勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。


    a0960_008650_m


    韓国がまた衝撃を受けている。米国が、これまで「門外不出」としてきたステルス型戦闘機F22改良型計画への参加を、日本企業に認めたことだ。しかも、2030年をメドに、日本の開発・生産の分担比率50%以上にするという提案に、さらに驚いている。

     

    F22の性能については、世界最強の戦闘機とされている。その特色は、ステルス性能と超音速巡航速度にある。敵に見つかる前に敵を発見・攻撃・破壊という三拍子が揃ったもの。この米空軍の「虎の子」技術を日本に公開し、改良型の共同開発を認めたことは、日米同盟が新段階へ進む意味である。

     

    中国が猛烈な勢いで軍拡に進んでいる現在、これを食い止めて確実な安全保障体制を確立するには、最新鋭戦闘機で防衛する以外にない。米国が、アジアの安保体制において日本を「同等」の国として信頼を持つにいたった表れである。このほか、日米貿易赤字解消という狙いも込められている。

     

    『朝鮮日報』(8月24日付)は、「韓国に技術移転しない米国、日本と新型ステルス機を共同開発へ」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「米国政府は、F22の技術移転はもちろん完成機の販売すら禁じていた。今回、日本に対しては鍵を開けてやったのだ。米国は、韓国はもちろん盟邦たる英国やイスラエルにも、F35ステルス戦闘機は売ったもののF22は売らなかった。韓国軍のある消息筋は『韓国空軍の一部ではF22の配備を希望していたが、米国法で2018年まで海外販売が禁じられており、価格の高さなどのため実際にはその気になれなかった事案』と語った」

     

    米国が、これまで英国やイスラエルにさえ販売しなかったF22の改良型の共同開発を日本に認めたのは、「超破格」というべき措置である。この裏には、①日本の機密保護法が情報漏洩を防ぐこと、②中国軍の現実的脅威が迫っていること、③日本がアジア安保体制を米国と担うこと、などの諸点を意味するであろう。機密保護法については、日本国内で大変な騒動を巻き起こしたが、国民の知る権利を侵さない限り、役立つ法律であろう。

     

    (2)「日本経済新聞は、改良型F22が配備された場合、日本全域の防衛が一層強化されるだろうという見方を示した。専門家らは特に、日本の次世代戦闘機が、既存のF22やF35を上回る世界最強の戦闘機になるかもしれない、という点に注目している」

     

    朝鮮日報記事では、「F22の改良型が世界最強の戦闘機になるかも知れない」というが、F22がすでに世界最強の位置にある以上、さらにその上を行く「絶対的戦闘機」として、日本とアジアの安保体制に寄与する。

     


    a0070_000060_m



    中国は、蔡氏が台湾総統に就任以来、露骨な台湾虐めを行なっている。国民党出身の馬氏が総統時代には見せなかった牙を剥く。台湾と国交を結ぶ国家に札束外交で接近。「台湾断交・中国国交」に持ちかけ相次いで成功している。台湾と国交を結ぶ国家は17ヶ国に減った。これに危機感を持つ米上院議員は、台湾支援法を準備しているとロイターに語った。

     

    中国は、種々の「悪事」を働いている。台湾の「TPP11」(米国抜きの環太平洋経済連携協定)参加も妨害工作をやっているという。なんとも浅ましい中国の姿に呆れるのだ。

     

    『台湾・中央社』(8月23日付)は、「中国は横暴、 頼行政院長 国際社会に理解呼び掛け」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「頼清徳行政院長(首相)は22日、中央社の単独インタビューに対し、中国の『横暴さ』を国際社会に伝える必要があると述べた。日本が主導する環太平洋経済連携協定(TPP)への台湾の参加については、政治的に大きな困難に面しているとし、『完全に中国の妨害のせい』と批判した」

     

    中国は、口を開けば美辞麗句を並べるが、やっていることは「みみっちい」の一言だ。台湾虐めに狂奔している。小国・パラオに台湾断交を迫って断られると逆上、中国人観光客の渡航を禁止という圧力をかける。大国の看板が泣く振る舞いだ。

     

    台湾のTPP参加も妨害しているという。日本は、中国の妨害を断固として撥ね付けることだ。日本まで、中国の鼻息を気にしているようでは、「自由民主党」の名前に傷がつく。

     

    (2)「TPP加盟を目指す台湾。頼氏は、法整備は順調に進んでいると話す。一方で、中国の妨害で加盟が困難になっている現状を認め、加盟国の支持を積極的に求めていると明かした。中国はTPPに参加していないが、あらゆる手段で加盟国に圧力をかけているという。『(圧力の)強さは決して小さくないはず。われわれは立ち向かわなければならない』と圧力に屈しない姿勢を示した」

    頼氏は、大々的に記者会見を開いて、中国の不当な介入を訴えるべきである。ペンの力で中国の「暴力」を退治することだ。私も、及ばずながら支援したい。

     

    (3)「頼氏は、安全保障のため、台湾は米国や日本、韓国、オーストラリアなどの各国と協力すると同時に、蔡英文総統の要求に沿って着実に国防予算編成を行ったと説明。台湾は自由で民主的な、人権を保障する国家だとし『われわれの権利も国際社会に知ってもらう必要がある』と述べた。

    日本にとって台湾は、自由と民主主義を守る重要な拠点である。沖縄―台湾―フィリピンを結ぶ線は、中国の防衛ライン「第1列島線」に位置している。このことから分るように、日本と台湾は、自由と民主主義を防衛する上で重要な役割を担っている。この安全保障上の認識に立てば、日本が台湾を支援することは当然だ。

     

    米上院議員(共和党のコリー・ガードナー議員)は、中米のエルサルバドルが台湾と断交し、中国と国交を樹立したことを受け、台湾との外交関係を断ち切り、中国との関係を強める国がさらに増えることを防ぐための法案を準備していると明らかにした。

     

    『ロイター』(8月23日付)は、「米上院議員、台湾支援の法案準備、断交の連鎖防ぐ」と題する記事を掲載した。

     

    (4)「共和党のコリー・ガードナー上院議員はロイターに対して、台湾との外交関係維持することを支援する法案を数日以内に提出すると語った。ガードナー議員は、台湾に不利となるような決定を防ぐため、外交関係や対外援助に関する変更を行う権限を国務省に与えると説明。『中国の弱いものいじめに対処するために用意されている様々な手段に新たな手段が加わる』とコメントした」

     

    この記事だけでは、詳細不明である。米国政府は、「一つの中国論」に囚われずに台湾政策に柔軟である。「台湾旅行法」も成立して米台政府の高官が自由に往来することが可能になってた。この延長線で、新たな台湾支援法ができるのかも知れない。


    a0790_000182_m


    米中貿易交渉は、8月22~23にかけて行なわれたが、なんの成果もなかった。中国は従来通りの主張を貫き、米国の要求する不公正貿易慣行の是正については「ゼロ回答」である。

     

    中国は最初から交渉をまとめる意思はなかった。国内の株式市場と為替市場の不安心理を抑えることに利用したに過ぎない。習氏に問いたいのは、こういう時間稼ぎすることによって、事態解決の糸口が得られるのか、という点だ。遅らせたところで、さらに窮地に立たせられるだけである。

     

    『大紀元』(8月21日付)は、「米中通商交渉再開 中国側の時間稼ぎー専門家」と題する記事を掲載していた。

     

    (1)「米カリフォルニア大学ロサンゼルス校UCLA)の経済学者・兪偉雄氏は、今回(注:先)の協議と11月末の米中首脳会談は、『11月上旬の米国中間選挙を狙った中国側の時間稼ぎの計略だ』との見方を示した。中間選挙で米民主党が下院と上院のそれぞれ議院で過半数を占めれば、対中貿易政策を含むトランプ政権の各政策実施にストップをかけることができる。『中国当局がこれを狙っている』としている。兪氏は、「中国当局の狙いは失敗に終わるだろう。現在、共和党も民主党も、中国による米企業の知的財産権侵害に関して共通認識を持っている。中間選挙の結果と関係なく、トランプ政権は、貿易問題で引き続き中国に対して強硬な措置を実施していく」と判断している」

     

    中国は、米国における対中感情がいかに悪化しているかについて、正確な認識がないようだ。民主党が中間選挙で勝利を得れば、トランプ政権の対中強硬路線を変更させられると誤解している。オバマ政権の対中政策が現在、批判されているのは融和的過ぎたという点だ。米国内の対中警戒論を軽視してはなるまい。

     

    (2)「中国経済専門家の秦鵬氏は、米中貿易摩擦の本質は中国共産党政権が抱える構造的な問題であると分析する。『中国側が構造的問題の存在を認めれば、抜本的改革を迫られる。この改革は、共産党政権の根底を覆す可能性が高いため、中国当局はどうしても避けたい』。中国当局が今できることは時間稼ぎしかないという」

     

    米国政府が、中国へ要求している点は、不公正貿易慣行の是正である。WTO(世界貿易機関)の基本原則を守れという点に尽きる。そうなれば、対米貿易収支が一方的な大赤字に

    なることはない。中国が、WTO違反の不正ルールを止めれば、米中貿易収支は改善されるという主張である。ただ、米国の主張のうちでWTO原則の遵守は正しいが、二国間で貿易収支を均衡させるのは不可能である。あくまでも多国間での貿易収支調整が基本である。

     

    中国が、WTOルールを守っていないことは事実だ。中国は、この点の是正を求められると、極めて苦しい立場に追い込まれる。「中国製造2025」は、他国の技術を窃取して、「産業強国」へのし上がろうとする「虫のいい」計画である。これは、習氏が「生涯国家主席」を目指す上で、重要なステップになっている。

     

    米国は、この習氏の「出世ハシゴ」を外すように要求している。習氏は、自らの思惑からも簡単に応じられまい。中国が、技術窃取問題を認めれば、根本的改革を迫られる。「産業強国」路線の根底が覆される事態なになるのだ。中国当局はどうしても避けたいにちがいない。だが、技術窃取は許されない。

     

    中国には、米中貿易戦争の解決策がない。時間稼ぎをするほかないという、哀れな状態へ追い込まれた。習氏の世界覇権狙いという「大言壮語」が招いた大失態だ。

     

    『産経新聞』(8月23日付)は、「中国経済が長期減速に陥る事態も」と題する東京財団政策研究所の柯隆(か・りゅう)主席研究員の見解を掲載した。柯氏は在日中国人エコノミストである。

     

    (3)「米側は、2000億ドル相当にも及ぶ第3弾の大規模制裁を準備している。これが発動されれば、中国経済は相当なダメージを受ける。短期的には、輸出にブレーキがかかって業績が低迷した企業がリストラに走り、雇用環境の悪化に伴う社会不安の増大という中国側が最も恐れる状況を招く恐れがある。長期的には、多国籍企業を中心に生産能力の一部を中国外に移す可能性もあり、中国経済が長期間減速する事態に陥りかねない」

     

    米国が目下、準備中の第3弾である2000億ドル関税を発動すれば、中国の対米輸出に大きな被害が及ぶ。むろん、米国も無傷ではあり得ない。中国に依存する生活必需品が関税分だけ値上がりする。だが、米中どちらの被害が大きいか。それは、中国である。輸出企業の倒産による雇用減が起こるからだ。雇用減=失業者増加は、家計を直撃する。2017年までの中国家計債務の対可処分所得比率は107.2%に達した。この状況では、失業すれば住宅ローン返済が不可能になる。その結果、金融危機リスクが高まるのだ。

     

    (4)「最悪のシナリオは、中国が国内改革をせずに報復カードを切り続け、とことんまで貿易戦争を続けることだ。中国が切れるカードは米側より少なく、報復措置に限界があるのは目に見えている。改革開放から40年間で、これほど強い外圧を中国が経済問題で受けたのは初めてのことだ。外圧をテコに国内の抵抗が強い国有企業改革を進めるなど、中国経済の『危機』を『好機』に転じさせることもできる。今、習近平国家主席の知恵が試されている」

     

    現在は、改革開放40年の中で最大の危機である。市場機構を意図的に抑圧し、国有企業主体の経済体制へ逆戻りさせていることも響いている。米中貿易戦争は、中国の不合理な面を徹底的に追い詰めるだろう。中国が、時間稼ぎでお茶を濁すような生温い対応は不可能に思われる。

     


    a1530_000078_m

    7月から姿を消していた、中央政治局常務委宣伝(メディア)を担当する王滬寧氏が公式の場に姿を見せた。失脚説や自宅軟禁説など飛び交ったが、宣伝担当を外されたことが判明した。王氏は、江沢民・胡錦濤・習近平の三代にわたる知恵袋として、「思想」を練り上げて、共産党指導理念にしてきた。その王氏が、米中貿易紛争初期に「米国打倒論」の最前線に立ち、中国官製メディアの論調を先鋭化させた。その責任を問われて、雲隠れしていたのだろう。

     

    中国国内の経済重視派からは、現段階で米国と摩擦を起こすことに反対が強く、王氏を取りまく政治状況は悪化していた。習氏は、王氏を取り立て序列5位にまで引上げた。だが、党内の「王批判」の強さに押されて、宣伝担当を外したもの。

     

    『大紀元』(8月24日付)は、「中国、宣伝部門のトップに新人事 王滬寧氏の権限縮小か」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国最高指導部のメンバーで宣伝を担当する王滬寧氏は約1カ月ぶりに公の場に現れた。米中貿易戦で苦境を立たされるなか、国力を過大に宣伝し、世論をミスリードしたとして、王滬寧氏は実権を奪われた可能性が高いと米『ラジオ・フリー・アジア』(RFA)が22日に報じた。一方、対外宣伝を主に担当する国務院新聞弁公室のトップ人事が発表された。政府宣伝部門のトップ人事が刷新されたのは党内外から、米中貿易戦に対する宣伝を批判する声が出ていたためだ」

     

    王氏は、神がかった国粋主義者である。明治維新を高く評価し、軍事力が日本の国際的位置を高めたという偏った軍事偏重主義に陥っていた、習氏に軍拡を焚きつけたのも王氏と見られる。旧ロシアのラスプーチン的な振る舞いが見られた危険な人物である。こういう過激な王氏がメディア担当から外れたのは、国際関係のコミュニケーション維持には大変に良かった。

     

    (2)「中国政府系メディアは貿易戦が勃発した当初、トランプ米政権を痛烈に批判し、米に徹底的に抗争していく構えを見せた。『アメリカは貿易戦でしっぺ返しを食らう』『中国は必勝』など強気の見出しは紙面に躍っていた。しかし、中国はトランプ米政権への対抗策を見いだせず、株式市場と人民元の下落が止まらず、経済は深刻な打撃を受けている。現在、中国メディアは米政権を批判する論調を封印した」

     

    王氏は、米国へ留学した経験を持つ。だが、国粋主義者ゆえに、冷静に米国を観察することなく、米国を低評価する過激主義の通弊に陥っていた。彼は、学者というよりもアジテーターというべきだ。習氏が、こういうクセのある人物を身近に置いたのは、彼自身に過激主義が宿っている証拠であろう。

     

    (3)「この宣伝を主導する王滬寧氏は今月初めに行われる党の重要な非公式会議・北戴河会議に出席していない。ロイターは9日、中国当局関係者の話を引用し、同会議で王氏が『中国の実力を過剰に誇張し、正しくない宣伝を主導した』と党内から集中砲火を浴びたと報じた。情報筋もRFAに対して、米中貿易戦が北戴河会議で重要な議題になったと述べた。また、指導部メンバーと長老らがプロパガンダと世論の誘導について議論し、中央宣伝部や網信弁を批判したという」

     

    王氏は、北戴河会議において欠席裁判の形で、集中砲火を浴びたという。中国でも、冷静な人間ならば、米国と経済戦争して勝てると思うはずがない。王氏の頭脳構造では、米国と経済戦争しても勝てると見ていたのだ。国粋主義者の恐ろしさがここに表れている。


    a1370_000223_m


    米国が、中国に経済制裁を加えれば、中国の輸出減=国内生産減=世界の素材需要減という形で、いずれ米国の景気にも影響を及ぼすはずだ。米国景気だけが無傷ということはあり得ない。

     

    米国は7月に中国の知的財産侵害に対する制裁関税を発動した。対象になった自動車や産業用ロボットなどは銅を使う。8月23日には電子部品なども追加された。貿易戦争で中国の生産活動が鈍れば、中国の景気がさらに冷え込む可能性がある。これが、回り回って米国へ達する。

     

    現在の米国景気は、天を突く勢いである。トランプ大統領の大型減税で、企業と個人が経済的に潤っている。こうして、中国への対抗心が高まるばかりである。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(8月23日付)は、「快走続ける米株市場、日中欧を置き去りに」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「米国株式が史上最長の強気相場を記録するなか、他国市場の投資家はここまで恵まれた状況にはない。金融危機の最中にあった200939日にS&P500種株価指数が底値を付けて以来、世界の主要株式市場は同指数の後じんを拝している。日本、中国、欧州の株価指数は米株に比べて出遅れている。こうした格差は、米経済の力強さの証しでもある。米国と同国の銀行業界は、欧州よりも急速に金融危機から回復した」

     

    米国株価の独走は、企業業績の好調さを反映したものだ。「イノベーション能力」の高さを証明している。習氏は、この米国が衰退する運命だと党内序列5位の、王滬寧氏に吹き込まれて信じ切ってきた。今、米国の吹き出すようなエネルギーをどのような思いで見ているか。王氏の言い分を信じた自分を恥じ入っていることだろう。

     

     

    (2)「今回の米株の強気相場は、従来の常識を覆すものでもある。JPモルガン・アセット・マネジメントのストラテジスト、ハナ・アンダーソン氏は、『米国は金融危機で最初に打撃を受けた国であると同時に、最初に回復し始めた国でもある』と指摘。『米国で強気相場が既に進行していた時、他の市場はまだ多くの苦難の中を歩んでいた』と語る」

     

    米国は、1929年の世界恐慌も見事に跳ね返して、第二次世界大戦後の世界経済をリードしている。2008年のリーマンショックも当初、回復までに100年かかるだろうと言われてきた。それが、わずか10年で現在の姿に復活した。習氏は、この米国の底力を軽視してはいけない。習氏は、中国で6年間も不動産バブルを仕掛けて、今や瀕死の重傷である。自らの経済運営能力の乏しさを恥じ入るべきだ。

     

    (3)「米国と他の国・地域の差は今年に入って一段と顕著になった。米経済は2018年第2四半期に約4年ぶりの高い成長率を記録し、企業利益は急増している。それが他国市場を突き放す要因となっており、今後も続く可能性があるとみる投資家も多い。BNYメロンのサイモン・デリック氏によると、S&P500指数と日英独仏の各市場の相関性がこれほど低くなった例は過去20年間で2回しかなかった」

     

    米国企業の利益は急増している。これが、他国の株式市場を突き放す理由だ。為替変動を加味しても、米国株に投資するのが最高のパフォーマンスを得られるという分析がある。米国経済の力強さゆえに、ときに「暴走」する。だが、それだけ潜在的な成長エネルギーがあることを意味している。中国経済の比ではない。

     

    (4)「S&P500は9年前に底を打って以降、320%上昇している。これに続くのが日経平均株価の200%強の上昇。香港ハンセン指数は約150%の上昇となっている。一方、中国本土の上海総合指数は2009年3月からの上昇率が27%にとどまる。米中貿易摩擦がエスカレートするなか、ここ数カ月で両国の株価は一段と差が広がっている。上海株は今夏に弱気相場入りした。 一部の投資家は、米国株のバリュエーションが高過ぎると懸念している。トムソン・ロイターによれば、S&P500の予想PER18倍と過去10年の平均を大きく上回っている。対照的に、上海総合指数の予想PER10.2倍にとどまる」

     

    リーマンショック後の底値から現在までの株価上昇率をまとめておく。

     

    米国S&P500は、約320%の上昇

    日経平均株価は、約200%の上昇

    香港ハンセン指数は、約150%の上昇

    上海総合指数は、約27%の上昇

     

    同じ時間軸で見ると、米中の株価上昇率の違いは320%(米国)VS27%(中国)である。中国は、米国の10分の1以下である。習氏もトランプ氏に脱帽であろう。中国は、これだけの差がついている米国と、「力相撲」をやろうというのだ。中国は、怪我をするに決まっている。己の客観的な力を知らない中国が、米国との対決で嫌というほどそれを知らされるはずだ。


    このページのトップヘ