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7月25日の上海総合指数終値は、2903ポイントで引けた。7月6日に2700ポイント割れをした後、回復に転じている。この基調が、今後も続くのか。一時的な回復で再び下落するのか。関係者は注目している。先日のブログでは悲観論を紹介したので、これとは反対の見方を取り上げて見た。

 

米中貿易戦争は、まだその影響が出ているわけでなく、いわゆる「風評被害」という段階である。保護貿易に勝者はいないことは事実である。だが、米中対立の根源は、将来の米中覇権に関わる問題であるという認識に立てば、半年や1年で解決するはずがない。現在が、スタート時点で、5年、10年とかけた「陰湿な争い」になるだろう。その場合、米中どちらに潜在的な耐久力があるか。同盟国の関係はどうか。そういった視点が問われるに違いない。

 

中国は、なぜ外貨準備高を3兆1000億ドル台も維持しているか。その理由をよく考えることである。これを維持できなくなったとき、中国の覇権争いのレースが終わる危険はないのか。私は、外貨準備高と覇権争いが微妙につながっていると感じる。中国には同盟国と呼ぶべき親密な国はない。この弱点は、資金をばらまくことで補われているはずだ。「一帯一路」計画は、それを象徴する経済外交戦略である。この裏で、外貨準備高を活用して、あたかも世界一の「金満国」を演出して、発展途上国の関心をつないでいるように思える。

 

この演出は、いつまで続けられるのか。それは、外貨準備高が急減すれば終わる運命であろう。その意味で、経常収支構造の推移がカギを握っている。この前提に立つと、人民元相場管理と資本移動規制という他国が行なっていない政策放棄を迫られる時期が、密接に関係しているように思える。現状の外貨準備高は、保護されており「下駄を履いている」状況だ。この下駄をいつ脱げるのか。それがポイントに思える。

 

『ロイター』(7月24日付)は、「中国株の大暴落懸念は行き過ぎか、市場の見方交錯」と題する記事を掲載した。

 

(1)「2019年の企業業績について、株式市場はすでにアナリスト予想を超える落ち込みを織り込んでおり、これは投資家が過度に悲観的であることを示唆していると、一部のファンドマネジャーや投資家、株式アナリストは指摘する。実際には、中国株が下落する可能性は限定的だと彼らは予想しており、その理由として歴史的に見ても低めのバリュエーションであることと、一部の投資家が再び株を買い始めている兆候があることを挙げている」。

 

中国株はもう十分に下がったから、今後の下げ余地は少ないと見ている。

 

(2)「上海マイノリティー・インベストメント・マネジメントの創設者、ZhouLiang氏は、『なぜ市場がこれほど弱気なのか。その理由は、投資家が悲観的になっているからだ。より正確に言えば、悲観的すぎるからだ」と言う。同ファンドは主に、銀行や保険会社、住宅開発業者に投資している。実際、2018年の業績予想に基づく上海株構成銘柄の予想株価収益率(PER)は10倍程度で、2015年の金融危機の動揺冷めやらぬ2016年初めに起きたパニック売り以降で最低の水準となっている。また、米国株の予想PERよりも40%低い。今年、中国株が下げたのは、世界第2位の経済大国である中国の経済減速が、米国との貿易戦争によって一段と悪化するのではないかとの懸念が原因となっている。

 

現在の上海総合指数のPERは10倍程度で近年の最低レベルにまで落込んでいる。米国のPERよりも40%も低評価である。ここまで中国株が買い叩かれたのは、米中貿易戦争で一段と不利な事態に追込まれると見られているからだ。

 

(3)「UBS証券の中国戦略責任者、GaoTing氏は、中国の経済成長が急減速することを中国の株価は示唆していると語る。その上で、『興味深いことに、われわれが目にしている全体的な状況は、ファンダメンタルズの点でも、企業収益の点でも、それほどひどくはない』と同氏は言う。中国は先週、第2・四半期の経済成長率が第1・四半期の6.8%から6.7%に減速したと発表。ただ、大半のエコノミストは、今年の目標である6.5%程度の成長率を達成できるとみている」

 

このパラグラフが相場観の分岐点である。現在のGDP成長率を適正なレベルと見るかどうかだ。6.5%成長が実力なのか。無理矢理インフラ投資で支えられたものなのか。この見方で結論は変わるであろう。