中国の高利貸しとしての技は、ますます冴えてきた感じだ。中央アジアでインフラ投資をエサに接近して、多額の資金を貸付け、返済できぬと見るや担保を取り立てる。その腕前は、『ヴェニスの商人』に登場するユダヤ人の金貸しシャイロック以上だ。
中国は、ロシアの「裏庭」に当る中央アジアで触手を延ばしている。ロシアは敏感に反応しており先頃、異例の「中国批判」の報道が飛び出した。
ロシア主要紙『インディペンデント』は最近、中央アジアにおける一帯一路プロジェクトを批判する長文記事を発表した。記事によると、中央アジア諸国では、一帯一路プロジェクトが広がるにつれ、中国からの投資が増え、国のキャッシュフローも改善されているが、相対的に反中感情が高まっている。各地での反中デモが増加している。中国共産党政権による中央アジアへの支配的な態度は、キルギスタンとカザフスタンのみならず、中央アジア全体に広がっている。『大紀元』(8月8日付)が報じた。
この続報が、次の記事である。
『日本経済新聞』(8月13日付電子版)は、「中央アジアでも中国依存のワナ、トルクメン経済危機」と題する記事を掲載した。
この記事では、トルクメニスタン、タジキスタン、キルギス3ヶ国が、中国の「債務トラップ」に引っかけられ、それぞれ担保権を設定されている実情が報じられている。「一帯一路」計画にまんまと乗せられた形だ。日本のODA(政府開発援助)では、担保権の設定という高利貸しまがいのことはないが、中国は露骨にそれを請求する。「アジアのユダヤ人」といったらユダヤ人からお叱りを受けるだろう。中国は、血も涙もないことを平気でやる。
(1)「中央アジアのトルクメニスタンが経済危機に陥っている。国家収入の大半を占める天然ガスの輸出で中国依存を深める一方、同国への借金が膨らみ、資金繰りが悪化した。タジキスタンも中国から巨額の融資を受ける見返りとして資源開発権を同国企業に譲渡した。アジアと欧州を結ぶ『一帯一路』の要衝と位置づけられる中央アジアでも中国頼みの『ワナ』が浮き彫りになってきた」
中国が親身になって相手国の経済発展に役立ちたいと思うならば、返済不可能な貸付けをするはずがない。最初から担保権狙いがハッキリしている。この中国が、世界覇権を握ったら世界はどうなるか。考えただけでゾッとする。
(2)「国家収入の7割を天然ガス輸出に頼るトルクメニスタンは2009年にウズベキスタンとカザフスタンを経由して中国と結ぶパイプラインを開通させ、中国シフトを強めた。同時にガス田開発やインフラ建設の資金を中国からの借金に頼った。ロシアの独立国家共同体(CIS)研究所によると総額は80億ドル(約8800億円)規模に上り、ガス輸出代金の一部は返済に取られている」
トルクメニスタンは、中国から総額80億ドルを借入れており、これが国家財政を圧迫し、通貨安に見舞われている。「食料品店に毎日長蛇の列」「小麦粉の購入は1カ月前の予約制」「主婦らが食料を求めて道路を封鎖」――。厳しい情報統制を敷くトルクメニスタンからこんなニュースがロシアまでもれ伝わっているという。原因は、中国の過大貸付けにある。
(3)「中央アジア各国は中国の習近平国家主席が掲げる『一帯一路』構想の恩恵を受けようと競って中国との関係強化に動いた。各国から直接投資を集めるカザフスタンや出遅れたウズベキスタンを除き、中国からの借り入れを膨らませた。タジキスタンは4月、発電事業への3億ドルの融資の見返りに中国企業に金鉱山の開発権を譲り渡した。キルギスでは首都ビシケクの発電所事業を巡る政府と中国国有銀行の融資契約の中で『(中国側は)債務不履行の場合、あらゆる資産を要求できる』とする条項が含まれていると報じられた。鉄道建設の交渉でも中国側は融資の見返りに資源権益を求めていると見られている」
中国の甘言に乗せられ、過大な債務を中国に負っている。キルギスは、融資契約において債務不履行の場合、「中国があらゆる資産を要求できる」という条項が含まれているという。中国は、現代版「ヴェニスの商人」である。


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