TSMC(台湾積体電路製造)は5日、熊本県菊陽町で人工知能(AI)向け半導体の生産を検討すると表明した。回路線幅3ナノ(ナノは10億分の1)メートルの工場建設を計画。九州に世界最先端レベルの製造拠点ができる。TSMCとの取引を目指す企業には、これまで以上に厳しい技術や品質管理が求められる。関連産業の誘致も課題だ。熊本県は、TSMC工場周辺に半導体関連企業やAI関連のスタートアップを呼び込み、起爆剤としたい考えだ。
『日本経済新聞 電子版』(2月6日付)は、「TSMCの熊本AI半導体、供給網の覚悟問う 技術・品質より高く」と題する記事を掲載した。
九州にある半導体製造装置部品の関連企業トップは1月、TSMCの計画変更を見据え「従来の2.5〜3倍となる10億円規模を投資しないと追いつかない」。早くも、こうそろばんをはじき出した。
(1)「TSMCが2025年10月に着工した熊本第2工場(同町)では、従来は車載向けや通信機器などに適する6〜40ナノ品を造る予定だった。新たに検討する3ナノは同社が25年に量産を始めた2ナノ品に次ぐ高度な技術だ。携わるサプライヤーもより大規模な設備投資が必要で、部品の扱いなども気を使う作業が求められる。先端半導体はわずかなチリやホコリの付着も許されない。この企業トップは、「納品する装置部品の清浄度のチェックがより厳しくなる。高価なパーティカルカウンター(微粒子計測器)も用意する必要がある」と身構える」
第2工場は、3ナノ製造である。携わるサプライヤーは、より大規模な設備投資が必要で、部品の扱いなども気を使う作業が求められる。技術の向上が必須要件になる。
(2)「装置部品を拭き取る際に使うアルコールは、揮発しやすい高級品に切り替え、製造や加工に用いる純水や薬液も高機能品に変える必要があるという。「自社工場や搬送車両にも高度なクリーンルームなどの設備が必要になりそう」と話し、新工場の建設や新卒採用にも意欲を示す。TSMCがサプライヤー企業に求める技術や品質管理の水準は高い。TSMC熊本工場の運営子会社JASM(同町)は半導体素材などのサプライチェーン(供給網)について、国内調達比率を30年に60%程度に高める目標を掲げる。だが先端半導体の工場と取引するなら、対応できる国内企業はより限られる可能性もある」
第二工場は、半導体素材などのサプライチェーン(供給網)について、国内調達比率を30年に60%程度に高める目標を掲げる。地元は、これに応えられる技術が求められる。ラピダスは、2ナノである。前工程と後工程の全自動化を目指している。
(3)「それでも多くの手間やコストをかけてTSMCの要求に食らいつくサプライヤー企業があるのは、世界的に需要が高いAI半導体市場の恩恵を期待するからだ。TSMCの魏哲家董事長兼最高経営責任者(CEO)は5日、首相官邸で高市早苗首相と面会し、熊本第2工場の検討内容について説明した。魏氏は、「3ナノ技術はAIやスマートフォン製品に使う最先端のプロセスだ。地域経済の成長にさらに貢献し、日本のAIビジネスの基盤を形成すると確信している」と話した」
TSMCは、3ナノ生産で地域経済の成長と日本のAIビジネスの基盤形成に貢献すると発言している。このチャンスを生かすことで、日本経済に寄与する。
(4)「世界最先端の半導体工場が九州に建つことに地元の期待も大きい。熊本県の木村敬知事は5日、「生成AIや自動運転など未来の産業を生み出したい」との考えを示した。TSMC工場周辺に半導体関連企業やAI関連のスタートアップを呼び込む起爆剤としたい考えだ。九州地銀の関係者は「(最先端半導体の国産化を目指す)ラピダスとかぶらない技術になってよかったのでは」と話す。熊本第2工場の生産品目は2ナノ品になるとの見方も一時浮上していた。同じ2ナノを手がけるラピダスとの競合が懸念されていた」
地元は、生成AIや自動運転など未来の産業を育成したとしている。これが、起爆剤になることは確実だ。




