下記の目次で、「メルマガ11号」けさ発行しました。よろしくお願い申し上げます。

 

米は5つの分野で攻め込む

中国は技術窃取を当然視へ

貿易戦争の本質問題は何か

中国国内で伏せられた点

バブルの決定的な証拠とは

習近平氏の政治責任へ発展

 

12月1日の米中首脳会談は、世界注視の中で開かれました。習中国国家主席が、トランプ米国大統領の宿泊するホテルを訪ねるという、へりくだった形式を取りました。米国代表団は、一様に緊張した様子で会談が始りましたが、習近平氏は淡々と中国側の対応を説明し、いい雰囲気で会談を終わったと伝えられています。

 

詳しい交渉結果は、後で取り上げます。結論だけ先に上げると、90日間の交渉過程を設け、その間は追加的措置を取らないというものです。一種の「休戦」です。トランプ氏は、会談中に米国の交渉統括として、ライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表を指名しました。中国は、副首相の劉鶴氏が統括役となり、40人からなる代表団を率いてワシントンを訪問する手はずとなりました。

 

米は5つの分野で攻め込む

米中首脳会談は、90日間の交渉期間を区切っています。その間に交渉がまとまらなければ、米国が関税引き上げ第3弾の2000億ドルに、追加関税25%(現行10%)を科すことになります。先ほど「休戦」と書きましたが、この休戦条件は中国にとって極めて厳しい内容です。これまで、中国が問題の存在自体を認めなかった5つの分野が検討課題に挙がり、結論を出すことが求められました。

 

5分野は、下記の通りです。

 

.米企業への技術移転の強要

.知的財産権の保護

.非関税障壁

.サイバー攻撃

.サービスと農業の市場開放

 

以下に各項目について、簡単な説明をします。

 

.米企業への技術移転の強要は、米国企業だけでなく各国企業にも同じ要求を出しました。中国は、外資企業の単独進出を認めず、合弁形式を許可してきました。これによって中国側が、労せずして先進技術を手に入れるという狡猾なことをしてきました。この問題は古くて新しい問題です。

 

.知的財産権の保護は、字義通りです。特許権やノウハウなど製造業に欠かせない知的財産権が、中国によって窃取されてきました。産業スパイや研究者を米国の大学や企業に送り込んで、最新技術を盗み出させてきました。この背後には、中国情報部や孔子学院という一見、企業と無縁に見える教育機関まで総動員する「スパイ網」をつくり上げています。

 

.非関税障壁は、関税以外の手段によって自由貿易を疎外するものです。輸出補助金、輸入割当などが上げられます。中国は、このうち輸出補助金が鉄鋼やスマホにも使われています。スマホの場合、生産段階で補助金を出すので、世界一のスマホ・シェアを誇っていたサムスンのスマホが、中国では全く売れないという事態が起っています。これなどは、悪質な例です。

 

.サイバー攻撃は、技術情報から軍事機密まで盗み出すもので、最近は中国の名門大学である精華大学の関与が指摘されています。精華大学と言えば、前国家主席の胡錦濤氏や現国家主席の習近平氏の出身大学です。この大学までがサイバー犯罪に手を染めている現実は、深く憂慮されています。

 

.サービスと農業の市場開放は、金融業を受入れる農産物の輸入を増やすという表明です。金融サービスの市場開放は、これまでどれだけ約束してきたことか。その度に実行せず、遅らせてきました。空約束の連続です。今度こそ実行させる。あるいは、繰り上げさせるという厳しい要求が突付けられています。農業は即刻、米国の大豆などの輸入を増やすと約束しました。

 

中国は技術窃取を当然視へ

以上の5項目に、ハイテク計画の「中国製造2025」が入っていないという指摘があります。これは当然で、「中国製造2025」の中止を求めるのは、中国の主権を侵害することになります。ただ、前記5分野のうち1~4の違法行為を中止させれば、「中国製造2025」に大きな影響が出て、進捗不可能になると見られています。つまり、中国は、不法行為による技術窃取で、ハイテク計画を進める予定でした。

 

メルマガ8号 「日本に背を向ける韓国、来たるべき経済危機をどう克服するのか?」が、『マネーボイス』で紹介

まぐまぐの『マネーボイス』で抜粋が紹介されています。どうぞお読みくださるようお願い申し上げます。

https://www.mag2.com/p/money/590125

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