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けさ、下記の目次で発行しました。よろしくお願い申し上げます。

 

文氏に根強い反日意識

日韓には深い文化摩擦

近現代史教科書の偏向

日韓経済の希薄化進む

 

今月28~29日、大阪でG20サミットが開催されます。安倍首相はホスト国として各国首脳と会談します。ただ、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とは会談の計画がありません。韓国で開催された2010年のG20でも、日韓首脳会談は開かれませんでした。日韓の外交摩擦が引き起こしたものです。

 

このように日韓関係は、日本による韓国併合という歴史が災いして未だに正常化しません。特に、韓国で進歩派と称せられる政権が誕生すると、日韓関係は極度の緊張を余儀なくされています。日本の植民地時代の責任を追及するからです。

 

日韓基本条約が1965年に締結され、過去の問題はすべて解決済みのはずです。しかし、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は、「親日派」を一掃するとの名目で、日本の植民地政策に協力した人物の財産を没収しました。文在寅政権の場合は、政府間協定の日韓慰安婦合意を白紙に戻しました。その上、旧徴用工問題に関する韓国大法院判決では、日韓基本条約の経済協力金(無償)5億ドルの賠償性格を否定する挙に出ました。司法が、国家間の条約に介入することが許されるのか。そういう国際的な問題を含んでいます。

 


文氏に根強い反日意識

文政権が、日韓慰安婦合意破棄と旧徴用工による日韓基本条約骨抜きを受け入れた側面には、「反日感情」が存在しています。日本に一泡吹かせたいと学生運動時代から狙ってきた思いが、政権を手にして露骨に表れているようです。

 

韓国メディアが、伝える文在寅氏の「反日動機」は些細なものばかりです。

 

海外の会議で文大統領が、安倍首相に二度声をかけたが無視された。たまたま、安倍氏に他国の首脳が話しかけてきて、文氏に返事ができなかったというケースです。

 

また、昨年冬の平昌五輪レセプションでは、安倍首相の会場到着が遅れて、レセプション開始を意図的に遅らせた。こういう恨みも買っているそうです。安倍氏の平昌五輪出席は、文大統領の懇請によるものでした。2020年の東京五輪開催もあって、安倍氏は出席しました。内心は出席したくなかったと言われます。慰安婦合意が、白紙化された直後だったからです。

 

文氏の安倍氏に対する不快感は、昨年5月に日本で開催された日中韓三カ国首脳会談にも現れました。文大統領は日帰りでした。日韓首脳会談で日本側は、サプライズで文氏の大統領就任1年を祝うケーキを用意しました。文氏は、「甘い物は歯に悪い」と言って口にしなかったそうです。日韓首脳会談の雰囲気は、これで冷ややかなものになったでしょう。

 

中国の李首相は、三カ国首脳会談後に北海道のトヨタ工場を見学しました。安倍首相も同行しています。この李氏の振るまいと文氏のそれには、対日姿勢で大きな差を感じます。文氏の場合、「一分一秒でも早く離日したい」という「嫌日ムード」を感じます。

 

日韓には深い文化摩擦

韓国の対日姿勢が、ギクシャクしている裏には日韓の文化摩擦があるはずです。これまで、こういう捉え方をされていません。私は、文化論として見ない限り、韓国の日本批判の強さが理解できません。同じ日本の植民地であった台湾は、大変な親日ぶりです。日本は、朝鮮と台湾と同じ植民地政策を行い、民度を高め経済発展を促進させる政策を行いました。台湾は、率直にこれを評価しています。韓国は真逆で日本を「極悪非道」と表現しています。

 

朝鮮李朝の時代から、日本は朝鮮と文化摩擦を引き起こしています。朝鮮は、儒教国ですが中国よりも厳しき戒律を守ってきた点で、中国を上回ると自負していました。朝鮮朱子学の道徳主義が自己錬磨させ、他者よりも優れた道徳性を身につけていると信じて来たのです。こういう背景が、秀吉から李朝へ送られた文書に真面目に応えない非礼を重ねさせたのです。

 

儒教では、日本を「化外(けがい)の地」として軽蔑しています。化外とは、中国の王権が及ばない野蛮な土地という意味です。李朝が、秀吉の文書を対等に扱わなかったのは「化外」という理由です。秀吉による朝鮮出兵の動機は、朝鮮がつくったという指摘が韓国側から出ているのです。『中央日報』(3月18日付)の ホ・ウソン慶煕大名誉教授のコラムに掲載されています。(つづく)