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韓国の自営業者が、最大の苦難に直面している。店主が一人で経営しているケースでは、経費削減の余地がなく、売上不振は廃業へとつながっている。韓国人は、「他人に使われる」ことが不向きな国民である。職場での昇進の望みが絶たれると、すぐに会社を辞めて自営業で「一国一城の主」になりたがる。プライドが、自営業へ走らせているのだ。成功の比率は小さい。

 

『朝鮮日報』(9月24日付)は、「韓国自営業者の事業所得12.5%減少 過去10年で最悪」と題する記事を掲載した。

 

最低賃金の急激な引き上げ、労働時間の週52時間上限制など政府の反市場政策で内需が冷え込む中、自営業者の状況がますます悪化している。自営業者の中でも1人で商売する人々は今年46月期に過去10年で最悪の時期を過ごしたとみられる。

 

(1)「ソウル市鍾路区で面積16.5平方メートルの下着店を経営するKさん(69)は、今年上半期の月平均売上高が前年同期よりも30%減少した。毎日午前10時から午後10時まで営業し、1カ月に1日だけ休んで働いているが、管理費や賃貸料、税金などを払うと、手元に残るのは月40万~50万ウォン(約3600045000円)だ。Kさんは「40年近く商売しているが、最近ほど生活が苦しいのは初めてだ。昨年からまるでうそのように売り上げが急減し、今年はやっていけない水準にまで悪化した。廃業を検討している」と話した」

 

下線を引いた部分で、韓国庶民が歯をくいしばって生きて行く姿が浮かび上がっている。この人々は、最賃大幅引上げや週52時間労働制と無縁の生活だ。だが、逆風だけは、最初に受ける「風にそよぐ葦」のような存在である。文政権が、組織労働者の要求だけに応えている結果、自営業者はその煽りをくって自滅を迫られている形だ。

 

(2)「今年46月期に従業員を置かない事業主が1人で店を経営している世帯の月平均事業所得は2286778ウォンで、前年同期に比べ325379ウォン(12.5%)減少した。自営業者の所得を従業員の有無で区別して集計を開始した2009年以降の46月期としては最も大幅な減少だ。過去10年間に単独自営業者の事業所得が減少したのは17年だけだったが、当時も減少幅は8224ウォン(0.3%減)にとどまった。単独自営業者が景気低迷による直撃を受けた原因について、専門家は「コストを削減する方法がないからだ」と分析した。従業員がいる自営業者は従業員を削減することで景気低迷に対処できるが、単独自営業者は人件費を削減する余地がない」

 

従業員のいない単独自営業者は、今年4~6月期の所得が過去最大の12.5%の落込みという。個人消費の落込みを象徴しているものだ。韓国経済は、文政権の登場によって根幹が狂ってしまった感じである。いったん、脱線した経済は文政権が終わっても回復は難しい。文政権は、韓国経済史において最低最悪の政権と記録されるはずだ。

 

(3)「従業員がいる雇用主を含む自営業者世帯の今年46月期の事業所得も4.7%減となり、過去最大の減少幅だった。市況の深刻さは他の統計からも確認できる。廃業相談・コンサルティング業者「廃業119」によると、今年17月の相談件数は903県で、前年同期(362件)の2.5倍に達した」

 

従業員のいる自営業は、4~6月期の事業所得が4.7%減。過去最大の落込みである。自営業は、韓国経済の「毛細血管」のようなものである。ここが細ってくれば、韓国経済そのものが成り立たなくなるはずだ。改めて、文政権の間違った政策は、甚大な影響を及ぼしていることが分る。来年の総選挙で、与党勝利は難しいであろう。