中国は、世界覇権の野望を膨らませている。日本へも触手を延ばし始めたという。米軍基地や自衛駐屯地の周辺に土地を購入して、動向を探る動きが見られ始めたようだ。日中友好も大事だが、日本侵略を目指し「紅い手」が伸び始めていることに気を付ける段階になった。
米国では、中国企業から自国留学生の寄宿舎建設案を提案される一件があった。その金額が巨額で、地元は大歓迎した。先方が指定してきた場所は、米軍基地に近い所であり疑惑が持たれ、このプロジェクトは立ち消えになった。また、中国人留学生の進学希望先が、すべて軍事機密に関する学科であったということも発覚するなど、米国の中国に対する警戒観は極めて強い。
米国の監視が厳しくなっている結果、狙いは日本へ移っている。米軍基地や自衛隊駐屯地付近の土地が狙われている。かつては、中国資本が、水源地の買収を行い、中国の水不足緩和ビジネスが関心を呼んだ。「中国が日本の水資源を抑える」という報道が相次いだもの。今や一歩進んで、日本の安全保障を脅かす事態になっている。中国の存在自体が、厄介なものになってきた。
『日本経済新聞 電子版』(1月11日付)は、「米、ハイテク覇権死守へ先手」と題する記事を掲載した。筆者は、高坂哲郎編集委員。
(1)「中国は2017年の国家情報法の施行など、米国から軍事面での優位を奪うため、通信機器を経由したり人的情報収集を大規模に実施したりするなど、複合的な諜報活動を展開している。米国が18年8月に成立させた19年度国防権限法はこの対抗策の集大成と言える。中国製通信機器の締め出しはその一端にすぎない。人工知能(AI)兵器や極超音速飛翔体など最新兵器に巨額の投資をすると同時に、そうした米国製の最新技術を競合国に盗まれることのないよう、何重にもわたる防御策を講じた」
中国の国家情報法は、企業や個人でも国家の要請に従って情報提供の義務を負うという一種の「国民総スパイ法」である。習近平氏が始めた「軍事国家戦略」である。ここまでやって、米国を軍事的に打倒しようというのだ。ドイツのヒトラー並の野望である。彼をここまで追い立てる動機は何か。毛沢東を上回りたいという願望とすれば、人類の「敵」に位置づけられる。
米国も、中国の「国民総スパイ法」に対抗して、最新技術をすべて流出させないように体制を固めている。こうやって、中国の科学技術の発展速度は遅くなるのだが、それは自業自得であり、「自力更生」で賄うしか道はない。
(2)「投資と輸出の規制強化は、中国が米国に投資という道具で侵入し、その技術を輸出という形で中国に持ち出すのを『入り口と出口』で封じ込める対策だ。その対象には既にある安全保障関連の輸出管理の対象だけでなく、今はまだ開発段階にあるが将来登場することが見込まれる新興技術も含めることにした。新興の技術はこれまで、技術革新のスピードが速いため、商務省などが管轄する「輸出規制品リスト」に入っていなかった。対象分野はなお検討が続くが、指定されれば米国外に輸出する場合、米商務省の許可が必要になる。さらに投資規制では米軍を含む政府の施設に隣接する土地の購入・賃貸案件も対象となる」
中国は、すでに米国の仮想敵に位置づけられた。「投資と輸出」の規制対象国である。中国は先進国への投資が、著しく狭められている。これは、国際収支面で投資収益を上げられず、経常黒字を減らす要因になる。中国が、国際社会で生きて行くには、一定の経常黒字が不可欠である。その点、ドイツや日本は、その模範国である。中国が世界覇権など狙わず、「普通の国家」であれば、国民も幸せな生活を送れるはずだ。習氏の個人的な野望が、それが不可能にさせている。
(3)「日本政府も今回米国が打ち出したさまざまな技術流出防止策と同様の策を日本国内でも講じるため立法措置をとる必要が生じている。国防権限法が米軍基地周辺の土地の購入や賃借に目を光らせ始めたが、日本国内の自衛隊や米軍の基地周辺でも外国関係者が監視に便利な土地や建物を取得するケースが相次いでいるもようだ」
日本の米軍基地や自衛隊駐屯地の機密情報が、中国の諜報機関に渡ったのでは、日本の安全保障が危険にさらされる。ここ2年ほど、日本の安全保障環境は急激に悪化している。これは、思想上の左右を問わず認識すべきことだ。習近平氏や金正恩氏は、なぜ自己の野望達成のために軍拡をするのか。自己の身が安全でないから、軍拡に突き進むのであろう。
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まぐまぐの『マネーボイス』で抜粋が紹介されています。どうぞお読みくださるようお願い申し上げます。
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