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ロシア・サッカーW杯、グループリーグ戦(H組)で16強入りした日本に対して、韓国は感情的な批判を加えている。さながら、「反日」復活である。ここぞとばかり、日本の悪口を言い放っている。

 

日本は、ポーランドに0-1で敗れたが、勝点4を挙げており、セネガルと勝点・得失点差・得点数などで並んだ。規定により、フェアプレイの成績で日本が上回り、H組2位でベスト16進出を決めた。ただ、日本がセネガルの敗戦を知ったあと、反則しないように積極的な攻撃をせず、時間稼ぎをして出場権を得たことが「汚い」。韓国は、こう言って批判している。

 

日本はリーグ戦3試合を通じ警告4枚でマイナス4だった反面、セネガルがこれより2枚多い6枚でマイナス6だった。ここで日本とセネガルの悲喜が分かれた。 だが、スポーツはただ、得点を挙げて勝てば良いというものでもない。

 

フェアプレイの精神は、スポーツを貫くものである。日本が警告4枚であったことは、いかにスポーツマン精神に富んでいたかを証明するもの。韓国は、スウェーデン戦でファウル数が23回。メキシコとの第2戦でもファウル数が24回にのぼった。「第2戦まで32カ国の出場チームのうち韓国はファウル数が47回で最も多い。24回は今大会で最多、23回は2番目だ。モロッコ(45回)、クロアチア(43回)もファウル数が多い。韓国はイエローカードも6枚と、パナマ(8枚)に続いて2番目に多い」(『中央日報』6月26日付)

韓国は、参加32チームの中で、2回戦までで47回のファウルをしている。この韓国が、日本に対して「汚い」という批判ができるだろうか。日本が、決勝出場を目指して時間稼ぎのプレーをしてもルールに則っていること。ルールがスポーツの「憲法」である以上、何ら恥ずかしいことはない。

 

野球でも、強打者には「敬遠」のフォアボールが許されている。勝敗を決めかねない場面で、敬遠策はよく見られるもの。非難されることはない。元巨人選手(元ニューヨーク・ヤンキース選手)の松井秀喜氏は、甲子園大会で全打席が敬遠という異常事態もあった。相手チームの監督はルール通りであると発言していたが、さすがこれは批判された。

 

惜しくもグループリーグ敗退となったセネガル代表のアリウ・シセ監督は、次のような名発言を残してロシアを去った。「フェアプレイによって敗退が決まったが、私はこのチームを誇りに思う。これもルールの一つだ。ルールをしっかりと頭に入れ、予想しなければならなかった」(『GOAL』6月29日付)

 

セネガル代表のアリウ・シセ監督は、フェアプレイの数が勝敗を決めるルールであるから、それに従うと言っている。韓国が口角泡を飛ばして、「反日」丸出しの批判は醜い。中国ポータルサイト「捜狐」が、「荒っぽく野蛮な韓国サッカーより日本が疑いようもなくアジアの代表」と明らかにしたほど。サッカーは、紳士の国・英国が発祥のスポーツとされる。礼儀を守る=フェアプレイに徹することは、最低限の義務と言えよう。

 

日本が、W杯で最もフェアプレイであったのは、日本古来のスポーツにも共通している。相撲・柔道しかりである。もともと「道」とつく芸事でも「礼儀作法」が厳しく教え込まれている。この背景には、江戸時代中期の石田梅岩による「石門心学」の影響もあるのだろう。梅岩は、武士に「武士道」があるように、商人にも「商人道」という経済倫理があるべきだと説いた。日本人が、欧州社会と同じ経済倫理観を持っていたのは、この梅岩の思想に由来すると思われる。

 

サッカー日本代表は、韓国の雑音に惑わされに、これからも本領を発揮して貰いたい。