勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    a0960_004876_m

    メルマガを始めます

    ご予約は下記までお願い申し上げます

    https://www.mag2.com/m/0001684526.html

     

    『人民網』は強気の報道をしているが、中国経済は日に日に悪化の度合いを深めている。日本の工作機械の受注に、それがハッキリと浮かび上がってきた。頭隠して尻隠さず、である。

     

    工作機は、機械をつくる機械である。この工作機の精度の良し悪しが、一般機械の性能に大きな影響を与える。日本の工作機は、戦後に電子機能を取り入れドイツを凌ぎ世界一の座を占めた。戦前は、ドイツ製が世界一であった。高度経済成長期の1970年代、日本が電子化の採用により品質面で首位に立ち現在に至っている。私は、この日本工作機発展期を取材していた。

     

    『日本経済新聞 電子版』(10月23日版)は、「工作機械、中国受注減続く、922%減、貿易摩擦で買い控え」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「日本工作機械工業会は、9月の工作機械受注額(確報値)を発表した。それによると、中国向けの受注額は前年同月比22.0%減の189億円だった。7カ月連続で前年を下回った。米国との貿易摩擦などで中国では投資を手控える動きが広がっている。底打ちの兆しは見えない。これまで中国市場の減速はスマホなどの電子機器の受託製造サービス(EMS)の落ち込みが主因だったが、自動車やロボット産業などにも影響が広がっているようだ。オークマの花木義麿社長は『中国は中長期では成長市場だが、この先半年程度は顧客の様子見が続きそうだ』と話す」

     

    9月の中国向け受注額は、前年比22.0%減という大変な落込みである。3月以来、7カ月連続で前年を下回った。受注減は、スマホなどの電子機器の受託製造サービス(EMS)の落ち込みから、自動車やロボット産業などにも影響が広がっている。中国製造業の核心部分へと不況の波が拡大しているのだ。米中貿易戦争の影響であることは言うまでもない。貿易戦争は始ったばかりである。長期戦が予想されるだけに、中国製造業は予断を許さない局面へ向かっている。

     

    (2)「9月にシカゴで開かれた展示会の効果で米国向けが27.4%増の297億円と過去最高を更新するなど欧米が好調だった。それだけに外需の23割を占める中国市場の弱さが際立つ。中国向けのうち、EMSなど電気・精密向け受注額は前年比62.9%減の27億円にまで落ち込んだ。より景気の実態に近い一般機械向けの受注額も15.6%減の54億円に沈んだ。産業用ロボットや半導体製造装置など様々な生産設備に使われる精密減速機の大手、ハーモニック・ドライブ・システムズ1879月期の受注高(単体)が約6割減少した」

     

    米国向けが27.4%増と過去最高を更新するなど欧米が好調である。一方、中国の不振が際立っている。『人民網』記事では、中国企業は米中貿易戦争に備え、余裕のほどを見せていると報じているが、現実は全くの逆である。『人民網』は、ついに戦時中の日本の「大本営発表」と同じで、フェイクニュースを流し始めた。こうなると、中国経済の陥落は近いか。


    a0005_000177_m

    メルマガを始めます

    ご予約は下記までお願い申し上げます

    https://www.mag2.com/m/0001684526.html

     

    米国は、中国に対して米覇権を狙う国家という位置づけをした。「熱い戦争」にはならないが、その一歩手前の「冷たい戦争」を繰り広げ、中国の国力削減の戦略を展開する。中国が、米国をここまで怒らせたのは、世界覇権奪取を宣言した結果だ。一般的には、中国の「身の程知らず」という印象である。中国は、民主主義国と価値観が全く異なる独裁主義国である。旧ソ連と同様に、警戒を緩める訳にはいかない国になった。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(10月23日付)は、「トランプ氏、米単独では対中投資封じ切れず」と題する記事を掲載した。

     

    (5)「中国は知的財産を大量に盗み、外国企業の権利を踏みにじり、米国との長期的な貿易戦争に備えていると言われる。他国からの投資は減っているはずだ。実際は違う。2018年上半期には、中国は世界の海外直接投資(FDI)対象のトップに立った。国連のリポートによれば対中投資は6%増の700億ドル(約78900億円)と、昨年最大だった対米投資を上回ったのだ。中国側の統計でも19月の対中投資は6.4%増と2015年以来の増加ペースだ」

     

    中国へのFDIの内容が不明である。製造業や非製造業などの中味を知れば疑問点は氷解する。昨年の業種別では、製造業が前年比5.6%減となったのに対し、非製造業は7.5%増である。非製造業をみると、最大の投資分野となった情報通信・コンピュータサービスが前年比2.5倍に拡大。また、全体で3位の投資分野であるリース・商業サービスは3.8%増である。今年もこの傾向が続き、非製造業が牽引しているのかどうか。

     

    人件費がアップしている中国である。それ故、製造業へのFDI増加は考えにくく、非製造業が主流のように思える。現に、欧米の製造業では本国へ帰還するするケースが増えている。日本でも引揚げ組が増えた。中国での製造業の投資拡大は、米中貿易戦争の長期化を考えれば、対米輸出面で極めてリスクの高い投資案件になる。そうなると、中国事業を拡張させるメリットは少ないはずだ。

     

    (6)「最近FDI増加は中国のバブル的な土地市場に一因がある。18月の土地市場への流入額は前年同期から31%増加した。ただ、製造業に対するFDIの回復も力強く、同期に約13%増加した。15年遅くから17年早期にかけて22カ月連続で減少していたことを思えば大きな改善だ。世界の輸出は18年半ばの時点で10%超伸びている。中国中心のサプライチェーンへの投資に貿易摩擦が及ぼす影響は比較的小さいようだ」

     

    米中貿易戦争が長期化して、中国での製品づくりがデメリットになれば、「脱中国」の勢いが強まることは不可避であろう。最近、中国製造業への対外投資が活発化していることは、米中関係から見て不自然であろう。つまり、「香港」経由で中国資本が外国資本に化けていることだ。そういう「工作」の存在を考えなければ理解不能である。

     

    (7)「米国の対中FDIは、10年には全体の約4%を占めていたが、現在は2%にすぎない。欧州の割合は安定しており、ドイツ、英国、フランス、イタリア、スペイン合わせて全体の約34%だ。アジアからの投資は続いている。14年以来、香港、台湾、日本、韓国からの投資は中国本土への直接投資の80%近くに達している。08年には46%だった」

     

    外国資本の対中投資は、技術窃取という問題を抱えている。製造業では、このリスクを乗り越えて投資するのだろう。したがって、技術窃取問題と無関係な企業の中国進出とすれば、それほど「目くじら立てて」騒ぐことでもあるまい。米国企業の進出が減少して、アジア系企業が増えていても、香港の中には中国資本が紛れている公算が大きい。今後の先端技術製品の中国進出は、輸出を考えればブレーキがかかる。現在が、最後の「絶頂期」と思われる。今後、さらに増加する客観的要因が存在しないのだ。

     

    (8)「中国は米企業を敵に回すことで墓穴を掘ってきたものの、本質的な優位性は相変わらず高い。それは、世界クラスのインフラや教育があり依然安い労働力、そして何より規模だ。ただ、輸出とサプライチェーンに対する本当の打撃、つまり9月に実施されたドナルド・トランプ米大統領の追加対中大型関税の影響はまだ投資データに反映されていない」

     

    米国が、日欧とこれから進める自由貿易協定(FTA)は、中国とのFTAを禁じる項目を挿入されそうである。米国・カナダ・メキシコ三カ国の旧NAFTA(USMCA)には、非市場経済国(中国)とのFTAを禁じる項目が加えられた。これが、前例になって日欧のFTAに適用されるとなれば、中国は日米欧の先進国市場から閉出される。中国経済の前途には、これだけの問題点が潜んでいる。

     


    a0001_001084_m

    メルマガを始めます

    ご予約は下記までお願い申し上げます

    https://www.mag2.com/m/0001684526.html

    「俺様」中国当局が、思わぬところで反撃を受けたじろいだ。

     

    中国当局が、スイス大手UBS銀行行員の出国を阻止したとの情報を受けて、世界大手銀行のシティ・グループやスタンダード・チャータード銀行などは、22日までに社員に訪中の延期や再考を通知する騒ぎとなった。

     

    『大紀元』(10月23日付)は、「中国当局、スイスの銀行社員に出国阻止世界大手銀行は渡航見直し通知」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「ロイター通信によると、シンガポールからのUBS銀行の女性行員は10月中旬、中国当局から、地方当局高官と面会するために出国計画を遅らせるよう要求されたという。彼女は、富裕層資産管理部門の顧客担当マネージャーを勤めていた。この女性行員は拘束されていないという。英『フィナンシャル・タイムス』によると、UBS銀行は3830億ドル(約43兆円)相当のアジア最大の富裕層資産の管理を担う」

     

    中国当局にとって、国内は怖いものなしである。自国民への人権を無視した振る舞いを続けているので、外国企業に対しても自由自在に振る舞えると錯覚したのだろう。

     

    (2)「BNPパリバとJPモルガンもまた、訪中自粛との通知を社員に出した。世界で3900億ドル相当の資産を管理するスイス民間ジュリアス・ベア銀行も、社員に対して訪中には慎重と再考を求めたという。情報筋がロイターに語った。23日、フィナンシャル・タイムスはUBS銀行の声明として『全社員が中国への出国や入国を自由にでき、通常業務を行えることを確認した』と報じた。中国当局による世界大手銀行社員の出国阻止と、これに伴う他行の訪中警告は、中国でのビジネスを展開するうえで伴うリスクを露呈した」

     

    中国政府は、自国が過剰債務を抱えており、外国金融機関のご機嫌を損じてならない立場に追い込まれている。それを忘れて、UBS行員の出国禁止扱いをして、そのリアクションの大きさに仰天したようだ。中国政府にとって、金融は最も「敏感な問題」になっている。その微妙な時期に、海外の有力銀行と疎遠になることは「死の判決」に等しいこと。早速、態度を改め、紳士的に振る舞っていると言う。現金なものだ。


    a0960_005497_m

    メルマガを始めます

    ご予約は下記までお願い申し上げます

    https://www.mag2.com/m/0001684526.html


    中国への対内直接投資(FDI)において、今のところ米中貿易戦争の悪影響は出ていない。中国は、これですっかり気分を良くしているところだ。ただ、現状では影響を受けていないとしても、米中貿易戦争の本質は覇権争いにある。短期間で解決するのは困難な問題である。米国政府は、対中関係は「新冷戦」という位置づけであることに留意すれば、中国が「喜ぶのはまだ早い」というべきであろう。

     

    中国の対内直接投資と対外直接投資では、香港経由が「曲者」である。香港を経由して対内・対外の投資がされているからだ。これは、中国資本が香港経由で海外へ出て、それから再び香港経由で中国へ対内直接投資という形を取る比率が約25%はあると見られている。つまり、外国資本の正体は中国資本である。こういうケースが多い現実を見落とすと、正確な判断ができなくなる。

     

    『人民網』(10月22日付)は、「外資は引き続き中国市場を評価、面目丸つぶれは誰か」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「米国が発動した中米貿易戦争がエスカレートする中、中国の対外経済貿易のデータが次々に発表された。9月の輸出は市場の予想を上回り、特に対米輸出の増加率が予想を大幅に上回り、上半期の実行ベース外資導入額の規模も米国を押さえて世界のトップに立った。国連貿易開発会議(UNCTAD)が15日に発表した報告によれば、「今年上半期の中国への海外直接投資(FDI)流入量は全体的な減少の流れに逆らって前年同期比6%増加し、総額は700億ドル(約78624億円)を超え、中国は世界最大のFDI受け入れ国になった」という。米国の対中貿易戦争の目標の一つは、外資が中国市場から撤退するよう迫ることだったため、この報告が発表されると、グローバル市場と社会各界には『米国の現政権は面目丸つぶれ』との見方が広がった」

     

    中国は、意気軒昂である。9月の輸出が好調であったことと、今年上半期(1~6月)のFDI(対内直接投資)が米国を抜いて世界トップで前年比6%の増加であった。この喜びに水を差すようで申し訳ないが、いずれも、米中貿易戦争の本格的な影響が出ていない段階のデータである。9月の輸出は関税引き上げ前の駆け込み需要。FDIは、昨年以前に計画していたものを実施したに過ぎない案件も多いであろう。その意味では、輸出もFDIもこれからの推移を見ないと判断は付かないのだ。中国が、喜ぶのはまだ早いという意味はこれだ。

     

    (2)「こうした数字が大勢の投資家の『自分の脚で歩いて投票した結果』であり、中国経済の持続的な発展の潜在力、中国のビジネス環境、今後の持続的改善の見通しに対する信任票であることは間違いない。米国の名目国内総生産(GDP)の規模は今でも中国よりかなり大きく、目下の米国経済は好景気で、昨年末には大規模な減税法案が可決され、大規模で非常に強力な規制緩和が行われるなどして、米国は外資の誘致で中国よりかなり有利な状態にあるといえる。だがこうした状況にあってもなお、米国が誘致したFDIフローは中国に及ばず、ここから米国の誤った対外経済貿易政策、コントロールを失った国内の政治闘争が、米国のビジネス環境と経済成長予測に実感できるほどの損害を与えているということがわかる」

     

    かなり、手前味噌なことを恥ずかしげもなく言っている。それほど有望な中国経済が、年初から見た株価では、世界一の下落率になっている。いったい、この現象をどのように説明するつもりなのか。株式市場では、中国経済についてマイナス評価を与えているのだ。

     

    米国のFDIが中国のそれを下回ったのは、米国が中国のFDIを厳しく制限している結果である。中国のFDIが、米国の安全保障にとって弊害になると警戒をされているもの。産業スパイ行為、技術窃取を未然に防ぐという狙いだ。もし、中国がこうした警戒をされなかったならば、中国資本が米国へ向かい、米国のFDIが世界一になっていたであろう。

     

    (3)「中米貿易戦争が長引くにつれて、その米国経済へのマイナス影響が徐々に顕在化するとともに、好景気のピークを迎えた米国経済の避けられない低迷状態への落ち込みを加速させるとみられる。その一方で、中国経済は貿易戦争でさまざまな打撃を受けながらも、十分な準備をし、力強く対処したため、実際の損害は予想よりも小さかった。UNCTADが発表したデータによれば、これは最大かつ反論不可能な事実だという。ここから予想されるのは、今後はより多くの投資家の心の天秤が中国に傾くようになるということで、中国は投資をめぐる長期的な競争の中で勝利する自信がある」

     

    米中貿易戦争の影響は、7~9月期辺りまでは軽微であった。それでも中国のGDPは、前年同期比6.5%増となり、09年1~3月期の6.4%増以来の低成長率に見舞われている。今後のGDPは、さらに鈍化予想である。来年については、6%割れも予想されているのだ。デレバレッジ(債務削減)を棚上げして、再び債務依存のインフラ投資継続は悲劇そのものだ。中国経済が、米中貿易戦争で受ける被害の大きさが、株価をここまで低迷させていることを認識すべきだろう。

     

    (4)「米国の身勝手なやり方は自国のビジネス環境の不確定性を大いに高めた。グローバル生産局面は米国のために再編の加速を余儀なくされ、このため中国は自動車産業、チップ産業、その他のハイテク産業、人民元国際化など各方面で一連の潜在的チャンスを迎えた。中国はチャンスにしっかり注目し、タイミングが来たらこれをつかまえなくてはならない。チャンスをつかまえ、挑戦をきっかけに変えるためのカギは、中国が動員力をめぐる体制の優位性を発揮し、貿易戦争への対応を切り口として改革の全面的深化を推進し、客観的な経済の法則に従ってこれまでに蓄積された一連の持続不可能なやり方を整理することにある」

     

    中国は、故意に米中貿易戦争の原因について触れないようにしている。それは、中国による技術窃取という不名誉この上ない事実に関わる問題であるからだ。こういう状態で、中国は自動車産業、半導体チップ産業、その他のハイテク産業の自力開発に遅れが出ないのか。もともと、先進国の技術窃取を前提にした「中国製造2025」計画であった。米中貿易戦争で、大きなダメージを受けて当然である。米中貿易戦争によって、技術開発が促進されることはあり得ない。もともと、それだけの自信があれば産業スパイなど手当たり次第、違法行為をするはずがないからだ。

     

     


    a0005_000131_m

    メルマガを始めます

    ご予約は下記までお願い申し上げます

    https://www.mag2.com/m/0001684526.html

     

    上海株式市場は、19日、22日と政府のリップサービスに反応して上昇した。それも3日とは続かず反落である。『ウォール・ストリート・ジャーナル』(10月22日付)は、当局がまだこの段階で、本腰を入れた買い支えに出まいと予測していた。次なる、大暴落局面が来ることを予告しているようだ。

     

    『ブルームバーグ』(10月22日付)は、「中国の習近平主席、民間セクターへの揺るぎない支援を表明」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国の習近平国家主席は経済の先行き懸念を踏まえ、同国の民間セクターへの「揺るぎない」支援を表明した。習主席は起業家向けの書簡で、『民間経済を否定し弱体化させる言葉や慣行は間違いだ』と述べ、『民間企業の発展を支援することは、党中央委員会の一貫した政策だ』と強調した。新華社通信が21日に伝えた」

     

    このように、あいさつ程度の記事で、「ワラにもすがりたい」気持ちの投資家は買い向かった。それも一日天下。23日には反落で元の木阿弥である。この動きを揶揄するように、次の記事が現れた。

     

     

    『ブルームバーグ』(10月23日付)は、「安定に程遠い中国株、天国か地獄かとの声ー相場変動率が急上昇」と題する記事を掲載した。

     

    (2)「株式相場の押し上げに向けた中国当局の強い思いが、意図せざる結果をもたらした。ボラティリティーの急上昇だ。上海総合指数の10日間のリアライズド・ボラティリティー(RV)は約45%と、ブルームバーグが継続調査する新興国・先進国市場47の株価指数の中で最も高くなった。中国の証券取引所が株価下支えにつながり得る措置を打ち出したことなどを受け、上海総合指数のRVが急激に高まった」

     

    上海総合指数は不安定な動きを続けている。その理由は、あとのパラグラフに出てくるように、マクロ経済指標に回復の兆しが見えないことだ。

     

     

    (3)「22日の市場では、上海総合指数を構成する1400を超える銘柄のうち21銘柄を除いて全て上昇した。同構成銘柄のうち、値幅制限いっぱいの10%高となったのは70余り。上海総合指数は終値で前週末比4.1%上昇し、2016年3月以来の大幅高で引けた。先週末19日も2.6%高で取引を終えており、これほどの値上がりの後にそれをさらに上回る上昇率で続伸するのは、この3年余りで初めてだった。ただ同指数は1月に付けた高値をなお25%ほど下回っている上、3営業日連続の値上がりは8月以降ない」

     

    8月以降、3営業日連続の値上がりのないことが、中国株式の線香花火状況を物語っている。となると、3営業日の値上がりを見て投資に踏み出すのも手なのだろう。慌てることはない。「重症の中国株」を扱うには、これぐらいの慎重さがあってもよかろう。

     

    (4)「北京凌通盛泰投資管理のファンドマネジャー、董宝珍氏は『天国か地獄かといった様相だ。安定はない』と述べた。この2営業日の相場急反発は単独で見れば大きく感じられるが、1月以降、時価総額3兆ドル(約338兆円)余りを消失した中国株式市場にとっては、わずかに息をつける機会にすぎない。立ちふさがる問題の一つは、中国の大半の経済指標が弱くなっていることだ。米国が貿易と通貨の面で中国非難の語調を強める中、市場の警戒感は根強い。群益証券の林静華アナリストは『中国株の急反発は今の時点では理にかなっているが、長期的な見通しは依然として経済のファンダメンタルズ次第だ』と指摘。『不透明感が最も大きいのは、貿易戦争だ』と述べた」

     

    このパラグラフで指摘されている点が、全ての中国株への根本的な問題を言い当てている。米中貿易戦争は始ったばかりだ。中国当局が、顔色なからしむまで追い込まれたとき、中国株は底入れするのだろう。その時期はまだ先。


    このページのトップヘ