米中貿易戦争は、あすから双方が360億ドル相当の製品に25%の関税を科す。非生産的な振る舞いだ。原因は、米国が技術窃取を止めるように中国へ要求したのに対して、中国が「ノー」と答えた結果である。双方は断固、闘うと表明しているが、中国の劣勢は明らかだ。
ここからが、中国の本領発揮である。例の「嫌がらせ」の連発が気になるところ。日本も韓国も、この「洗礼」を受けた。相手国産品の不買運動と旅行禁止措置である。得意の不買運動は、米国企業が単独で中国へ進出できず、中国資本との合弁形式である。となれば、米国産品の不買運動を始めると、中国のパートナーが損害を受けるので、不買運動の効果は期待薄になりそうだ。
もう一つは、米国に対すうる「旅行抑制」である。ただ、表面きってハッキリとは言えないのが悩みだ。ニューヨークの目抜き通りから、中国人観光客が消えてしまったとなれば、「大ニュース」になって、世界中に配信される。これでは、中国政府の狭量さをわざわざ世界に宣伝するようなものだ。これまで、他国をいじめ抜いてきた中国が、はたと米国相手では手詰まり感が否めない。名案があるのだろうか。
韓国紙『中央日報』(7月4日付)は、「米国と貿易摩擦中の中国、米国旅行注意令発動」と題する記事を掲載した。
(1)「『米国では銃器事故が多い。旅行者は怪しい人物に警戒しなさい』。中国と米国の貿易葛藤が深まる中、中国政府が米国を訪問する中国人に旅行注意令を発令した。在ワシントン中国大使館は、最近、公式サイトに掲示したお知らせを通じて、中国人観光客が米国を旅行する時は高、価な医療費、公共場所での銃撃と強盗事件、税関捜索および押収の危険、通信詐欺、自然災害などに注意しなければなければならないと警告したもの」
駐米中国大使館は警告文で、『米国の治安状態は良くない。銃撃や強盗、盗難事件が頻繁に起こっている。したがって旅行者は周辺の環境や怪しい人々に警戒し、夜間は一人で外出してはいけない』と載せたわけだ。米国を低開発国並みに扱っている。これで、胸の溜飲を下げているのだろう。何か、「引かれ者の小唄」にも聞える話だ。中国のできる「嫌がらせ」がこの程度としたら、もはや米国へ撃つ弾もなくなってきた証拠かも知れない。
米国産商品への不買運動はどうか。
『ブルームバーグ』(7月4日付)は、「習主席の奥の手、米製品不買は中国側パートナーに打撃もたらす恐れ」と題する記事を掲載した。
(2)「米中貿易戦争の可能性が高まる中、中国の習近平国家主席の最大の武器の一つは、消費者による米国ブランドの不買運動になる可能性がある。しかし、不買運動は中国自体にも打撃を与える恐れがある。コカ・コーラやマクドナルド、ウォルト・ディズニーといった米ブランドの中国事業は中国政府の支援を受けた中国企業の共同所有となっているからだ。コカ・コーラの主要中国パートナーの一つは政府系の中糧集団であり、上海ディズニーランドは中国コンソーシアムが出資している。また中国国内のマクドナルドのフランチャイズの経営権は政府系複合企業の中国中信集団とプライベートエクイティ投資会社の中信資本が握っている」
コカ・コーラやマクドナルド、ウォルト・ディズニーなど、米ブランドの中国事業は中国政府の支援を受けた中国企業の共同所有である。これでは、中国政府は不買運動という手に出にくくなる。こんな姑息なことをやる前に、米中貿易戦争を終わらせる方がはるかに有益なはずだが、さて、どうなるのか。





