中国共産党は、ここまで墜ちたことに哀れみを感じる。客観的な分析が生命であるエコノミストに対して、厳しい分析結果を出すなというお達しがあった。すでに、メディアには暗い経済ニュースを流すなと検閲姿勢を見せている。これに加えて、エコノミストも「目を瞑れ」という事態だ。世界で初めて聞く話である。中国経済がここまで追い込まれている何よりの証拠である。
『ブルームバーグ』(11月21日付)は、「中国当局が警告、エコノミストは共産党の意向を踏まえた調査活動を」と題する記事を掲載した。
(1)「景気減速や貿易摩擦、株安に直面する中国共産党は、金融機関のエコノミストが経済を予測する際に党と国家の利益を踏まえるよう対策を講じている。証券監督管理委員会(証監会)の劉士余主席は今月に入り、北京で30を超える証券会社やファンド運営会社の代表と面会。事情に詳しい複数の関係者によると、劉主席はその場で、エコノミストが市場参加者の判断を誤らせることがないよう、調査リポートを発行する際にはより高い水準の思考を目指し、共産党と国家の利益を考慮すべきだと表明した。エコノミストに調査の検閲を呼び掛けるところまでは至らなかったという」
「頭隠して尻隠さず」という諺を思い出す。メディアには「提灯記事」を書け、エコノミストに本当のことを分析するな、とは驚くべき事態だ。もはや、中国経済が空中分解寸前に来ていることを白状したようなものである。不動産バブルと米中貿易戦争が、二大重圧となって中国経済を襲っている構図だ。
(2)「中国証券業協会は16日夜、証券・ファンド各社のシニアエコノミストが劉主席の勧告を具体化した『チーフエコノミスト自己規律提案書』に署名したと公表。個別の社名は挙げなかった。証監会による今回の動きは、中国が本土証券市場をさらに対外開放したとしても、共産党が経済見通しの管理に引き続き意欲的であることを示唆している。対米貿易摩擦の激化による影響が表れ始める中で、弱気な調査に対する党指導部の忍耐が今後数カ月間にあらためて試されるかもしれない」
中国証券業協会では、「チーフエコノミスト自己規律提案書」なるものに署名したという。孔子の「見ざる・聞かざる・言わざる」は悪事が対象だ。中国共産党は、エコノミストに対して「不都合な真実」から目を逸らせという命令である。こんな政権がいつまで保つのか。


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