テイカカズラ
   

韓国外交は、袋小路に入っている。大統領府の「86世代」という素人が外交権を握っている結果だ。外交を政治化しすぎ、外交部(外務省)の専門家を遠ざけた「北朝鮮ショー」が、当の北朝鮮から罵倒されるという事態に陥っている。

 

文在寅大統領は26日、内外の通信社に対して書面インタビューを行い、金正恩氏の非核化を信じていると褒め称えた。翌日、北から届いた「返事」は残酷なもの。米朝対話に韓国は口出しするなというものだった。文氏が絶賛した金正恩氏からは、文氏の投げかけた甘い言葉が一蹴されている。文在寅外交は、四面楚歌に追い込まれている。

 

『中央日報』(6月27日付)は、「北朝鮮、『南側当局者 朝米対話に口出しするな』」と題する記事を掲載した。

 

(1)「北朝鮮が27日、米国が交渉態度を変えてこそ米朝対話が再開すると主張し、「我々が繰り返す警告は決して口先だけでないということを肝に銘じるのがよいだろう」と圧力を加えた。また、南側当局には「対話の当事者は我々(北朝鮮)と米国」とし「決して南朝鮮当局が口出しすることではない」と不満を表した」

 

北朝鮮は、米国と韓国に対してそれぞれ不満を述べている。とりわけ韓国に対しては、米朝間で直接、対話が可能になっている現在、「仲介役」気取りをするなと厳しい姿勢を覗かせている。

 

(2)「北朝鮮は「朝米関係を『仲裁』するかのように世論化して位置づけを高めようとする南朝鮮当局者にも一言いいたい」とし「自分たちも加わって何か大きなことをしているような雰囲気を漂わせながら、自らの立場を見いだそうと、南北の間でも依然としてさまざまな経路で何か対話が進行しているかのように世論をつくっている」と非難した。

 


(3)「 北朝鮮は「朝米関係はわが国務委員会委員長同志と米国大統領の間の関係に基づいている」とし「連絡するのも朝米間で稼働している連絡通路を利用すればよく、交渉する場合は朝米が直接向かい合って座るため、南朝鮮当局を通すことは決してない」と主張した。さらに「いま南北間で何かさまざまな交流と水面下の対話が進行しているように広告しているが、そのようなものは一つもない」とし「南朝鮮当局は自分たちのことでもまともにするのがよい」と指摘した」

 

 

北朝鮮の態度は傲慢過ぎるが、米朝のハノイ会談失敗の後遺症を引きずっている。北は、韓国の甘い情報を鵜呑みにして失敗したと思い込んでいるのだ。文氏は、本心からハノイで米朝の交渉が妥結すると思い込んでいた。北にも、そういう安易な情報を伝えていたに相違ない。

 

今後の韓国外交はどうするのか。大阪G20サミットでは従来、開催されていた「日米韓三カ国会談」が予定から消えている。代わって、「日米印」の三カ国の首脳会談に衣替えされた。当然、米国の推進する「インド太平洋戦略」では、そのキーストーンから韓国の名前が抜けている。中国へ「秋波」を送る韓国では、信頼性が劣るという判断であろう。

 

こうなると、韓国の居場所がなくなるのだ。日本には「手当たり次第の反日」という病的現象を見せているが、まさか中国陣営に加わる訳にもいかなし、大きなジレンマを抱えてゆくのだろう。韓国は、「ストレーシープ」状態だ。