1992年、中台は国民党政府時代に「一つの中国論」で合意したとされる。ただし、台湾にとっての「中国」解釈は、中国と異なってもよい、という融通無碍なものとされた。台湾は、民進党政権になってこの「一つの中国論」に触れることはない。中国の呼びかける「一国二制度論」も歯牙にもかけない状態である。
その言い分は、台湾は民主主義国であるが、中国本土は独裁国である。政治制度基盤が異なる中で、「一国二制度論」はあり得ないと言う立場である。これは、もっともな言い分であろう。香港を見れば分る通り、香港の自主権は次第に奪われている。「甘言」には乗らないとしている。
『レコードチャイナ』(1月6日付)は、「台湾・蔡総統、各政党は92年コンセンサスについて語るなと呼びかけ」と題する記事を掲載した。
(1)「『環球網』(1月5日付)は、台湾メディアの報道を引用し、台湾の蔡英文総統が、各政党に対して92年コンセンサスについて語らないよう呼びかけたと伝えた。記事は、中央社が聯合早報の報道を引用し、『蔡総統は、台湾の各政党に対し92年コンセンサスについて語らないよう呼びかけた』と紹介した。中国国務院台湾事務弁公室の馬暁光(マー・シャオグアン)報道官は、『台湾当局が92年コンセンサスを認めず、中台が1つであることを認めないなら、中台関係の平和的な発展の政治的な基礎を破壊することになり、『脱中国化』『独立』などの分裂活動を容認することになる。これは、中台同胞の共同の利益と関係を弱めるもので、08年前の対抗路線に戻ることになる。誰が古い道を行き、悪の道に行こうとしているかははっきりしている。民進党当局は、中台関係が不利な局面になっていることの責任を誰のせいにすることもできない』と語った」
92年コンセンサスは、国民党政府の手で行なわれた。当時、野党の民進党は反対していた。民進党政府になれば、それを推進するはずもない。また、正面切って反対とも言わない姿勢だ。だから、蔡総統が「92年コンセンサスについて語るな」と発言したのかもしれない。
中国政府は、不満である。だが、「一つの中国論」について内容を詰めていないコンセンサスなど便法そのものだ。これを政府間のコンセンサスと言えるはずがない。仮に、韓国政府がこういう曖昧なコンセンサスを結んだとすれば、大騒ぎになろう。
(2)「蔡総統が5日、外国メディアとの茶話会で、“国際社会がこの件について真剣にとらえ、われわれを支持し援助するとの声を出してくれることを希望する』と語った”と紹介。記事によると、蔡総統の言う『この件』とは、『中国が武力行使すると脅したこと』を指しているという」
中国は、随分と乱暴な振る舞いだ。92コンセンサスを認めなければ、武力行使という論法に驚く。こういう問答無用な中国外交が、各国から反発を浴びる原因である。
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