ソウル市の中心部で27日夜、ロウソクを手にしたデモ隊が現れました。2016年暮れの真冬、朴槿恵(パククネ)大統領の弾劾を求める100万人ロウソクデモが行われました。今度は真夏に、在寅(ムン・ジェイン)政権を支持する革新系団体の主催で、日本の対韓輸出規制への抗議集会が開かれたそうです。数百人の規模でした。
この人たちは、「経済侵略を中断しろ」などと叫び、近くの日本大使館へと行進しまし
たが、韓国保守派を批判するシュプレヒコールを上げたそうです。この情景こそ、韓国社会が一つにまとまれない歴史的な「業」を背負い込んでいると姿と痛感しました。
最近、韓国は旧韓末の政界と瓜二つという指摘を聞きます。韓国最大野党、自由韓国党代表、黄教安(ファン・ギョアン)・前首相は、次のように言っています。
「文在寅政権には外交的解決策がなく、(日本政府に)向き合って戦う戦略もない。大声だけ張り上げて実質的な対策を出せないでいる。大統領府と与党でまともな対策を出したことがあるのか。反日感情を扇動して、国民を組分けし野党攻撃にばかり忙しかった」(『中央日報』7月22日付)
この発言は、実に正鵠を得ています。文政権は、「ホワイト国」問題で、WTO(世界貿易機関)で日本批判をやって反応がなかったという以外に、日本に対する具体的な提案(日本が受入れやすい)もなく、ただ空騒ぎをしているだけです。反日感情を扇動して、国民を組分けし野党攻撃にばかり忙しかったのです。昨日のデモも、日本批判と保守派批判を行っています。文政権にとって、日本批判と同時に保守派も叩くことは、来年4月の総選挙を考えれば当然のことでしょう。
旧韓末は、現在の文政権と同じように派閥争いが激しく、まともな政治は行われていなかったのです。統治力不足で、結果的に列強の支配下に組み込まれ、日本に保護国という役割が振り当てられたのです。現在の視点で言えば、他国が朝鮮の運命を決めるとことは許されません。当時は、弱肉強食の時代です。それが許された時代背景があるのです。
韓国は、日本に対して現在、この行為がけしからんから謝罪せよと迫っています。一度の謝罪ならともかく、永遠の謝罪を求められてもそれは不可能でしょう。世界で数ある植民地の歴史で、韓国のような国はほかにありません。
韓国が、このように異常なほど日本への謝罪にこだわるのは、「過去志向」であって、
「未来志向」でない証拠でしょう。未来志向であれば、国内政治でも分裂より協力を選びます。過去志向であれば分裂しても損失はありません。だから、安心して争い功を競い合うのでしょう。
韓国のDNAは、過去志向です。英国の歴史家アーノルド・トインビーによれば、「狂信派」(ゼロット派)的行動様式です。未知に挑戦せず、既知の枠組へ逃げ込んでしまう文明スタイルです。だから、100年以上も昔の韓末的な政治行動を取っているのです。