日本の「オールド・マルキスト」は、中国の行為はすべて正しく、民衆の利益に奉仕する存在と思い込んでいる。この信念を根本から揺さぶったのが、尖閣諸島への大量の漁船殺到(2010年)であろう。明らかに、日本の警備を攪乱させる予行演習であった。これに近い行為が、フィリピンの実効支配する島嶼で行なわれている。領土に貪欲なこの「中華帝国」を、どのようにして改心させるか。
『大紀元』(4月12日付け)は、「フィリピン軍、中国海上民兵を警戒、3か月で中国船600隻が島に接近」と題する記事を掲載した。
2016年7月、オランダのハーグにある国際仲裁裁判所は、中国側が南シナ海のほとんどの領有権を主張する「九段線」は法的根拠がないとする司法判断を下した。日本を含むG7は、裁判結果を支持した。しかし、中国はその決定を受け入れることを拒否し、南シナ海の係争地域である島嶼で、継続的な埋め立て工事や軍事拠点化を進めている。
「盗賊」が、法の命令に背き自らの軍事力をひけらかして相手を威嚇するという最悪の姿をさらしている。この軍隊が、世界覇権を狙うと豪語しているが、何とも滑稽に映るのだ。周辺国が、この中国の侵略体質を軽蔑していることに気付かずにいる。清朝帝国と同じ感覚であることが哀れに見えるのだ。
(1)「フィリピン政府は4月、南シナ海の係争地となっている島付近を数百隻の中国漁船が航行したことは「違法」であり、領域から退出するよう求めた。同軍司令官は、漁船乗船員について『中国の海上民兵と見なしている』とし、ときおり中国の沿岸警備艇が巡視しているという。フィリピンのサルバドール・パネロ大統領報道官は4月10日、同国が実効支配するスプラトリー(南沙)諸島のコタ島(ロアイタ、南鑰)とパナタ島(ランキアム、楊信沙洲)の周辺領域から退出するべきだと述べ、領土侵入は許さず、いかなる事業もさせないと述べた」
フィリピンの出方を見る「侵略テスト版」である。日本にも、こういう中国を支持する人間がいる。どういう心理状態なのか。ぜひそれを、知りたいと思う。
(2)「現地メディアINQUIRERによると、3月29日、コタ島周辺を、中国漁船15隻が囲うように旋回した。コタ島は、東京ドーム1.3倍程度の大きさで、1978年からフィリピン軍が実効支配位している。フィリピン外務省の発表では、今年1~3月の3カ月間で、275隻の中国船がパグアサ島周辺を航行した。同島周辺には、中国が軍事拠点化するスービ礁がある。フィリピン軍西部司令部情報補佐官エルピディオ・ファクター氏は3月29日、同3カ月間で657隻の中国船舶がパグアサ島周辺に接近し、旋回したという。同補佐官によれば、中国船の乗船員は『中国の海上民兵と見なされる。ときどき中国の沿岸警備艦が警備しており、中国領域であると主張する』と述べた。軍司令部によれば、2月10日は最大87隻の中国漁船がパグアサ島周辺を航行した」
中国が、大量の漁船を動員しているのは、フィリピンの隙を見て侵略する意図である。中国国内の混乱を外に向けさせる、独裁者特有の行動を見せている。要警戒である。
(3)「ドゥテルテ大統領は4日、パラワン島で行った演説で、フィリピンが主権を主張する島で支配を試みる中国勢を一掃すると述べた。『これは(敵への)警告ではない。友人への助言であり要求だ』『もし島に接触するなら、別の話だ。私は兵士に自爆を伴う任務に備えるよう命じるだろう』と発言した。米軍とフィリピン軍は4月1日から12日まで、共同軍事演習を行っている。米軍官製紙9日付によると、米海軍はワスプ級強襲揚陸艦、少なくともステルス戦闘機F35Bが10機、MV-22オスプレイが4機、MH-60Sシーホークヘリコプター2機が参加する。参加人員は公開されていない。両軍はフィリピンの最大の島・ルソン島およびパラワン島で、水陸両用訓練、実戦訓練、都市部訓練、空港作戦およびテロ対策訓練を実施する」
ワシントン拠点のシンクタンク『プロジェクト2049』研究所は2018年4月、中国の海洋における軍事的活動についてまとめた報告で、中国共産党政権による台湾、尖閣諸島の侵攻は「海上民兵になる漁師が先陣となり、海警が護衛する」作戦になる可能性が高いとした。今回の中国による示唆行動は、演習目的であろう。
米軍には、フィリピンを防衛する義務がある。米比相互防衛条約が結ばれているからだ。中国が侵略行為を行なえば、すぐにこれが発動される仕組みである。フィリピンは、米国がアジア防衛の拠点にしている場所だ。その意味では、日本、台湾と並んで中国に指一本触らせない軍事拠点である。


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