昨日18日は、中国にとって改革開放40年の記念すべき日である。習近平国家主席は90分にわたる大演説をした。主旨は、党の主導で今後も改革を勧めるというもので、具体策は聞かれなかった。
本来ならば、「おめでたい日」であるはずだが、中国は四面楚歌に陥っている。次世代通信網5Gの導入で、先進国が相次ぎ中国通信機メーカー・ファーウェイ製品の導入拒否を決めたからだ。米国のほか、豪州・ニュージーランド・日本・英国・ドイツに続き、新たにフランスとインドも拒否の意思を示した。理由は、後で取り上げる。
改革開放の40年で中国経済を取り巻く状況は一変した。これまでは、中国市場への参入目的で、各国は中国の無理な要求にも応じてきた。だが、もはやそれも限界とばかり、「ノー」とはっきり言い出している。その一つが、世界最大通信機メーカー・ファーウェイ製品の導入拒否である。
ファーウェイ製品には、「バックドア」が仕組まれており、情報が北京へ筒抜けになる疑念が強まっている。次世代通信網5Gは、4Gに比べて100倍の速度とされる。情報筒抜け疑惑だけでなく、軍事面で多大の脅威にさらされるという。中国人民解放軍の指示で、「5G基地局」が遠隔操作されれば、軍事作戦が不可能になると指摘されているのだ。こうなると、中国は居ながらにして敵陣の粉砕が可能になる。ファーウェイ5Gは、導入国にとっては恐るべき「凶器」に変るという。この指摘は米国政府のものだ。米国は、同盟国に安全保障対策で同一歩調を取ることを要望している。
『大紀元』(12月18日付)は、「インド通信担当、ファーウェイ機器の輸入禁止を安全保障担当へ要請」と題する記事を掲載した。
(1)「インドのメディア、『ビジネススタンダード』(12月17日付)によると、通信当局のインド設備サービス輸出入促進委員会はこのたび、ファーウェイ機器の輸入制限を求め、政府の安全保障顧問Ajit Doval氏へ書簡を送付したと述べた。インド通信当局は2018年9月、ファーウェイとZTEが、同国内で5Gの試験運用を行ったり、同国企業と業務を提携したりすることを禁止した。専門家は、日本やオーストラリア、インドなど米国を中心とした同盟国に排除されているファーウェイは、次世代通信網5Gの市場競争で勢いを失うと予想する」
インドは、かねてからファーウェイ製品に疑念を持っており、通信機の組み立てでは、インド政府係官が立ち会うというほど厳しい態度で臨んできた。だが、「バックドア」という秘密のソフトを忍ばされたらお手上げである。こういう疑惑100%企業の通信機は、導入しないことが最大の安全策である。
『レコードチャイナ』(12月18日付)は、「西側諸国はファーウェイ包囲網を狭めている」と題する記事を掲載した。
(2)「中国メディア『参考消息』(12月16日付)は、西側諸国がファーウェイ包囲網を狭めていると伝えた。記事は、『ファーウェイの米国での戦いは、創始者の娘も巻き込んだが、新たな戦線がまた出現した。それはフランスだ』と紹介。米ブルームバーグ・ニュースは、『米国、日本、オーストラリア、ニュージーランドが中国のネットインフラ製品を禁止し、ドイツが審査を強化したのに続いて、フランスもファーウェイに対する非友好的な境地に入りつつある。フランスはファーウェイを禁止していないが、電信ネットの重要部品で予防措置をとるフランスでは、“高度警戒”リストを加えることを検討している。このリストはファーウェイを対象にしている』と伝えた」
中国のスパイ活動は、「天下一品」である。所かまわず不正行為を働くのは、GDP2位の国家がやることでない。先進国が、こういう節度のない国家の製品、とりわけ通信という基幹部分を中国政府に握られる危険性の回避は当然であろう。
(3)「フランスの通信大手オレンジのステファン・リチャード最高経営責任者は、13日にテレビ局の取材に応じ、次世代通信規格『5G』の中核ネットワークでファーウェイ製品を使用しない方針を示した。『フランス当局が慎重に物事を行うよう求めているから』だという。また、フランスの他の通信2社も、国家情報システム安全局による5G供給業者に対する指示に留意することを示しているという」
通信網は、安全保障政策の根幹をなす。その根幹部分に、疑惑の多い国の製品を導入するはずがない。これは常識であろう。中国政府が、先進国から信用されていない証拠である。
メルマガ10号 「混迷する韓国経済、青年の5人に1人が失業へ。文在寅大統領がハマった罠とは?」が、『マネーボイス』で紹介
まぐまぐの『マネーボイス』で抜粋が紹介されています。どうぞお読みくださるようお願い申し上げます。
https://www.mag2.com/p/money/596639
ここをクリックしていただければアクセスできます。
コメント
コメントする