韓国にとって、過去にこれほど惨めな米韓首脳会談があっただろうか。トランプ氏と文氏の米韓の両大統領が、単独で話した時間は「たったの2分」(中央日報)という事態だ。共同の記者会見もなければ共同発表もない、淋しい米韓首脳会談であった。
こういう結果になることは、最初から分っていた。米国からは事前に、「経済制裁解除の話をするのであれば、来ないでくれ」とまで言われてきた中での文氏訪米である。文大統領が、米国のポンペオ国務長官やボルトン補佐官との会談では、他の陪席者も出席するというガードの固さを見せつけたのだ。陪席メンバーは、次の通りだ。
ハリー・ハリス駐韓米国大使、スティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表、マシュー・ポッティンジャー国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長、アリソン・フッカーNSC朝鮮部長という、安全保障分野のブレーン4人である。文氏は、6人と一度に会見することになった。韓国大統領府は当初、文大統領はポンペオ長官とボルトン補佐官の2人と会い、非核化案を話し合う予定と発表していた。
米国が、なぜ前記4人の安全保障分野ブレーンを出席させたのか。米国は、一枚岩で韓国の要請には応じられないという守りの姿勢を見せたことである。このあと、ペンス副大統領との会談でもこの4人が陪席したという。
もともと、米韓首脳会談に夫人同伴ということ自体、「真剣味」の足りなさを感じさせた。これは、米国側の希望であったという。会談時間116分中、できるだけ肝心の話題(経済制裁緩和)に触れないようにする米国の「狙い」が浮き彫りになっている。米韓は同盟国である以上、北朝鮮に対して間違ったイメージを与えないように「親密演出」した面が強い。
韓国側メディアは、今回の米韓首脳会談が成果なく終わったことについて、まとまった報道がされていない。日本の報道を引用するほかない。
『日本経済新聞 電子版』(4月12日付け)は、「トランプ氏、南北経済協力『今は不適切』米韓首脳会談」と題する記事を掲載した。
トランプ米大統領と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は11日、ホワイトハウスで会談した。トランプ氏は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長との3回目の首脳会談に向けた意欲を示したが、完全な非核化まで制裁を維持する立場を改めて表明した。韓国が期待する南北経済協力の推進には「今は適切ではない」と述べ、容認しない考えを示した。
(1)「文氏は冒頭、物別れに終わった2月末のハノイでの米朝首脳会談を「より大きな合意に至る大きなプロセスの一部だ」と評価した。「3回目の米朝首脳会談に向け、米朝間の対話の機運を維持し、前向きな展望を示すのが大事だ」と力説した。トランプ氏は「私たちはさらなる対話をするつもりだし、それを楽しみにしている」と同調した」
(2)「トランプ氏は3回目の米朝首脳会談について「あるかもしれない。急いで開くのではない。順を追って進める」と指摘した。その理由を「もし急げば正しい合意が得られなくなる」と述べ、慎重に事を運ぶべきだと説明した。米朝に韓国を交えた3首脳の会談も「あり得るが、金正恩氏次第だ」との見方を示した」
(3)「トランプ氏は米朝交渉について「小さな合意も色々ありうるかもしれないが、現時点で米国が話しているのは(北朝鮮に対する制裁の全面解除の見返りに全面的な非核化をめざす)『ビッグディール』だ」と主張し、包括的な合意を追求する方針を示した。文氏は「北朝鮮の完全非核化という目標で一致している。達成まで私たちに違いはない」と応じ、米韓が同一歩調だと強調した」
(4)「対北朝鮮制裁についてトランプ氏は、「大幅に強化する選択肢もあるが、今が適切なレベルだ」と述べ、追加制裁には慎重な姿勢を示した。韓国大統領府によると、文氏は近く南北首脳会談を開きたい意向を示した。米韓首脳は、両国の貿易不均衡問題やトランプ氏の訪韓などについても議論した」
文氏は結局、今回の訪米で何の成果も得られず、「失敗」という烙印を押されるだけに終わった。文氏の外交感覚の鈍さが目立つだけで、大統領失格とさえ言える。事前に、米国が経済制裁の緩和をしないと繰り返し強調してきた。それにも関わらず、トランプ氏に制裁緩和要請をしたが、北朝鮮向けのアピールとも見える。「これだけ努力したがダメだった」という言い訳の材料に使うための訪米でとしか思えないのだ。


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