勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    韓国は、ダブルスタンダードである。日本へ旭日旗を掲揚するなと要求しながら、韓国は抗日旗である李舜臣将軍(豊臣秀吉の朝鮮出兵の際、日本軍に大勝した)を讃える旗を掲げたからだ。日本外務省は、この二枚舌の振る舞いに抗議した。

     

    韓国政府は、自衛艦に旭日旗を掲揚させない便法として、各国の国旗と韓国国旗の掲揚だけに止めるように要請していた。李舜臣将軍旗は、韓国政府の要請を自ら破ったものである。

     

    『チャイナレコード』(10月14日付)は、「旭日旗自粛求めた韓国、自らは抗日旗掲げる、日本が強烈な不満」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国『澎湃新聞』(10月13日付)は、韓国が国際観艦式で「抗日旗」を掲げ、日本側の強烈な不満を引き起こしたと報じた。今回の国際観艦式に先立ち、主催する韓国は「自国の国旗」と「韓国の国旗」のみを掲げるよう、各国に要請していたとされる。これは、日本の自衛隊旗である「旭日旗」を「戦犯旗」とみなす国民感情に配慮して、掲げさせないための措置だとみられる。日本側はこれに反発し、艦艇の派遣を見送った」

     

    (2)「ところが、11日に行われた観艦式で韓国は「抗日の英雄」とされる李舜臣を称える旗を掲げ、物議を醸した。記事では、「1592年3月、日本の豊臣秀吉が大挙して朝鮮を侵略した際、朝鮮の愛国将軍・李舜臣が立ち向かい日本軍の侵攻を食い止めた。1597年、李舜臣は軍を率いて鳴梁海峡で再び日本軍と相まみえ、世界の海戦史上で傑出した戦いを見せたことで、朝鮮民族の英雄とされている」と解説した」。その上で、「韓国の軍艦がこの李舜臣を称える『帥』の旗を掲げたことは、日本側の強烈な不満を引き起こした」とし、日本外務省が韓国外交部と駐日大使館に抗議を行った」

     

    国際観艦式に日本が参加しないことを理由に、韓国は朝鮮の愛国将軍・李舜臣を讃える旗、「帥」を掲げた。文大統領演説写真にハッキリと映っていたので言い訳はできない。韓国が、この旗を誇りするのは当然である。民族には、それぞれの誇りがあるからだ。日本人が旭日旗を掲げることは、日本の自由であって他国が干渉するする事柄でない。お互い、自国の領分での行動に対して、他国が口出しすると不和の原因になる。

     

    この一件が、韓国の旭日旗掲揚への反対根拠を弱めることになろう。旭日旗が、国際条例で承認されているにも関わらす反対する。この「韓国式屁理屈」が、李舜臣旗の掲揚で破綻したからだ。日本も屁理屈を並べ、前記の李舜臣旗が「国民感情に合わない」と言えば済むこと。韓国よありがとう。


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    FRBは、トランプ大統領からのけん制にもかかわらず、「利上げ態勢」を貫いている。これは、市中銀行からの適切なヒアリングの結果であろう。確実に進む雇用状況の改善と賃上げ。さらに消費者物価も動意を見せている。大規模なトランプ減税による刺激効果を考慮すれば、利上げは当然という姿勢だ。市中銀行が、「利上げは当然、利上げに驚く人のいることが驚き」という状態である。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(10月12日付)は、「米株安、FRBは投資家の味方か否か」と題する記事を掲載した。

     

    (5)「9月のインフレ率は過熱感を示さなかった。これを聞いて神経質な投資家も少しはほっとしただろうと思った人もいるかもしれない。だが、法則は変わった。米労働省が10月11日に発表した9月の消費者物価指数(CPI)は8月比0.1%の上昇だった。エコノミスト予想の0.2%上昇を下回り、前年同月比では2.3%の上昇となった。金利が上昇するという見通しを受けて金融市場が動揺し、10日には米株式市場が急落していただけに、そのニュースは歓迎されるはずだった。ところが11日、株式市場は動揺した。これには貿易摩擦、中国経済の減速が世界の需要に及ぼす影響をめぐる懸念などいくつかの要因が挙げられるが、米連邦準備制度理事会(FRB)は味方してくれないという認識が投資家に広まりつつあることも一因かもしれない」

     

    FRBは、これまで利上げが株式市場に影響を与えないようにしてきた。中国が人民元相場で動揺した際、利上げを延期したケースもあった。今後、そういう配慮はせず、「景気判断一本槍」で進むであろう。こういうFRBの姿勢にショックを受け11日、株価急落を招いたとの説も出ているほどである。

     

    FRBによれば、米国経済の足腰がそれだけ強くなったという判断だ。折しも、米中は貿易戦争に入っている。米国は、自ら引上げた関税で消費財価格の値上がりは避けられない。これが、消費者物価上昇に飛び火するリスクを抱える。国内景気が力強い動きをしていることと合わせ、FRBが利上げで手遅れにならぬよう手を打つのは当然であろう。

     

    FRBが、利上げに敢然として取り組む理由は次の点にある。

     

    (6)「先ず、FRBがもはや金融市場の脆弱性を心配していないということがある。2016年初めには世界の株式市場の急落が経済に及ぼした影響を懸念して利上げ計画を巻き戻すということがあった。現在、米国経済は健全であり、今年の減税措置や歳出増加という追加的な景気刺激策の恩恵も受けている。確かに、株式市場が下落し続ければ、12月の米公開市場委員会(FOMC)会合で利上げが見送られるということもあり得るが、現在の水準を大幅に下回った場合に限られるだろう」

     

    米国経済が「破竹の勢い」で進んでいるのは、本来の回復力に加え、今年の減税措置や歳出増加という追加的な景気刺激策の恩恵もある。要するに、米国経済はどこから見ても、死角がないほどに上昇エネルギーを貯めている。純粋な経済的判断から見て利上げを止める理由はない。

     

    (7)「さらに言えば、FRBはインフレの数値よりも雇用市場がどれほど逼迫してきているかに注目しているようだ。9月の失業率は1960年代以来の低水準となった。採用が就労可能人口の増加を上回るペースで増えているため、さらに低下しそうである。こうした傾向が続く限り、FRBが利上げを中止する可能性は低い。それどころか賃金が上昇し続ければ、FRBは引き締めを加速する必要があると判断するかもしれない」

     

    9月の失業率は3.7%まで下がった。これは1969年以来およそ49年ぶりの最低水準となる。失業率は昨年10月から6カ月連続で4.1%にとどまり、4月に4%を割った。その後は6カ月連続で4%を下回り、9月には半世紀ぶりの最低水準となった。この失業率低下の推移は、米国経済の力強さを余すところなく示している。FRBが利上げを躊躇する理由はどこにもない。批判するトランプ氏の無理解こそ批判されるであろう。

    (8)「FRBが金融引き締め政策に積極的になり過ぎて米国経済がリスクにさらされるという危険性もある。とはいえ、米国株のバリュエーションが依然として割高で、利益成長をめぐる期待が大きいことを踏まえると、株価はそれ以外の理由で下落する可能性もある。FRBの政策決定が米国経済にとってまさに最適なものであったとしても、投資家にとっては喜ばしいものではないかもしれない」

     

    米国株価が、下落した理由は利上げにあるのでなく、株価自体が高く買われすぎたことによる「スピード調整」に基づく。FRBは、このように見ているというのだ。こうなると、FRBを批判するより、株価が買われすぎたことに下落理由がある、と突き放しているように見える。

     


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    資本主義経済で生活している者には、株式投資をする、しないに関わらず、その「渦」から逃れられない宿命を負っている。ならば、世界経済のエンジン役である米国経済の株価に目を向けて、しっかりと点検して置くことが必要だろう。

     

    12日の米株式市場は、ダウ平均は4営業日ぶりに反発し、前日比287ドル高で終えた。後場に入って、前日までの下げがきつかったハイテク株を買う動きが優勢になったもの。この日発表された銀行決算は好調そのもので、米国経済の基盤に何らの陰りがないことを証明した。経済の土台には揺らぎはなかった。

     

    米国の株価が一時的な調整はあっても、現状では本格的な下落場面に転換しないであろうと見られる理由は、前記のような銀行決算が好調であることのほかに、もう一つの理由がある。それは、中間選挙の結果に関わらず、選挙の翌年に株価がさらに上昇局面に向かっているという事実だ。1946年以降、この「事実」に反することは一度も起きておらず、今年の中間選挙後も同じ現象が期待されるというのだ。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(10月13日付)は、「『金利上昇も悪くない』 米銀決算に見るプラス面」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「米国の大手銀行は12日、世界の終わりではないことをタイミングよく思い出させてくれた。金利上昇を嫌気し、ダウ工業株30種平均はここ2日間に1300ドルを超える下げを演じたが、銀行は当然ながら金利上昇の恩恵を受ける。株価が急落する中でも、JPモルガン・チェース、シティグループ、ウェルズ・ファーゴの3行が発表した7-9月期(第3四半期)決算はいずれも、米経済の基本的な強さを示す形となった。JPモルガンとシティは利益が市場予想を上回ったほか、不祥事に揺れるウェルズ・ファーゴもコスト削減が寄与してまずまずの内容となった。法人向け融資やクレジットカード融資の金利は預金金利を上回るペースで上昇するため、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げは、大半の銀行にとっては差し引きプラスとなる」

     

    米国経済は、金利上昇が無理なものでなく実態にそったものである。それが好調な銀行決算によって確認できた。トランプ大統領はFRB(連邦準備制度理事会)の強引な利上げが、株価の大幅下落をもたらした非難していたが、それは杞憂に終わった。利上げで萎縮するほど脆弱な経済基盤でないことを証明したからだ。

     

    (2)「銀行幹部は米国債利回りの上昇を楽観しているようだ。JPモルガンのマリアンヌ・レーク最高財務責任者(CFO)は決算会見で『(利回り上昇は)予想していたことであり、望んでいたことだ』とし、『経済が拡大していれば、長期債の利回り上昇は望ましい』と述べた。同行のジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)も、金利上昇に『人々が驚いていることに驚いた』と語った」

     

    JPモルガンのトップは、次のように強調した。

        (利回り上昇は)予想していたことであり、望んでいたこと。

        経済が拡大していれば、長期債の利回り上昇は望ましい。

        金利上昇に「人々が驚いていることに驚いた」。

    以上のようなことは常時、FRBも把握しているはず。FRBが自信を持って利上げに臨んでいる事情が分るであろう。

     

    (3)「JPモルガンのコア融資は7~9月に前年比7%増と、力強い伸びを維持した。レーク氏は金利上昇が顧客に打撃を与えている兆しは見られないと話している。シティグループの融資は、前四半期の4%増から3%増にやや減速した。ウェルズ・ファーゴでさえ、融資動向は懸念されていたほど悪くなかった。ジョン・シュルーズベリーCFOは先月、法人向けの主要な貸し出し先である商業用不動産(CRE)融資と商工業融資がいずれも4~6月期に比べ減るとの見方を示していた。だが実際には、減少したのはCRE融資のみで、ウェルズ・ファーゴは慎重な見方をしていたためだと説明している」

     

    JPモルガンのコア融資は7~9月に前年比7%増と、力強い伸びを維持した。金利上昇が顧客に打撃を与えている兆しは見られないと指摘している。これは、企業利益が利上げ分を吸収している結果であって、好循環過程にあることを示すものだ。

     

    (4)「消費者・法人の双方で、返済に窮している兆候が消えた。JPモルガンとウェルズ・ファーゴはいずれも貸倒引当金を引き下げており、両行はデフォルト(債務不履行)が減ると想定していることを示唆している。シティグループも引当金を少し積み増した程度だ。つまり、消費者も企業も極めて良好な状況にあり、大手銀の収益改善をけん引したということだ。金利の上昇が続けば、株価が下がらないという訳ではないが、米経済にとって破滅的ではないということは言えそうだ」

     

    貸倒引当金は、消費者・法人の双方で減少した。債務不履行の兆候が見えないので貸倒引当金を減らしたものだ。貸出が増える中で貸倒引当金を減らしているのは、米国経済が絶好調であることを示している。先に見られた株価波乱の理由は、実態経済面になかったのだ。株価のスピード調整という色彩が濃い。


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    日本を観光旅行する中国人は、トップを占めている。好印象を持って帰国してくれることは有り難いことだ。あれだけ、「反日教育」をやっている中で、日本への好印象が4割を超えたという調査が出てくると、「本当かな」と思う一面もある。日本側で中国に好印象を持つ比率は1割で変わらないという。

     

    『ブルームバーグ』(10月11日付)は、「中国人の4割超が日本に良い印象ー言論NPO調査」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「日中両国で実施された世論調査で、相手国に良い印象を持つ中国人が2005年の開始以来、初めて4割を超えた一方、日本人では1割にとどまった。日本の特定非営利活動法人「言論NPO」が11日、中国国際出版集団との共同調査結果を公表した。日本に「良い」「どちらかといえば良い」印象を持つ中国人は42.2%で、昨年の前回調査と比べて10.7ポイント増加した。日本人で中国の印象を「良い」「どちらかといえば良い」とした人は13.1%と前回比1.6ポイント増にとどまった」

     

    日本と中国の印象調査だが、国家体制が評価基準になっているはずだ。中国政府がやっていることは、お世辞にも褒められることはないので、日本が好印象「1割」はやむを得ないことであろう。となれば、日本が中国(政府)を好きになるのはかなり制約される。政治的に中国を好む人以外は、中国が好きと感じる比率は増えにくいであろう。

     

    中国での日本のイメージが好転したのは、訪日中国人増加が理由であろう。今後、訪日旅行者が増えると共に、この比率は5割以上になるのは時間の問題であろう。

     

    (2)「日本に良い印象を持つと回答した中国人に理由を聞くと、「経済発展を遂げ、国民の生活水準も高い」が最も多く51.6%。前回は「日本人は礼儀があり、マナーを重んじ、民度が高い」が61.8%とトップだったが、49.2%に減少した。一方、相手国に「良くない」「どちらかといえば良くない」印象を持つと回答した中国人は56.1%と前回比で10.7ポイント低下。日本人は同2ポイント減の86.3%と依然として9割近くを占めており、中国人と比べて印象の改善は進んでいない」

     

    中国人が、GDP規模で日本を見る習慣は消えつつあるようだ。日本への旅行者が増えることで、GDP尺度が通用しないことを知ったからだ。その意味では、中国旅行者の増加は、中国政府にとって、負担になるときが必ず来るであろう。日本のような国づくりをしたいという要望が増えたときどうするのか。そういう時期が意外と早いと見る。


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    中国外交が、ここまで信用が地に墜ちたことがあっただろうか。アジアやアフリカで財政的に困窮している国に「一帯一路」プロジェクトで過剰貸付けし「債務の罠」に追い込む。この悪徳商法が、国際的に糾弾されている。この声に力を得て、あちこちで「一帯一路」契約の破棄や縮小問題が持ち上がっている。

     

    米国ペンス副大統領は、公然と「一帯一路は借金漬け外交」と批判した。中国に「一帯一路」計画の独走を許した先進国側にも一半の責任がある。そこで、EUや日米豪が途上国のインフラ投資支援に取り組む準備を始めた。こうなれば、「一帯一路」だけに依存する途上国に、選択の幅を広げ、「悪徳商法」を阻止しようという動きである。

     

    『日本経済新聞 電子版』(10月13日付)は、「中国財政次官、相手国の決定尊重、一帯一路見直しで」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国の鄒加怡財政次官は13日、インドネシア・バリ島で開かれたセミナーで、中国が進める広域経済圏構想「一帯一路」について、「(相手国の)決定を尊重している」と強調した。対外債務やインフラ開発に伴う輸入増などを嫌い、一帯一路関連の開発計画の中止や見直しを表明する国が相次いでいて、中国側はパートナー国に柔軟な姿勢を示すことで計画を推進する狙いがありそうだ」

     

    中国が、「一帯一路」で相手国の意向を尊重せざるを得なくなったのは、高まった国際批判である。特に米国から「債務漬け外交」とまで言われて世界中に、その悪徳商法が知れ渡った。中国が、こういうへりくだった発言をしたのは初めて。モリディブが先に政権交代することになり、「一帯一路」契約破棄発言をした。これに対して中国は、「既存契約を守ってくれ」との談話を発表したばかりだ。相手が弱い国と見れば、徹底的に高飛車に出る国である。

     

    (2)「一帯一路に関連する事業では、中国の労働者が投入されるケースが多く、当該国で雇用問題などのあつれきが生まれている。鄒氏は「いくつかの計画ではコストを下げるために中国人労働者を使っていることは事実だ」としたうえで、「地場の企業が参加することを歓迎している」と述べた」

     

    一帯一路プロジェクトは、受注の85%は中国企業である。現地の企業も労働者も使わず、徹底的に「中国人の、中国人による、中国人のための一帯一路」であることは疑いない。ここまで、露骨に「オール中国」である理由は、国内不景気を助けるためだ。海外で中国が実施するインフラ投資である。中国のGDPを押上げる対策の一環なのだ。

     


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