中国では、日系車は質が良く、故障が少ないことが評価され、多くの中国人に支持されている。その一方で日系車には根拠のないデマが常につきまとっている。日本は、三流品を中国で売り、一流品を国内で売っているという噂である。

 

このデマの根拠は、日本がエンジン技術を中国に教えないことにあるという。新幹線技術で分るように、教えたら「自国で開発した」と言い張る民族である以上、危なくて教えられるはずがない。中国人の根本には、「技術の価値はタダ」という抜きがたい誤解がある。上は習近平から、下は庶民までいかんともし難いのだ。技術窃取は、こういう背景で行なわれている。

 

科学と無縁であった中国が、今や世界一の特許申請件数を誇るまでになった。と言っても、申請件数であって、特許が受理されたものではない。その成立した特許も、ほとんど更新されることなく期限切れを迎える。要するに、中国の特許申請件数世界一には、こういう実用化されないものが多い。

 

こうなると、さらなる疑問が湧く。そういう「無用の長物」である特許を申請する理由は何か。政府から支給される補助金欲しさの行為である。補助金とは、こういう無駄を生むものだ。中国という国は、無駄を奨励する国である。無駄と言えば、万里の長城がある。敵を撃退する目的で構築されたが、その用をなさなかったのだ。

 

中国人の技術に対する考え方が先進国と異なるのは、技術に対する「尊敬の念」がないことである。習近平氏は、先頃のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で、「先進国は技術を独占しており、新興国に教えようとしない。技術の独占は間違いである」と演説した。これこそ、技術とは何かを理解しない典型的な言葉である。技術は、人間の自由な思考が産み出す最大の価値である。それは、個人の所有すべき財産である。まさに知的財産である。個人が尊敬されると同様に、知的財産は権利として保護されるべき固有の権利(知的財産権)である。

 

中国は、専制国家である。個人の尊厳は国家によって踏みにじられている。専制国家と知的財産権は両立しないという根本的な関係にある。

 

『サーチナ』(12月15日付)は、「日本車メーカーは三流品を中国に売っているという噂、これは半分本当だ」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国メディア『快資訊』(12月9日付)は、『日本の自動車メーカーは最も良い車を日本国内で販売し、三流の車を中国で販売しているか』と疑問を投げかける記事を掲載し、『半分は当たっている』と伝えている。記事はまず、中国国内で『日本は一流の製品を日本国内で販売し、三流品を中国へ輸出している』と言われているが、元々これは『精密機械』や『精密加工技術』または『半導体』などの分野での『基幹技術』を門外不出にしているという話を指すもので、車とは関係ないことであったと伝えた」

(2)「だが、この話も『自動車産業に関しては半分当てはまる』と主張している。なぜなら、日本の自動車メーカーは中国に車を輸出していたり、中国の自動車メーカーとの合弁会社を設立し中国の工場で車の生産を行ってはいるが、『トランスミッション』や『エンジン』など、自動車の優劣を左右する最先端の基幹技術を中国側に伝えることはしていないためであると主張した」

ご覧の通りの主張を中国メディアがしている。もはや、反論する気にもなれない。「呆れた」と言う以外に感想はない。こういう国が、世界覇権など握れるはずもなければ、それを語る資格もあるまい。誇大妄想である。

 

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