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2月26日と27日は、韓国で過去と未来が同居する記念すべき日になった。26日は、文大統領は、ソウルにある独立運動家の金九(キム・グ)の記念館で閣議を開催した。戦時を除き、公共庁舎ではない場所で閣議が開かれるのは初めてという。この席で、文氏は「(日本の植民地支配に協力した)『親日』を清算し、独立運動をしっかり礼遇することが民族の精気を正しく立て、正義のある国に進む出発」と強調した。

 

他国のことだが、未だに「親日精算」と力説している。過去にこだわっている内に、韓国は未来の発展のカギを失っている。昨年の合計特殊出生率が、歴史上初めて0.98人と1人を割ったのだ。「親日精算」と「合計特殊出生率1人割れ」は、深い関係があるはずで、この問題は、後で取り上げたい。

 

『中央日報』(2月27日付)は、「韓国、出産率世界最低、類例を見つけにくい」と題する記事を掲載した。

 

(1)「韓国の昨年の合計特殊出生率が、0.98人で史上初めて1人を割り込んだ。合計特殊出生率は一人の女性が妊娠可能な期間(15~49歳)に産むと予想される子どもの数を意味する。昨年合計特殊出生率は歴代最低だった前年(1.05人)を下回った。現在の人口水準を維持するには合計特殊出生率が2.1人でなければならない。「0人台出産率」は世界的にも類例を見つけにくい」

 

合計特殊出生率の1人割れは、歴史上初めてである。中国が資料を隠して発表を取り止めているが、韓国並みの深刻な事態に落込まれているはずだ。中韓ともに、経済的な要因が1人割れを招いている。経済的な展望が開けないのだ。

 

韓国では、文政権になって一段と労組寄りの政策になっている。最低賃金の大幅引上げが経済状態を悪化させており、失業率が高まるという矛楯が起こっている。昨年の「1人割れ」は、文氏の悪政がもたらしたものだ。

 

冒頭で取り上げたように「親日精算」とは、何と時代遅れのことを言っているのかと思う。「過去志向」が、「未来志向」を忘れさせている。「1人割れは」その典型的な回答であろう。

 


(2)「このような少子化の原因は複合的だ。まず20~30代序盤人口そのものが減った。加えて青年の婚姻年齢がますます遅れている。就職ができず、住居費負担などで結婚そのものを回避している。結婚しても出産を先送するか子供を産まない夫婦が多くなっているのも主な原因だ。これに伴い、韓国の人口減少時点も早まる展望だ。カン・シヌク統計庁長は、「少子高齢化が予測よりも早く進行していて、韓国の総人口減少時点が前倒しになるかもしれない」とし「急激な人口構造の変化によって雇用・福祉・年金・教育・住宅など主要政策に波及効果が大きいものと予想される」と話した」

 

経済的な理由で、結婚できない。結婚しても経済的な理由で子どもを生まない。すべて経済要因である。だが、公務員家庭では3人の子どもが一般的という。民間企業では、待遇が不安定であるから、出産を控えさせるのだろう。

 

『朝鮮日報』(1月27日付)は、「なぜ韓国は日本より子どもを産みづらいのか」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のキム・ミンチョル記者である。

 

(3)「人口問題に詳しいある専門家は、『本当に深刻な状況だが、それでも韓国社会ではあまりにも関心が低い』『合計特殊出生率も多少の低下ならそれなりに対策を取れるだろうが、低すぎるのでそれも難しいだろうし、対策を取るにしても巨額の費用が必要になるだろう』と述べた。その上でこの専門家は『韓国政府も国民も今の問題にしか関心がなく、未来については忘れてしまっているようだ』と嘆いた」

 

人口問題は、国家の基本中の基本である。それは、領土問題と同じような認識を持つべきテーマである。韓国大統領が、「親日精算」と昔の話を持出して力説している当たりに、この政府の力量の限界を見る思いがする。

 

(4)「韓国に人口危機感がないのは、『出産に関する統計にこだわらない』とする今の政府の考え方とも無関係ではないだろう。今の政府は『合計特殊出生率を2020年までに1.5人に引き上げる』とするこれまでの目標は実現不可能とすでに判断しており、より長い観点から生活の質を高め、自然に引き上げたいとしている

 

文政権が力をいれていることは、南北問題だけである。この問題は、もちろん大事だが、だからと言って他の重要問題を無視して良いはずがない。人口問題は、集中的に努力をしなければ解決不能である。文氏が行なっている政策では、子どもを生もうかという人はますます減るだろう。今年の合計特殊出生率はさらに低下する。もはや、どうにもならなくなった。