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中国での「日本製」は、絶対的な強味を持つ。「安全・ニセ物なし」である。値段は高くても、日本製となれば飛ぶように売れるという。ありがたいことだ。戦後の日本が、「メードインU..A」に憧れた気持ちと同じだろう。余談だが、「U..A」信仰の強いことにつけ込んで、九州の宇佐でつくった製品を「メードインUSA」で売り出し騒ぎになった遠い昔の記憶が蘇った。日本人が、いかに米国製に憧れたかを伝える話だ

 

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(8月30日付)は、「中国『日本製』人気逃すな、中国企業も参入」と題する記事を掲載した。

 

(1)「アジア2大経済国の関係改善を追い風にしている消費財メーカーは、中国には太刀打ちできない優位性が日本の工場にあると気づいた。製品に『日本製』と表示できることだ。そのため上海慎興制刷有限公司の汪霖・執行董事は、大阪に工場を開設し、中国で販売する歯ブラシを生産すると決めた。『中国の生活のレベルは上がっている。みんな良いものが欲しい』からだ。『日本製のものはイメージが良い』という」

 

上海の汪霖氏は、中国で販売する歯ブラシをわざわざ日本で生産する。メリットは、正直正銘の「日本製」であるからだ。この逆転の発想が大成功した。

 

(2)「汪氏は初の自社ブランドの歯ブラシを作ると決め、日本人デザイナーらと5年かけて製品を開発した。同社は現在、毎月5万本の歯ブラシを生産し、その大半を中国に輸出している。中国のネットショップ「京東商城(JD.com)」では15ドルほどで売られている。その歯ブラシはヘッド部分が交換でき、竹炭成分を配合した毛を使用している。中国で売られている製品のパッケージには日本語が書かれ、裏側に中国語の翻訳がある。主に日本人が使っている製品を中国でも販売しているという印象を与えるためだ」

 

5年の歳月をかけて開発した歯ブラシだ。月産5万本を中国へ輸出している。この歯ブラシはヘッド部分が交換でき、竹炭成分を配合した毛を使用しているという。1本5ドルというが、竹炭成分が虫歯予防になっているのだろう。一度、使って見たい商品だ。

 

(3)「長らく日本から逃げていたメーカーは、中国をはじめとするアジア市場の消費需要で日本が改めて魅力的に映っていると話す。中間層の台頭がアジアの消費動向を変えつつある兆しだ。資生堂は1983年以来となる国内の新工場を2カ所で建設している。国内売上高の減少を受け、2004年には国内6カ所にあった工場が15年には3カ所に減っていたが、中国などでの旺盛な需要に加え、日本での売り上げ回復に対応するため再び生産を強化する予定だ。魚谷雅彦社長によると、日本を訪れる中国人観光客が化粧品を購入しており、中国国内で同じ日本製のクリームやローションを求める中国人消費者にリーチする必要がある。『こうした機会を大いに捉えるためにも今からさらに供給体制を強化していく』という」

 

資生堂も国内に新工場を建設して増産体制だ。中国の資生堂製品販売の専門店でも、ニセ物を忍ばせているという。店とニセ物業者がグルになっている結果だ。こうなると、日本で買うことが最大のニセ物防御策になる。