中国の通信機メーカーのファーウェイ(華為技術)は、社員株主制度による純粋な民間企業とされている。その裏には、中国政府が控えているという説も根強い。米国の専門家による踏み込んだ調査分析によれば、実態は中国政府が保有しているという報道が現れた。
『大紀元』(4月25日付け)は、「ファーウェイの所有者は誰、米専門家中国当局の可能性大」と題する記事を掲載した。
中国の法律に精通する米国の専門家はこのほど発表した調査報告書で、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の実質の所有者は、「中国当局である可能性が大きい」との見方を示した。
中国当局が公開する工商登記情報によると、ファーウェイの株式は、創業者の任正非氏が1%、華為投資控股有限公司工会(労働組合)委員会が99%とそれぞれ保有している。中国法律専門家で米ジョージ・ワシントン大学法学部教授のドナルド・クラーク氏と、フルブライト大学ベトナム校のクリストファー・バルディング教授はこのほど、共同で調査報告書を発表した。
(1)「非上場企業であるファーウェイは、社員が労働組合を通じて株式を所有する、従業員持株制度を採っていると宣伝している。報告書は、ファーウェイの従業員持株制度は、一般的な従業員持株制度と異なるとの見方を示した。中国の労働組合は、当局の支配下にある中華全国総工会が管理しているため、ファーウェイの社員は労働組合の方針、決定などに発言権を持っていないと教授らは指摘した。また教授らは、ファーウェイが社員に与える『ファントム・ストック(架空の株式)』について、実質的には賃金の一部でインセンティブであり、法で定める会社の所有権や経営決定権と無関係だとした。社員がこのファントム・ストックを他人に譲渡・売却することはできず、退職の場合、同労働組合がその社員が持つファントム・ストックを買い取らなければならない」
「ファントム・ストック(架空の株式)」の例では、日本経済新聞社の社員株主が最高裁判所まで争って敗訴して件がある。社員株主は、退社とともにその権利を失い、購入した時の株価で会社へ渡さなければならないという。これは、ジャーナリズムの独立性を守るために必要な制度というのが最高裁の判断である。この日経の件とファーウェイは似たような面があるようだ。ファーウェイの機密性を守るという狙いが込められている。
(2)「教授らは、現有の公開情報では、ファーウェイの真の所有者は誰であるかをはっきりと示すことはできていないと指摘した。現時点では、中国当局が間接的に同社のオーナーである可能性が高いとの認識を示した。ファーウェイ側は教授らの指摘を否定した。労働組合はその代表委員会を通じて、株主である社員の権利を行使するうえ、労働組合の代表者は株式保有の社員によって選ばれているという。しかし、三権分立を議論すると投獄される可能性のある中国で、なぜファーウェイの社員にはこのような民主的な権利があるのかを説明しなかった」
共産主義社会において、ファーウェイ社員だけに資本主義社会の三権分立議論が適用されることは困難である。現時点では、中国共産党が労働組合を管理しているシステムから見て、中国当局が間接的に同社のオーナーである可能性が高いとの認識を示した。
(3)「米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)4月20日付によると、2003年ファーウェイの社員2人が、一株当たり純資産(BPS)額で株式を買い取らないとして、同社を相手取って訴訟を起こした。当時、広東省最高人民法院(地裁)は、ファーウェイの発起人だけが工商管理部門で登記しているが、同社の社員は株主として登録していないと指摘した。地裁は、関連規定に基づき、ファーウェイの労働組合が保有する株式は「ファーウェイとその社員の契約」であり、ファーウェイ社員は同社の株主ではないと結論付けた。クラーク教授らは報告書において、ファーウェイの労働組合が同社の99%株式を保有するということは、『ファーウェイはある種の国有企業であると示された』とした」
地裁は、ファーウェイ社員が株主として登記されていないことを理由に、株主の権利を認めなかった。結局、ファーウェイの労働組合が同社の99%株式を保有することは、中国の制度に照らし合わせると、皮肉にも国有企業であるという結論になる。この推理過程は、なかなか興味深い。


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