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朴槿惠・前政権は、弾劾裁判で退陣するという不名誉な幕引きであった。当時の与党は分裂して支持率は下落、見る影もない零落した姿を見せていた。与党「共に民主党」と最大野党の自由韓国との支持率が一時、40%ポイント台まで広がっていた。ワンサイドゲームである。ところが、文在寅政権と与党は、「積弊一掃」の名の下に、前政権関係者を司直の手に渡し、5人もの自殺者を出す「弾圧型」政治を行なってきた。

 

こういう痛ましい犠牲者を出しながら、経済政策は効果を上げないどころか、失業者を増やす政治を行ない、反省の色はゼロである。言い訳に終始しており、経済減速の「ガン」である最低賃金の大幅引上げを修正する動きも見せない政府である。

 

政権を取ったら何をやってもいいという「勘違い政治」に驚く。韓国独特の「独善主義」に基づくものだ。自分のやっていることは正しい。間違っているのは相手だ。こういう箸にも棒にもかからない「道徳主義」がはびこっている国である。自分には甘く他人に厳しい「独りよがりな政治である。自己反省のない道徳主義ほど、始末が悪いものはない。

 

『中央日報』(1月31日付)は、「韓国与党の支持率37.8%、野党・韓国党との差が1けたに」と題する記事を掲載した。

 

(1)「与党・共に民主党と野党・自由韓国党の支持率の差が文在寅政権に入って初めて1けたに縮まったという世論調査の結果が31日、発表された。世論調査専門機関リアルメーターが発表した。民主党の支持率は37.8%、韓国党の支持率は28.5%となった。民主党の支持率は3週連続で落ちた。リアルメーターは、『民主党の支持率低下は金慶洙(キム・ギョンス)慶南知事の拘束の影響と分析される』と説明した。

 

金氏は、前回大統領選でインターネットの情報操作を行なって、2年の実刑判決を受けた。革新政党の看板を掲げながら、やっていることは保守党以上の汚い選挙戦であった。文氏のインターネット上での支持率は、選挙期間後半に一貫してトップであり、下がってもすぐに回復するという不思議な動きを見せていた。大統領選は、41%の得票率である。インターネットでは、断トツの強味を発揮していた点と乖離があった。裏で、世論が操作されていたのだ。この事件では、金氏が主犯と認定された。

 

与野党の差が、1桁以内に接近してきたことは歓迎すべきである。与党は、やりたい放題であり、反日の旗を振ってきた政党である。野党は、日韓の離間が韓国にとって不利益をもたらすと指摘し続けている。


(3)「リアルメーターは、『韓国党の支持率上昇は黄教安(ファン・ギョアン)元首相、呉世勲(オ・セフン)元ソウル市長、洪準杓(ホン・ジュンピョ)前代表の党代表選関連報道の増加、金慶洙知事の拘束によるものと考えられる』と分析した。先週12ポイントだった両党支持率の差は、今回9.3ポイントに縮まった。文在寅政権に入って民主党と韓国党の支持率の差が1けたになったのは今回が初めて。政府発足直後の2017年5月に40ポイント台だった両党の支持率の差は徐々に狭まり、昨年11月から10ポイント台、今回の調査では10ポイント未満に縮小した」

 

与野党の支持率の差は、次のような推移である。

2017年5月に40ポイント台

昨年11月から10ポイント台

今回は1桁

 

自由韓国党は、党代表を選ぶ選挙運動中である。メディアで報じられる機会が増えて、支持率を高めている点はあろう。昨年11月以降、支持率の差がぐっと縮まっていることは、注目すべきである。自由韓国党の新代表が決まれば、与野党の差はさらに縮まる可能性があろう。そうなった場合、文政権への風当たりは強くなろう。

 

(4)「文大統領支持率は先週より0.2ポイント落ちた47.5%で、3週連続で小幅下落した。不支持率は1.5ポイント上昇して47.2%である」

文氏は現在、支持と不支持が拮抗している。自由韓国党の支持率が高まれば、不支持率に大きく傾くケースが想定される。今が、正念場である。