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サムスン電子は、現代自動車とともに韓国経済を牽引する二枚看板であった。「あった」と過去形にしたのは、現在の現代自の売上営業利益率は3%台に落込み、「ゾンビ化目前」という事態になったからだ。残るは、サムスンだけである。そのサムスンは、スマホの販売台数で中国勢の低価格品にシェアを食われて収益悪化を招いている。

 

中国では、例の政府による補助金によって国内スマホメーカーが低価格で販売している。これは、WTO(世界貿易機関)違反であるが、「涼しい顔」で続けている。中国国内で低価格であれば、輸出しても反ダンピング法に抵触しないからだ。このように、巧妙に仕組んだ低価格品によって、サムスン・スマホは中国製品に追撃されている。

 

サムスンは、韓国国内では文政権に目の敵にされている。朴槿惠・前政権との癒着を問われて批判の矢面に立たされてきた。これを跳ね返すような昨年の業績は絶好調を維持したが、今年はスマホの異変と半導体市況に陰りが出ており、今後は「下り坂」が予想されている。

 

『朝鮮日報』(8月1日付)は、「スマホ不振のサムスン電子、減収減益、際立つ半導体依存」と題する記事を掲載した。

 

(1)「サムスン電子は、今年46月期の売上高が前期比3%減、営業利益が5%減と発表した。201746月期以降4半期連続の過去最高業績更新がストップした。サムスンは主力スマートフォン『ギャラクシーS9』の販売台数が予想を下回り、スマートフォン事業の業績は大幅に低下した。ディスプレーも中国製の安価な液晶パネルが大量に流入し、営業利益が縮小した。半導体事業は、過去最高となる営業利益を上げて業績を下支えしたが、営業利益の78%を半導体に依存する形となった」

 

サムスンの業績は、スマホが停滞し半導体が好調という色分けである。スマホのライバルであるアップルは、業績好調で明暗を分けた。『韓国経済新聞』(8月3日付)が、次のような記事を紹介している。『ウォール・ストリート・ジャーナル』(8月2日付)が、「高価格戦略でアップルは上昇したが、サムスンは沈んだ」というもの。両社は、スマホ市場停滞に対応し昨年から高仕様スマホを高価格で発売した結果、アップルは従来の顧客を維持した。サムスンの一部の顧客は、中国企業などに流れた。アップルかサムスンか、という最終的なブランドの選択では、アップルに軍配が上がった形だ。

 

スマホと一口にいっても、高級品から普及品にいたるまで多種多様である。販売台数で争のでなく、収益性に焦点が当てられている時代に移行している。

 

(2)「スマートフォン事業を担当する無線事業部は、46月期の売上高が24兆ウォン、営業利益が26700億ウォンだった。1年前と比較すると、売上高は20%、営業利益は34%減少した。3月中旬に発売されたギャラクシーS9が前作と大差ないと不評で、アップル、華為(ファーウェイ)、小米(シャオミ)などとの競争でも押され気味となり、業績が伸び悩んだ。このままではギャラクシーS9の通年販売台数が当初目標の4500万台に大きく届かない3000万台以下にとどまるとの見方も聞かれる」

 

4~6月期のスマホは、前年比で売上高20%減、営業利益率34%の減益になった。ギャラクシーS9の不振と中国勢に追撃されたもの。中国勢は、低価格品でシェ競争だけが目的、という感じである。

 

(3)「最近、指摘されている半導体需要のピーク説に関連し、『今年下半期もDRAMNAND型フラッシュメモリーなどメモリー半導体の需要が増え続ける』との見方を示した。ただ、来年の市場見通しについては、『具体的な予測値を示すのは難しい』とした。半導体景気の後退懸念について、予測が難しいというのだ」

 

来年の半導体市況は見通し難としている。世界的な過剰生産が懸念され始めている。