行や企業が制裁対象になるかも知れない」と警告の書簡をポンペオ国務長官に送っていたのです。(つづく)





