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韓国は、文政権によって民族主義を前面に出している。とりわけ、日本には歴史問題を盾にした「過去清算」を迫っているが、これは完全な失敗に終わった。日本が、「ホワイト国除外」で逆襲したからだ。ここから韓国は、さらなる反撃手段として「輸入先の分散化」で対抗しようとしている。この「エンドレス」な日本への対抗は、韓国経済に何をもたらすのか。

 

韓国では、日本の技術と資本に韓国のマーケティング力を加えれば、世界最強のビジネス連合軍ができると指摘している。これは、日韓が政治的に友好関係を保てるかどうかが前提だ。現在のように、韓国が病的なまでに過去にこだわる政権下では、日韓企業の連携は不可能である。

 

『聯合ニュース』(9月26日付)は、「日本の経済報復など不確実性高まる、リスク管理強調=韓国大統領府高官」と題する記事を掲載した。

 

(1)「韓国青瓦台(大統領府)の李昊昇(イ・ホスン)経済首席秘書官は26日、ソウル市内で開かれた聯合ニュースTV主催の経済フォーラムで講演し、「米中通商紛争や日本の(輸出規制強化による)報復など、不確実性が重なっている」として、「リスク管理が重要だが、あまりにも消極的になってはならない」と述べた。また、「韓国は輸出市場では中国に、素材・部品は日本に依存している」として、「来年の中国の成長率が6%を割り込むとみられるため、ハードランディングがあれば市場への影響もみなければならない」との見方を示した」

 

下線部分で、「日本の輸出規制強化による報復」が、韓国経済の不確実性を高めると指摘している。経済活動にとって、不確実性は最も忌避すべきことだが、「ホワイト国除外」の意味を曲解した発言である。韓国企業が、日本の輸出した戦略物資の管理をしっかり行えば、何らの問題起こらない話だ。

 

韓国政府は、背伸びして日本へ対抗することが、自らの「レゾンデートル」であるかのような言動をしている。これが、間違いの元である。韓国の経済力の限界を知れば、日本へ楯突くことがマイナスであることはすぐ分かるはずだ。サムスンは、日本企業との協力関係維持が、最大のメリットと理解している。「サムスンに学べ」だ。

 

(2)「対日政策については、「日本の輸出規制により、コストがかかっても(調達先を)多角化する戦略が必要」として、「素材・部品の弱みを解消するため、政府が長期間にわたって意志を持って(政策を)推進できるかが鍵」と述べた」

 

このパラグラフでは一見、正しいことを言っているようだが間違えている。日本が、韓国を含めて「経済制裁」している相手国は一つもない。韓国を「ホワイト国除外」したのは、他国並みの扱いであって、どこの国からも苦情は出ていないのだ。韓国は、大袈裟に騒いでいるが、「ホワイト国除外」でメンツを潰されたという感情論に過ぎない。経済的な損失はゼロである。

 

韓国が、感情論で騒げば騒ぐほど不利になる。日本企業との関係を粗略にすれば、価格が高く品質の悪いものを買わされるリスクを背負い込むだけである。日本製造業の「コストパフォーマンス」を無視した行動は、自ら損害を招くだけである。

 

(3)「国内経済に関しては、「最近、物価の上昇率が下がったが、デフレとはいえない」と指摘。「ただ、インフレ率が下がり、輸出物価が低下すると名目成長率が下落し、体感景気を悪化させる要因となる」と分析した」

 

生産者物価が、7~8月と2ヶ月連続で前年比マイナスである。これを反映して、既に8月の消費者物価がマイナスになった。9月の消費者物価もマイナスの公算が強まっている。このように物価状況から判断して、デフレに入っていることは間違いない。現実に、下線を引いた部分では、その可能性を滲ませている。