次世代自動車の主流になると見られる電気自動車(EV)は、最大の難点がバッテリー充電時間の長さとされている。先に、日中が充電器の共同開発で提携し、事実上の国際標準化を狙う動きを見せている。一方、米ゼネラル・モーターズ(GM)が開発する電気自動車(EV)は、180マイル(約290キロ)を走行するのに必要な充電を10分以内に済ませられる可能性がある。テスラの急速充電スタンド「スーパーチャージャー」での充電より速い計算というニュースが入ってきた。
『ブルームバーグ』(8月31日付)は、「GM、急速EV充電の時間短縮に挑む-テスラしのぐ可能性」と題する記事を掲載した。
(1)「GMと研究パートナー企業のデルタ・アメリカズは、3年をかけたプロジェクトの一環で急速充電システムの開発に取り組んでいる。GMは2023年までに急速充電が可能なEVを20車種投入するため準備を進めていると、これまで明らかにしている。
GMは、2023年までに10分以内で充電可能にするという。その際、EV20車種を投入可能としている。「充電時間革命」が、EVの売れ行きを左右するのであろう。
(2)「走行中に電池切れを起こす懸念を和らげるため、自動車メーカーの間ではEV充電時間の短縮を目指した競争が繰り広げられている。デルタ・アメリカズ製システムの搭載により、GMのEVは1分で約18マイル走行分を充電できる。これに対し、テスラのスーパーチャージャーの充電スピードは1分あたり約6マイル、ポルシェはE『タイカン』について1分あたり約12.4マイルのスピードを約束していると、ナビガント・リサーチのアナリスト、サム・アビュエルサミド氏は指摘した」
このパラグラフでは、充電時間1分当たりの走行マイル(1マイル=約1.6キロ)が上げられている。
GMは、約18マイル(28.8キロ)
テスラは、約6マイル(9.6キロ)
ポルシェは、約12.4マイル(19.84キロ)
(3)「テスラはウェブサイトで、スーパーチャージャーでは約30分でフル充電が可能だと宣伝している。一方、GMのEV『シボレー・ボルト』の場合、約90マイル走行分を公共充電スタンドで充電するにはおよそ30分を要する」
現在のテスラとGMは、それぞれ30分の充電時間でどれだけ走行可能かを競っている。目下、開発中の技術によれば10分が勝負の分かれ目とされる。これが現実化すれば、EVも普及に向けて、大きく動き出す可能性が高まろう。