世界中の投資家が、固唾を飲んで12月1日の米中首脳会談の成り行きを注目している。結果次第で、株価は大変動のリスクを負っているからだ。

 

米国は、強気の姿勢を崩さない。米太平洋艦隊は28日、米軍のイージス駆逐艦と補給艦が台湾海峡を航行したと発表した。米軍の艦船による台湾海峡の通過は今年3回目。米太平洋艦隊は声明で「台湾海峡の通過は、自由で開かれたインド太平洋に向けた米国のコミットメントを示している。米海軍は今後も国際法が許す範囲で飛行し、航行し、行動する」と表明した。台湾海峡を航行したのはイージス駆逐艦「ストックデール」と補給艦「ペコス」の2隻。中国からの反応はない。 以上、『ロイター』(11月29日付)が、伝えた。

 

米海軍まで動員して、米国が中国へ不退転の決意であることを示している。それは、今回の米中貿易戦争の本質が、覇権争いであることを示唆するものだ。こういう、背景を見ると、単なる米中貿易赤字の問題を超えて、地政学的対立を証明している。

 

この点については、私の「メルマガ9号」で詳細に取り上げている。

 

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(11月29日付)は、「米中首脳会談に市場波乱リスク、固唾のむ投資家」と題する記事を掲載した。

 

(1)「クレディ・スイスの中国アナリストらによると、G20(米中首脳会談)が最もうまくいった場合、中国政府は米国からの輸入を増やし、海外投資家への市場開放を続けると約束する。だが、そうなる確率は10%未満だという。一方、同アナリストらは25%の確率で、何の合意も形成されず、新たな関税の脅しが続くと予想。現実になれば相場の急激な調整につながるだろうと話している。中間のシナリオ(65%)は、6~12カ月間の部分的な停戦期間を設け、この期間は新たな関税を発動しないというものだ。発表済みの関税は例外となる」

 

    妥結する確率10%未満

    何らの合意なしの確率25%

    6~12カ月間の休戦確率65%

 

決裂の確率が25%。休戦は65%になっている。米海軍が台湾海峡にイージス駆逐艦と補給艦の2隻を航行させたのは、台湾防衛姿勢を鮮明にし、「一つの中国論」を無視する態度を表明にしたものだ。米国覇権を狙う中国に、米中復交時の「約束」を守る必要はない。そう言いたげな行動である。ここまで、米中関係が悪化している現実を見落としてはならない。もはや、貿易赤字問題を超えている。

 

(2)「産運用会社ブルックス・マクドナルドのエドワード・パーク氏は、トランプ氏の発言が交渉戦略の一部である公算が大きいと述べ、似た例として6月に北朝鮮との合意に達する前に発言をエスカレートさせていたことを挙げた。米中政府については、『いずれにとっても停戦に持ち込むことにはメリットがある』とパーク氏は述べた。野村のストラテジストらは妥結がありそうだと話す。その場合、オーストラリアドルは上昇し、日本、欧州、新興国市場の株価は大きく押し上げられる見通しだ。投資家が安全資産の米国債から株などのリスク資産に移るため、米10年物国債の利回りは3.25%に向けて上昇する可能性があるという」

 

ここに登場しているアナリストの見方は、かなり狭い範囲の議論のように思える。米国がなぜ、ここまで強硬になっているか。トランプ氏の個人的な性癖といった視点で捉えていると大局を見誤ると思う。最悪事態を想定してリスクを取ることが賢明でなかろうか。



メルマガ8号 「日本に背を向ける韓国、来たるべき経済危機をどう克服するのか?」が、『マネーボイス』で紹介

まぐまぐの『マネーボイス』で抜粋が紹介されています。どうぞお読みくださるようお願い申し上げます。

https://www.mag2.com/p/money/590125

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