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太平洋戦争が、終わって70年以上も経つ。韓国でも、日韓併合時代を活字でしか知らない世代も増えて当然だ。以前、日本の著名大学の学生が、「日本は本当に米国と戦争をしたのか」と真顔で質問した話を聞いたことがある。こんな次第で、韓国では「日本ブーム」だという。あの「反日の国」が本当かと思う。

 

『朝鮮日報』(9月24日付)は、「『旅行した日本みたい』 ソウルに和風カフェ急増」と題する記事を掲載した。

 

(1)「和風レストランや居酒屋が人気の韓国で、カフェでも和風のインテリアが人気を呼んでおり、ソウル市内でも急増している。和風カフェの共通点は、インテリアはもちろん、テーブルやいすも木でできているものを選んでいることだ。お団子をはじめとする和風スイーツを木の器で出す所も多い。エスプレッソではなく、ハンドドリップコーヒーがメーンメニューで、人気の店では外に行列ができるほど人が集まる」

 

韓国でも、日韓併合時代を正しく記憶している者は80歳以上の高齢者に限られる。この人たちが、子どもや孫に当時を語らない限り、「臨場感」はない。時間が経てば、憎しみの感情も変わってくるのだろうか。それどころか、隣国であるから旅行経験があれば、親近感を持ってくる。現在の韓国で、そういう感情が芽生えたとすれば、訪日旅行がもたらした変化だ。旅が人を変える実例であろう。

 

(2)「人気和風カフェの代表は、日本の昔ながらの喫茶店を模した店だ。昨年オープンしたソウル市松坡区松坡洞の「珈琲島」(カベド)は、フロア・パーテーション・窓枠などが木で作られており、薄暗くて落ち着いた雰囲気だ。テーブル・照明・コーヒーカップといった家具や小物もほとんど日本から持ってきた。ソウル市麻浦区西橋洞の「Anthracite」(アントラサイト)は3階建ての一戸建てを改造したカフェ。日本のデザイナー、真喜志奈美(まきしなみ)氏の手による空間は、トイレのドアやパーテーションもすべて木で作られ、日本の木造住宅の雰囲気を出している」

 

これは、戦後の喫茶店の雰囲気のようである。当時を知る私も行ってみたい感じだ。こういうゆったりした喫茶店は気持ちが休まる。新聞を読みながらコーヒーを飲む。クラッシックが静かに流れる。青年時代の自分に戻れるような感じだ。

 

(3)「最近の和風カフェ人気は、旅行で日本に行く韓国人観光客が急増していることと関係があると見られている。日本政府観光局によると、昨年の訪日韓国人観光客は714万人で、2013年の246万人に比べ約3倍に増えたとのことだ。事実、韓国の和風カフェを訪れた人々がソーシャル・メディアでよく使う表現は『まさに旅行で日本に行った時のような感じ』というものだ」

 

韓国からの訪日観光客は現在、2013年当時の3倍にもなっている。昨年は714万人。リピーターが含まれているから400万人ぐらいの人たちは、「熱烈日本ファン」という計算になる。ソウルの人口は986万人(2015年)だ。そうすると、かなり高い確率で、ソウルには「日本リピーター」がいる勘定だ。「和風カフェ」は営業として成り立つし、居酒屋も繁盛して不思議はない。