中国のファーウェイ副会長逮捕(現在、保釈中)は、ファーウェイについて世界的議論をまきおこしている。ファーウェイが、中国政府と密接な関係を持っており、「軍事会社」「諜報機関」であるという見方さえ流布されているためだ。ファーウェイ副会長は、7つのパスポートを所持していたと伝えられている。隠密行動をしていたのだろうか。
目前にきた次世代通信網「5G」は、現在よりも100倍の速度を持つ夢の通信網とされている。日常生活が大きく変ると言われるが、軍事面で悪用されると安全保障上で致命的な打撃を受けるという。ファーウェイ製品には、「バックドア」という秘密のソフトが組み込まれており、ここから得た情報は中国政府へ筒抜けになっていると指摘されている。
その秘密ソフトは、中国の零細工場で組み込まれていることを米国企業が突き止め公表した。こうした事実に基づき、米国政府は同盟国に対してもファーウェイなど中国製通信機の採用を見送るように勧告している。すでに、豪州、ニュージーランド、日本の各国政府が不採用を発表した。英国通信の大手企業BTグループでは、2年前から通信の基幹部門からファーウェイ製品を排除していた。理由は不明だが、それを発表しなかっただけ。ドイツもドイツテレコムが再検討の意向を表明した。このように、ヨーロッパでは、中国警戒観が高まっている。
『ロイター』(12月14日付)が、「ドイツテレコム、通信設備の調達方針見直し、中国製品排除の動きで」と題する記事を掲載した。
(1)「欧州最大の通信会社ドイツテレコムは14日、通信設備の調達方針を見直していることを明らかにした。中国製品に対する安全保障上の懸念が広がっていることを受けた措置。すでに米国の同盟国の一部が、安全保障上の懸念から華為技術(ファーウェイ)製の設備の排除に動いている。ドイツテレコムは、ロイターの取材に対し『ドイツテレコムは、中国製ネットワーク機器の安全性を巡る世界的な議論を非常に深刻に受け止めている』と述べた」
「5G」では、中国からの指令で基地局が機能不全に陥る危険性が指摘されている。基地局を破壊されれば、国内通信網は使用不可能になる。仮に、戦争が起った場合、最初の数秒で基地局を外部から操作されれば、それで終わりである。これ以上の危険性はない。
(2)「ドイツテレコムは、通信設備を複数のメーカーから調達する方針をとっており、エリクソン、ノキア、シスコシステムズ、ファーウェイ各社の製品を導入。『それでもわれわれは、調達戦略を見直している』としている。米政府がファーウェイ製品は安全でないと主張するのに対し、ドイツ政府は、5G(第5世代)通信網構築で特定の企業を排除する法的根拠はない、との立場を示している」
ドイツは、ビジネス面で中国依存度が高い。とりわけ、自動車の依存度は突出している。それだけに、ドイツ政府がファーウェイ製品禁止令を出せない事情がある。ただ、ドイツテレコムが企業判断でファーウェイ製品排除を決めるのは自由である。ドイツ政府もそういう立場であろう。
英国のBTグループに続いてドイツテレコムが、ファーウェイ製品不採用に踏み切れば、後はEU各国が追随するにちがいない。中国政府の描く世界謀略戦術に大きな打撃となろう。
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