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韓国はまだ、G20サミットでの日韓首脳会談に意欲を持っている。首脳会談となれば、事前に事務当局が入念な打合せをするものだが、韓国大統領府はきわめて簡単に考えているという。「30分も時間があれば会談可能」というお手軽さだ。

 

日本が、こういう韓国の出たとこ勝負の日韓首脳会談に警戒するのは当然である。韓国は、日本と首脳会談をしたことだけを強調し、中身は二の次になっている。これでは、日本が韓国に利用される最悪の結果となるに違いない。

 

ここで腑に落ちないのは、韓国外交部(外務省)の影が見えない点である。大統領府は、外交について全くの素人である。それが、采配を振るうところに危なっかしさを感じるのだ。

 

『朝鮮日報』(6月26日付)は、「韓国の外交課題、大阪とソウルで明らかになる文政権の対応策」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙の政治部アン・ジュンヨン記者である。

 

李明博(イ・ミョンバク)大統領と日本の野田佳彦首相(いずれも当時)が2011年12月、京都で首脳会談を行った。これは韓日外交史における「大惨事」として記録されている。両首脳は慰安婦問題で互いに激しく意見が対立し、もう二度と顔を合わせないような形で別れた。緻密な準備も戦略もないまま、世論だけを意識し、ただ会えば目的が達成されるという首脳会談がいかなる結果をもたらすか。この首脳会談がまざまざと示してくれた。

 

(1)「韓国大統領府のある幹部は25日の時点でも「日本から『現場で会おう』と要請があれば、われわれはいつでも応じる用意がある」と述べた。正式な形でなければ略式でもよいということだ。政府がこのような態度に出る背景には、両首脳が会うだけで「対日外交を放棄してはいない」と示せるし、また開催できないとしても、その責任を日本に押し付けることができるからだ。しかし会談で強制徴用問題やその賠償など、両国の懸案についてどう話し合うかという点については特に何も考えていないようだった」

 

韓国が焦っているのは、最近の日韓関係悪化の原因が韓国発であることだ。原因をつくっている韓国が、事務当局の段階で問題解決の具体的提案を練る時間もなく、一気にトップ会談で解決できるはずがない。韓国は、ただ文政権の人気挽回策に利用したいだけであろう。日本が、そういうことに付合っている暇はない。

 


(2)「北朝鮮と日本が韓国との首脳会談に応じないのは、会っても何も利益がないと判断したからだ。韓国政府も彼らに会うことで何が得られるか考えても、実は何もない。このような状況で単なるイベントとも言える「口実づくりの会談」を強く求めたとしても、相手に大義名分や実利を差し出して引きずられるだけだ。米国のアチソン元国務長官は「首脳会談で首脳同士がやりとりすれば、その後はゴールが一気に開いてしまう」としてその危険性を指摘している」

 

首脳同士が、事前の十分な準備をせずに会談してもいい成果は得られない。国益を背負った会談だけに、「会えば道が開かれる」といったサイコロを振るような危険な道は選べないのだ。韓国側は頻りと、「トップが会えば解決のヒントが得られる」と言うが、それは無責任な話である。会っても感情的な対立に終わるケースがある。先に挙げた野田・李会談の二の舞になるだけだ。