勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    韓国の労働組合は、世界最強と言われている。高賃金獲得を目指し、容赦ない強力ストライキで倒産した有名企業はいくつもある。何しろ、会社側を敵と見立てるほどだから、その破壊力は強烈である。現代自動車もこの労働貴族に狙われて、売上高営業利益率は4%台へ落ち込んでいる。韓国製造業は、この貴族労組に恐れをなし今年上半期の海外進出は過去最高となった。

     

    『韓国経済新聞』(10月4日付)は、「高費用低効率で韓国を離れる製造業、海外投資74億ドルで過去最大」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「今年上半期の製造業者の海外直接投資額は74億ドルで、1980年に関連統計が作成されてから最も多かった。これまで製造業者の上半期基準過去最大海外投資額は2013年の47億ドルだった。昨年上半期の製造業者の海外投資額は29億ドルだったが、今年上半期はそれより2.5倍以上増えた。上半期の製造業者海外投資額は昨年1年間の投資額79億ドルに匹敵する規模だ。製造業に金融業、サービス業など他の業種まで加えた全海外投資額は上半期基準227億ドルだった」

     

    韓国の繊維産業は、最低賃金の大幅引き上げで、壊滅的な打撃を受けると訴えてきた。昨年から政府に対して、海外への工場移転で雇用が原書することを予告していたもの。こういう高賃金回避の目的で、今年上半期の海外直接投資額は74億ドルに達した。来年の最賃は、さらに10.9%の引上げ見込みとなっている。製造業の海外移転が増えることになろう

     

    (2)「韓国企業は海外投資を増やす代わりに国内投資は減らしている。統計庁が10月2日に発表した産業活動動向によると、8月の設備投資は前月と比べ1.4%減少した。3月に7.6%減少してから後6カ月連続のマイナスだ。通貨危機当時の1997年9月~1998年6月の10カ月連続減少を記録してから約20年ぶりの最長期間だ」

     

    製造業の海外進出は、国内の設備投資の減少を招いている。この裏には、半導体市況の天井圏入りが、半導体設備投資を控えさせている面もあろう。海外投資増が、国内設備投資減を直接招いたとは言えないにしても、気になるデータであることは間違いない。

     

    製造業の国内空洞化は、雇用の減少に拍車をかけるだけに、貴族労組に冷たい視線が注がれるのは不可避であろう。


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    中国の習近平氏は、米国トランプ大統領が、ここまで強硬策に出てくると想像もしていなかったのでないか。そういう指摘が海外メディアから出ている。歴代米国大統領選が、そうであったように、選挙運動中の対中強硬発言は、大統領就任後は現実的な妥協路線に戻るのが普通であったからだ。

     

    選挙運動中のトランプ候補の発言は、大統領就任後になれば穏健路線に戻るものと期待していた。だが、現実はそうならなかった。トランプ大統領は、中国に対してますます先鋭化する発言と行動を見せている。

     

    仏国際放送局『FRI』の中国語サイト(9月25日付)は、米中の貿易戦争が中国にとってどれほど意外なものだったかについて論じる記事を掲載した。『レコードチャイナ』(9月26日付)が、「米中貿易戦争、中国にとっての誤算は」と題して転載した。

     

    (1)「中国はそろばんをはじき間違えた。トランプ氏が大統領に就任した当初、中国政府はかつてないほど楽観視し、民間でも“トランプファン”が大量に出現した。実際、『トランプ氏は大統領選期間中から中国の大きな譲歩がなければ対中貿易戦争は不可避と警告してきたにもかかわらず、中国政府はこの警告を聞き流した』と指摘している」

     

    トランプ大統領が、破天荒な人物であることはまちがいない。ビジネス手法の「ディール」を用いて、相手国をキリキリ舞いさせているからだ。EU(欧州連合)との交渉開始。NAFTA(北米自由貿易協定)では、カナダとメキシコを米国ペースに乗せて交渉を妥結させた。難物の北朝鮮も押したり引いたりして首脳会談まで持ち込んでいる。この交渉術は、トランプ氏が最後の一手を読ませないようにするから、どこで交渉を打ち切るか分らない謎の部分を伴う。交渉相手を不安にさせることが、「トランプ流」と言えよう。

     

    中国にとってトランプ氏は、歴代米国大統領にないタイプである。トランプ氏が、気取らずに本音で迫ってくるところが、形式主義の中国外交を振り回しているのだろう。「自由と正義」を基本に据えて、相手を攻めまくるからだ。こうなると、中国は防御一方となろう。

     

    (2)「そして、中国政府系メディアが『米中貿易戦争により、わが国は、米国がこれほどまでに信用できない、米国がこれほどまでに道理をわきまえない、米国がこれほどまでにごねる、という3つの“想定外”遭遇した』と報じたことについて、『まさかトランプ氏が本当に発言通り中国に重税を課し、しかも一歩ずつ着実に進めて来るとは思ってもいなかったのだろう。彼は、前任者が決心できなかったことを本当にやったのだ』と論じた」

    トランプ氏が、最初に言い出した対中国への25%関税説は、米国ですら真面目に聞こうとはしなかった暴論である。だが、中国がWTOに違反する常習犯であること。技術を窃取して米国の世界覇権に挑戦する危険な存在であることが、次第に世界世論に浸透してきた。これが、トランプ氏への逆風を順風に変えさせた理由であろう。

     

    中国は、この風向きの変化を見抜けなかったのだ。中国こそ自由貿易の擁護者として振る舞っていたが、現実には全く異なっていたことが暴露されている。WTOの自由原則を食い物にしてきた保護主義国であったのだ。また、「一帯一路」計画で、経済的弱小国を「債務漬け」にしていた事実が露見したことも、中国の立場を追い込むことになった。こうして、昨年1月、スイスのダボス会議で行なった習氏の「自由貿易擁護宣言」が、現実には貿易保護主義国による偽りの宣言であることが暴露されている。これも、中国の計算違いを生み出した理由になった。

     

    (3)「中国政府系メディアが『米国は信じられない』としたことに対し、仏紙『ル・モンド』が、『トランプ氏の対中批判の大部分は的を射ている。2001年のWTO加入以降、中国は約束したような市場国にならず、国有企業が依然として経済を支え、重要な分野には国が大量の補助を与えるとともに、知財権を遵守しなかった』と指摘し、むしろ中国の方が信用できないとの見方を示したことを紹介している。そして、『2代目のブッシュ大統領からオバマ大統領まで、米国の歴代大統領は中国による為替操作、知財権の侵害、対中赤字といった点で中国と論戦を展開し、改善を希望してきたが、いずれもうやむやにされた。そういう意味では、トランプ氏による貿易戦争の発動は言いがかりとは言い難い』としている」

     

    トランプ大統領が登場するまでの米国外交の基本は、中国を追い詰めず時間を与えながら市場経済国への転換を待つことであった。これに慣れきってきた中国には、トランプ外交の出現を予想もできなかったであろう。トランプ外交は、米国の本流外交から外れたものだ。

     

    習近平氏は、市場経済国になることをハッキリと拒否して、国有企業主体の経済構造強化を宣言している。これが、トランプ氏を米国大統領に押し上げた要因であろう。逆説的に言えば、習近平氏がトランプ氏を米国大統領の座へ就けたのかも知れない。

     


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    米トランプ大統領の対中外交戦略が、貿易問題から安全保障政策へシフトすることで、自由主義諸国の賛成を得られた点は大きな変化である。高関税が世界経済を破綻させる。むろん、そういう批判は正しいし、できればそのような状況を回避することが望ましい。だが、中国はWTOの貿易自由化原則を食い物にしており、中国自らは保護主義を貫いている国である。この裏に、世界覇権への野望が隠されている。多くの国が、このことに気付いたのだ。これが、世界世論において「米国批判」を緩めさせ「中国批判」へ転じさせた大きな理由であろう。

     

    『大紀元』(10月3日付)は、「建党100年で大国狙う中国、軍民融合戦略ー米国務次官補」と題する記事を掲載した。

     

    (4)「クリストファー・フォード米国際安全保障・不拡散担当国務次官補は最近、中国共産党は米国の技術を獲得し、ハイテク軍事能力を高めるため、『中国製造2025年』と『軍民融合』戦略を用いた、大規模な戦略があると明かした。中国は違法行為も含め、あらゆる手段で米国の技術を手にし、米国に戦いを挑んでいるという。フォード氏が9月、『連邦調査局(FBI)と商務部によるカウンターインテリジェンスと輸出入管理』に関する会議の中で発言した。同次官補は、中国人入国ビザの審査を強化するなど、5つの対応戦略を提案している」

     

    中国共産党には米国の技術を窃取し、ハイテク軍事能力を高めるため、「中国製造2025」と「軍民融合」戦略を用いた大規模な軍事戦略が存在する。「軍民融合」戦略とは、民間企業にある先端技術を軍備に活用するもの。このパラグラフでは、中国が総力を挙げて米国と軍事対決する準備に入っていると指摘している。「中国製造2025」は、米国の先端技術を盗み出して、中国の遅れた分野をカバーする計画である。壮大な技術泥棒計画と言っても良さそうだ。

     

    中国が、昨年10月の「7中全会」において発表したコミュニケでは、「あらゆる活動への党の指導を確保する」と明記した。これは、共産党による企業経営への関与強化が念頭にあったものだ。具体的には、国有・私営・外資のあらゆる企業に共産党支部をつくらせ、共産党が企業経営を支配する方針を明確化した。この狙いが、「軍民融合」にあることは疑いない。企業にある先端技術を軍備に利用するという「軍事経済化」を狙っていると言える。

     

    こうした「戦時体制」を想像させることまで行い、世界覇権論に挑もうというメリットはなんだろうか。軍事的に米国を打ち負かすことで最小限、アジアの軍事覇権を握る構想であろう。日本は、中国の「属国」として位置づけようという野望だろうか。これで、中国共産党と中国人民解放軍の夢が叶ったとしても、中国国民は幸せになれる保証はない。膨大な軍備費負担が、中国の国力を消耗させるからだ。

     

    (5)「フォード氏は会議の中で、この大規模な対米戦略への対応措置として、1.包括的な輸出入管理と特許 2.安全保障意識 3.ビザ審査の再検討 4.投資の審査 5.同盟国を中心とした多国間の連携と協力、といった対策を示した。フォード氏は、中国は、世界の覇権を狙い影響力を強めるだけでなく、世界に及ぶ米国の力を、中国にすり替えようとしていると指摘。この計画は長期的な戦略であり、米国は大規模で全面的な中国問題に直面していると警鐘を鳴らした」

     

    米国の対中戦略では、次の5つが上げられている。簡単に説明しておく。

    1.包括的な輸出入管理と特許=対中国輸出管理(チンコムの復活)、特許使用制限

    2.安全保障意識=中国を修正主義国として規定済み

    3.ビザ審査の再検討=留学生ビザや国際学会への入国制限で技術窃取を防ぐ

    4.投資の審査=中国の対米投資を厳格規制する

    5.同盟国を中心とした多国間の連携と協力=日欧米の三極構造の強化と貿易協定促進

     

    (6)「具体的には、中国共産党政府は少なくとも建党100年にあたる2049年までに、大国としての地位を確立し、東アジアの主導権を握る計画があると、フォード氏は述べた。フォード氏の分析によれば、中国共産党政権による『国の総合力』とは、他国のような競争力の向上のみならず、ハイテク技術による経済力を掲げている。これは、米国が国家として追及する、軍事におけるハイテク技術の発展を指すという。中国軍事戦略の基本は、民間セクターを取り込んだ『軍民融合』である。これは、中国の民間企業のもつ最先端技術を戦闘能力に反映させるもので、共産党の新たな軍事改革の一つと考えられている。共産党の優先事項である『高度で最先端の欧米技術を取得して、軍事転用する』の実践とみられる」

     

    中国軍事戦略の基本は、民間セクターを取り込んだ「軍民融合」であるという。米企業も多くが中国へ進出している。これら企業の最先端技術が、中国軍に利用されるリスクを避けるには、いずれ中国からの撤退命令を出す時期も来るであろう。米国が、ここまできめ細かい戦略を打ち出す状況になれば、同盟国が一体になって、中国を除外した一大経済圏(多国間自由貿易協定)を形成し、中国を経済封鎖する局面が来るにちがいない。戦前の日本経済が、ABCDラインで包囲されたときの再現である。ちなみに、Aは米国、Bは英国、Cは中国、Dはオランダである。

     

     

     


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    米国が924日、対中制裁関税第3弾として2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に追加関税を課した。これは、ホワイトハウス内だけで拙速に決めた政治判断ではない。今回の措置は、米国と中国の経済的、政治的関係が完全にリセットされ、これからは貿易戦争というより冷戦に近い状態が始まる。こういう見方が出てきたことに注目したい。

     

    『フィナンシャル・タイムズ』(9月24日付)は、「対中冷戦へと進む米国」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のグローバル・ビジネス・コラムニストであるラナ・フォルーハー氏である。

     

    (1)「中国との関係を根本的に見直すというのは、トランプ氏の考えだけでなく、右派と左派双方の幅広い支持も得ている。それだけに事態は深刻である。トランプ政権の経済的タカ派であるナバロ大統領補佐官(通商担当)や通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、トランプ氏とは異なり、まったく別のゲームを戦っている。彼らは、中国との経済関係を断ち切ることが長期的には米国の国益にかなうと信じている」

     

    (2)「こうした考え方に同意する向きは、米国防総省にも多くいるし、労働運動を手掛ける進歩的な左派にもいる。彼らの中には、トランプ氏が大統領職を去った後もずっと権力のある地位に就く人も多くいるはずだ。それぞれに目指すものは異なるが、米中は長期的に戦略的対立関係にあり、従って米国の貿易政策と安全保障政策を別々に考えていてはいけないという見方でほぼ一致している」

     

    ここでの認識は、米中貿易戦争が単なる貿易赤字問題の領域を超えて、米国の安全保障政策にまで拡大していることだ。中国は、明らかに中国共産党創立100年に当る2049年までに、米国へ対抗する具体的な計画を樹立していると見られるにいたった。米国はこれに対処する基本的な立場をペンス副大統領演説(日本時間で5日零時)で明らかにすると見られる。ロイターが、演説の予定稿を入手してその一部を報道した。

     

    『ロイター』(10月4日付)は、「米副大統領、南シナ海で中国の威嚇にひるむことないと強調へ」と題する記事を掲載した。

     

    (3)「ペンス米副大統領は4日に行う講演で、南シナ海で『航行の自由』作戦を実施していた米駆逐艦に中国海軍の艦艇が異常接近した問題に触れ、米国は中国の威嚇によって引き下がることはなく、今後も国際法で認められる限り海軍の作戦を展開すると表明する見通し。ペンス氏はまた、世界での影響力拡大を狙った中国の外交政策などについても批判のトーンを強める。講演はワシントンのシンクタンク、ハドソン研究所で米東部時間午前11時(日本時間5日午前0時)に予定されている」

     

    ペンス副大統領演説は、これまで「予告」されてきたもので、ホワイトハウスの対中政策の骨格が理解できるであろう。

     

    (4)「ペンス氏はまた、中国共産党が中米などの3カ国に対して台湾と断交して中国と国交を樹立するよう促したとして批判する見通し。さらに、中国が『借金漬け外交』によって世界で影響力拡大を図っていると主張する。『中国はアジア、アフリカ、欧州、さらには中南米の諸国に多額のインフラ融資を供与している。しかし融資条件は良く言っても不明瞭で、中国政府が圧倒的な恩恵を享受している』とする。南米ベネズエラの『腐敗し機能不全に陥っている』マドゥロ政権に50億ドルの融資を約束し、政権存続を支援していることも非難する」

     

    中国の「一帯一路」計画の不明朗ぶりを糾弾するようだ。いわゆる相手国を「借金漬け」にして身動きできない状態に追い込み、中国の支配下に組入れる戦術をとり上げる。

     

    (5)「ペンス氏は、中国が米国内の政治にも影響力を及ぼそうとしているとの見解を示す。中国が米国の州・地方政府を標的にして、連邦・地方政府間の政策を巡る対立を利用しようと狙っているとの米情報機関の分析に言及し、『貿易関税など意見が分かれる問題を利用し、中国の政治的影響力を拡大しようとしている』と語る。『情報機関の幹部が最近、ロシアが行っていることは中国が全米で行っていることに比べれば大したものではないと教えてくれた』ことを明らかにする。ペンス氏は、中国の当局者らが中国事業の継続を願う米企業トップに対し、米国の貿易政策を非難するよう促しているとも主張する」。

     

    中国が、米国内で行なっている諜報活動はロシアの比でなく、大掛かりであることを明らかにする模様だ。中間選挙に向けた介入活動を公表するのであろう。


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    韓国は現在、日本に対して二つの要求ないし依頼をしている。旭日旗禁止法案と日韓通貨スワップ協定である。旭日旗は、日本の国内法で海上自衛艦に掲揚され、国際的に認知されているもの。韓国はそれを、国民感情にそぐわないから禁止したいという。これが、日本に対していかなるリアクションを生むか。全く、考慮されていない。

     

    一方で、韓国経済の悪化とともに、米韓の金利差がもたらす外貨流出によって「ウォン危機」が懸念される状況になってきた。この対応策として、日本に日韓通貨スワップ協定を依頼しよう、と議論されているのだ。

     

    『朝鮮日報』(10月4日付)は、コラム「なぜ韓国人は旭日旗に過剰反応するようになったのか」を掲載した。筆者は、同紙の兪碩在(ユ・ソクチェ)記者だ。

     

    (1)「今になって韓国人が旭日旗を見ただけで感情が高ぶるようになったのはなぜか。太平洋戦争の終戦から時間がたつほど、日本から侵略を受けた国々では逆に旭日旗に対する反感が高まっているのはなぜだろう。一つ最も重要かつ根本的な事実がある。それは戦争が終わってこれだけ長い時間が過ぎても、日本が過去の歴史を巡って被害者たちに心から反省の意を示し、謝罪してこなかったことだ。『自衛隊が韓国に来るときは艦艇から旭日旗を外してほしい』と韓国が要請すると、日本は逆に『無礼だ』として反発した。これは彼らが相手の立場に立って考えることができない精神構造を持っているからだ。その旗を前面に立てた日本軍は礼儀を持って侵略してきたのだろうか」

     

    いくつかの反論がある。

     

       「日本から侵略を受けた国々では逆に旭日旗に対する反感が高まっているのはなぜだろう」。この事実はない。日本の戦後賠償とその後のODA(政府開発援助)により、償いをしてきた。東南アジアでの日本評価は、中国や韓国を抜き最高である。

     

       戦争が終わってこれだけ長い時間が過ぎても、日本が過去の歴史を巡って被害者たちに心から反省の意を示し、謝罪してこなかった」。唯一、韓国だけが日本へ次々と要求を出し続けてきたので、「韓国疲れ」に陥っている。際限ないのだ。慰安婦像の次が旭日旗禁止法である。最早、何を語っても無駄であるという徒労感が先に来る。

     

     

       このコラムにはないが、韓国は日本の自衛隊が得た軍事情報を利用している立場だ。日韓が相互主義に立っている現実を無視している。

     

    日韓通貨スワップ協定を依頼では次のような記事がある。

     

    『中央日報』(10月4日付)は、「韓国、利上げを最大限遅らせて韓米・韓日通貨スワップ締結するべき」と題する記事を掲載した。

     

    (2)「米国の利上げで新興国からの資本流出に対する危機感が高まっている中で、韓米・韓日通貨スワップで問題を解決するべきだという声が上がっている。建国(コングク)大学金融ICT学科のオ・ジョングン教授は4日、韓国仏教放送ラジオ番組『BBSニュースパノラマ』に出演して『米国がもう一度利上げに踏み切ることが予想される』とし『韓国と米国の金利格差が広がれば、(韓国から)資本が流出する可能性が相当高くなるものと分析される』と述べた。また、『韓国の利上げは資本流出動向を綿密にモニタリングして最大限遅らせなければならない』とし、『いま若干の信頼問題があって揺れている側面もあるが、はやく信頼を回復して、韓米通貨スワップや韓日通貨スワップでこの問題を切り抜ける方法もある』と明らかにした」

     
    米韓通貨スワップ協定と日韓通貨スワップ協定が、ウォン危機対策の切り札として取り上げられている。日韓通貨スワップ協定の場合、旭日旗禁止法が成立したとすれば、日本政府は受入れないであろう。海上自衛隊の存在を否定されたのも同然の中で、仮に「ウォン危機」が起こっても傍観せざるを得まい。それは、自業自得ということだ。

    日本から見た韓国の二つの動きは、完全に矛楯している。旭日旗禁止法によって、韓国の独立心を示すならば、間違っても日韓通貨スワップ協定を口にしてはなるまい。それだけの覚悟がなく、隣国へ精神的な「宣戦布告」をすべきでないからだ。韓国は、感情論で不愉快だから旭日旗禁止法をつくるなら、日本もまた国防の要である海上自衛隊を否定され不愉快という感情論の応酬が起こっても不思議はない。

     

    要するに、感情論は一時のこと。それを凌ぐ方法を身につけるべきであろう。将来への展望がそれを可能にさせるのだ。東南アジア諸国は、そうやって日本との協調策を見つけた。日本もまた、その善意に応える態度を取ってきた。これが、永遠の和解をもたらす道と思われる。


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