米国が、イランのドローン(無人機)迎撃に高いコストを費やしている。大量生産が可能なドローンの波状攻撃に、1発6億円相当という地対空誘導弾パトリオットミサイルで対応する。戦闘が、長引けば米国の防空ミサイルが不足しかねないという新たな悩みが出てきた。
『日本経済新聞 電子版』(3月6日付)は、「米、ドローン撃墜 高コスト ミサイル1発6億円 在庫枯渇の懸念」と題する記事を掲載した。
在韓米軍が配備するパトリオットの中東への移転を検討していることが6日分かった。韓国の趙顕(チョ・ヒョン)外相が同日の国会内の質疑で、移転を巡り米国側と協議中だと明かした。
(1)「米戦略国際問題研究所(CSIS)によると、イラン製の攻撃ドローン「シャヘド136」は製造コストが1機あたり3万5000ドル(約550万円)と推定される。米中央軍によると、米国とイスラエルの攻撃を受けたイランは弾道ミサイル500発、ドローン2000機以上を投じた。数万機のシャヘドを保有しているといわれている。欧米メディアは相次ぎ、米国がドローンの撃墜に高額の兵器を利用していると報道した」。
製造コストが、1機あたり約550万円のイラン製ドローンに対して、米軍は1発6億円相当の弾道ミサイルで対応している。コスパから言えば、米国にとっては割の合わない事態だ。
(2)「こうした見方に対して、米軍は迎撃コストを劇的に下げていると説明する。米中央軍のブラッド・クーパー司令官は5日の記者会見で「最近では1万ドルの兵器で10万ドルのドローンを撃墜するために時間を費やしている」と述べた。イラン製ドローンは独自設計のため高額で、米国の技術コストが相対的に小さくなっているとの見方を示した。ドローン迎撃に関する懸念はコストだけではない。防空ミサイルの消費が増えて在庫が足りなくなるとの声もある」
コスパの問題はいずれ解決するとしても、防空ミサイルの消費が増えれば、在庫が足りなくなるという懸念が発生する。
(3)「米CNNによると、ヘグセス米国防長官は3日、連邦議会関係者に対してイラン攻撃に関する非公式の説明を実施した。その際、シャヘドが想定よりも大きな脅威であると認めた。パトリオットや地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)を使っても、低空を飛行するドローン全ての撃墜は難しいという。民主党のマーク・ケリー上院議員は、戦闘の長期化が米国の防空ミサイルの在庫不足を招く可能性を指摘した。「パトリオットの在庫は十分だ。我々の防空システムには余裕がある」。米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長は4日の記者会見でこう説明し、懸念払拭に努めた」
米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長は、パトリオットやTHAADの在庫不足懸念を否定するが、戦闘の長期化が起これば対応を迫られる。
(4)「米国は、2025年6月にイランを攻撃した「12日間戦争」で保有するTHAADミサイルの25%にあたる100発以上を使用したとされている。トランプ米大統領は2月28日に始めたイラン攻撃が「4~5週間」続くと語る。25年6月より戦闘が長く続けば、防空ミサイルの消費がかさむ。在韓米軍からの移転の検討も、中東で在庫が不足しかねないとの見方を強める」
在韓米軍からのTHAAD移転問題が燻り始めている。韓国は、これが現実化すれば対北朝鮮防衛上も由々しき事態と警戒を強めている。
(5)「米国は、ロシアの侵略を受けるウクライナ支援も続けてきた。米国が供与するパトリオットミサイルは、ウクライナの防空の要だ。米国が中東で在庫を使い果たせば、ウクライナの防空態勢が弱体化するおそれがある。国防総省は、防空ミサイルを製造する防衛大手に対し増産を求めた。米ロッキード・マーチンは1月、THAAD向けミサイルの年間生産数を今後7年間で現行の96発から400発まで増やすことで国防総省と合意した。パトリオットミサイルの生産数も30年までに2000発まで増やす。25年は計620発だった」
米ロッキード・マーチンは1月、国防総省とTHAAD向けミサイルの年間生産数を今後7年間で現行の96発から400発まで増やすことで合意した。パトリオットミサイルの生産数も、30年までに2000発まで増やす。25年は計620発だった。大幅な増産である。
(6)「ミサイル以外のシャヘド撃墜方法も模索する。英フィナンシャル・タイムズによると、国防総省は、ロシア製攻撃ドローンを撃墜するためにウクライナが独自に開発した迎撃ドローンの調達を協議している」
米国は,新たにウクライナ製の迎撃ドローンの調達を協議している。イラン製ドローンよりも安いのかどうか。コスト的には、大差はないであろう。





